Bullet of Hearts 〜白と黒の戦線〜   作:水元アクト

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【第二話】《弓使いの戦士》

《とある哲学者はこう言った。人間は好奇心の塊である。故にそれをみたし、学ぶ為に行動すると……》

 

その時、僕が振り返ったその瞬間、その一瞬で世界が凍った……

止まったと表現した方が正しいのであろうか。それは、まるで自分一人だけが時間という流れからはじき出されたような感覚。辺りの景色はそのまま、しかし、それらは青白く質感がなくなって、まるで絵のような見た目に変化していた。見渡す限り青白く静かな世界がそこにあった。

僕は試しに足元の小石を拾ってみた。

見た目は青白いものの、重さや感触は小石のそれであった。

 

1分ほど考えているうちに自然と冷静になってきた……と思った矢先、横からすごい衝撃とともに視界がぶれブラックアウトした。

何かに体当たりされ地面に倒れたと理解した時には、視界の半分以上が闇に沈んでいた。

薄れゆく意識の中、僕の目の前に何か大きな獣のような何かがこちらを見つめていた気がする。

 

《深く深く沈んでゆく意識

底の見えない穴に落ちてゆく視界

なんとも言えない浮遊感

これらが混じり合いながら僕の心を包んでゆく。暗く深い揺り籠に揺られながら僕はもう一人の僕に出会った……》

 

意識が戻り始めに目にしたのは

弓を片手に何かと対峙した女性だった。

「お、お目覚めかい?。」

反射的に飛び起きる僕に女性が声をかけてきた。肌は透けるように白く服は上から下まで全部白色で、

目は深海の様な藍色をしていて髪は腰あたりまできているほど長い。

手に持った弓は2本の蔦が絡まりあったかのような形状をしており、所々に枝や葉のような分岐や突起もあった。

まるで月桂樹の冠を無理やり弓の形に変えるとああなるのだろうとかなりどうでも良い事を想像した。

 

女性と言ったが声は中性的でもしかしたら髪を伸ばした男性かもしれない。

……と、そんなことを考えている場合ではない。

よく見ると彼女の向こうに小さな何かがこちらを凝視していたのだ。

見た目は犬や狼のそれに近く輪郭は霞がかったかのようにボヤけて、揺らめいていた。

 

「君、大丈夫だった?」

正体不明のそれと対峙している彼女の口調は軽く、まるで親しい友人とでも話すかのようだった。

だがしかし、彼女の視線は正体不明の何かをしっかり捉えている。

 

僕の頭は今にもパンクしそうだ。

色々な出来事がグチャグチャに混ざり合いどこから手をつけていいかわからなくなる。

 

「すぐ終わらせるから君はそこで見学でもしているといいよ。」

そう言いながら、唐突に彼女は走り出した。化け物に向かって……

「ちょっと……」

僕はこの言葉を言うので精一杯だった。

 

走り出した彼女はまるで風のように化け物に近づき弓を振りかぶり、

鈍い音ともに化け物を捉えた。

弓をまるで近接武器のように扱い、助走して増大した運動エネルギーを余すことなく載せた一撃が化け物の腹部に命中し、公園の端まで吹っ飛ぶ化け物。

 

彼女は間髪入れずに今度は弓として矢を放つ。追撃する弓は段々とスピードを増し、今や数本の光の筋となっている。

 

まるで夢でも見ているような出来事の連続。僕が思っていたよりも化け物の動きは遅く弓を極限まで活用している彼女の前では一方的に叩かれるだけだった。

 

数本の光が幾重にも重なっているさまは、まるで流星群のようで思わず見とれてしまった。ふと思えば、彼女は結構美人な方だと思う。そんな事を考えていると顔が赤く熱くなってきた。

これが極限状態に陥った時のドキドキを恋のドキドキと間違える吊り橋効果というやつだろうか。そうならば我ながら情けない思考回路だ。

そう思いながらもその絶景とも言える戦闘に見とれている自分がいた。




【後書き】

お久しぶりです。
早いもので、前回の投稿から一ヶ月経ってしまいました。
物語もいよいよ戦闘へと突入しました。
これから様々なキャラクターがでてくると楽しくなるのかな……
なにぶん多忙な身なので遅筆なのは察して下さい。

それでは、次回をお楽しみにっ!

追記
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