・オリジナル設定&ストーリー
・チート&俺TUEEE
・VRMMO→デスゲーム
・超絶おまいら
・NPCハーレム
・序盤ぼっち
などの要素が含まれます。ご注意下さい。
1話
『それではこれより…"くぁwせrftgyふじこlp"Online、スタートです』
…あれ?何か今変じゃなかったか?なんだかもやっとする。まあそれは今は置いておいて、取り敢えず自己紹介をば。
俺の名前は『M.M.』。偽名全開だがキャラクター名なので許して欲しい。ちなみに本名とは全く関係ない。
今俺…というか俺達がいるのは仮想体験型ネットワークゲーム、くぁwせdrftgyふじこlpOnlineの中だ。…ん?
ゴホン。仮想体験型というのは平たく言えばVR。所謂ヴァーチャルリアリティ。
ゲーム機のコントローラを持って画面に向かう旧来のゲーム方式では無く、
専用の装置を用いてサーバに構築された仮想現実の世界に『突入(ダイブ)』する事でプレイするゲームだ。
ゲーム以外にもタウンサーバに構築されたネット上の街や、金持ちが自分でサーバ用意して作るプライベートエリアなど、
仮想現実には様々な種類があってその大概はネットに接続できるようになっている。
このゲームもそれを利用したネットゲームの一種で、最近流行り始めたVRMMO(VR型ネトゲ)の最新作でもある。
少し前まではVR自体の完成度が低かったこともあり中々面白いと言える物は少なかったのだが、
このゲームはこれまでVRへの進出に対し二の足を踏んでいた幾つかの大型ゲーム会社が共同開発したもので、
発表直後から完成度やクオリティ、開発資金の額なども含めてかなり期待されていたゲームである。
現在はクローズドβとオープンβを終え、正式サービス開始前の先行オープンイベントの真っ最中。
取り敢えずバグ取りとかシステム調整とかが終わり、ゲームとしての体裁が整ったので正式サービスを開始。
その前にβ版で特殊なアイテムをゲット出来た幸運な奴らと、正式サービス開始に伴い募集した中から当選した奴ら計5000人。
彼らを集めて正式サービス1週間前に先行オープンするというのがこのイベントの趣旨だ。
この1週間というのが普通のプレイヤーには短く、しかしクローズドβから参加するような廃人にとってはかなり長い。
ここに集まった連中は正式サービスを人より早くプレイ出来るという幸運に喜んでいる者が大多数。
勿論俺もその中の一人である。今やっとGM(ゲームマスター)からの歓迎の挨拶が終わり、今まさに冒険へと出発する段階だ。
「お、キタキタ」
徐々に消えていく体。転送の合図である。最後に一瞬発光して消え、次に目を開けばゲームの中、というわけだ。
今は説明のためのフロアに集まっていただけであり、周囲も現代的というか機械的な景観だった。
しかしすぐに中世っぽい何かが集まったファンタジーゲームの世界にご招待である。
だが流石に人数が多いのだろうか、えらく転送に時間が掛かっているようだ。いや、それにしてもおかしい。
周りは既に発光を終えて消えているのに俺は光ったまま。何かのミスか?と思うも直ぐに発光は収まる。
取り敢えず一安心し、完全に真っ白染まった視界が徐々に色を取り戻していく。
そこには待ち望んだファンタジーチックな景観の始まりの街(リュッセル)の町並みが………無かった。
「…え?」
・
・
・
さて、あれから1時間。混乱している見苦しい頭の中をダラダラとお見せするのも何なので、結論から言おう。
ここは、現実世界である。………うん、わけが分からんよね、安心してくれ俺もだ。
まず感覚がリアル過ぎる。風の流れ、木々の匂い、土の感触、雑多な葉音、あらゆる手触り。その全てが非常にリアル。
本来VRと言うのは処理能力の限界という問題からここまでの質感の再現は不可能だ。
どっかのwikiでは国家レベルのスパコンを10台用意しても不可能と言われていた。
現在開発中の量子コンピュータとかいうのがもっと発展したら可能性はあるらしいのだが、現状は不可能。
この時点でまずここはVRの世界では無い。ならただの現実かと言えばそうでもない。
今俺が身に着けているのはファンタジーな初期装備。この時点で望み薄。しかも脳裏の意識による操作で視界にメニュー。
これは実際に浮かぶわけでは無く脳裏にイメージとしてウィンドウが見えるという仕組みなのだが、
こんなことが出来るのはゲームの中だけである。だけのはずなのだ。
じゃあこれは現実なのかゲームなのか。読者諸兄は小難しい理屈なんて言わなくても理解してくれるだろう。
ここはゲームであり、現実でもある。ゲームで出来る事が出来、ゲームで有る事が有る現実。
つまりはそういう事。ゲームと同じように生活出来、ゲームと同じように魔法なんかも使える。
ならば何が違うのか。…死ねば、生き返れないのである。これはまあ後で気付いた事なのだが。
当然と言えば当然だ。元々このゲームは仲間の蘇生手段が無い。身代わりアイテムなどはあるのだが、
それはあくまで死ぬ前に身代わりになってくれるだけ。死んでしまえばそれで終了だ。
ゲームなら前の街からやり直しとなるのだろうが、これは現実。死ねば生き返れない。
実に怖いことだ。まあVRで死に慣れてる身からすれば慣れていない人よりは多少恐怖は薄いのは確かだが。
で。そんな鬼畜ファンタジーに突入してしまった俺は今一体どこに居るのか、という事である。
「マップ名………《くぁwせdrftgyふじこlp》……オイオイ」
はい、完全にバグです本当に有難うございました。
ちなみにふじこ略は表記上のものであり、実際には文字にすらならない文字化けの塊が表示されている。
どうやら俺の転送時にバグが発生、巻き込まれる形でこの場所に飛ばされたようだ。
とりあえずステータスを確認。ジョブは基本職の《ノービス》。ジョブランクは最低のF。
ジョブは文字通り職業で、ジョブごとにステータスに補正がかかる。ジョブに就いたまま戦闘を重ねる事でランクが上がる。
ランクが上がれば新しいスキルを憶え、ステータス補正もパワーアップする。
ジョブのランクアップで覚えるスキルは強力なものが多いので是非とも上げていきたいところだ。
次にレベル。現在のレベルは当然1。プレイヤーランクも最低のF。
このゲームレベルの上限は基本的に無いのだが、獲得経験値的に精々1000が限度だろうと言われている。
レベルが上がればステータスが上がり、更にジョブ事に一定レベルに達すれば新しいスキルを覚える。
高レベル状態で転職すればそのレベルまでのスキルを全て覚えられるので、一つの職をさっさと極める方が効率はいい。
プレイヤーランクとはギルドで認定される強さランクの事。大体メインストーリークリアでAと言われている。
S以上は期間限定イベントなど特殊なイベント等を多くこなす必要があるらしい。
次がステータス。平均的なものである。個性はジョブとスキルと装備で出すので初期状態では誰も同じである。
最終的にはプレイヤーの腕次第となるがその辺俺はVRゲーマーなのでまだマシだろう。
で、スキル。これに関しては正式サービスに伴いかなり修正も入ったらしいので未知数。
初期では探索F・解錠F・料理F・採取F・発掘F・作成Fのパッシブスキルと、
《ライトF》・《ファイアF》・《スラッシュF》・《ステップF》・のアクティブスキルの10種。
探索はマッピングとか隠し扉発見とかのスキル。解錠は宝箱など魔法とか特殊なカギを使用しないカギの解錠。
料理・採取・発掘は言わずもがな。作成はポーションとか武器とかのアイテム作成スキル。
ライトは発光魔法。ダンジョンではお世話になる。ファイアは初級火炎魔法。ちょっと熱い程度。
スラッシュは要するにちょっと力込めた切り払い。ステップも文字通り飛んだり跳ねたりちょこまか。
基本的には何度も使って成長させるかちゃんとしたのを新規で憶えないと余り役に立たない物が多い。
そんでもって装備品。
武器は木剣1本。最初から切れ味0の斬撃属性武器。このゲームでは切れ味は落ちるが壊れる事は無い。
ただ切れ味や頑丈(防具)や魔力(装飾品など一部アイテム)が無くなると殆どおもちゃと変わらない。
防具は布製の服のみ。所謂たびびとの服。アクセ無し。頭装備無し。靴はノービスブーツ。補正皆無。
本来ならチュートリアルイベントで金属製の武器と皮の軽鎧を買い、それで街を出て直ぐの雑魚を狩り、
手に入れたお金で装備を調達しながら進めていく…はずだったのだが。
今となってはもう後の祭り。この異形蔓延る魔の森をこの貧弱装備で乗り切らねばならない。ムリゲー。
で、最後にアイテム。
ライフポーションF×3、スタミナドリンクF×3、マジックストーン×3。
HP(0で死亡)・スタミナ(アクション系スキルで消費)・MP(魔法等で消費)の三種。たったこれだけ。
チュートリアルイベントクリアで1個ずつ消費して3つずつ貰えるので実質5個になるので最低限以下。
そもそも空腹状態が続くと飢餓のバッドステータスになり、HPが減っていって最後には餓死してしまう。
ゲーム内ならそれを利用してデスルーラとかデスベホマとかでもいいのだが、ここではそうもいかない。
チュートリアルで鳥肉Fが3つ貰えるのだが、それすら無いのでは本当に最低限以下である。
さて、ここまでで俺がいかに危険な状態かは分かっていただけたと思う。
そして今は見知らぬダンジョンらしき森。明らかに初期レベルのダンジョンではない。
まだ魔物と遭遇していないのは幸運だが、このままでは確実に高レベルモンスターと鉢合わせて死ぬ。
とりあえず近場で木の実とか食えるもの探してみたが皆無。ちょっと嫌な予感がする。
「…少し歩こう」
そう呟いて一人寂しく歩き出す。こういう時は歌でも歌って気を紛らわせたいがモンスターを読んでしまうので無理。
何か口笛とか同じ効果があるらしく、大声出したりしても寄ってきたりするため結構神経を使う。
戦闘中以外は発光魔法の点滅とか手振りでの合図などによる意思疎通が必要になってくるのだ。
まあパーティーの居ない俺には関係無いんですけどねー。
「おかしい」
涙がちょちょ切れそうになりながらぼっちワークを満喫していると、周囲の異変に気がついた。
いや、異変以前にここに来た時から思っていた事がある。それはごくシンプルな異常。
「モンスターが…居ない?」
そう、かれこれ1時間半。一切モンスターに出会っていない。これは流石におかしい。
別に移動していなければ出会わないというわけでもないし、それにしたって結構歩いている。
このゲームは自身のレベルが相手モンスターのレベルを10下回るごとに狙われやすくなり、10上回るごとに狙われ難くなる。
ここでは恐らく最低でも数十、下手すると数百は差がある。つまり数倍から数十倍狙われやすいのだ。
もうカモネギどころでは無いレベルで狙われまくるだろう。10分も歩けば襲われる。
だが実際にはまだ一度も遭遇していない。これは幾らなんでもおかしい。嫌な予感がする。というか心当たりがある。
「遺跡、か」
考察繰り返しながら暫く歩いていると、森が開けた場所に地下遺跡への入口が口を開けていた。
特に封鎖されている様子もなく、中に魔物が居る様子もない。
少し考えるが迷っている暇はあまり無いと判断し、兎に角入ってみることに。どうやら緩い下り坂のようだ。
一本道の通路を《ライト》を灯しながら歩いていると、300Mほど歩いた所で扉を見つける。
少し悩んだ末ちょっとだけ扉を開け、大丈夫そうなので開けて入る事に。
中はかなり広い空間が広がっており、恐らく天井は地上ギリギリまであるだろう。
そして空間の奥に鎮座しているのは………一体の巨大な竜だった。
「っっっ!?」
・
・
・
―ガシッガシッガシッ―
さて、また少し飛んでしまったが結論を言おう。予想通りだった。この場所は所謂未実装エリアの類である。
エリアとして作られてはいたものの、結局ボツになった又はこれから作り変えられて採用されるはずのエリア。
しかし俺はバグによって通常なら到達不可能なこのエリアに来てしまった、というのが事の真相。
エリアと簡単な遺跡とフロアボスの竜は用意されていた。
しかし雑魚モンスターのポップ(出現)が設定されていなかったため雑魚(俺にとっては化物)と遭遇しなかったのだ。
―ガシッガシッガシッ―
で、竜を見てビビった俺は声にならない声を上げ、しかしすぐ異変というか違和感に気がついた。
目を開けて鎮座している竜がピクリともしないのである。しかもなんか竜の周りには電脳的なバグの残滓が待っている。
こう、電脳世界のアイテムが崩壊とか言われて思い浮かべるような、三原色の粒子みたいなのが体からボロボロ溢れるアレだ。
皮膚にも明らかに色がおかしかったり、何か見ようと思ってもピントがずれたみたいにぼやける部分があったり。
完全にバグっている。
―ガシッガシッガシッ―
慌ててメニューウィンドウを開いて対象ステータスを確認。
倒してないし専用のアイテムやスキルも使っていないため確認できる範囲は限られるが、
HPの残量ゲージ(数値は隠されていた)とレベルは見れた。しかしレベルはバグっていた。
名前もバグっていたので取り敢えず適当にバグドラゴンと仮称。
周囲に何も見当たらない事やここが見実装エリアである事を考えると、このドラゴンには動作設定がされていないようだった。
基本的にゲームのキャラは歩く、腕を振る、魔法を使うなど登録された動作を状況に合わせて行うものである。
が、このバグドラゴンには一切の動作やスキルが設定されておらず、ヘタしたらステータスも設定されていない。
―ガシッガシッガシッ―
で、だ。考えてみたのだ。ここから脱出する方法を。まず助けは来ない。
当然だろう。もう2時間は経っているのだ。来るならとっくに来ている。未実装エリアのため他の冒険者にも期待出来ない。
ログアウトも出来ないというかそもそもボタンが無いのでお手上げ。この時点ではまだデスゲームだとは知らない。
ただまあ嫌な予感はしていたので細心の注意は払っていたのだが、それでもじっとしていたら死ぬ。
なにせアイテム皆無である。未実装エリアのため木の実とかにも期待出来ない。半ば詰んでいる。
―ガシッガシッガシッ―
で、考えたのがバグドラゴンをひたすら叩くと言う事。
このゲームではフロアボスを倒すと1回限りの転移ポータルが出現し、街に帰れる。
バグで転移してきたし未実装エリアなので心配だったのだが、他に手段が思いつかなかった。
試しに木剣を叩きつけてみた。『1』という数字が叩いた場所からポロンと零れた。これで俺は希望を見出した。
―ガシッガシッガシッ―
まず、このバグドラゴンは未実装である。当然スキルなども設定されていない。つまり回復しない。
そしてこのゲーム、どんな形だろうがどんなに弱かろうが一撃当てさえすれば1ダメージ。
基本的に初期の雑魚でも数十はHPがあるので普通ならそれなりに狙わないといけない。
―ガシッガシッガシッ―
が、こいつは動かないしステータス自体は設定されているのかどんなに叩いてもダメージ1。
回復せず、どんな形でも当てればダメージ1。そして武器は基本的に壊れない。
で、スキルや武器熟練度は使用回数によってランクアップし、ジョブランクは総戦闘時間に依存する。
―ガシッガシッガシッ―
スキルを使用しなければスタミナは徐々に回復するのがこのゲーム。空腹進行速度は運動量に依存し、動かなければ3日保つ。
3日経って飢餓状態になってもHPは1日保つ。つまりポーションも含めて計一週間弱は保つ計算だ。
―ガシッガシッガシッ―
そんなわけで現在連打ゲー真っ最中。バグドラゴンの頭の上でずーっとガシガシやっている。
ダメージを与えるだけでもごく微量ながら経験値が貰えるので、現在レベル5。
30分程度で4も上がったがレベルが上がれば必要経験値も増えるので、あと1時間で3も上がればいい方だろう。
―ガシッガシッガシッ―
あと剣の熟練度がF+に上がりました。次はE-。-を取ったり+を付けたりは比較的楽なのだが、
このランク自体を変動させるには結構な回数振らないといけない。
でもまあランクが上がった途端結構馴染む感じがあったので実感があるのが救いか。
武器自体のランクが最低のFというのもある。+付いただけで武器ランクを上回ったため良い感じに馴染むのだ。
―ガシッガシッガシッ―
スキルに関しては使っていない。スタミナが回復すると空腹度が溜まるためだ。
スラッシュ連打でも出来れば良かったのだが、そうそう上手くは行かないものである。
―ガシッガシッガシッ―
ジョブランクに関してはあと1時間もすればF+に上がるだろう。
まあ、あと1週間もあるのだ。バグドラゴンのHPゲージも1ドット程度だが減った。
このままのペースなら睡眠を挟んでも5日程で倒せるだろう。その時が楽しみである。
―ガシッガシッガシッ―
あぐらをかいて坊さんのごとくドラゴンの頭頂部を高速ポコポコ。最大限力を抜いて手首のスナップで高速連打。
30分も続けていればコツも掴める。終いには腱鞘炎にならないか心配だが、一応ゲーム世界だし大丈夫だろう。
―ガシッガシッガシッ―
そういえばこのゲーム、スキルやら職業やらがかなり多彩かつ豊富で、それ同じようなもんだろみたいなのも結構ある。
スタミナ消費のスキルとMP消費のスキルで全く同じ効果のものがあったりする。
で、β版ではそこそこ豊富といった程度だったのだが、正式版で10倍以上に増えると聞いて驚いたのを覚えている。
中にはかなり条件が厳しかったり、特殊な過程を辿らないと手に入らないスキルというのがある。
―ガシッガシッガシッ―
まあお察しの通りこの状況で手に入るスキルが一つある。俺はこの段階では知らないのだが、後で習得して驚いた。
隠しレアスキルと呼ばれる類のもので、スキル詳細で発現条件を見て噴く事になる。あまりにも難しすぎる。
―ガシッガシッガシッ―
まず条件としてレベルが10以上上の相手である事。
今回はそもそも表記がバグっていたため不明だが、まさかドラゴン系でレベル10以下ということも無いだろう。
結果的に言えば少なくとも50は超えていた。最終的に倒す直前で40弱まで上がっていたからだ。
一撃で貰えた経験値の多さから実際は100は超えていたと思う。ヘタしたら数百あったかもしれん。
―ガシッガシッガシッ―
次の条件がフロアボス等のボス種であること。この点は問題なかったようだ。
一切設定されていない上にバグっていたのでボス属性も持っていない恐れがあったが、属性自体は持っていたようだ。
耐性等は特に無かったようでそこは一安心。
―ガシッガシッガシッ―
で、次の条件は前述の条件の相手に通常攻撃による連続攻撃を、中断されずに50回以上成功させる事。
これも問題なかった。一切中断せずにひたすらポコポコやっていたため簡単に達成された。
スキル使うとかしなくてほんと良かった。死期が早まるから使えなかっただけなんだけどね。
―ガシッガシッガシッ―
その次の条件は同じ相手に上記の条件を満たした上で10秒間に30回以上攻撃を当てる事。これはスキルでもなんでもいい。
途中遊びで緩急を付けたりひたすら連打速度を早めたりして単調な作業をなるべく飽きないように奮闘したためクリア。
秒間3回の連打を10秒続けるという事だが、1分でも行けた。ゲーマー舐めんな。
―ガシッガシッガシッ―
次の条件が前述の条件を全て満たした上で同じ相手に10回以上の通常攻撃による連続ヒットを出してトドメを刺す事。
これはラストスパートで一気に倒れるまで叩きまくったので余裕でクリアした。
―ガシッガシッガシッ―
最後の条件が、前述の条件をすべて満たしトドメを刺した段階でレベル100以上、武器熟練度B-以上であること。
これはシステム的な問題でクリアした。スキルの習得判定よりレベルアップ処理等が先に行われるのである。
そのため高レベルの竜を倒し膨大な経験値を得た俺はレベルが100を超え、
武器熟練度も無数の連続攻撃とボスへのトドメによる無条件一段回アップによってギリギリB-に。
その後レベルアップによる恩恵で一気にスキルを覚えていく中、条件を満たしたこの技を覚えた。
―ガシッガシッガシッ―
が、考えても見て欲しい。レベルが10違えば1対1ではまず勝てない。
しかもボスというのは同レベル帯でも十数人から数十人で徒党を組んで倒すものである。
もう少しレベルを上げたり装備を整えれば数人のパーティーでも倒せなくはないといったところ。
レベルが低いと装備武器にも制限がかかる。レベルが10以上低いキャラと装備でボスと戦う。これだけで無謀だ。
しかもボスともなれば普通は動きまわったり全周囲攻撃を放つもの。
そんな奴相手に張り付いてしかも通常攻撃で50回フルコン?仲間にしばき倒されるわ。
更に10秒間に30回の連撃。スキル次第ではあるが10秒も張り付いているというのも色々無理があるし、
しかも30回ともなればマジで俺みたいに超絶ポコポコしないといけない。当然ダメージは下がる。仲間に殴られる。
その上最後の条件が何気にキツイ。連続10回以上のコンボでトドメ。そもそもトドメを刺せるか?譲ってもらえるか?
それすら分からないのに、レベルが10も下のやつでも倒せるぐらいギリギリまで削って、10連打して殴り倒す。
途中で途切れて10連打未満で倒せてしまってもアウト。仲間の流れ弾で倒してもアウト。そもそも流れ弾当たれば中断扱い。
…正直、これを考えたスタッフは頭おかしいんじゃなかろうか。それもノーヒントである。
絶技とかいう超絶スキルの存在は後々ほのめかされるらしいのだが、取得法も技の詳細も秘密。
そんなんでどうやって覚えろと言うのか。コンピュータゲームと違ってチートとかハックロムで調べる事も出来ない。
何万人も参加者が居れば一人ぐらいは絶技のうちの一つぐらいは覚えるやつが居るかもしれない、程度だ。
―ガシッガシッガシッ―
で、俺が覚えたのが以下の絶技系スキル。
『絶技(ゼツギ)・閃花(センカ)』
それまでの連続ヒット数の自己記録と同じヒット数の通常攻撃を一瞬で叩きこむまさに絶技。
条件の関係上ヒット数50以上確定のバケモノスキルである。
一撃一撃は通常攻撃扱いのため、通常攻撃専用のパッシブスキルなどの効果も乗る。
勿論スキルによる威力補正で多少威力は落ちるし、そもそもスキル自体の威力が乗らないため硬い相手にはやりにくいが、
それでも50発もぶち込めれば相当な威力になる。条件が厳しいだけあってかなりの壊れスキルである。
―ガシッガシッガシッ―
消費はスタミナとMPの両方を阿呆ほど、レベル100程度のスタミナとMPなら確実にスッカラカンになる程消費する。
そんな大きな消耗から繰り出される一撃は武器を構えて力溜めに1秒、攻撃時間1秒、斬新1秒の計3秒で、
自身の最高ヒット記録と同数の通常攻撃をぶちかますのである。敵涙目。
―ガシッガシッガシッ―
が、涙目で済むのは普通のプレイヤーだけ。俺の場合完全な反則技になる。
…何せ、俺の最高連続ヒット数は実に10万回超。秒間平均3回を10時間ほどぶっつづけで半ば寝ながらやった結果だ。
毎回1ダメージとは言え、この竜どんだけHPあったのだろうか。まさか最終決戦クラスじゃなかろうな。
そんな奴倒したらレベル300とか500とか行くんじゃなかろうか。いやまああり得ないけど。
で、恐ろしい事実が理解して貰えただろうか。
たったのレベル100程度のスタミナとMPの消費で、通常攻撃10万回分の攻撃を3秒で出せるのだ。
つまり一撃1ダメージでも計10万ダメージ。中級一歩手前の大型ボスぐらいなら一撃圏内である。
後日試しにその辺のモンスターに放ったところ、バグった。何か消えかけの粒子みたいなのがずっと舞っているのである。
暫くしてエフェクトには修正処理が入ったが。なぜか俺の方のバグは据え置きだったので、それ以降余り気にしなくなる。
―ガシッガシッガシッ―
ちなみにこの絶技シリーズ、恐ろしい事に熟練度B-以上ならどんな武器でも使えるらしい。
まあ普通なら中レベルの大型ボス討伐に参加する程度の熟練度である。条件も普通なら非常に厳しい。
その上色々な武器に手を出すにはプレイヤーのリアルスキルも必要になるし、消費だって馬鹿にならん。
そもそも普通、通常攻撃で同レベルのモンスター相手では殆どダメージは通らない。
下位モンスターならHPが低いのでそれでもいいが、中位以上はスキル補正無しの威力ではまず無理だ。
そんなんで50回程度攻撃した所で1万行けば上等。それでスタミナMP大幅消費。
頑張れば10万ダメージだって夢では無いし強力なのは確かだが、色々と無理がありすぎるスキルである。
―ガシッガシッガシッ―
そんな色んな意味でぶっ壊れスキルが将来手に入ると知る由もない無い今の俺は、
ただ街へ戻るために只管ポコポコ繰り返すのだった。
「あーーー………帰りてぇ…」