黒歴史自由帳   作:ゼロゼロ大神

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二之巻『うずまきナルト!!』だってばよ!

二之巻『うずまきナルト!!』だってばよ!

 

 

 

おっす!オレはうずまきナルト!

忍者アカデミーに通う10歳の忍者見習いだってばよ!

今はアカデミーが終わって、これから修行しに行く所なんだ。

 

『相変わらずナルトは忍術の才能あらへんねえ。まあ半分はボクのせいなんやけど』

 

「うっせー!分身使えなくても影分身使えりゃ問題無いってばよ!」

 

今ムカツク事言ったのが狐珀(コハク)っていう九尾の妖狐。

コハクは10年ぐらい前に悪い妖狐に取り憑かれて暴れまわって、オレの中に封印されたんだってばよ。

5歳ぐらいん時に声が聞こえてから、いっつもこうやってオレと喋ってるんだ。

封印される前にコハクは元に戻って、オレの父ちゃんと母ちゃんを助けてくれたんだってばよ。

 

『ナルトは才能はあらへんけど、その分根性は大したもんや。努力の人やな』

 

「へへっ、オレってばすげーからな!」

 

コハクはオレの父ちゃんは火影って言う里で一番の忍者で、母ちゃんもすげー忍者だったって言ってた。

けどオレはあんまり忍術の才能が無くて、普通の忍術は苦手なんだってばよ。

コハクが言うには、コハクの力が大きすぎてオレが自分自身のチャクラを上手く掴めないんだって言ってた。

それでもコハクはチャクラの練り方から体の動かし方まで、細かいとこまで色々教えてくれたんだ。

オレもいっぱいいっぱい頑張って、沢山忍術を覚えたんだってばよ。

才能がないってのは悔しいけど、頑張ったのを褒めてもらうのはすっげー嬉しい。

それにオレには忍術の修行を頑張る理由があるんだってばよ!

 

『ほな修行始めるで。口寄せさえ出来るようになれば、あとはどうとでもなるさかいな』

 

「おう!頑張って早くコハクを自由にして、父ちゃんと母ちゃんも生き返らすってばよ!」

 

今オレの中にはコハクの他に、オレの父ちゃんと母ちゃんの魂が入ってるんだってばよ。

オレの中の封印は結構緩んでるらしくて、

コハクの力の一部と父ちゃんと母ちゃんの魂ぐらいなら外に出せるらしいんだ。

だからオレが頑張ってコハクを口寄せして、父ちゃんと母ちゃんの魂も外に出してやるんだ。

コハクが外に出られれば、忍術と妖術を使って二人の体を用意出来るらしいから、

あとは二人の魂を入れれば生き返れるって言ってた。

父ちゃんと母ちゃんと一緒に暮らせるってのは楽しみだし、

コハクも自由にしてやりたいからいっぱい頑張るってばよ!

 

『あくまで一部やさかい、自由とまでは行かへんよ。せやから認めてくれたんやろうけどな』

 

「あー、父ちゃんも母ちゃんも最初すっげー怖かったもんなー」

 

最初二人がコハクと会った時はすっげー警戒してて、横にいるオレまで怖かったんだってばよ。

オレはコハクと仲が良かったし、いっつも見守ってくれてたから、何で怒ってるのか分からなかったんだ。

話していくうちに二人とも認めてくれたみたいだけどな。

それにコハクはこんな事言ってるけど、オレは二人ともコハクのこと認めてると思う。

暴れてたのはコハクの意思じゃなかったらしいし、

いっつもオレを見守ってくれて、困ったり危ない時は助けてくれるんだ。

こうやって修行もいっぱいつけてくれるし、周りの皆が嫌な目で見てきてもコハクだけはオレの味方なんだ。

だからオレはコハクが大好きだし、父ちゃんも母ちゃんもコハクの事を認めてると思うんだってばよ。

けどさ、コハクは暴れまわったのを気にしてるみたいで、そのせいでオレが辛い思いをしてると思ってる。

だから!オレは将来火影になるんだ!火影になって、コハクの事を里の皆に認めさせてやるんだってばよ!

 

『…ありがとうな、ナルト』

 

「んー?何か言ったってばよ?」

 

『何でもあらへんよ。まだまだこれからやで。頑張りや』

 

「おう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『よし、材料は全部揃うたな。後は口寄せだけや』

 

「よっしゃ!任せるってばよ!」

 

ナルトの11歳の誕生日まであと1週間ほどとなった日。

俺達はいつも修行を行なっている木の葉の里近くの森へ来ていた。

足元には様々な物品が雑多に並べられており、その下の地面には巨大な陣が描かれている。

その陣の前に立ったナルトは素早く口寄せの印を結ぶ。

チャクラの練り、印を結ぶ速さ共にかなりのものだ。

幼い頃からの英才教育と本人の類まれなる努力の甲斐あって、既に上位の下忍並の速度と精度に達している。

ナルトの忍術への才能の低さは俺の力によってナルト自身のチャクラの制御が阻害されていた事による。

そのためチャクラ制御と結印の修行にはかなりの時間を割いて来た。

それは今日この日に決して失敗しないためでもある。

俺がかなり抵抗した事や時間による劣化などによって封印が緩んでいた事もあり、俺は無事に口寄せに成功した。

 

「ああ、この感じ。久しぶりやなぁ…」

 

現世へと呼び出された俺は久々の現世の空気を全身で感じる。

木々は葉音をかなで、小鳥達はさえずり合う。

妖狐の耳は遠くの小川のせせらぎを捉え、華やかな森の香りが鼻孔をくすぐる。

肌を撫ぜる風は心地よく、俺は久々に感じる世界の素晴らしさに感動すら覚えた。

 

「コハク…」

 

幼いなりに俺の感動を察したのか、急かそうとした言葉を引っ込めるナルト。

それを受けた俺は取り敢えず感動を横に置き、二人の魂の口寄せに取り掛かる事にする。

俺という巨大な存在を零した封印は二人分の魂など少しの抵抗も無く素通し、

二人の魂から写しとった身体の構成情報に沿って二人分の肉体を構成していく。

 

「………『浄土新生』」

 

―ボボンッ―

 

俺が口寄せされた時にも鳴った軽快な音が今度は二つ連続する。

緊張した面持ちでナルトが見つめる中、徐々に煙が晴れていく。

果たしてそこに居たのは、俺が以前に見た時と同じ、しかしそれより遙かに健康そうな、ナルトの両親だった。

 

「ナルト…久しぶり」

 

「会いたかったってばね…ナルト」

 

「っ、父ちゃん!母ちゃん!」

 

優しい笑顔を浮かべた二人に、ナルトは一も二もなく飛びついた。

母に抱きしめられ、父に頭を撫でられながら目尻に涙を浮かべるその姿は、

俺が前世で両親を失ってから長らく感じていなかった、家族というものを改めて教えてくれたようだ。

親子の感動の再会を邪魔するべきではないと数歩下がった俺の耳は、

しかしそこに予期せぬ第三者が居ることを捉えてしまう。

 

―パキッ―

 

「っ、誰だっ!」

 

小枝を踏みしめる音が聞こえた瞬間、俺は慌てて声を上げた。

その声を聞いたミナトとクシナは、ナルトの携行していたクナイを抜き取って構えた。

その長年のブランクを感じさせぬ動きに頼もしさを感じると同時、俺は自身の間抜けさに内心で舌打ちする。

 

(ちっ、失敗やなぁ…術に集中するために結界解いたんがあかんかったか…)

 

俺はいざとなれば目撃者の始末も考えながら、音の発生源に目を向ける。

しかしそこに現れたのはある意味では納得であり、しかし確実に予想外の人物だった。

 

「まさか…ミナト、か?」

 

「猿飛先生!?」

 

そこに居たのはかの三代目火影、猿飛ヒルゼンその人だったのだ。

 

 

 

 

 

 

「そうか、そのような事が…」

 

「今まで黙ってて悪かったってばよ」

 

「よい。事の重大さを鑑みれば致し方なかろう」

 

取り敢えずひと通りの説明を終えた俺は猿飛サンのその言葉にほっとする。

どうやら危険は無いと判断したようで、荒事にならずに済みそうだ。

本来の力の10分の1も使えないこの状態で火影を相手にするなど考えたくもない。

猿飛サン曰く、ナルトが木の葉の外に足しげく通っているという報告を受けて心配していたらしい。

人避けの結界によって見つかる事は無かったようだが、

時折虚空に向かって声を上げることもあって精神を病んでいるのでは無いかと気が気では無かったらしい。

今日は何やら大荷物を持って出掛けたという報告を受け、心配になって様子を見に来たとのことだ。

我ながら詰めが甘いというかなんというか。

 

「しかし、十尾に六道仙人、うちはマダラか…」

 

俺については取り敢えず、

六道仙人が十尾を分けた際、九尾の依代として選んだのが元々の俺であり、

九尾の人格が形成されてからは意識を封じられていた。

うちはマダラにより強制的に暴走させられた九尾の人格が、

術の解除の反動と屍鬼封尽によって消え去り、眠っていた俺の人格が目覚めた。

俺自身はただの妖狐であり、木の葉の人達を傷つける意思は無い。

といった風に説明した。流石に転生しましたなんて言える訳が無いので依代のあたりだけでっちあげたのだ。

 

「少し気になる部分もあるが、二人も本物のようじゃ。信用しよう。しかし問題はこれからじゃな…」

 

そう。ただ二人が生き返っただけなら、こっそりとナルトと一緒に暮らせばいい。

しかし仮にも火影にバレてしまった以上そうは行かない。

それに猿飛サンは俺の処遇も考えているようだ。

 

「猿飛サン、ボクはこのまま穏便に封印ゆうわけにはいきませんか」

 

「そうはいかん。お主がもはや邪悪でないというなら封印する理由が無い」

 

それは黙っていればいい話な気もするのだが…

まあ、原作でも甘い甘い言われてた人だ。

申し訳ない、という風に思ってくれているのかも知れない。

 

「そない言いましてもボクが暴れたんは事実ですさかい…」

 

「いいや、お主の意思で無かったのならその非は操った者にある。それにその者の事も調べねばならん」

 

どうやら猿飛サンは情だけで言っている訳ではないようだ。

確かに俺を操っていたうちはマダラについて本格的に調べさせるには俺の真実は必要であるし、

ミナト達が生き返った経緯の説明や本物であるとの証明のためにも必要だろう。

何にしてもこうして見つかってしまった以上、放っておくという事は出来ないらしい。

となれば俺にとっての選択肢は一つしかない。

 

「そんならボクも忍者に。フリーセルでも構いませんさかい」

 

「ふむ、お主からそう言ってくれるなら断る理由は無いが…良いのか?」

 

猿飛サンとしては元々忍者として目の届く所に置くつもりだったのだろう。

九尾の戦闘力は戦力として有効で、事情を知った忍者と組ませれば監視にもなる。

それに俺自身、そう選択肢は多くないのだ。

こちらの世界に生活基盤を持たず、戦闘面以外の能力は仕事を選べる程ではない。

俺自身此処10年でナルトに感情移入している事もあり、見守りたいと思っている。

 

「まあそんなわけなんで、よろしゅうたのんますわ」

 

「ふむ、心得た。ミナト達はどうする?」

 

「私はナルトの母ですから、子育てに集中したいですね」

 

「オレは忍者に戻ろうと思います。稼がないといけませんし、二人を守りたいですから」

 

「あいわかった。雑事は全てワシに任せい」

 

その猿飛サンの頼もしい言葉を聞いたオレは、口寄せの限界を告げてナルトの中に戻った。

やはり封印を無理やり抜けだすのは長くて数時間が限度のようだ。

今後はこれらの調整も必要になるだろう。

そんな事を思考しながら、オレは一先ず眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

おっす!ナルトだってばよ。

コハクは時間だつって寝ちまったけど、父ちゃんは気を利かせてくれたんだろうって言ってた。

母ちゃんが家族水入らずだものねって言ってて、

言葉の意味はよく分かんないけど、なんかすっげー嬉しくなったってばよ。

で、爺ちゃんが帰った後はオレ達三人で里を歩いて帰ったんだ。

途中母ちゃんが甘味処を見てお金がない事に落ち込んだり、

父ちゃんが昔は美人だった人が年食ってるって言って母ちゃんにしばかれたり、

騒がしかったけどすっげー楽しかった。こんな楽しいのははじめてだってばよ。

それと、オレが父ちゃんと母ちゃんと手繋いで歩いてるのを珍しそうに見てくる人が結構居た。

何時もの嫌な目で見てくる人は、母ちゃんがすっげー睨んでて、そんな母ちゃんを見てなぜか父ちゃんがビビってたってばよ。

オレってばこんな楽しいの初めてで、これがコハクの言ってたシアワセって奴なのかなーなんて思ったんだ。

でもオレってば馬鹿だから難しいことは分かんなくて、

けどこんな風に二人を生き返らせてくれたコハクは、絶対皆に認めさせてやるって改めて決めたってばよ。

 

「そっか。そうだな、コハクにはちゃんとお礼しないとな」

 

「そうね。でもナルトはミナトと私の子なんだもの。頑張ればきっとなれるわよ」

 

「へへっ、そっか、そうだよな!なんたってオレってば二人の子供だもんね!」

 

「そういえば、確かコハクの予言では卒業試験に落ちる可能性があるんだったな」

 

うぐっ、楽しい話をしてたと思ったら何時の間にか嫌な話になってたってばよ。

コハクは昔に予言?予知?ってのを見たことがあるらしくて、

そこで俺が関わる事件なんかを色々知ったらしいんだ。

途中で途切れてるし、その通りになるかは分からないんだけど、

その予言ではアカデミーの卒業試験の内容が分身の術だって言ってたんだ。

俺ってば影分身は得意なんだけど普通の分身は苦手だから、落ちるかも、って言われてたんだけど…

 

「な、なんで父ちゃんがそんな事知ってるんだってばよ!?」

 

「前にコハクから聞いたのよ。それよりナルト、まさか私達の子が卒業試験に落ちたりなんかしないわよね?」

 

「大丈夫だよクシナ。オレがナルトに指導してあげるからね」

 

「あ、ずるいってばね。…ごほん。私も参加するわ」

 

「え?いや、あのー…父ちゃん?母ちゃん?」

 

オレに向かってすっごくいい笑顔を向けてくれる二人だけど、

何故かオレはその時すっごく嫌な予感がしたんだ。

そしてオレは、二人を生き返らせたことを、ほんのちょびっと後悔する事になるんだってばよ…

 

「コハクー、助けてくれってばよーーー!」

 

『がんばりやー(棒)』

 

 

 

 

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