黒歴史自由帳   作:ゼロゼロ大神

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三之巻『うずまきナルトの一日』其ノ一だってばよ!

三之巻『うずまきナルトの一日』其ノ一だってばよ!

 

 

 

「ナルト、起きなさい。ご飯出来たわよ」

 

「んー、おはよう母ちゃん…」

 

「はいおはよう。寝ぼけてないで顔洗ってらっしゃい」

 

「んー」

 

おっす、ナルトだってばよ。

今日も何時もと変わらず母ちゃんが起こしてくれたってばよ。

前は一人で起きてたんだけど、最近はずっと起こしてもらってるってばよ。

コハクも居るし起きようと思えば起きれるんだけど、

母ちゃん俺を起こすのが好きみたいで、先に起きてると不機嫌になるんだってばよ。

母ちゃん不機嫌になっちゃうとなかなか機嫌直してくれないんだよな。

父ちゃんにかかればあっという間に上機嫌になっちゃうんだけどな。

コハクは流石に夫婦やななんて言ってたけど、やっぱ父ちゃんはすげーな。

 

「ああ、おはようナルト」

 

「おはよ、父ちゃん。ん、爺ちゃんから?」

 

顔を洗い終わって椅子に座ると、父ちゃんが手紙を読んでた。

何時も朝にその日の仕事の予定の連絡が来るんだってばよ。

で、今日は父ちゃんも仕事があるんだって。

爺ちゃんに父ちゃん達の事がばれてすぐ、木の葉の偉い人に説明したらしくて、

それからは父ちゃんとコハクはこうやって時々仕事してる。

コハクは、「猿飛ヒルゼンの子飼いゆうことになってるさかい、仕事の頻度は少ないんや」って言ってたってばよ。

コハクや父ちゃん達の事知ってるのは偉い人だけで、後は偉い人から順番に伝えていくって言ってた。

今は皆に認めて貰うために実績を作る時期なんだって言ってたってばよ。

 

「ごちそーさん!」

 

「お粗末さまでした。美味しかった?」

 

「勿論だってばよ!」

 

母ちゃんの料理はいっつも美味しくて、これにはコハクも驚いてた。

「美人で料理の上手い嫁さんやなんてうらやましいなぁ」ってコハクが言ったら、

父ちゃんが「オレの自慢の妻だからね」ってノロケてたってばよ。

二人共すっげー仲が良くて、それを見たコハクがオレに「夜中に二人の寝室に近付いたらあかんで」って言って、

母ちゃんにしばかれてた。

意味は分かんないけど、本気で怒ってる訳じゃなかったから気にしないってばよ。

 

 

 

 

「あ、ナルトくん」

 

「あ、ヒナタ!」

 

アカデミーに着くと、同級生の日向ヒナタって女の子が近寄ってくる。

ホントはオレの方が先輩になる予定だったんだけど、

コハクに言われて修行のためにアカデミーに入るのを2年延ばしたんだ。

そんでヒナタと同学年になったんだけど、最初はあんまり喋ったりしなかったんだってばよ。

けど何年か前にヒナタが誘拐されそうになったことがあって、それを助けてから仲良くなったんだ。

ホントはオレが助けたんじゃなくて、コハクにオレの体を貸して助けて貰ったんだけど…

コハクは『助けたい言うたんはナルトやし、ボクがナルトの体借りただけや。誇っとき』って言ってくれたってばよ。

そんでそれから暫くしてヒナタの方から声を掛けてくるようになって、今じゃオレの一番の親友だってばよ!

 

『親友なぁ。原作では大丈夫やったけど、早めに気付いたりや』

 

『ん?なんだってばよ?』

 

『なんでもあらへん』

 

よくわかんねーけどまあいいや。

そうそう、最近やっと声を出さずにコハクと会話出来るようになったんだってばよ。

人との付き合いが増えるんやったら必要やろ、ってコハクが教えてくれたんだってばよ。

 

「あ、そういえばナルト君…」

 

「ん?なんだってばよ?」

 

「行方不明だったナルト君のお父さんとお母さんが戻ってきたって。よかったね」

 

「おう、さんきゅー!」

 

へへへ、何かこういう風に言われると嬉しくなるってばよ。

あれ?けどヒナタがなんで知ってるんだってばよ?

 

『日向は木の葉の中でも最上位の一つやからね。要するにお偉いさんなんよ。

 ヒナタちゃんはナルトと仲が良かったから、話は聞いてると思うで』

 

『へー、そっか。ヒナタんちって凄かったんだな』

 

『まあ、ヒナタちゃんはそこまで詳しく聞いてへん筈やから、二人は任務中に行方不明になってたけど帰って来た。

 ボクと会うときは親戚の人で猿飛サンの部下、ぐらいに言うとき』

 

『分かったってばよ』

 

そこまで話したとこで、ヒナタが声をかけて来た。

ヒナタからはボーっとしてたように見えたらしい。

オレがコハクっていう爺ちゃんの部下の人が助けてくれたんだ、って言ったら、

ヒナタってば「ナルトくんみたいな人だね」って言って赤くなってたってばよ。

不思議になって見てるとコハクに『そこはおでこで熱測るんが王道やないか』って怒られた。

訳が分かんないってばよ。

 

 

 

 

今日の授業は変わり身の術の練習だったってばよ。

ほんとはとっくに出来るんだけど、

コハクが『ナルトの場合、上でも下でも目立つんはようない。こっちで調整するさかい何時も通りやり』て言ってた。

オレは普通にチャクラを練って印を結ぶんだけど、それをコハクがチャクラを乱して失敗させるんだってばよ。

んで、暫くしたら乱すのやめてそのまま成功するんだ。チャクラ制御の練習にもなるって言ってたってばよ。

 

「ナルト、ちょっといいか?」

 

「ん?なんだってばよ、イルカせんせー」

 

今日も何時もどおりやってたらイルカせんせーに呼ばれた。

イルカせんせーは優しいせんせーで、オレをあの嫌な目で見て来ないから好きだってばよ。

何時もオレが一人でいるときは声を掛けて忍術を見てくれるんだけど、

イルカせんせーが教えてくれるのって全部使えるんだよなー。

コハクは生徒用の簡単なモノだけだからって言ってたけど、やっぱしょぼいってばよ。

 

「ナルト、お前、ほんとは実力隠してるんじゃないか?」

 

「え゛、な、なんのことだってばよ?」

 

「はぁ、お前は嘘を吐くのが下手だな。これだけ気持ち悪いくらいあらゆる科目で中の中保ってりゃ気付くぞ」

 

いきなり聞かれてビビったけど、コハクは何も言ってこない。

不味いと思ったら勝手に体使っていいって言ってあるから、コハクがなんか言うと思ったってばよ。

それにコハクのやり方が不味かったっぽい。

よく見りゃ気づくって言ってるし、やり方変えたほうがいいんじゃねーか?

 

『いや、これでええんや。よく見れば気付くゆう事は、その人はよく見てるゆう事や。

 よう見てる人は知っといた方がええし、ええ人やったら知ってもろた方が都合がええさかいな』

 

『へー』

 

コハクが言うことはよく分かんねーけど、これでいいらしい。

コハクが言うには、嘘を吐いたり騙すときは騙したい人だけ騙せて好きな人には分かる嘘をつくんだってばよ。

それと、真っ先に気付いて真っ先に声を掛けてくれたイルカせんせーは良い人だから、

感謝して大事にしろって言われたってばよ。

 

「オレの友達がさー、お前は上でも下でも目立ったらろくな目に合わねーぞ、って言ってたんだもんよー」

 

「っ!!」

 

コハクに言われたことそのまんま言ったらなんかすっげー驚かれた。

コハクはなんか笑ってる気がする。

 

「でもま、オレは将来火影になっから、嫌でも目立つんだけどなっ!にしし」

 

「ナルト、お前…」

 

そう言ったらイルカせんせーは変な顔のまま笑った。

コハクもオレらしいって言ってくれて、イルカせんせーは頭を撫でて頑張れよって言ってくれたってばよ。

だったらイルカせんせーの一番得意な術教えてくれよって頼んで、その日はずっと教えて貰ったってばよ。

でもごめん、イルカせんせー、オレもうそれ使えるってばよ…

コハクに術の精度はイルカせんせーのが上だから技術盗めって言われたから頑張ってどろぼーするってばよ。

 

 

 

 

「やあナルト。丁度帰りやな」

 

「おう!」

 

アカデミーの門の前でコハクと会ったってばよ。

何時もと変わんない服を着て、口にはキセル咥えてる。

コハクは煙草よりこっちのが似合うやろって言ってたってばよ。

普段は背中にもふもふが9本揺れてるんだけど、人前では隠してるっぽい。

コハクは別にどっか行ってた訳じゃなくて、ホゴシャとして迎えに来たって事にして口寄せしてるんだってばよ。

何時もはこのまま真っ直ぐ里の外の森に行くんだけど、今日はヒナタが一緒に居るから後回しだってばよ。

 

「ヒナタ、この人がさっき言ってたコハクだってばよ」

 

「はじめましてやな。君が日向ヒナタちゃんやね、ナルトからよう話聞いとるよ。よろしゅうな」

 

「は、はじめまして。日向ヒナタです、よろしくお願いします」

 

何かヒナタが慌てた感じで挨拶してるってばよ。

なんでそんなに慌ててんだって聞いたら、コハクは爺ちゃんの直属なんだよねって聞き返されたってばよ。

よく分かんなかったからコハクに聞いたら、

『猿飛サンは木の葉のトップやからなぁ。粗相せんように言いつけられとんやろう』って言ってた。

よく分かんねーけど、コハクは優しいから大丈夫だってばよってヒナタに言ったら、

なんでかありがとうって言われたってばよ。

 

「初々しいなあ。ナルトの彼女さんか?」

 

「ふぇっ!?」

 

「えっ?何(言ってんだってばよ?ってあれ?)」

 

コハクが変なこと言ってきたから聞き返そうと思ったら声が出なかったってばよ。

コハクに口乗っ取られたみたいだけど、何かあったのか?

ヒナタは真っ赤になってあうあう言ってるし、わけわかんねーってばよ。

 

「ナルトはヒナタちゃんの事好きなんか?」

 

「へ?ああ、勿論大好きだってばよ!」

 

「あ…なるとくん…」

 

ヒナタはオレのこと嫌な目で見てこないし、トモダチだからな!

けど正直に言ったら何かコハクはニヤニヤしてるし、ヒナタはぼーっとしてるし、ほんとわけわかんねーってばよ。

 

「とろんとしちゃってまあ…ふむ。なあ、ヒナタちゃんも修行見にこーへんか?」

 

「ふぇ?」

 

 

 

 

「あの、本当に良かったんですか?」

 

「ええよええよ。君んとこの人はボクのこと知ってはるし、ナルトも彼女さんが見てる方が気合入るやろ」

 

「へぅ…」

 

コハクさんに言われた言葉に、私は赤くなってしまう。

コハクさんは何かその、……勘違いをしているみたいで、

私のことをその、ナルトくんのか、彼女だと思ってるみたいでっ。

あ、でもナルトくんの彼女が嫌とかそういうんじゃなくてええとその…

 

「よっしゃ、まずは組手から始めるってばよ」

 

「せやね、まずは体の気を整えるためにも組手から…行くで」

 

ナルトくんの声に何時の間にか俯いていた事に気付いた私は、

普段ナルトくんがどんな修行をしているのか気になって顔を上げた…

のだけれど。そこには私が想像もしなかった光景が広がっていた。

 

「うおらあっ!」

 

「脇が甘いで」

 

「当たれってばよ」

 

「振り大きくなってるで」

 

「そこだってばよ!」

 

「フェイントで声出してどないすんねん」

 

………速い。

まさに息も吐かせぬ攻防というのだろうか。

白眼という血継限界を持つ私は昔から目を鍛えてきた。

だから子供の今でもそこそこ速い下忍程度の動きなら見切れる。

けれどそんな私の目でさえ、彼らの動きは体の動きを捉えるので精一杯だった。

腕や足に至っては見えない。

いや、光より早いわけは無いのだから本当に見えていない訳では無い。けれど反応が出来ない。

動いたと思った時にはっもう動き終わっている。

それだけの猛攻を二人は涼しい顔で続け、コハクさんに至っては指導する余裕まである。

しかし私は次の瞬間、更に驚くことになる。

 

「次行くってばよ!多重影分身の術!」

 

―ボボボボボボボボボボボボンッ―

 

「「「おらおらおらあああっ!」」」

 

「甘いで。遅い。ずれとる。もっと合わしい。そうや。二の足踏むな分身やろ!」

 

…凄い。凄いとしか言いようが無い。

視界一杯に現れたナルトくんの分身は全てが実体を持っているらしく、

一斉に、それも先ほど以上の速度で殴りかかっていく。

けれどコハクさんはそれを涼しい顔で捌き、指導していく。

たった一人のナルトくんを除いて全てカウンターで潰していく。

コハクさんにはどれが本物か分かってるんだ。

木に擬態して変化したナルトくんも見破り、武器に変化したものもしっかりと消す。

ナルトくんもそれが当然だと分かっているかのように猛攻を仕掛けていく。

コハクさんは火影様の直属という事だったから分かるけれど、ナルトくんは…

ナルトくんは、私と同い年の子供だ。

アカデミーでは不思議なくらいに中の中の成績を保っていた。

それがわざとなのだと、この時初めて思い知った。

同い年の筈で、でも体術一つとっても私とは大違い。忍術も比べ物にならなかった。

私の何歩も先を行くナルトくんを見て、その異常なまでに年齢に不釣り合いな力を見て、私は…

 

「へへ、ヒナタ、どうだったってばよ?」

 

「ふぇ!?あ、うん、凄かった。…かっこよかったよ、なるとくん」

 

「へへっ、さんきゅー!」

 

気がつけば私はなるとくんを見つめていた。

その疲れを明確に写した、けれど心から楽しそうな笑顔を見て、私は決意する。

 

「あの、ナルトくん」

 

「ん?なんだってばよ?」

 

「私…いつか、ナルトくんの傍に立てるくらい強くなる。だから…」

 

「へへっ、そっか!頑張れよヒナタ!一緒に火影目指すってばよ!」

 

そう言って眩しい笑顔を浮かべるナルトくん。

でもね、違うんだよナルトくん。

私は火影になりたいんじゃなくて、きっとなるだろう、目の前の未来の火影様の………

 

 

 

 

 

 

『よう考えたら原作に無かったイベントにパワーアップまでしてるんやな。そら落ちるわ』

 

「ん?何か言ったってばよ?」

 

『いーや、なんでもあらへんよ』

 

何かコハクってひとりごとが多いってばよ。

それにしてもヒナタのやつ、最後の方はボーっとしてばっかだったなあ。

ちゃんと見てたみたいだしかっこいいって言ってくれたんだけど、なんか顔も赤かったってばよ。

でもまシアワセっぽく見えたからいっか!

 

『罪作りな男やなぁ。ナルト、将来好きになってお嫁さんにするんはああいうしっかりした子にしいや』

 

「およめさんー?よく分かんねえけど、オレはヒナタのこと好きだってばよ!」

 

『そういう事やないんやけど…まあええわ。

 サクラかヒナタ辺りやったら心配無いやろ。サクラはサスケ一筋っぽいけど』

 

相変わらずわけわかんねー奴。

血みどろのひるどらでないすぼーとだけはあかんでーとか言ってるし。

ま、いっか。さっさと宿題片付けて母ちゃんの飯食うってばよ。

 

 

 

 

「へー、そんな事があったの。日向さんとこの子がねえ」

 

「あれは完全に落ちとるで。ええ子やし、予知でもしっかりした子になっとさかい、ええんとちゃう」

 

「ほー、もう彼女候補がいるのか。流石ナルトだな」

 

「ほんと、流石あなたの息子だってばね。ね?あ・な・た?」

 

「は、はは、そ、そうだなー(棒)」

 

全くもう。私も何度ヤキモチ妬かされたか数えきれないってばね。

ナルトはミナトみたいに変態の弟子になったりしないといいけれど。

まあその点は私達三人が居るから大丈夫ね。

コハクもこうして毎日の出来事をしっかりと報告してくれるし、しっかり見守ってくれてる。

夜ナルトと私達夫婦の三人で取る食事は何時もナルトがその日あったことを語って聞かせてくれて、

その時間はこの上なく楽しい時間だし、こうしてコハクが私たちの目の届かない所も見ていてくれる。

…けれど、コハクとはまだ一度も夕食を共にした事はないのよね。

朝や昼は時々一緒に食べるんだけど…

 

「夕食の、ナルトとの時間は一番大事な時間やさかいな。邪魔する気はあらへんよ」

 

「そうじゃなくて、あなたも参加して欲しいのだけど…」

 

「…スマンなあ。ボクにも、ボクだけの家族が居る。いや、居った。それだけは、忘れとうないんや」

 

そう言われて、私はそれ以上言葉が見つからなかった。

そう、私達にナルトという掛け替えの無い存在があって、掛け替えの無い時間があるように、彼にもそれらはあった筈。

彼のご両親は彼が若いころに亡くなって、兄弟も居なかったらしい。

けれど彼は確かにその両親を愛していたのだろう。

何時も細く狭められた目は、家族の話をする時だけ優しげな目を覗かせ、どこか遠くを見ている。

 

「そうか。そうだね。けれど、これだけは覚えていてくれ。

 オレは…オレ達は君に感謝しているし、家族になれると、そう思っている」

 

ミナトの言葉を聞いた彼は何も答えず、

しかし優しそうな目でしっかりと私達を見て、少しだけ口元を緩めた。

 

 

 

 

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