絢瀬絵里に恋をする   作:パステルカラー

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特別編 東條希の騒がしい誕生日

これは2年生になった生徒会の希と天満のお話。まあ、俗に言うパラレルワールドの話だ。

 

『誕生日』

それはその日に生まれた人が生まれてきたお祝いとしてパーティを開いたり手厚い歓迎を受けたりする日なのである。誕生日が無関係な人など日本にはいないだろう。まずはクリスマス、プレゼントをもらったり、前夜祭を楽しんだり、ケーキを食べたり、売れ残りのケーキを食べたり。最後のは違うか。まあ、そんな感じだ。

それに天皇誕生日。普段「天皇ってなんで様ついてんの?ウザくね。」「それな。」「だよな。あいつらマジでウザいわ。」とか言ってるバカでさえも天皇誕生日では、「天皇アザーっす。」「それな。」「マジで生まれてきてくれ感謝だわ。」とか言う。その日はみんな天皇に感謝しつつ、休日を過ごす。

これら2つから言えること、誕生日を楽しむのはもはや義務であると感じる。よって俺の誕生日も盛大に祝われるべきである。happybirthdaytomeと言わない世界を作るべきだ。

 

ああ、眠い。さすがに朝の6時集合は体にくる。呼び出した本人はまだ来ないし。しかも今日学校ある普通の火曜日だし、何してんだか。

昨日の夜『明日はうちの誕生日!なのでうちの言うことを聞かなくてはいけません!よって明日は6時に駅に集合!もちろん朝やで。』というメールが来た。俺の数ある特技のシカトを使っても良かったのだが、もしそれで希を待たせるのは心苦しい。俺の感情を揺さぶるなんて希恐ろしい子!

火曜日の朝といえどまだ6時ということもありまだ人はまばらでいつものような喧騒はない。これならベンチに座れば寝れそうだ。寝て待つのは礼儀的にアレなので立って待っているのだが、親曰く大人になれば日々に疲れ立ちながらでも寝れるそうだ。ああ大人になりたくねぇ。こんなこと考えてると朝が早いせいか頭もそろそろ限界に近い。早く希来ないかな。

 

そうこう考えてると30分遅れで希がやってくる。さて、どう言ってやろうか。30分は大きいぞ。

 

希「天っちごめん、遅れた。」

 

いつもの希らしくない標準語だった。ということは真摯に謝ってるらしい。なら、ここは気をきかせるべきだろう。

 

天満「そんなに、待ってねぇよ。遊園地のアトラクションのほうが全然待ってる。」

 

よくわかんない例えだな。「待ってない」で止めとくべきだったか。

 

希「そ、そう?良かった。30分くらい待たせてるのかと思った。」

 

その通りです。30分くらい待ってました。スピリチャルですね。

 

希「ほな、行こか。」

 

さすが希。希はSuicaではではなくICOCAを使うのか。ICOCAはSuicaの西日本バージョンだと思ってくれればいい。

 

天満「ってどこ行くんだ?何も聞いてないんだけど。それにこんな時間だぞ。」

 

朝6時集合で遊ぶなんてほぼありえないぞ。ただでさえ1人でゲーセンを練り歩いている俺は午後からの行動が多い。朝から電車に乗りどこかへ行くなんて以ての外だ。それにそれは休日だったとしたらだ。今日は火曜日。やってる店なんてコンビニぐらいなもんだろ。

 

希「今からうちの家に来てもらうんよ。まあ、その前に○友によるけどな。」

天満「なんで?」

希「うち一人暮らしなんよ。だから誰かと一緒に朝ご飯食べることなんて無いから一緒に食べたいなって思ったんやけど。ダメ?」

 

少し悲しげにこちらに頼んでくる。そう言われると断りづらい。毎日1人で準備をし1人で食べているのだとしたらそれは結構辛いのかもしれない。

 

天満「…いいよ。今日は希誕生日だしな。」

 

今日は希の誕生日だ。親に甘えられないのなら他の誰かに甘えても問題ないだろう。

 

希「ほな、買い物しようか!天っちは朝はパン派?ご飯派?」

天満「俺はパン派だな。弁当用意する時間を考えるとそっちのほうが楽だし。」

希「ならご飯にしよっか。たまには違う方を食べてみるのもいいんやない。」

 

そう言って○友による事になった。

 

ーーー

朝早くから男女2人で○友にくる奴らなんて物珍しいんだろうな、さっきからチラチラ見られてる。

 

希「さっきからちょくちょく見られてるね。なんか恥ずかしいなぁ。」

天満「そうだな。」

希「お似合いのカップルに見えてんのかな?」

天満「えっ?」

 

そういうことを言うな。恥ずかしいだろ。

 

希「……やっぱなしで///」

 

顔を真っ赤にして下を向いている。

自分でも恥ずかしいと思うならそんなこと言わんでくれ。こっちまで顔が暑くなるっての。暑いなこの店冷房つけてないの?

その希を見ているとこっちまで暑くなり手で顔を扇いでしまう。

 

天満「……早く材料買おうぜ。」

希「そ、そうやね。」

 

二人とも足早に店内を巡る。希はもうメニューを決めているのか素早く必要な材料を取りカゴに入れていく。

素早いのはいいんですがもう少しソフトに入れてくれませんか。腕が地味に痛いんですけど。

まあ、そんな願いもかなわずかなりの負担が腕に来ていた。

 

天満「もう買わなくてもいいんじゃね。」

 

というより買わないでください。希、腕が痛いです……。

 

希「あと、お米だけ。」

 

スーパーの中で1、2位を争うほど重いものじゃないですか。俺の腕ほつれたりしないよな。変なおじさんにメンテされないよな。

 

 

ーーー

希「もう少しでできるから待っといてな。」

 

希は家に着くとすぐさま調理に取り掛かった。家に着いて数分経ちリビングにはいい匂いが広がってきた。

 

希「お待ちどうさん。」

 

そういって置かれたのは鮭の切り身にお味噌汁に白米と漬物だ。よくあるタイプの朝ごはんだ。よくあるだけに味は決して裏切らない。目新しい朝ごはんとか食べるのリスキーだから嫌なんだよな。前に食べたエッグベネディクトは吐くかと思った。

 

天満「いただきます。」

 

どこぞかの美食屋顔負けのいただきますをしたので早速実食といきましょう。星は出るのでしょうか?そう思いお味噌汁に口をつける。

 

希「どう?」

 

ワクワクした顔でこちらに感想を求めてくる。ということは自信があるのだろう。お味噌汁は料理の上手さが明確に出る。下手な奴は濃かったり薄かったりする。だが希のお味噌汁はいい梅安だ。普通に美味い。悔しいでも、(美味しさ)を感じちゃうビクンビクン。

 

天満「美味いです。」

希「よかった。不味いって言われたらどうしようかと思った。」

天満「いや、言わねぇよ。もっとソフトに言うよ。」

 

例えば濃かった場合、高血圧に気をつけてとか。薄かった場合、これって懐石料理?とか。

 

希「聞かないほうがよさそうな気がする。」

天満「そうか?まあ、早く食べちまおう遅刻すんぞ。」

 

ーーー

食い終わったことだし食器の片付けぐらいはするか。そう思い蛇口を捻ると希が部屋から話しかけてくる。

 

希「天っち、片付けはうちがやるから。」

天満「いや、俺がやるよ。無銭飲食みたいで嫌だし。」

 

まあ、人の金で食う飯は美味いが、こう1から作られたものに対して何もしないのは心痛む。これはきっと母親的な何かで悪いことをしないようにする効果があるのだろう。よって、希はおかん体質である。みんな好きになっても仕方ない。

制服に着替えた希が部屋から出てくる。

 

希「こう見ると天っちお父さんみたいやな。」

 

さっきの理論のせいで一瞬イメージしてしまった。

うわ〜、俺奥さんに使いっぱしりにされてるよ。お小遣いも微々たるもんなんだろうな。きっとこき使われて帰って来てもみんな寝ててリビングにラップされたコロッケとかが置いてあって「あっためて食べてください。」とか書いてあるんだろうな。そんで1人寂しく晩御飯を食べるんだ。それでも反抗できない俺はきっと奴隷。

 

希「天っち手止まってるで。」

 

おっと、ちょっと妄想にふけりすぎたな手を動かしてこの妄想をどっかに飛ばさないと。

 

希「うちも手伝うよ。」

 

そう言い腕捲りをし隣にくる。

ちょっと近いですよ。もう少し離れてもできるでしょ。だから離れて、時々触れる腕に反応して皿を落としそうになるから。だから早く離れて。

 

希「なんか初めての共同作業みたいやね。」

天満「へっ?」

 

手から皿が落ちるのがわかる。

なんなん!今日の希なんか変やない⁉︎カップルに見えるとか、初めての共同作業とか、そういうこと言われると動揺してまうからやめてくれへんかな。お、落ち着き、エセ関西弁になっとるがな。ひい、ひい、ふう〜。よし大丈夫。危なかった、落ち着きを取り戻さなかったら告ってフラれているところだった。

それにしても朝からからかってきますね。もちろんやられたらやり返す。倍返しだ!

 

天満「そうだな。なんか夫婦みたいだな。」

 

さあ、どうだ?

 

希「そ、そ、ういうこというんのはズ、ズルイと思うんやけど!///」

 

希の顔は真っ赤に染まり、動揺からか手は震えていた。人をイジるくせにいじられるのに慣れてないとはいかに。

 

希「さ、もういいから早く学校行こ?」

 

そう言い制服のスカートで手を拭く。

ん?制服のスカート?

 

天満「おい、希。それ、制服のスカート。」

希「え?あぁぁぁ!!どうしよう⁉︎学校に行けへんやん!」

天満「お、落ち着け。ドライヤーで乾かせばいいだろ。」

希「今から持ってくる!」

天満「お、おう。」

 

今日はいつもより慌ただしく動いております。的な?

 

希「天っち!手伝って予想より乾かしにくい!」

天満「今行きます!」

 

おれは姑に小言を言われる新妻か?

 

天満「動くないよ。」

希「わかった。」

天満「やけに素直だな。」

希「時間ないやん。」

天満「どうするワット数あげるか?」

希「時間ないしそうして。」

天満「はいよ。」

 

ワット数をあげると風はいきなり強くなる。

そうするとスカートを吹き上げる

 

希「えっ?」

天満「あっ、し」

 

ーーー

絵里「あら、希おはよう。」

希「おはようさん。」

絵里「天満も、……ってどうしたのその顔?」

天満「ちょっと今朝整形してな。縁起ありそうだろ?」

絵里「ええ、とっても。」

希「スピリチャルな顔にしたんね。」

 

君がしたんですけどね。どう殴ったら仏像顏になるんでしょうか?目が重いです。

 

絵里「希、今日あなたの家でパーティーよ。」

希「いや〜嬉しいな。もちろん、天っちも祝ってくれるよな?」

天満「あっ、はい。」

 

どうも騒がしい誕生日は終わらないらしい。




のんたん誕生日おめっとさんです。石は三年生ガチャに溶けました。本当は次回の話を出してから誕生日を迎えるはずだったのですが色々忙しくどうも間に合いませんでした。急ピッチで仕上げたのでいつもよりゴテゴテです。どうか暖かい目で見てやってください。ではこの辺で次回は本編です。
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