俺はなんだってこんなところに   作:駄作

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26話 虫人形 3

「虫と人形のダブルパンチかよ!」

 

実際はトリプルパンチなのだが9階にいる大樹とポルナレフには知る由がない。

 

現れた人形もデーボがストレングスと同様に強化されていると大樹は思っていた。

 

『俺の【エボニーデビル】は恨みを力に変えて強くなれる!

まずはお前からだ大亜大樹!

切り裂いてやるよッーーー!』

 

「ぐぅ・・!」

 

動く事ができない!

バリアーだけでなく束縛の維持と虫の大群による視界の悪さが相俟ってどうしようもない。

 

どれかを解くと死ぬ!

 

詰んでる一歩手前だ。

 

「させねぇーっつってんだろぉ!チャリオッツ!」

 

『ぶぁかかァーッてめーは!おめーのスタンドは!

自分の目のとどかねえところで闘えるスタンドじゃあ、ねえだろーがぁ!』

 

剣を振り回すシルバーチャリオッツだがあちらも視界が悪くて虫を幾らか切るだけで不気味な人形にはかすりもしない。

人形は一旦、大樹から離れたがその様に嘲笑を上げる。

 

奴さんのペースに持ち込まれたのと侮れたな俺もポルナレフも。

 

『さすがの騎士も見えねえとスイカ割りもできねえみてえだなぁ・・・。

おめえ勘がッ!ドっにぶィゼィイイッ!ぶきィィィーッ』

 

「ちくしょぉぉぉおおお!てめーっ!

いいかげんにしろよ、この豆チビがァーッ!」

 

『ヘタッピィッ!』

 

挑発に乗ってしまっている為かシルバーチャリオッツの動きが荒く、振り回まされてる。

視覚の共有がスタンドと出来ないのもそうだろう。

 

人形にコケにされながら切り掛かれてシルバーチャリオッツやポルナレフの足が切られる!

人形が持ち出した剃刀は切れ味が鋭いらしい。

 

虫ごと裂いてるが群体型だから虫のスタンド使いのダメージの影響は少ないと思ったほうが良いな。

 

俺は風の動きで射程距離内なら大雑把に何かが居る位置、ストレングスの時のクセの把握を併用する事で動いてるのが解るが頭悪いから指示能力が無ければ伝えても相手のが行動が早い。

 

攻撃はガストオブウィンドが一点集中の単発だから射出するとそこからバリアーに穴が出来て虫に侵入される!

 

ウルフバインドはバリアーと違って個数制限がある。

バリアーを応用して弄っているものなので仕方ないかもしれない。

冷蔵庫を長らくの間に束縛中で纏わり出す数が現在出せる個数8個から4個に減る、この虫の大群の内から誤って捕まえかねない上でエボニーデビルの人形が虫を盾に使いそうで消耗を早めるだけ。

纏わり噛み付くのに若干のタイムラグがあるしなぁ。

 

そして、何よりもホテル室内でスピンは弾くと酒やら調度品やらでポルナレフと俺に危険だし、狭すぎて風でしか出来ない・・・。

 

 

 

八方塞がりってレベルじゃねぇぞ!

 

 

 

『けぇっへへへへへ!』

 

不気味な笑い声を上げながら人形はビンを割る音を部屋に鳴り響かせ、何かを撒く音が聞こえる。

何かを壊す音も。

 

まさか。

 

『これからおれは、この漏電しているヘアドライヤーでその濡れたところへどおおすると思うねぇー大樹にポルナレフゥ?

部屋を乾かしてやるんじゃねーぜッ!』

 

「くぅ・・・」

「ポルナレフ」

「・・!」

「いきなりで何を言ってるんだと思うかもしれないが俺に賭けてくれるか?」

 

恐らく自身で壊した漏電してるドライヤーを酒びたしの部屋に投げる為に天井に居るはず。

それも何かにぶら下がって!

 

風で感知できたがこの対処の仕方を前世で知っていてもガラスは虫のせいで役に立たない。

となれば方法は雑だが思いついた。

 

俺達は追い詰められ過ぎた・・・。

ポルナレフは乗ってくれるだろうか?

 

「・・お前さんとは出会って間も無いし、よくは知らねえ。

けど、このままアイツ等の好き勝手てのは心の底から気に入らねえっ!

何より俺は身動き出来ないお前を危険に巻き込んじまった!

賭けるぜ大樹!やってくれ」

「グッ・・メルシー、ポルナレフ」

 

『ギャハハてめぇーらは完全に詰んでいるんだよぉっ!

・・・死ね!感電してあの世へ行きな!うらみはらさでおくべきか。

・・・大樹!ポルナレフ!』

 

天井にぶら下がった人形はそのまま手に持ったものを放り投げる。

虫たちも身動きと視界を潰す最低限を残して天井に上がっているのが大樹には解る。

シルバーチャリオッツはじっと力を抜き、その時を待つ。

 

思わずベービー、いやボビーだったかな?

グッド!と言いそうになって誤魔化したが感謝の気持ちってのはこういうものなんだなポルナレフ。

 

ポルナレフの期待に答えるのとこの状況を切り抜ける事にやっこさん等をぶちのめなさないといけないと言う三つ同時にやらなきゃあいけない事態に陥るのがスターダストクルセイダースの辛い所だよなっ!

 

一つは俺が賭けでやったことだけどさ。

 

「ステッペンウルフ!【ウルフバインド】!」

 

束縛を掛ける対象、それは!

 

『馬鹿がッ!当たるかよ!』

 

三発、纏わりつく様に人形の傍に現れたそれは一発は人形に向かったが。

残りの二発は位置がズレている。

 

そのまま人形は天井で【振り子】の様に余裕綽綽で風の縛狼を回避した!

 

「動いたな・・?オラァッ!」

 

『へへっ!ナッ!?ギャッヒィイイイイッ!?!?』

 

「この感触は!?」

 

シルバーチャリオッツがその瞬間に落ちてくるドライヤーごと天井の人形の頭をレイピアで貫く!

人形は痛みに絶叫し、ポルナレフは手の感覚に驚きを覚える。

 

してやったりだぜ、これが!

 

『な、なぜ正確にッ!なぜ正確に俺の位置が解ったのだァーッ!?』

 

「俺のスタンド。

ステッペンウルフは射程距離内ならば風の動きで大雑把に対象の位置を把握して感じる事が出来るんだな、これが!

何よりお前は動きすぎたからな・・・。

一矢報いさせて貰った。

迂闊に身動き出来ない俺から確実に殺ってれば、まだわからなかっただろうよ」

 

位置を特定された事に叫びながらも問う人形に俺は淡々と答えた。

 

俺が賭けと同時に纏わり掛けた対象はシルバーチャリオッツの【レイピアを持った右手首】だ!

そのまま誘導してあげればご覧のとおりなんだなー、これが。

 

後のウルフバインドは牽制と【居場所を相手が動きで起こす風】で把握する為の撒き餌に過ぎない。

 

「今だポルナレフ!」

「・・!おう、メルシー大樹。

ホーラァッ!ホラホラホラホラホラホラァッ!」

 

『ギャッベ!ヒッ!?ギィイイイイイイッ!?!?』

 

ポルナレフに掛けたウルフバインドを解除する。

自身の周りの虫ごと視界の悪さに関係なく、そのままシルバーチャリオッツは人形にレイピアのラッシュを突き込んだ!

 

 

 

「まだ、終わってないぜ!」

 

そのまま俺自身の手の平を翳して集中する。

 

回転するイメージ。

 

そして。

 

「とっさに方法を思い付いてよかったぜ、これが。

悪い虫はホイホイしましょうねぇっ!」

 

室内の虫たちに対して大樹の手の平から発生する小型の竜巻に吸い込まれていく!

そのまま虫たちはウルフバインドを掛けられて何もできずに固まってしまい身動きが取れない。

 

掃除機で思いついたのをとっさにやってみたけど上手くいって良かったわ、これが。

失敗すれば俺達は死んでたしな。

 

「ポルナレフ!」

「あいよっ!」

 

手の平の虫の塊を差し出して、人形を突き飛ばしたシルバーチャリオッツは振り返りざまに何重に虫達を斬り裂いた!

 

形勢逆転だ!

 

「おいデーボ聞く事がある。

俺は両手とも右手の男を探している。

その男のスタンドの正体を喋ってもらおうか?」

 

『馬鹿か!スタンドの正体を人に見せる殺し屋はいねーぜ!

見せた時は相手か自分が死ぬ時だからよ!

てめーらのように皆に知られちまってるスタンド使いは弱点まで知れ渡っているぞォーッ!

唯一、例外は大亜大樹のスタンド能力を細かく把握出来ていれば俺がてめーらをぶっ殺していたぜぇーッ!』

 

ポルナレフの質問に弱った人形が答える。

 

ハーミットパープルなら応用で情報を引き出せるかと思ったけど筋金入りの暗殺者なこいつは把握する情報としない方がいい情報が解かってそうだから束縛する意味なかったかな?

 

でも、しないと余計に好き勝手やられてるか。

 

「よし、もう一度かかってこい!どうした?」

 

『へっ?』

 

ポルナレフの返答に困惑する人形。

 

あーそうか、用済みってことか。

殺しにかかって来たしな。

 

「てめーおれのタマキンをかみ切るとかいってたなあ、やってみろ!

この、ド低俗野郎が・・・おれはてめーの・・・」

 

『ぎ、ギィ・・ガルルルルーッ・・・』

 

構えるポルナレフとシルバーチャリオッツ。

壊れた体を引きずりながらも飛びかかる人形エボニーデビルに。

 

「そこ以外を斬り刻む!」

「ギャアアアアアアッー!?」

 

刻まれすぎて股間以外が消え去った人形に冷蔵庫から叫び声が聞こえる。

気のせいか液体が滴る音が聞こえるが冷蔵庫からは何も垂れてない。

 

決着は付いたけど・・・開けたくないな、これが。

と、とと・・・?

 

「・・・・・ふぅ」

「大樹!?」

 

倒れ込んだ大樹。

ステッペンウルフの能力は解除される。

ポルナレフは心配して叫ぶ。

 

連戦が重なった上でコレだもの・・・。

疲労・・・困憊・・・・です。

 

「おい、しっかりしろ!」

「もう・・スタンド・・エネ・・・切れた。

虫・・・使い・・・・まだ・・・・・・生きて」

「・・!」

 

ポルナレフに・・揺すられ・・・る中で何・・・・とか伝え・・・・・・たいこと・・・・・・・は伝え・・・・・・・・る。

 

「あと・・・・任せ・・・・・・・・・スヤァ・・・」

「よっぽど疲れていたんだな・・・。

よし、任せろ!その前にお前の安全を確保しないとな」

 

ポル・・・部屋出・・・・・・も・・・・・・・・眠・・・・・・・・・・・。

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