黒歴史自由帳   作:ゼロゼロ大神

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3話

「アスラン」

 

「ああ、ニコルか」

 

「隊長はなんて?」

 

『君の気持ちは分かる。――だが、聞き入れないときは?』

 

『――!……その時は……私が討ちます……』

 

「……いや、二度とこの様なことは無いように、と」

 

「そう、ですか。ごめんなさいアスラン、僕が援護出来ていれば……」

 

「いや、俺も頭に血が上り過ぎていた。……正直、まだ冷静になれていない気もする」

 

「冷静といえば、イザークの荒れようも酷かったですよ。3対1でいいようにあしらわれたって」

 

「戦闘映像を見せてもらったが、相手の動きにまだ余裕があったな」

 

「ええ、無駄に思えるような挙動もありましたし。本当に無駄な動きだったなら、そういう事なんでしょうね」

 

「ディアッカは?」

 

「イザークが横で荒れているせいか落ち着いていますが……やっぱり悔しいみたいです」

 

「だろうな。結局、4対2で挑んでこちらは全員中破以上、向こうはほぼ無傷だ」

 

「何が足りないでしょう……」

 

「経験、だろうな。特にあの謎の新型。まるでこっちの動きを読んでいるように感じた」

 

「ええ、それは僕らも感じました。まるで当たると知っているかのように当たり、避けると知っているかのように避ける」

 

「恐らく自分の機体を知り尽くしているんだろう。……少なくとも俺は、イージスを乗りこなしていたとは思えない」

 

「それは……僕もです。ミラージュコロイドがあるのに4対1だからとPS装甲を優先して。臆病なんですよ」

 

「キラは動きは素人臭かったが、自分の機体を使いこなしていた。あの新型に至ってはザフトでもエース級の実力だろう」

 

「……アスラン、イザークがシミュレータに乗っています。僕達も、行きましょう」

 

「……ああ」

 

(そうやって戦う術を磨いて……だが、俺はキラを討てるのか?いや、討てないといけない。いけない、はずなんだ……)

 

『緊急連絡、緊急連絡、アスラン・ザラは即時隊長室に出頭すること。緊急連絡――』

 

「あれ?さっき話してきたばかりなのに……なんでしょう?」

 

「さあ……とりあえず、行ってくる」

 

「あ、はい。また後で、アスラン」

 

 

 

 

 

 

「ラクスが……行方、不明?」

 

「乗っていたフネが撃墜されたらしく音信が途絶、消息不明になったと……」

 

「そんな……」

 

「くそっ!どうしてこんな時に、こんな事ばかり!」

 

「アスラン……」

 

「悪い、ニコル。暫く一人にしてくれないか……」

 

「…………はい」

 

(ラクス……恐らく、捜索隊が結成される。俺が入るかは分からないが、志願はしないとな……)

 

(そうなると、ストライクの追跡はどうなる?別の隊が向かうのか?もしそれで見知らぬ奴にキラがやられれば……)

 

(くそ、なんだっていうんだ、一体!…………俺は、どうすればいいんだ)

 

 

 

 

 

 

 

 

「エネルギー充填100%、照準固定」

 

「よーし、ブリューナク、ってぇー!」

 

「――――――――――これは、凄いな」

 

「ええ。連装陽電子砲2門による砲撃……ここまでとはね」

 

「低出力とはいえ計4発の陽電子砲、合計威力じゃローエングリンより上だなこれは」

 

「――再充填、完了」

 

「第二射、ってぇー!」

 

「早い!」

 

「アークエンジェルの数倍の充填速度か。動力出力の差だな、これは」

 

「それに砲数が多いからかしらね、綺麗に道が出来てるわ」

 

「なるほど、こりゃ確かにジャンク屋向きだな」

 

「艦長、このままのペースなら今日中にはデブリベルトを抜けられますね」

 

「そうね。そういえば、この辺りにはユニウスセブンがあったわね」

 

「ああ、そうだな。墓参りとか言ってる余裕は無いが、黙祷ぐらいはしとくか」

 

「あの、こんなに撃ってユニウスセブンに当たったりしないんでしょうか?」

 

「ん、あー流石にそれは……嫌だな」

 

「通信失礼します。ユニウスセブンですが、問題ありません。方向が違いますし、計算の上で砲撃を行なっています」

 

「へー、プログラムって割にその辺の機微も分かるんだな」

 

「いえ、これはライル様の指示です」

 

「こらこら言うなよ。ガラじゃないだろ」

 

(ライルさんって、そういう所は意外としっかりしてるわよね。流石大人って事なのかなあ)

 

「優先度Dで記憶します……レーダーに反応、MSです」

 

「低いなおい……出たか」

 

「MS!?……こちらのレーダーには反応無いわね」

 

「離れていますし、デブリ地帯ですので。当艦のレーダーは一部非接触通信技術を流用しており、デブリ帯でも高精度索敵が可能です」

 

「やっぱ流石ジャンク屋か」

 

「機数1、索敵機と推測します」

 

「状況は?」

 

「一時こちらに接近、現在は一直線にデブリ地帯から抜けようとしています」

 

「っつーことは見つかったのか!」

 

「そりゃまあこんだけバカスカ撃ってりゃねえ」

 

「言ってる場合じゃないぞライル。追撃部隊に連絡されたら面倒だ。どうする?」

 

「俺が出よう。デブリでの戦いは心得てる。シュヴァリエならジン如きに振り切られはしないよ」

 

「艦長、いかが致しますか」

 

「否はないわね。ここで足を止めるわけには行かないわ。出撃を要請します」

 

「りょーかい。エリス、後は頼んだぞ」

 

「はい、予定のコースを通りデブリベルトを突破します」

 

「潰したらすぐに追いつく。先に行っててくれ」

 

「ええ、宜しくね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、うわあああああああああああああっ!!!」

 

「ゴッドスピード……ってね。さて、帰るか。――――お?こりゃ……救命ポットか。真新しいな。信号も生きてる。回収するか」

 

 

 

 

 

 

 

「で、回収してきたと」

 

「こちらの独断で回収してきたんだ。開放作業はこちらで行おう。その方が何かあっても被害が少ない」

 

「ええ、お願いするわ。一応報告は上げてくれるかしら?」

 

「エリスに映像回線を開かせる。そっちでも確認してくれ」

 

「了解しました」

 

「さて、鬼が出るか蛇が出るか。出来ればシンデレラ辺りに出てきて欲しいもんだが……」

 

「――――ありがとう。御苦労様です」

 

「……マジでシンデレラか?これ」

 

「ライル様、冗談を言ってないで対応してください」

 

「ああ、おk。お嬢さん、ようこそ俺のフネへ」

 

「あら?ザフトの船ではないのですね」

 

「ああ、このフネはジャンク屋ウェヌスの旗艦だ。今は連合のフネと行動を共にしている」

 

「まあ、連合の……」

 

「所で、名前を聞いてもいいかな」

 

「あら、申し訳ありません、申し遅れました。私、ラクス・クラインと申します」

 

「……あー、やっぱ本物か」

 

「ええ、正真正銘本物ですわ」

 

「ここに居るって事は……ああ、ユニウスセブンの追悼式典か」

 

「あら、ご存知でしたの?」

 

「仕事ガラ、情報には敏いもので」

 

「私の乗っていたフネは、どうなりましたか?」

 

「君を救助した帰りに見つけたから調べたが……完膚なきまでに、撃墜されていたよ。助かったのは君一人だ」

 

「そう、ですの……」

 

「流石に連合のフネは居心地も悪かろう。一応このフネならNもCも無い。君の身柄はうちで預かろう。……いいですね?ラミアス大尉」

 

「そうね、クルーと衝突しても問題だし、手荒に扱うわけにもいかないわ。一応、形式上は連合の捕虜という事になるけれど」

 

「と、言う事だ。身の回りの世話は一人付ける。何かあればその者に申し付けてくれ。エリス、手配を頼む」

 

「はい、畏まりました」

 

「まあ、お気遣い頂いて、有難うございます。お優しいんですのね」

 

「ははは、悪いけど俺にはそういうのは通じないよ。女には慣れててね」

 

「?どういう、事ですの?」

 

(無自覚か、恐ろしいな。キラ辺りに会わせたらややこしいことになりそうだな)

 

「いや。ただ君は一人の歌姫のままでいればいい、とそれだけの事だよ」

 

「はあ。勿論、お歌を歌うのは好きですわ」

 

(なんともまあ、これで演技なら大したもんだな。ま、素かな。勘だけど)

 

 

 

 

 

 

「聞いたか?ライルさんとこにラクス・クラインが保護されてるって」

 

「ああ、俺そん時ブリッジ居たから見たよ。本物だった」

 

「マジか~。サイン貰えないかな」

 

「ちょっとトール?」

 

「いや、だって超レアじゃん」

 

「そりゃ……そうだけど」

 

「やめとけやめとけ。ありゃお前らには毒だ」

 

「え?ライルさん?」

 

「毒、ですか?」

 

「あの子、宗教家の素質あるよ」

 

「しゅ、宗教家!?」

 

「最初は狙ってやってるのかとも思ったけどな、ありゃ天然だ。天然で人心掌握ってのを心得てる」

 

「人心掌握、ですか?」

 

「言葉が、所作が、あらゆる一つ一つが酷く魅力的に見えて、人を虜にする。エリスに似てるが……ベクトルが別物だな」

 

「それは、いい事なんじゃないんですか?」

 

「ある程度はな。だがあの娘は強すぎる。アイドルとしては何も問題ない。あの魅了スキル全開で歌を歌えばそりゃ人気も出るだろ」

 

「なら、問題無いんじゃ?」

 

「大有りだ。アレが誰の娘か、忘れたのか?」

 

「あ……」

 

「恐らくハナからそういう目的でコーディネートしたんだろうな。たまに会ったり映像を見るぐらいなら素敵な人で済むかも知らん。

 だが、長時間一緒にいれば毒される。気がつけばドツボにハマって、彼女の言う事が正しく聞こえ、彼女を無条件で信頼する」

 

「うわあ……」

 

「ま、遠目に見る分にはいいアイドルだ。アイドルとしては最高といってもいい。……アイドル。つまり偶像。

 ヘタしたら、それが偶像崇拝に変わるってこった。熱心なファン程よく彼女の声を聞き、ライブに行き、毒される」

 

「だから宗教家、ですか?」

 

「例えば彼女が『ラクス教を立ち上げます。教義は平和。平和の妨げとなる者を打ち滅ぼしましょう』とでも言えば完成だ。

 狂信者が集まって、自爆特攻も辞さない私兵集団になるだろーな」

 

「マジ、ですか?」

 

「ま、アイドルやってるうちはいいだろ。けど今回ユニウスセブンの追悼式典行ったり襲撃されたりした。

 本人も思うことはあるだろうし、そもそも政治的パフォーマンスに片足突っ込んでる」

 

「それは…そうですね」

 

「あれが親の後継いで政治家にでもなったらと思うと末恐ろしくなるな。国が彼女の属国になる可能性すらある」

 

「な……」

 

「とまあ、あえてきつめに言ったが本人は自覚も無いいい子だ。応援したり仲良くする分には構わんだろ。

 だが、あまり入れ込みすぎるなよ、ってこった。特にキラ」

 

「え、な、なんで僕なんですか?」

 

「お前ああいうのに弱そうだからな。流されてナイト気取りで面倒事起こしそうだ」

 

「うぐ……」

 

「むしろ積極的に仲良くして、政治から切り離してやるのもいい。その方が恐らく彼女も幸せになれるだろう。

 あんな異能持ったまま政治家になんぞなったら、少なくとも彼女個人の幸せは遠のく」

 

「そんな……」

 

「ま、頭の片隅で気をつけてればころっと行く事もないだろうと思ってな。一応忠告しに来ただけだ。

 その上で彼女のためにーとか思えるんなら、それはそれでいいんじゃないか?」

 

「はあ」

 

「というわけで俺は艦長達と話してくる。相手がCだってのもあるしな。対応は今のうちに決めとけ」

 

「は、はい」

 

「――行っちゃったね」

 

「……なあ、どう思う?」

 

「少なくとも、ライルさんが今まで嘘を言ったことは無かったかな。冗談はよく言う人だけど」

 

「俺、ラクスの熱狂的ファンって人前見たんだけどさ。ライルさんが言った事、分かる気がする。ほんとに狂信者みたいだった」

 

「カズイも?私も見たこと有るよ。何の病気かと思ったわ」

 

「ミリアリアもか。こりゃ、丸っきり嘘や勘違いでもなさそうだな」

 

「ライルさんの勘恐ろしいぐらい当たるもんなあ」

 

「私、生活用品の替えは常に確認しとけよ、って言われて確認したらシャンプー切れてるのに気付いてなかったわ」

 

「プログラミング中にね、何かミスしてないかって聞かれたから確かめたらミスってた」

 

「そういや、艦をちょっと寄せろって言ったら元の進路上に飛来物が来た事あったね」

 

「格納庫でさ、止まれって言われたから止まったら上から部品落ちてきて。危うく当たるとこだった」

 

「……ライルさんの勘の方が異能だろ」

 

「確かに」

 

「まあ、良い人だよね。ユニウスセブンの事も気遣ってたし」

 

「真面目な話も変な話も出来るしね」

 

「くだらない事でも、ちゃんと対応してくれるよね。すっごくだらけながら」

 

「ああ、あるある」

 

「……信じる?」

 

「うーん、でも仲良くしてもいいって言ってたよね」

 

「分かった上で仲良くするのは私達の自由ってことかー」

 

「俺は……怖いかな。うん。直接会うのはやめとく」

 

「僕も……名指しで注意されちゃったしね。よく考えてからにする。その……アイリスの事も、あるし」

 

「カズイとキラはノーか。俺もフレイが嫌がるだろうからやめとくよ」

 

「トール、あんたはダメよ」

 

「えええ、そんな~ミリアリア~」

 

「私も我慢するから我慢しなさい」

 

「えー……サイン」

 

「ライルさんに頼めばいいじゃない。あの人はなんともないみたいだし」

 

「そういえば、なんとも無いんだよね。やっぱり大人だからかな?」

 

「あー、女性経験豊富そうだもんね、ライルさん。特に周り見てると」

 

「え、でもあの人達ってクローンなんでしょ?」

 

「それでも愛してるって、僕は聞いたよ」

 

「へえ、やっぱり素敵な人じゃない」

 

「み、ミリアリア?」

 

「あ、妬いてくれてるの?」

 

「え、えっと……うん」

 

「えへへ」

 

「……カズイです。最近周りの空気がうざいです」

 

「……さて、俺もフレイの所に行くか」

 

「……俺も彼女、欲しいな」

 

 

 

 

 

 

 

「服従遺伝子ねえ」

 

「俺の持ってる研究資料に散見されたものだ。研究自体はそれを利用して連合に協力的なコーディネーターを作るものだったが」

 

「それに作用している、と?」

 

「本人やコーディネートした奴が知ってるかは分からん。が、人を魅了する才能を遺伝子的に鍛えるとなれば……

 まあ、服従遺伝子と対になる遺伝子を操作する事になるんだろうな」

 

「で、服従遺伝子に作用することで圧倒的な魅了能力を手に入れている、と」

 

「恐らく大多数はアイドルや政治家にとって有用な、人を惹きつける遺伝子程度にしか思ってないだろうな」

 

「しかし彼女の親父はシーゲル・クライン議長、か」

 

「彼女が他の同じ種類のコーディネーターよりも遙かに強く調整されているのが、偶然とは思いがたいな」

 

「本人はそのことを?」

 

「知らんだろ。勘だが、あれは天然だ。議長の娘としてしっかり育てられ、その魅力と相まって凄い事になってる。

 逆に自覚しだしたらむしろ薄れるんじゃないか?だからシーゲル・クラインもそのまま政治家にせずアイドルにしたんだろう」

 

「純粋培養のまま、都合のいいプロパガンダに、か」

 

「あまり気分のいい話では無いわね」

 

「クルーには、敵国のトップの娘だからとかいう理由で接触を少なくするように言っておけば毒される心配も無いだろう。

 俺とかムウとかは平気だろうしな。要は女性経験の問題だ」

 

「じゃあ私達女性はどうなるの?」

 

「同性として見るから多少効果は薄まるだろうが、逆に言えば異性経験どうこうで緩和も出来ない」

 

「むしろ女性の方が危険ということね」

 

「流石に狂信者までいくのは大概男だろうがな。キラ達にも釘を刺しておいた。あの年頃にアレはキツすぎる」

 

「そう、本当によく考えてくれてるわ。有難う」

 

「しかし、そうなるとお前達の方は大丈夫なのか?」

 

「あれ、心配してくれてるんだ、ナタル少尉」

 

「う……いや、その、お前達には世話になっているからだな……」

 

「ははは、まあ、エリス達はプログラムだから効果無いしな。

 皆も注意はするべきだと思うが、警戒はしなくてもいいだろう。いい子だよ、あの子自身は」

 

「体が少し特殊なだけ、か。コーディネーターと敵対してる軍人のセリフじゃないがな」

 

「何より大事なのは周りよりも、彼女自身に変な気を起こさせないことかね。

 変な正義感や平和主義でも掲げて、己のエゴで権力や魅力を振りかざし始めたらアウトだ。ろくな事にならない」

 

「そりゃまあ確かに。分かった、俺達はこっち所属だからどうこうするのは難しいが、考えておくよ」

 

「ええ、出来ればこのまま何事も無く終わりたいものね」

 

「ま、そうは問屋も降ろすまい。落としたから報告が遅れているとはいえ、この辺で偵察機が撃墜されたのは気付くだろうしな」

 

「ああ、そっちの問題もあったか。山積みだねえ」

 

「ラクスは俺とエリスで適当にやっとく。たまには連れてくるからそん時は手伝ってくれ」

 

「りょーかい」

 

「ええ」

 

「ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「追撃が来るだろうとは思ったけど、このタイミングでXナンバーとはね」

 

「お姫様を探しに来たのかな?一度は完全に撒いたんだ。多分偶然だろう。クルーゼ歓喜だな」

 

「あ?面識あるのか?」

 

「一度やりあった。お互いジンでね。片足もぎ取ったらすぐ逃げられたけどな」

 

「おまえホント強いのな」

 

「ゲーマー舐めんな」

 

「いや、そういう問題じゃないだろ」

 

「冗談言ってないで速く出撃してちょうだい」

 

「「りょーかい」」

 

「うちの男どもは……」

 

「艦長、敵が来ています。後にして下さい」

 

「はあ。分かっているわ。総員!戦闘行動開始!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふ、どうだね、ここで脚付きを見つけるとは私も幸運の女神とやらに愛されているようじゃないか」

 

(いやいや、自信満々にアルテミスだ!つって外したのはどこの誰だよ)

 

「……なんだね副長」

 

「……いえ」

 

「ともかく、今回は私も出る。前回見たあの機動、見覚えがあるからな。今度こそ雪辱を果たしてみせるさ」

 

「はっ」

 

 

 

 

 

 

「キラ!」

 

「アスラン!」

 

「キラ、アスラン……だったか?あの赤いのはお前に任せる。後は任せろ」

 

「はい!」

 

「キラ、お前が敵になるというのなら、俺はお前を討つ!」

 

「アスラン……僕だって、ここで負けるわけには行かないんだっ!」

 

「布付きぃっ!今度こそ落とすッ!」

 

「ひゅー、熱くなってきたぜ」

 

「アスラン、待っていてください!直ぐに援護します!」

 

「おっとっと、こりゃ随分腕を上げてきたな。いや、慣れたのか。流石に今回は本気で行かせて貰うぞ!」

 

 

 

 

 

 

「――シュヴァリエ、ブリッツを攻撃!ミラージュコロイド解除されました!」

 

「あいつどんな勘してんだよ」

 

「カメラにもレーダーにも映らない敵を勘で狙うなんて……考えられないわね」

 

「で、俺は出なくていいのか?」

 

「ライル様曰く、後詰めだそうです」

 

「いやまあMS戦に出しゃばっても大差ないのは分からんでも無いが」

 

「……いえ、まだ本命が出てきていないからでしょう」

 

「本命?」

 

「――あっ!敵戦艦よりMSの発進を確認!識別……シグーです!」

 

「シグー!?ラウ・ル・クルーゼか!」

 

「フラガ大尉!」

 

「ああ!」

 

「カタパルト開放!メビウス・ゼロ、発進、どうぞ!」

 

「ムウ・ラ・フラガ、メビウス・ゼロ、出るぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

「アスラン!」

 

「キラアアアッ!」

 

「君が退かないって言うんなら!」

 

「お前が降りないって言うんなら!」

 

「「僕が君を(俺がお前を)討つ!」」

 

(くっ、距離を取ってもライフルで!)

 

(ちぃ、射撃はキラが上か!ならば多少無理をしてでも!)

 

(く、突っ込んできた!?だけど、格闘でだって!)

 

(ちぃ、これでも追いすがるかっ!だが……)

 

「そこだっ!」

 

「うあっ!?」

 

(ゼロ距離……取った!)

 

(っ!まだだ!)

 

(何!?この距離で直撃を躱すのか!)

 

(今だ!一気に攻める!)

 

(く、まだまだあっ!)

 

――パリーン――

 

「「!?」」

 

(何、この感覚?頭が酷く冴えて……クリアになっていく)

 

(なんだこの感覚は……分からない。だが、これならばまだ戦える!)

 

 

「キラァァァァァァッ!」

 

「アスラァァァァァン!」

 

 

 

 

 

 

 

「おーおー。なんだあの動き。なんか吹っ切れたか?っと、流石によそ見してる余裕は無いな!」

 

「くそ、このナチュラルがあっ!落ちろおっ!」

 

「見えてるんだよ!オラァッ!」

 

「ぐうううっ!」

 

「イザーク!」

 

「後ろを取ったからといって!」

 

「な、速いっ!くうっ!」

 

「ちい、なんで当たりゃしねえ!どんな回避能力してんだあいつ!」

 

「充電完了!行くぞ!」

 

「鞘を構えた!?まずい、またアレが来る!」

 

「転輪しろ!ガラ・ティーンッ!」

 

「加速したっ!?速い!だけどっ!」

 

「これが一の太刀ってなあッ!」

 

「くう、重い!それに速い!」

 

「貴様ああああッ!」

 

「後ろに意味はねえっつっってんだろッ!」

 

「くそ、コイツゥゥゥッ!」

 

「剣戟の極地、受けてみろ!そらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそらァッ!」

 

「ぐ、う、が、あああああああああッ!」

 

「イザーク!」

 

「マズイ、片腕やられたかっ!イザーク下がれ!」

 

「おのれぇぇぇぇッ!やられてたまるかァァァァァッ!」

 

「くっ、僕も挟撃を掛けます、ディアッカ援護を!」

 

「やってるっつーの!」

 

「まだまだァッ!羽虫どもが、止まって見えるわァッ!」

 

「くそ、なんなんだコイツッ!」

 

「っ!見えた、そこだッ!」

 

「なっ!?また抜き打ち!?くそッ!」

 

「ディアッカ!良かった躱し……『ぐああああああッ!』……アスランっ!?」

 

「へっ、グゥレイト、ってな」

 

 

 

 

 

 

 

「く、キラァ!」

 

「アスラン!」

 

「まだだ、まだ見える!俺は負けない!」

 

「僕だって、見えるんだ!負けられないんだ!」

 

「そうか!お前にもこれが見えるんだなッ!キラ!」

 

「君にも見えているのか!アスラン!」

 

「なぜだ!同じ物をみて何故お前は!」

 

「君が!君たちが!」

 

「キラァァァァ!」

 

「アァァァァスラァァァァンッ!」

 

「く、まだだっ!はあっ!」

 

「くう、まずい、エネルギーが!」

 

「動きが鈍ったな、そこだっ!」

 

「しまったっ!?」

 

「これで……っ!?熱源警告!?くそっ!」

 

「ビーム!?ライルさんか!今だ!」

 

「ぐあ、まずいっ!」

 

「そこだああああああああああああッ!」

 

「う、ぐあああああああああああッ!」

 

「やった!……アスラン!」

 

「く、下半身を持っていかれたのかっ!だがっ!」

 

「うわっ!?エールパックが!」

 

「ふ、油断したなキラ」

 

「アスラン……」

 

「アスラン、下がりたまえ、援護する」

 

「キラ、大丈夫か?」

 

「クルーゼ隊長!了解しました!」

 

「ライルさん!他の敵は?」

 

「退いたよ。こっちも退くぞ、お前もうエネルギーマズイだろ」

 

「う……はい」

 

「クルーゼが来たな。アレは俺に任せろ。こちらも心もとないが……殿ぐらいはやってみせる」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

「ちっ、抜かれるとは不甲斐ねえ!」

 

「ふ、引き際を見誤る程愚かではないつもりなのでね」

 

「ムウ、キラを頼む」

 

「おい、いいのか?」

 

「ああ、こいつとは久々の再会だからな。多少心もとないが、やらせてくれよ」

 

「……わかった」

 

「……いいのかな?」

 

「ふん、どうせドローだ。お前も最後まで付き合う気はないんだろ?」

 

「当然だ」

 

「なら、最後に一曲踊って貰おうか。3分48秒……少々短いが、ラスト・ダンスだ!」

 

「いいだろう!ラウ・ル・クルーゼ、いざ!」

 

「ライル・ブリックス、参る!」

 

 

 

 

 

 

 

「おー、かっこいー」

 

「オイコラ」

 

「いや、だって俺らもうすることない……」

 

「だからといって気を抜く奴があるか!」

 

「す、すいません!」

 

「とはいえ、彼のサポートはエリスさんの担当だし、既にお互い撤退。警戒レベルは下げても良さそうね」

 

「……そうですね。フラガ大尉とヤマト少尉も帰還しました。配備ランクを下げましょう」

 

「第二戦闘配備へ引き下げ!」

 

「総員、第二戦闘配備へ引き下げ。総員、第二戦闘配備へ引き下げ。戦闘は終了しました。お疲れ様です」

 

「はー、終わったー」

 

「今回も何とか生き残ったね」

 

「毎度毎度この瞬間は気が抜けるな……」

 

「お前達!まだ第二戦闘配備だ!敵が目と鼻の先なのだぞ!しゃきっとしろ!」

 

「「「は、はい!」」」

 

「全く……」

 

「まあ、そう言うなよ」

 

「フラガ大尉」

 

「あいつら、どうなった?」

 

「……丁度決着が着くようですよ」

 

 

 

 

「くう、はあああああっ!」

 

「見切った!」

 

「なんだとっ!?」

 

「終わりだ!チェェェェストオオオオオオッ!」

 

「ぬ、ぐあああああああああっ!」

 

「……っち、エネルギー切れか」

 

「くう、完膚なきまでにしてやられたな。私としたことが熱くなりすぎたか」

 

「ふん、去れ。次こそ落としてくれる」

 

「ふ、よかろう。ここで止めを刺しそこねたこと、後悔させてくれる」

 

 

 

 

 

 

「戦闘、完全に終了。敵機及び敵艦の撤退を確認しました。レーダーから外れます」

 

「シュヴァリエ、帰還体勢に入りました。コンテナ開放、着艦用意。お疲れ様です、ライル様」

 

「ああ、お互いにな」

 

「不謹慎だけど、やっぱライルさんの戦闘ってかっこいいよなー」

 

「剣捌きとかビームの抜き打ちとかな」

 

「ストライクと違ってポージングがないから、息つく暇もない攻防、って感じなんだよな」

 

「撃墜した後の剣を仕舞う仕草もカッコイイよね。マント翻してさ」

 

「ナチュラルであれだけやれるなんて凄いけど、流石に真似できねえよなあ」

 

「同感」

 

「ははは、嬉しいこと言ってくれるじゃないの。何なら今までの戦闘映像見るか?」

 

「え、いいんですか!?」

 

「あ?なんだ、ほんとに見たいのか?いいぞ。こっちに来れば見せてやる」

 

「あー……えっと、その……艦長?」

 

「ふふ、ええ、いいわよ」

 

「艦長!」

 

「ナタル、構わないわ。映画を見るのと変わらないし、損も無いでしょう?もう戦闘は終わったんだから」

 

「別にいま直ぐ来いつってんじゃない。あとで暇になったら来い」

 

「はい!」

 

「俺も見てみるか」

 

「映像って、どんなのがあるんですか?」

 

「ん?クルーゼと戦った時とかの実戦映像から、シミュレーターでの映像まで色々あるぞ。

 ゲーム機も兼ねてるからな。リアルじゃあり得ないようなものもある」

 

「あ、それちょっと見てみたいかも……」

 

「……戦術記録なんかもあるのかしら?」

 

「ん?ああ、当然あるな。エリスに学習させるのによく使ったからな。今でもたまにやるし」

 

「私も見せてもらっていいかしら?」

 

「か、艦長……」

 

「これは私達にとっても有益な事よ?私、艦長経験皆無だもの」

 

「それは……そうですが」

 

「えらく大所帯だな。全員こっち来るってわけにもいかんだろうし……そっちに設備持ち込んでいいならそっちでやるが」

 

「構いませんが……どのような?」

 

「見るのはゴーグル型の投影ディスプレイだ。あとその制御用機械。データはここから直接非接触回線で送るからそれだけでいい」

 

「それでしたら構いません。持ち込みを許可します。場所は……」

 

「ミーティングルームじゃちょっとお固いな。長時間見るなら飲み物や食い物も欲しいだろ。食堂でどうだ?」

 

「ゴーグル型なら場所も選びませんね。分かりました、手配しておきます」

 

「こっちからも何か食いもん持っていくよ。見たい奴集めといてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

「うわー、すっげーリアル。宇宙に浮いてるみてえ」

 

「こ、これは……なんとういか、足元が不安になるな」

 

「ナタル、こういうの苦手なの?」

 

「う、い、いえ、そのような事はありません」

 

「無理すんなよ。しかしリアルだな。ゴーグル型だからどこ向いても宇宙だ」

 

「しかも向く方向変えればちゃんと映像も変わるんですね」

 

「センサーで視点方向を感知していますので。欲しい物があれば申し上げて頂ければドール達がお取りします」

 

「即席だからちょっと手間だけど、我慢してくれ。……というか、数ギリギリだったな」

 

「もう少しで予備のパーツから組み立てなければならない所でした」

 

「そんなに見たいのか?」

 

「そりゃあもう」

 

「つい数時間前まで戦闘してたってのに、ようやるわ。さて、それじゃショーの始まりだ」

 

 

 

 

 

 

 

「うわー……すげえ」

 

「ぎゃーこっち来た!?」

 

「トールうるさい」

 

「へえ、こりゃすげえな。丸で本物じゃねえか」

 

「う、あ、え、う」

 

「ナタル、大丈夫?」

 

「は、はい。だ、大丈夫、です」

 

「うっわー、何あの動き」

 

「ゲッター軌道だな」

 

「ゲッター?」

 

「旧日本の古いアニメだ」

 

「へー」

 

「いや、実際にあんな動きしたら死ぬだろ」

 

「そりゃまあゲームだし。そこら辺は大丈夫って設定。それでもすっごい揺れるけどな。Gも酷い」

 

「あ、やっぱり」

 

「つーかかすりもしないってどうなんだ。俺なんて敵も味方も目で追うのがやっとだぞ」

 

「乗ってる分にはまだマシなんだよ。コックピット視点見たい奴居るか?酔いやすい奴はアウトな……おk、切り替えるぞ」

 

「げえっ!?」

 

「うわー」

 

「凄いわね、これ」

 

「いやいやいや、どこがマシだよ余計無茶苦茶だっつーの」

 

「ゲーマーからすると割りと普通なんだがな……」

 

「謝れ。全宇宙のゲーマーに謝れ」

 

「けど、なんか楽しいなこれ」

 

「お、分かるか?まあ実際はここまで素直に動いちゃくれないんだけどな。そこはほら、ご都合主義だ」

 

「身も蓋も無いな」

 

「さて、戻すぞ。次は艦長達が見たがってた戦術中心だ。派手だから興味ないやつでも楽しめるだろ。休憩したい奴はしとけー」

 

「映像、切り替えます」

 

「ほう……」

 

「へえ、これは……」

 

「上が各戦闘領域、下がCICの戦闘推移表示だ。システムや表示型式はうちのフネと同様のものを使ってる」

 

「更新が早いな。情報も正確だ」

 

「シミュレータだからってのもあるが、これぐらいならうちのフネの電子戦設備ならやれる。特化型だからな。

 アークエンジェルで考えるなら多少頭の中で補正かけたほうがいい」

 

「これは……」

 

「互いの作戦意図の注釈は一番下に出る。やってる時に考えてた事を後から付け足してるんだな」

 

「何度も見返したり、データとして集積しているということか。大したものだな」

 

「いつもこんな事してるんですか?」

 

「最近は数日に1回、暇な時にだけどな。エリスが出来立ての頃は毎日どころか3日ぶっ続けでやったことあったな」

 

「お手数をお掛けしました」

 

「育てるの楽しかったからなー。今じゃ大分纏まってるけど、最初は言葉を覚えるとこからだったもんな」

 

「へえ、本当に子育てみたい」

 

「大差無いさ」

 

「これは……そんな意図で」

 

「これは凄いな。これはいつのものなんだ?」

 

「5年程前。エリスが出来て1年ぐらいの、総合テストの時だな。完成度を図るために総合演習を行った時のものだ」

 

「ということは、今はこれより?」

 

「人間と違って無数に集積した情報を的確に処理出来るから。5年も経てば段違いだ。当然、一緒に対戦してきた俺もな」

 

「なるほど、ライルさんの的確な判断や予測の大本にはこういった長年の努力もあったんですね」

 

「……そういう言い方されると、ガラじゃないんだけどなあ」

 

「ライル様、気持ち悪いので照れないでください」

 

「お前いつにも増して毒舌だなおい!?」

 

「この時の屈辱を思い出してしまいまして」

 

「あ、ライルさん勝ったんだ」

 

「コンピュータに勝つって凄いよね」

 

「今はもう流石に勝てないけどな。というかお前屈辱なんて感情無いだろうに」

 

「では、八つ当たりということで」

 

「おい」

 

「というか、無いんですか?似たようなこと何度か聞きましたけど」

 

「いや、情報としては集積してるが人間じみてるったってあくまでプログラムだからな。不要な感情の発露はしないんだよ。

 ちょっとはあった方が面白みがあるんだが、こいつ自分で自制してるからな」

 

「あれ?この性格ってライルさんが組んだんじゃないんですか?」

 

「いや、アイリスとかミネアとか、他のドールは組んだけどエリスは完全自己進化だ。

 おかげでなんか物凄い至上主義になっちまって」

 

「ライル様の存在が私の全てですから」

 

「愛されてるねえ」

 

「ああ、ほんとにな。さて、そろそろ終わりかな。次の映像行くぞー」

 

 

 

 

 

 

「ガンダムが隕石を押し返してる!?」

 

「きれー」

 

「うわ、なんだこの赤い花。殺人兵器ばらまきやがった」

 

「すげー、分身してる」

 

「れでぃいいいいいいっ!」

 

「ごおおおおおおおおおっ!」

 

「絶好調である!」

 

「え、ちがう」

 

「うわー、なんつう砲撃」

 

「へー、月からエネルギー送信してるんだ」

 

「お前を殺すって本気かと思った」

 

「天井だけ吹き飛ばすってどんなだよ」

 

「アーアアー」

 

「この炭酸不死身かよおい」

 

「なに、これ。随分と醜悪なバケモノが敵がなのね」

 

「な、世界の殆どが陥落!?よくヨコハマを取り返せたものだな」

 

「うわー、銀河の中心に殴りこむとか」

 

「敵多いな!?スケールでけー」

 

「近くて遠い世界、か」

 

「戦いによる進化……認めるわけにはいかないな」

 

「うわ、魔法だ!魔法使ってる!」

 

「勇者なにもんだよ。何で塔のてっぺんから落ちて無傷なんだよ」

 

「いや、問題はその勇者を傷つけられるモンスターだろ」

 

 

 

 

「……なんかハマってるんですけどこいつら」

 

「オタク文化恐るべし、ということですね。重要度Aで記憶します」

 

「いやしなくていいいから。つーか高いなおい」

 

「それで、どう収拾されますか?」

 

「あー……まあ、どうせこんなとこじゃ娯楽に乏しいだろ。思う存分楽しませてやれ」

 

「はい、畏まりました」

 

 

 

 

 

 

 

「ファーストだろ」

 

「ばっかゼータだっつーの」

 

「いやいやここはXを推すね」

 

「ディアナ様最高」

 

「僕はダブルオーかな」

 

「まったく男どもは……」

 

「意外。サイがああいうのにハマるなんて」

 

「臨場感凄かったわよね。フレイこそどうなの?」

 

「私は……凄いとは思ったけど、素直に楽しめなかったかな。パパが連合軍だから」

 

「あー、そっか」

 

「でも……ふうん、サイも可愛い所あるんだ」

 

「とりあえずトールは後でしばくわ。何がディアナ様よー」

 

「あら……随分と楽しそうですのね」

 

「え?」

 

「へ?ら、ラクス・クライン!?本物!?」

 

「え?うわ、マジだ!」

 

「生で見たの初めて」

 

「僕も」

 

「ふふふ、皆さん、初めまして。ラクス・クラインと申します。よろしくお願いしますね」

 

(((あー……ライルさんの言ってたこと、ちょっと分かったかも)))

 

「ちょ、ちょっと!なんでコーディネーターがこんな所に居るのよ!」

 

「俺が連れてきたんだよ」

 

「あ、ライルさん」

 

「連れてきたって、なんで!?」

 

「艦長達に会わせるためにな。で、その前にお前らにも一度会わせとこうって思ってな」

 

「だからって……コーディネーターなのよ!?何かあったらどうするの!?」

 

「フレイ!」

 

「あ……キラは違うのよ?キラは私達を守ってくれてるんだから。でも、やっぱり怖いじゃない……」

 

「ま、心配すんな。いくらコーディネーターつったって訓練受けてない民間人が俺に勝てるかよ」

 

「あはは、ライルさん強いですもんね」

 

「生身でも強いんですか?」

 

「流石に年端もいかない少女に負けてるようじゃMS乗ってらんないって」

 

「そりゃそうか」

 

「まあ、嫌なやつも居るかも知れんが我慢してくれ。必要な事だしな。彼女がこっちに来る時は俺がついてるから心配は無い」

 

「う……わ、分かったわよ」

 

「で、どうだお前ら。第一印象は」

 

「えっと……なんていうか……」

 

「やっぱ、綺麗、だよな」

 

「ふふふ、有難うございます」

 

「キラはどうだー?」

 

「ええ!?えっと、綺麗だと、思います?」

 

「なんで疑問形なんだよ」

 

「しょうがないわよ。だってキラはほら」

 

「あ、そっか。アイリス居るもんな」

 

「え、いや、その、そういうんじゃ……」

 

「違うのですか?」

 

「あ、アイリス!?あう、えっとそのぉ……」

 

「ふふふ、冗談です。私は好きですよ、キラさん」

 

「あう……」

 

「ひゅーひゅー」

 

「ちょっと、なあに、あれ」

 

「あれ?ああ、知らないんだっけ。パイロットに一人ずつサポートが着くことになってね。

 アイリスさんはキラのパートナー。仲いいのよ」

 

「ふーん」

 

「ふふふ、羨ましいですわ。私もアスランと……」

 

「えっ!?」

 

「おっと、その話はまた後だ。そろそろ艦長のとこ行くぞ。キラ、ついでだからお前も来い。アイリスもな」

 

「あ、はい!」

 

「ええ、勿論。キラさんのお傍に」

 

「えう……」

 

「あはははは」

 

 

 

 

 

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