黒歴史自由帳   作:ゼロゼロ大神

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ゲルマニア独立記(ゼロの使い魔 神様転生 ハーレム)

あ?どこだ、此処。

 

「あの世だ」

 

………テンプレ乙。いや、冗談ではなく。どういう事だよ。輪廻転生?あったの?マジで?仏教すげえ。

いや、だからそうではなく。あー、ごほん。まずは自己紹介をしようか。俺の名前は原田悠二(はらだゆうじ)。

つい昨日までとあるIT企業でプログラマをしていた25歳のサラリーマンだ。誕生日は6月14日。

プログラマと言っても若手社員だし、デバッグ作業が仕事の大半で、稼ぎも年齢を鑑みればそこそこ程度だった。

特に波乱万丈の人生を送ってきた訳でもなく、日々過ぎていく平凡な日常をだらだらグダグダと満喫していたのだ。

性格の話をするなら面白い事、楽しいこと、エロい事が好きな享楽的な性格。欲望に非常に素直な性格である。

だが親が特に金持ちというわけでも、元手0から大博打を打って成功させるような才能があったわけでもない。

そんな俺が欲望に素直な生活をそうそう簡単に送れるわけもなく、日々のつまらなさを適当に神様のせいにして過ごしていた。

そんな俺が気がつけばあの世である。辺り一面真っ白で謎のイケメ登場というテンプレまっしぐらな状況である。

目の前に居る日本人らしい顔つきのイケメンは神様か死神か何かなのだろうか。あとは天使とか?

 

「どれでもない。単に魂と転生の管理を担当しているだけの存在だ」

 

さいですか。まあ何でもいい。何がどうなって死んだのかは分からないが、あの世に居るという事は俺は死んだのだろう。

となれば考えられるパターンは三通り。生き返るか、転生するか、消えるか。記憶を失って転生も消えるに含む。

生き返るは可能性が薄いかな。魂と転生の管理者つってたし、多分生き返るのは無理。

どうやって死んだのかは知らないが、一度完全に死んだ人間が生き返ったらそれはそれでコトだろう。

火葬場で焼かれてる最中に生き返って即死とか勘弁だぞ。いやまあ無いとは思うけどさ。

同じくただ消滅という可能性も薄い。転生の管理者つってたし転生はほぼ確定。問題は記憶の有無だ。

しかし記憶を消して転生ならさっさとすればいい。俺に会う必要は無い。…やっぱテンプレかあ。

 

「ふむ、突然の状況の割りに随分冷静だな。楽でいいが」

 

いやまあ何というか、一周回って冷静なれた的な。というかナチュラルに思考読まんといて…

あ、俺喋れないの?そりゃそうだよね、体無いっぽいし。うん、ごめんやっぱり読んで下さい。会話成り立たんわ。

さて、読んでくれているという事はさっさと俺の中の結論を纏めてしまえばそれに合わせて話を進めてくれるだろう。

先程の考察から俺は既に死んでいて、記憶を持った状態で転生するというには確実。否定もされなかった。

となれば知るべきことは幾らかある。まず一つ目が転生先は何処か?またはどういった世界なのか。

二つ目は転生先への現在の俺からの影響。容姿の引き継ぎとか名前の引き継ぎとか。

三つ目は転生に付属する事柄の確認。何らかの特典や追加要素が有るのか、無いのか。何かしらの注意事項はあるのか。

とりあえずパッと思いつくのはこれくらいだろうか。聞けるだけ聞いてみよう。

 

「ふむ、転生先はゼロの使い魔と名付けられた物語が正史となる世界だ。容姿の引き継ぎは無い。名前は望めば引き継げる。

 ただしその際は神託を行う事になるため考慮するように。最低限君が生前持っていた能力の水準までは確実に辿り着ける。

 追加要素は転生先の世界で絶対に必要となるであろうもの。それ以外の特典は三つまで許可する。制限は特に無い。

 注意事項とは少し違うが、君が次の世界で死んだ場合、そのまままた転生して貰う事になる。記憶の引き継ぎ等は自由だ」

 

ふむふむふむ。ゼロ魔かあ。また色んな意味でフラグ乱立の世界だな。見てる分には面白いのかもしらんが…

まあゼロ魔の世界について考察しだすと長くなる。先に他を考えようか。

容姿の引き継ぎが無いのは当然だろう。天然の黒髪黒瞳なぞ存在しない世界だ。少なくともハルケギニアには居ないらしい。

A型とO型の親からBの型の子供が生まれるかよおーーっ!みたいな事になる。実際には極々低確率であり得るらしいけど。

何にしてもロマリアから異端認定食らいそうな要素は外してかかるべきだろう。次に名前だ。

引き継ぐかどうかは自由。そして引き継ぐなら神託を行う。これはロマリアが煩そうだな…親だけに神託をしてもらうか?

それはそれで親が騒ぎそうだ。ユウジじゃなくてユージにすれば然程違和感も無いし、呼ばれ慣れた名前がいいのだが。

いや、そもそも転生先はどんな家庭なんだ?平民とかだとまた面倒な事になるぞ。

 

「転生先はある程度選べるな。条件に合う家庭の女性に妊娠してもらうことになる」

 

うはー、そこも選べるんだ。意外と気前がいい…のか?それに生まれた子供に憑依させるわけじゃないんだ。

まあそれなら罪悪感も薄いかな。余り積極的に両親と関わる気も無いのだが。

とりあえず貴族は確定。平民とか何があって死ぬか分からん。跡を早く継げるように未亡人か、それに近い所がいいか。

あ、妹欲しかったし妹が居るとなお嬉しい…まあそれは俺が生まれた後の事だし優先順位は低いからいいや。

国は出来ればゲルマニアがいいだろう。原作では大きな問題も起きなかったし、傍観するには丁度いい。

積極的に介入するとしたらある程度の地位は必要かな?とはいえ派閥とかあると面倒だ。なら子爵家辺り。

子爵家の中ではある程度裕福で、あとは他の国と接していない…出来れば国の端っこがいい。

ゲルマニアならやりよう次第では子爵家からでも出世は容易だ。ならばなるべく問題からは遠い位置がいい。

最悪自分以外の全てを敵に回すことも、可能性はかなり低いが考慮しないといけない。なら尚の事辺境がいい。

 

「ゲルマニア辺境、ある程度裕福な子爵家の長子、母親は未亡人であり跡を継ぐことを期待されている。妹が一人。

 名前は母親にのみ神託を行い、ユージと名付ける。でいいか?」

 

OKです。というか妹アリなんだ?適当に魂引っ張ってきて新品にして受胎させる?マジですか。

あれ、それが出来るならまさか処女懐胎とか…うわ、出来るんだ。へ?いやしないしないしない!ロマリアが黙ってねーよ!

もしかして生前の俺もこんな風に記憶消して転生したんだろうか?それとも今からスタート?そこは禁則事項?さいですか。

まあそれは置いといて。能力は最低限、生前の俺と同じ水準か。とはいえ魔法とか使えたわけないし、極一般人だった。

一応運動はしていたし人並みの筋力はあったと思うけど、何かの達人というわけでもない。

頭脳に関してはそこそこ自身はあるが、かといって過剰な期待が出来る程でもない。

追加要素は要するに魔法の才能とかそういう類のものだろう。あとは言語とか?

 

「魔法の才は何の特典も無ければ努力次第でスクエア、怠ればドットだ。精神的なもののため必要な努力は君次第だな。

 言語に関しては読み書き会話全て出来る。ただし幼少時は口の筋肉が未発達なため舌足らずになるがな」

 

わーお、サービス満点。魔法至上主義だし、才能はあって困る事は無いかな?実際にどうするかは兎も角。

言語は素直に嬉しいな。下手に日本語の知識があるから新しく覚えるのは大変だ。

英検二級、漢検準一級を持っていたからそこまで語学の才が無いとは思わないが…

それでも人より習得が遅いと枷にしかならないな。基本的に早熟な秀才を演じておけばいいだろう。

で、次は特典か。制限が無いなら不老不死とかでも有りなのか。そんなものに使う気ないけど。

どうせ不老不死にするならそれこそ不老不死も含めて色々出来る能力のほうがいい。

とはいえ余り反則的な能力あってもロマリア辺りがなあ。でもエルフ対策は必要だろう?うーむ…

そうだ!才能を貰おう。開発や発展・応用の才。魔法とか機械技術とか…そういったものの開発・発展・応用が出来るように。

程度はよく分からんから任せよう。適当にしておいてくれ。

 

「(ふむ…適当の基準がよく分からんな…まあこちらで決めていいのだろう。ならば文字通りの能力でいいか)

 分かった。あらゆる物事を開発・発展・応用させる才を与えよう」

 

お、中々良い感じ?まあ細かい度合は実際に転生してから調べればいいや。

次なんだが、高速思考をくれないか。これがあれば物覚えも多少早くなるだろうし、不意打ちを食らった時も対処しやすい。

 

「(高速思考か…高速の定義は…設定するのも面倒だ。最大速度なら擬似時間停止、後は自由に調整出来ればいいか)

 分かった。高速思考の能力を付与しておく。人体構造によるものではなく異能の類になるぞ」

 

あー、まあいいか。思考が早い程度で異端認定はされないだろう。

才能貰って内政で活躍する地盤は出来た。高速思考で政務等もこなしやすい。疲労は魔法でどうにでもなろう。

戦闘に発展した場合の事を考えるか?いや、それではただの兵隊だ。むしろそれを指揮する側…良し。

カリスマを貰おう。人間関係を円滑に、いざとなればある程度の強制力も持つ。魅了に近くなるのか?まあいいか。

 

「(ふむ、カリスマ…本来のそれは本人の態度次第だな。能力としてなら…絶対命令権か。対象は…特に決めなくても良いか)

 カリスマだな。分かった。これで全てか?」

 

OKOK。もう一回死んだ後の事はその時聞けばいいか。さて、これであらかた済んだかな?

取り敢えず馬鹿みたいな反則能力でもないし、適度に楽しめるだろう。というか、享楽的に過ごせれば何でもいいんだけど。

メイドとか一杯囲ってさ。嫁?んな面倒なもんは老獪してからでいい。シエスタとか欲しいなあ。あの乳は貴重だ。

まあモブでもいい。綺麗な娘も一杯居るだろうし。態々原作に手を出す必要も無かろう。

原作介入は気が向いたら。面白そうで、安全に出来そうだと思ったら。それでいい。

 

「よろしい。では意識を落とす。次に目が覚めれば次の世だ」

 

りょーかい。さて、目一杯愉しませて貰うとしますか…

 

 

 

 

 

 

 

 

------------------------------------------------------------------------------------------------

 

「陛下、宜しいですか?」

 

傍に控える女中…メイドが俺に声をかけてくる。大丈夫だ。今更緊張も無い。

 

「ああ、準備完了だ。それじゃあ行ってくるよ母さん、ユエラ」

 

女中に一言返し、そのまま母さんと妹のユエラに声をかける。

 

「ええ…頑張ってね、ゆー君」

 

「いってらっしゃい、お兄様」

 

母さんはいつものようににっこりと可愛らしい笑顔を浮かべ、俺を送り出してくれる。

その隣では妹のユエラが俺に向かって微笑みかけてくれる。どちらも気負いや不安は無く、いつもどおりのようだ。

それを確認した俺はそのまま二人と口づけを交わし、表情を引き締めて部屋の外へと歩き出した。

 

 

 

 

―ワーワー!―

 

歓声が響く。皆今日この時を喜んでくれているようだ。それもそうだろう。今日この時より新たな世界が始まるのだから。

俺が片手を上げ静粛を促すと、先程までの歓声がピタリと止んだ。

 

「皆、今日この時を待ちわびた事だろう。私も皆とこの時を迎えられたことを嬉しく思う。

 今、このハルケギニアは混乱の序章の中にある。これよりこの地の多くは荒れるだろう。

 だが、それは皆に不幸を齎すものではない。この時、此処より数多の栄光が始まるのだ。

 人は、平等ではない。生まれつき足の不自由な者、目の見えぬ者。貧しい者富める者。

 人は平等ではない。故に争い、競い合う。諸君、私は戦争が好きだ。

 我が最愛の民に刃を振るう者。我が豊穣の大地を魔の力で滅ぼさんとする者。

 そのような下衆共を薙ぎ払い、打ち払い、蹂躙し、征服する。

 我が眼前に立ちはだかる者は須らく滅ぼそう。汝らが幸福を乱す者には相応の痛みを。

 平等でない者は争え。競い合え。その先にこそ進化と栄光がある。

 万難は排せ。敵は打ち倒せ。我々は今この時を生きる者。汝らが幸福はその手にこそある。

 故に、私は諸君らを導こう。守り抜こう。

 恐れる事は無い。疑う事は無い。躊躇う事は無い。諸君らの正義は、栄光は、幸福は、この私が約束する。

 我は今!此処に!ブリタニア皇国の建国を宣言するッ!!」

 

―…ワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!―

 

朗々と力強く謳い上げ、最大声量を以って宣言する。

巻き起こる歓声。視界を埋め尽くさんがばかりに集った人々は俺の言葉に全力で歓喜の声を上げた。

 

 

 

 

 

 

やあやあ皆さんお久しぶり、原田悠二改めユージ・フォン・ロディア・ツー・ブリタニアだ。

フォン・ロディアはロディア領出身であり姓がロディアである事、

ツー・ブリタニアはブリタニア領主(王)でありブリタニア王家の者という意味を持っている。

幼名等は無いのでこれらを合わせて名前となる。

で、今の年齢は15歳。今日この時よりブリタニア皇国の皇帝となる。

まあ基本的に仕事は部下任せで俺がやるのは書類に判を押すぐらいだ。

精査せずとも優秀かつ忠実(にした)俺の部下達はきちんとやってくれるからな。

一応次代以降の事も考えた仕組みは用意している。

とりあえず一段落着いたらブリタニア魔法学園に入学する予定である。魔法がどうこうと言うより、顔を広げるためだな。

勿論諸外国からも留学生を募る。なーに、最早無視出来ない規模の国家なんだ。留学生を送らないなんて事は出来ないさ。

原作メンバーの一人でも来てくれたら面白くなるだろうな。

え?何?話が飛び過ぎ?わけがわからないよ?あー、スマンスマン。流石に飛ばしすぎたな。

じゃあとりあえず俺が転生して数年後…まともに活動出来るようになった辺りから語っていこうか。

 

 

 

 

 

 

「ゆー君、おはよう」

 

「おはよう母さん」

 

今俺の前に居るのは呼称の通り俺の実母のフレア母さん。年齢は25歳。

ウェーブの掛かった淡い赤髪を腰まで伸ばし、大人っぽい柔和な顔立ちで非常に可愛らしい笑顔を浮かべる女性だ。

妹を妊娠して直ぐに親父が亡くなったらしく、今では親父へ向ける筈だった分の愛情まで俺と妹に向けているようである。

そのため二人して溺愛されているのだが、余り子供のやることに口を出さない。

注意したり何かと教えてくれたりはするのだが、理由を問い質したり無理矢理やめさせたりなどはしない人だ。

普通ならそれだけ甘やかされて育てば歪に育つ可能性もあるのだが、そこは既に中身成人の俺。

しっかりとした早熟な秀才を演じ、妹にも兄として色々と教育を施している。

 

「おはよう、お兄様」

 

「おっと、おはようユエラ」

 

今抱きついてきたのが俺の妹のユエラ。年齢は5歳。ちなみに俺は今6歳だ。

この娘もずっと面倒を見て可愛がっていた事もあってすっかり懐いてしまっている。

首に腕を回して抱きつき、首元に頬をすりすりと擦りつけてくるというちょっと度を超えたブラコンである。

しかも離れようとしない。それを見てなぜか母さんも抱きついてくる。この体勢が今の俺の日常だったりする。

正直家族としてだけ接するには中々厳しいものがあるのだが…特に母さん。俺からすれば適齢期真っ只中である。

しかもかなり美人で体つきも豊満。ものすっごいフェロモンを毎日至近距離で浴びている。

精通が済んでもこのままならユエラ共々いただいてしまうかもしれん。いや冗談ではなく。

あと10年経っても母さん35歳、ユエラ15歳。俺16歳で精神年齢41歳。多少体に引き摺られる事を考慮してもドンピシャである。

元々女性…特に色気のある女性や知的な女性が好みの俺からすればモロに好みなのだ。

幾ら生まれた時から母親とはいえ俺からするといきなり義理の母が出来た程度の感覚である。十分欲情出来る。

というか20歳を超えてない美女のおっぱい飲ませて貰うのは………いやはやごちそうさまでした。

 

「ゆー君、今日は何のお勉強をするの?」

 

「魔法の開発をしようかなって」

 

最初は俺の異常性を隠す気で居たのだが、母さんの溺愛ぶりと俺のお願いをよく聞いてくれる事から、

余り外部に言いふらさないように頼んだ上で自重をかなぐり捨てた勉強をしている。

なにせ2歳で既に言葉ペラペラ。3歳で一通りの文字を使いこなし、4歳で土ドット。5歳で土ラインと水ドット。

6歳で土トライアングルと水ラインと風ドット。いや、異常過ぎるっしょ。

けど母さんは「ゆー君凄い!流石ゆー君ね♪」と大喜び。普通気持ち悪がると思うんだけど…

ああ、魔法の才能だけどね、確かに努力次第ではスクエアになれるっぽいね。………全属性。

いやいやいや、待てよおい待てよ管理者。おかしいって。これ下手すりゃスクエア以上も行くんじゃね?

確かトリステインのエロ学院長がオクタゴン(8)スペルだっけ…

そんな俺の影響を受けたのか管理者が何かしたのかは知らないが、何故か妹のユエラまで天才。

3歳で小学校高学年ぐらいの喋りが出来て、4歳で同じく小学生レベルの読み書きは出来た。

現在土と水のドットです。いやあ、リアルな天才パネェ。まあ確実に俺の影響受けてるけど。

 

「"開発"かあー。魔動人形(オートマタ)じゃないの?」

 

「今日作るのはその改良版」

 

そうそう、俺が貰った能力なんだが、ちょっと予定と違う部分があった。

まず分かりやすいとこから高速思考。これ最初はちょっと考えるのが早い…フラッシュ暗算余裕ですぐらいに考えてたんだよ。

所が試しに全力で使ってみたら周りの色が抜け落ちたように見えて、しかも全部止まって見えるの。

…うん、擬似的な時間停止だね。体も動かないから思考だけ加速してるみたいなんだけど。

いわゆる無限加速って奴かな。無限に加速しているから時間が停止しているかのように感じるというわけだ。

これが発覚しため体の感覚神経を制御する魔法を開発。

正確には、五感が一定レベル以上の異常(痛み・熱さ・風切り音・異臭等)を感知した時点で、

自動的に思考加速のトリガーを引いて加速状態に移行する魔法を開発したのだ。

これで奇襲を受けたりしても痛みを感じた時点で反応出来る。

次に開発したのが無詠唱技術。正確には思考によって魔法陣を描き、口頭での詠唱を略して発動する魔法だ。

これの最大のメリットは思考加速状態で使える事。

時間停止レベルで加速してしまうと口を動かそうとしても動かないから詠唱が出来ない。

だがこの魔法があれば加速中でも魔法行使が可能。痛みを感じた時点でエアハンマーぶっ放せば表皮を傷つけるだけで済む。

かなり反則的なこのシステムのおかげで奇襲等ではまず死なない。毒なんかも追い出す魔法あるしね。

 

「んーーー…お、キタキタキタ!閃いたぞ!」

 

「相変わらずどういう頭してるの?お兄さま」

 

ユエラの呆れたような声とニコニコ笑っている母さんは放っておいて、錬金を始める俺。

高校で習った原子配列をイメージして金属を錬金。閃いた分量を錬金で合成して合金を生成。

それを閃いた設計図に合わせて形にして行く。流石に電子機器は無理があるのであくまで骨組みだけ。

そして内外の至る所にルーンを刻み、中心部に核となる俺の血の結晶を生成する。

開発用に改良した錬金魔法によって見事な魔動人形が完成した。

さて、ここで開発について説明しておこう。正確には開発・発展・応用する能力である。

これらは本当に文字通りの効果を持っている。魔法だろうが機械だろうが技術だろうが人間の脳だろうが、

"開発"という言葉の当てはまる事ならなんだって出来る。発展と応用も同様。

見たことも無い、前世でも不可能だったようなものですらこの能力にかかれば開発出来てしまう。

前述の感覚制御魔法や無詠唱技術を開発したのもこの能力である。

本来なら様々な分野や技術を用いて長年の研究を行い実験と失敗を繰り返してやっと完成するそれを、

何か思いついたから試しにやってみたら出来たレベルで成功させてしまうのである。

………なにこれ反則過ぎね?

 

「おおー!お兄さま、コレ何!?かっこいい!」

 

「おお、そうかそうか、これの良さが分かるか妹よ」

 

さて、目の前に作り出した自動人形(オートマタ)を見てはしゃぐ我が妹ユエラ。

自動人形(オートマタ)とは俺が開発した新機軸の人形である。材料を用意して人形を作成。

その内外に各部制御用のルーンを刻み、心臓部に俺の血を結晶化させたものを内蔵する。

この結晶に魔力を蓄える事で、その魔力を動力として自動で可動する人形が完成するという寸法だ。

以前作ったのは単純に魔力を流すとルーンによる一定のプログラムに従って各部が動作するというもの。

荷物運びなど単純なものならこれだけでも十分なのだが、やはり人工知能…所謂AIは付けたかった。

だから態々血液結晶に魂に類するものの一部を組み込み、それらを記憶媒体としてプログラムを書き込む事でAI化した。

これらも専用の魔法を開発したのだが、流石に魂レベルの神秘へ干渉する魔法を開発するのは骨が折れたよ。

プログラムといっても電子的なものではなく霊的なもので、簡単に言えば擬似的な魂を宿した人形と言うわけだ。

魂の材料なんてそこら中に幾らでもあるしね。プログラム書き込む程度なら小動物一匹分で十分だ。

人間っぽいのを作る場合でも、感情を最低限にして命令をこなすための忠実な従者を作るなら熊10体分ぐらいで済む。

何時でも何処でも作れるように、大量の魂を結晶化させて常に持ち歩いている。所謂賢者の石だな。術法増幅は出来ないけど。

 

「相変わらずゆー君の魔法は凄いわね~。こんなに凄いものを一瞬で作れてしまうんですもの」

 

「それ用の魔法を態々開発したからね」

 

そう、それが今使った錬金魔法。構成する物質の原子配列等の構造を予め公式として用意し、

それに合わせて物質を分解・再構築する錬金魔法。

石から金を作るのは難しいと言われる理由は、理解が足りないために膨大な無駄を出しているためだ。

この世界では原子なんてしられていないし、更に細かい原子核や電子陽子なども同じく。

物質の構造を変えようと思えば最低でも分子を弄る事になるし、別の化学式に変えようと思えば原子を弄る必要がある。

それを更に全く違う元素の物質に変えようと思ったら電子配列を弄らないといけない。

変化させるものが細かくなればなるほど、複雑になればなる程、正確な知識とイメージが必要となる。

それが足りていないから多くの魔法使いはごく簡単な錬金しか出来ないのだ。

既にトライアングルに達している俺なら前世からの知識と正確な閃きにより完全な錬金が可能だ。

で、その完全な錬金を行うための公式を予め用意し、そこに実数となる材料と完成予定の解を代入してやれば、

あとは代入を終えた計算式に合わせて物質を分解・再構築していく魔法を作ったのだ。

勿論正確な代入を行うために脳内のイメージを正確な設計図に変える魔法や、

ディテクトマジックの応用で材料となる物質の状態を正確に代入出来るようにする魔法を作った。

魔法なんて数学と一緒さ、というのが俺の持論である。

スペルという公式に決まった情報を代入し、魔力で演算させるファンタジー数学。

 

「ぱーって消えたらぱーって出来て。凄いわね~」

 

うん、イマイチ伝わらんな。

要するに、地面を材料にしたら普通の錬金なら地面が光って直接変化する。

けど俺の科学錬金は地面を材料にしたら一度原子或いは電子レベルで分解。

対象のポイントに集積して設計図に合わせて構築して行くのだ。

変換時に電子の移動や余分な電子の放出が行われるため分解し再構成される際に粒子が光を帯びる。

構築式を予め用意し、魂による記憶媒体に記憶させているため一瞬で変換が可能だ。

これらから地面が一瞬で光の粒子に変わり、対象に集まって一瞬で物質を構築したように見える。

かなり異常なレベルでの高速・超高精度錬金である。

 

「俺の言葉は分かるな?よし。もう一体作るから全力で壊しあえ」

 

もう一体作成すると俺の命令に従い動き出す。

高速でパンチやキックを繰り出し、相手を壊しに掛かっている。やはり人形は壊れる事を気にしなくていいのがいい。

AIは作ったけど自己進化なんぞしないし人格や精神なんて無いからな。

魂といったって要するに霊的な物質の塊に過ぎない。

精神や人格は皆無だから心も痛まないし、裏切るという事もミスをするという事も無い。便利だ。

まあ、俺が本気で命じれば逆らえる奴などそうそう居ないのだが。

 

ついでだしこの機会に最後の特典も語っておこうか。

三つ目として俺が頼んだのはカリスマ。

これもせいぜい人の上に立つ才能とか、相手に威圧感を与えるとか、その程度だと思っていた。

しかし蓋を開けてみればとんでも無い。俺が本気で言葉を発せば逆らえる奴など居なくなる。

心理的に一瞬だけ逆らうという選択をさせないだけなので永続的な効果はない。

が、何度もそんな風にされていれば自然と逆らえないという感情が根付く。

死ねと言えばその場で自害するし、黙れと言えば赤子ですら泣き止む。野生の熊に跪けと言ったら跪いた。

圧倒的なカリスマ。一瞬ならば逆らおうという気すら起こさせない。

気配に乗せて発すればそれだけで万国の王よりも絶対的な威圧感と風格を感じる事となる。

年齢や外見など関係無い。存在しているだけで絶対者。そこに居るだけで誰よりも"王"である。

しかも何か生き物だけじゃなく現象とかにも効果あるっぽい。

こちらは殆ど影響無いんだけど…今後"発展"するかも知れない。

 

「反則くせえ」

 

「お兄さま?」

 

何でもないよーマイシスター。

まあそんな訳で予想というか予定の斜め上を外宇宙まで吹っ飛んでったような反則能力のオンパレードなわけだ。

しかもON/OFFの切り替えや加減まで出来るためマジで好き放題出来てしまう。

とりあえず目下の目標は3m級魔力駆動式機動兵器、魔動装機(パーソナルトルーパー)の開発である。

うん、某フロンティアのアレだ。ファントム・ナハト・アーベントの三機を製造予定。

現段階では俺からの魔力供給を必要とする魔動人形(オートマタ)だが、

何れは魔力精製機関を開発・内蔵し、使用した弾薬は自壊、科学錬金によって無限補給を行うようにする。

それを1000機も用意すればトリステインの一つや二つは落とせるだろう。

烈風のカリンも機械による犠牲や消耗を顧みない飽和攻撃には耐え切れない筈だ。

まああんなボロ国家取る気無いけどね。やるなら適当に反乱起こして独立するっちゅーの。

幸いゲルマニアの王は始祖の血を引いていない。反乱起こしても異端扱いはされないだろう。

魔動装機(PT)も新開発のゴーレムで通るだろうし。そもそも機械って概念が無いんだからバレるわけない。

いやあ、早くやってみたいね。コール・ゲシュペンスト!とかゼロ距離…取った!とか。

 

「他の属性もランク上がったら色々やりたいなあ」

 

偏在も色々出来そうだし、炉心魔法とか作ってみたい。

水系なら不治の病の治療、心神喪失の治療、避妊魔法に不妊治療。

IPS細胞なんてのがあるんだし魔法なら欠損部位の完全再生も夢じゃない。

あとはカウンター等の防御魔法の貫通を目的にした魔法かな。リボルビング・ブレイカーに内蔵したりして。

サーヴァント用じゃない召喚・送還魔法だって作りたいし、ガンダールブとかの再現魔法もいいな。

それが済んだら国でも起こしてみようか。俺の知識でも充分有意義に使えるのは確認済みだし、いざとなれば"開発"がある。

まずはメイドだな。出来ればシエスタを回収して、他にも好みのメイドを集める。

指揮官や文官、外交官として有能な奴を今のうちから育成して…

最終的には城の中は人間は全員俺のお手つきの女、それ以外は全部魔動人形や魔動装機にするとか。男の浪漫だな。

まあそこまで行かなくてもむさい男は極力減らせるだろう。下位の文官や兵士は全部人形や機械で占めればいいし。

雇用なんて他のとこでいくらでも用意出来るだろう。王都だけは俺が全部やって、それ以外の町では雇用を重視してもいい。

そうなると王都は新しく作る事になるか。どうせ国を起こすんだし、国を治めるのに都合のいい場所に新しく作ってしまうか。

ああ、夢がひろがりんぐ。ふははは!人民よ、この俺の快楽の犠牲となって安寧と幸福の日々を送ってしまうがいいわ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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