絢瀬絵里に恋をする   作:パステルカラー

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愛の日は誰のために

1月が終わり、2月になる。1月の冷たい風が更に冷たくなり俺の体に吹き付ける。それのせいか家から学校に行くまでの足もいつもより幾分ばかり早足な気がする。

これだけ寒いというのに昇降口はいつも通り、いつも以上に賑やかだ。

 

モブ「なあなあ、今日バレンタインじゃん。どっちがチョコもらえるか勝負しね?」

モブモブ「いいぞ。負けたらチョコおごりな。」

 

また馬鹿なことをやっている奴らがいるな。そんなにチョコ食いたいなら自分で買えよ。

俺は昇降口で上履きを履きながらそう思った。今日2月14日。俗に言うバレンタインだ。

 

バレンタインを女子がチョコレートを作って渡すイベントだと思っている人が多いが、そんなにふわふわして、ラブラブとしたイベントではない。もらえる奴はかなり多くの女子からもらう。そうなればそれだけお返しが増える。=お金がよく飛ぶ。

また、もらえなかった奴はもらえなかったで落ち込む。そんで家に帰って親から「はい、チョコあげる。」なんて言われた日にゃトラウマになる。あの優しさは優しさではない。もはや凶器だ。そう、バレンタインとはどう転んでも男を傷つけるイベントなのだ。起源からしても男女を秘密裏に結婚させていたヴァレンティヌスが殺された日である。この日にいちゃつくなんて言語道断だ。」

 

絵里「それはもらえないから、もらえる人を僻んで言ってるのかしら?」

 

背後には今日も今日とて毒舌を吐いてくる絵里がいた。絵里は自分の支度をしつつ話しかけてきた。

 

天満「えっ?もしかして口に出てた?」

絵里「ええ。」

天満「どこらへんから?」

絵里「起源がの話をしてたわ。」

 

良かった。全部聴かれていたらなんと言われていたことか。そこは不幸中の幸いということでオッケー。

 

天満「でもそうだろ。なんで人の命日にこぞっていちゃつくんだよ。」

絵里「毎日が命日なんだから仕方ないでしょ。何かイベントがないと動かないもんなのよ。」

 

そんな毎日が日曜日みたいに言われても。

 

絵里「それにそういう人たちが日本の経済を回しているんだからいいのよ。」

天満「それを言われるとなぁ。」

 

それなのにオタクは許されないこんな世の中じゃポイズン。

話しているうちに教室着いていた。

 

絵里は俺よりも早く学校に来ている。その絵里と同じタイミングで学校に着くということは今日の俺の徒歩が早かったことになる。

 

いつもより早く着いてしまったので寝るとでもするか。いつも通り顔をうっぷしていると絵里の席の方が妙に騒がしい。

 

女モブ「ねぇ、絵里ちゃんお願い!」

絵里「私より上手い人いるでしょ?」

女モブ「いないよ。だから、ね。」

絵里「……わかったわ。昼休みと放課後ね。」

女モブ「ありがとう!じゃあ、また後で。」

 

一通り話しが済んだらしいので体は変えずに頭を少し持ち上げなんのことか聞くことにする。

 

天満「なんの話ししてたの?」

絵里「なんかチョコを作るの手伝って欲しいらしいのよ。」

天満「なんでそれを絵里に頼むの?」

絵里「私が前作ったものの作り方を教えて欲しいそうよ。」

天満「放課後に作っても渡せねぇだろ。」

絵里「大丈夫よ大体の生徒が部活に入ってるし、入っていない人でも今日に限って帰るのが遅かったりするから。最悪家まで付いてくることまであるし。」

天満「何それ実体験?」

絵里「ええ、私って可愛いから。」

天満「あっそ。」

 

自信過剰にもほどがある。どれだけ他の奴を倒してきたんだよ。

そういえば、気になる人がいる絵里はチョコを作って来たのだろうか?そうだとしたら調べ上げなくては。

 

絵里「そういうことだから、今日の仕事よろしくね。」

天満「はあ?」

絵里「私と希は元から作る約束をしていたから、2人とも出れないでしょ。」

 

冗談じゃない!言っちゃ悪いが基本的に俺は高スペックだ。だが、希は同じくらい高スペックで絵里はそれ以上に高スペックだ。その仕事を引き受けたら確実に家に持ち帰らなくていけない。そんなの絶対に嫌だ。

 

天満「いくら俺が高スペックで天才だとしてもちょっとそれはできないな。」

絵里「確かに災害級よね。色々と。」

天満「そっちじゃねぇよ。」

希「朝からお熱いですな。」

 

ひと昔前の茶化し方をしてきたのは希だった。

 

絵里「希、おはよう。」

希「おはようさん。」

天満「おっす。」

拓也「よお。」

 

なんでこんなすんなり入って来るの?骨の音楽家並にすんなりだったよ。もう海賊になってきて、そして帰ってくるな。

 

絵里「タク、その袋何?」

 

その袋とは、清瀬が持っている伊○丹の模様袋のことであろう。

 

拓也「ああ、これ。ほら、今日バレンタインだろ。こういうのがないと持って帰れないからさ。」

 

ん?こいつ何言ってんの?自慢ですか?そうですか。なら、こっちにも手がありますよ。お前がいない間に袋の底を水に浸して破れやすくしといてやる。

 

絵里「相変わらず、モテるのね。」

拓也「まあな。今日も下駄箱の中を埋め尽くすほど入ってたぜ。」

 

清瀬は謙遜することもなく、自慢するわけでもなく、さも同然のようにはなしてきた。

えっ、下駄箱の中にチョコ入れるのって迷信とか、学校の七不思議とかじゃないの?なら、なんで俺のところにはお菓子のゴミが入ってるんだ。

 

拓也「で、絵里チョコは?」

絵里「はい、」

 

そう言い、綺麗に放送されたチョコを差し出した。

 

拓也「お、珍しいな。絵里が作ってるなんて。昔は市販のだったのに。」

 

思い出を思い起こし感動に浸っている清瀬に絵里は。

 

絵里「それ、亜里沙からのよ。」

 

と絶望を与えに行く。

さすが、毒舌の絵里。俺らにできないことを平然とやってのける!そこにシビれる!憧れるゥ!

 

拓也「じゃあ、絵里のは?」

絵里「ないわよ。」

拓也「なんで⁉︎」

絵里「なんでいちいちあげなくちゃいけないのよ。もともとバレンタインは女性から男性ではなく、男性から女性にあげるものだったのよ。」

 

朝に自分の意見を不採用されたのにそれに似た論理を振るってくるとは、この人なんなん?

 

天満「あら、それはチョコが作れない言い訳かしら?」

希「フッフフ、あ、天っち、それは、だ、ダメや。もう我慢できない。」

 

少し絵里の口調を意識して言ってみたんだが、どうやら希のツボにはまったらしい。だが絵里にはどうやらお気に召さなかったようで。

 

絵里「天満。今から論破してあげるから覚悟してね。」

 

いつもより数段良い笑みを浮かべこちらを見てくる。

 

天満「いや、結構です。」

絵里「遠慮しなくていいのよ。まず、私はチョコを作ることができるし、なんなら家庭科部の人なんかよりも上手にできるわ。」

 

結構ですって言ったよね。聞いてないね。もう、時間切れを狙うか、

 

天満「そうだとしても、それは口で言っているだけであり、確証はない。論より証拠。ものを出してもらおうか。」

絵里「私に勝負を挑んだことを後悔させてあげる。」

希「じゃあ、天っちは仕事を半分はこなしといてね。終わってなかったら負けやから。」

 

ということで勝負になったんだが、結果的に俺手作りのチョコもらえるじゃん。うーむ結果オーライか?

 

 

ーーー

はあ、仕事が辛い。人間ってよくないな。どこも「いいないいな」じゃないな。激しい仕事にサービス残業、子供は家で寝ているだろな。家に帰ろう、お家に帰ろう。仕事を投げたしてばいばいばい。やばい絶望した。こんな変な歌歌わなければよかった。

そうは言っても仕事をしなくては俺の無条件降伏になってしまうので仕事をこなすか。

 

にこ「あれ?あんた一人?」

 

ノックもなしに生徒会室の戸を開いたのは矢澤にこだった。

 

天満「見ての通り。」

にこ「なんだ。これどうしよう。」

 

わざと俺に聞こえるように言わなくてもいいんですよ。俺は仕事があんで。

 

にこ「ねぇ、絵里と希が来たらこれ渡しといて。」

 

渡されたのは袋に入ったチョコレート2つと炭のような色をしたチョコが入った袋だ。

 

天満「この炭みたいなやつは?」

にこ「あんたの。下の兄弟にベイクドタイプの作ったら焦がしちゃって、捨てるのも勿体無いからあんたにあげる。」

 

ああ、ベイクドしたのね。びっくりした、普通にチョコレートを作ってたら、ダークマターが出てきたのかと思ったよ。チョコを普通に作るってなんだ?カカオから始めるの?だから炭になっちゃったのね、天満納得!

 

天満「そりゃ、どうも。これって義理だよな。」

にこ「義理の義理ってところよ。」

 

ああ、義理の義理とギリギリチョコのこの炭とかけたんですね。うまい!

 

天満「感想に期待すんなよ。」

にこ「きっと炭でしょうね。じゃあ私帰るから。」

 

なんか台風みたいだな。あんなことを言ってたけど本当はしっかりしているのだろう。

ガリッ

ガチで炭じゃねぇか。間違えちゃったのかな?にこちゃんってばドジっ子ね!……知っててこれを渡すかね?まあ、食べるんですけど。

 

ーーー

バリバリ炭を食べながら仕事をしているのだが、一向に終わる気配がしない。早くしないと炭をもらった時は仕事は任せろ〜バリバリみたいなことを言ってた気がするんだけど。

愚痴を吐いても終わるわけではないのでペンと炭を食べる手を進める。

しばらくすると絵里と希が少しげっそりして帰ってきた。

 

天満「お前らどうしたの?」

絵里「あの子たちはいったい家で何をやっているのかしら。」

 

絵里は仕事に疲れたサラリーマンのようにため息をついた。

ああ、ひどかったのね。まあ、最近はそういうキットが発売されているから全くできないのも社会のせいなのかもしれない。魯山人の納○キットとか俺が味オンチなのかしらんけど味変わらないしね。

 

天満「最近ではレンジでチンだけの食卓もあるらしいからな。」

絵里「それでよくトリュフなんて作ろうとしたわね。」

希「まあまあ、できたんだからいいやん。」

 

まあ、結果としてはできたらしい。こっちも一応できたので、あとはチョコの鑑定だけだ。

 

天満「じゃあチョコくれよ。」

希「あっ、」

 

えっ、何その「あっ」って「あっげますよ」の略?普通に「はい」とかでいいんだけど。

 

絵里「あの子たちが予想よりミスをしたからあなたの分ないのよ。」

天満「はあ?じゃあ何、俺タダ働き?サービス残業?ボランティア?」

絵里「ボランティアは違うでしょ。」

希「サービス残業も違うやろ。」

 

俺の仕事は労われないんですね。わかりません。

俺が絵里と希に文句をつけていると生徒会室の戸を叩く音がする。その主は俺らの返事を聞くことなく生徒会室に入ってきた。

 

美モブ「あの、相談したいことが。」

絵里「木崎さん何かしら?」

木崎「えっ、と、あの。」

絵里「それじゃ伝わらないんだけど。」

 

この言葉に棘はない。それは長いこと会話していた俺や希だからわかることであり、他の人からしたら威圧されているようにも聞こえるだろう。

 

木崎「す、すみません。こんなこと頼むのもなんなんですが。チョコの作り方を教えてください。」

絵里「さっきのじゃダメかしら?」

木崎「彼氏のために作りたいんです。」

 

こんなの見てると、爆ぜろリア充弾けろシナプス。バニッシュメントディスワールド!とか言いたくなるよね。

 

希「それなら木崎さんが作った方がいいと思うんやけど。」

木崎「あんまり自信がなくて。」

絵里「下手なものを渡したくないと。」

木崎「うん。」

絵里「私が手を加えたらそれはあなたのチョコじゃなくなるけど。」

天満「なら、隣で見てればいいだろ。アドバイスを出す役として。」

 

突然口を開いた俺を木崎さんはいつからいたの?みたいな目をしてこちらを見てくる。

こんな奇抜なデザインの置物生徒会室に置くわけないでしょ。人ですよ人。

 

絵里「そうね。それなら私はやってもいいけど。」

木崎「本当⁉︎」

絵里「ええ。」

木崎「お願いいたします。」

絵里「じゃあ天満仕事お願いね。」

 

また俺一人ですか?1人にするとなんか変な作詞しちゃうよ。それでもいいの?まあ、俺が物申したところで否決されるのが目に見えてるし、いいんだけどね。

 

ーーー

天満「やっと終わった。」

 

ようやく仕事も片付き暇を持つことができる。と言っても特に本などの暇つぶし用の物もあいにく持っていないため家庭科室でも覗きに行くか。

 

ーーー

家庭科室を覗くと絵里があーだこうだ言っているのが見える。相当手こずってるようだ。

 

希「天っち、覗きはあかんで。」

 

希はなぜか俺の後ろに立っていた。

なんでここにいるの?なんで背後なの?戦闘民族とかそういった類いなの?

 

天満「なんでこっちにいるんだよ?」

 

希はこれと言いコンビニの袋をあげて見せた。

 

天満「パシられたの?」

希「そうなるかな?」

天満「なんで疑問系なんだよ。」

希「うちも買いたいものあったしなぁ。」

 

パシられてるのに気づいてない?希がいい子過ぎるよ。誰か社会の闇から守ってあげて。

 

希「入らんの?」

天満「おお、入る入る。」

 

戸を開けると2人の動きが一旦止まりこちら見る。

 

絵里「なんで天満がいるのかしら?」

天満「仕事が終わって暇だったからな。」

絵里「もうそんな時間が経ってたのね。」

 

俺が優秀だったていう選択肢はないんですね。

 

木崎「すみません。私が下手なばかりに。」

絵里「私の教え方が悪いのだから気にしないで。」

 

それ、フォローになってないぞ。どうせ心の中で「このレベルで教えるの難しわね。」とか思ってんだろ。

 

希「でも、もう時間がないしなぁ。」

 

今は五時半。うちの学校にはライトなんて設備はないので冬場は早めに帰ることになってる。なのでできてあと一回だろう。

 

木崎「このままじゃ、」

天満「今まで何回失敗した?」

絵里「4回ぐらいかしら。」

天満「それまでの残骸は?」

絵里「ここにあるけど、それをどうするの?」

天満「ちょっと待ってろ。」

 

簡単なことだ。男なんてのは単純だ。手間さえかかってればなんでもいい。最悪手間なんてかかってなくてももらえれば嬉しい。男なんてそんなもんだ。だったら今までの失敗と今回の成功を混ぜてしまえばいい。それと、にこの炭でも入れるのは、…やめとくか。

 

天満「今までの失敗と絵里の成功の作品を混ぜておけば問題ない。というか絵里の作った奴を入れた方が印象はいいだろ。重要なのは誰が作ったじゃなくて、誰がくれたかだ。」

絵里「そんなのでいいの?」

天満「俺は構わないというかそっちの方が嬉しい。下手に手間かけて不味いものをくれるよりは、手間がかかってない美味しいものの方がいい。感想言わなくちゃいけないし、それにお返ししなくちゃいけない。手間がかかってない完成品の方がそれも楽だし、それに」

木崎「何よ、それ。」

 

俺の言葉を遮るように声を荒らげる。

 

木崎「そんなのでいいわけないじゃない!自分を見て欲しくて、感想が欲しくて、それだからあげてるんじゃない!」

 

木崎の叫びには感情がこもっていた。なら、その思いをチョコに込めればいいだけだ。

 

天満「ふーん。なら、成功にこだわんなくていいんじゃねぇの?」

 

最悪手間なんてかかってなくていいが、手間がかかっている方がいいに決まってる。その手間が自分への愛なのではないかと、そう思えるから。

 

木崎「でも、美味しい方が家庭的で印象が、」

絵里「そんなものは後からでもどうにでもなるわ。最初からうまいのはつまらないわよ。」

 

できる人にはできる人の苦悩があるらしい、絵里は少し辛そうに語った。

 

希「思い立ったが吉日とも言うしな。今日の方がいいんやない?」

天満「時間ねぇんだろ、早くしろよ。」

木崎「うっさい、やり方はわかったから私一人でやる。絵里ちゃんと希ちゃんも出てってくれる?」

 

木崎の言う通り3人は部屋を後にした。と言っても影から見守っているのだが。

 

希「天っちは人を煽るのうまいなぁ。」

天満「人からうざがられるのは得意でね。」

 

得意げに笑ってみせると絵里が納得がいかないようで疑問を投げかけてきた。

 

絵里「本当に手作りじゃなくていいの?」

天満「んなわけないだろ。手作りの方がいいに決まってる。」

絵里「なら、なんであんなことを?」

天満「煽りに決まってるだろ。ああいう類のものは一人で作らないと意味がない。だから絵里に手伝ってもらっちゃダメなんだ。」

 

どこかで後悔しないためにも自分一人で作りあげるのがいいに決まってる。

 

希「どうやら出来たみたいやで。」

 

覗いてみると不恰好な形をしているチョコを持っていた。味や格好なんて二の次三の次だ。どれだけ自分の思いを込めたかが重要なんだ。

 

天満「じゃあ、あとは結末を迎えるだけだな。」

 

 

ーーー

どこで渡すかは希が知っていたので先回りし茂みに隠れて見守っている。

 

天満「来たぞ。」

 

やってきた男子は部活を抜けてきたのか、額に汗が光っていた。

 

希「成功するといいね。」

絵里「そうね。」

 

2人との距離が少し遠く何を言っているのかわからない。だが口が動いているのははっきりとわかる。自分の中で留めておいた気持ちを表し、思い出すたびに嫌になるような言葉をつなげて、自分の思いを伝えているのだろう。

 

二人の間に暫くの無言が続いた。

男子がゆっくり木崎からチョコを受け取った。受け取られたのを感じると木崎はパッと顔を上げ男子の顔を見つめる。どうやら成功したらしい。これ以上俺らが眺めているのも野暮ってもんだ。絵里と希をつついて帰るよう促す。俺らは2人に気づかれないようその場を後にした。

 

ーーー

告白を見た後俺らは生徒会に荷物を取りに行き、色々と身支度をし帰宅の流れになった。朝よりも冷え込んでいるはずの空気もなぜか寒さを感じなかった。

 

希「いや〜、よかったね。成功して。」

絵里「そうね。手伝った甲斐があったわ。」

希「うちまでドキドキしちゃった。」

天満「長く続くといいな。」

絵里「天満がそういうことを言うのは意外ね。リア充爆発しろとか言うと思ってたんだけど。」

天満「本当は言うつもりだったんだけど、あれを見てたら言う気になれなかったんでな。」

 

あんなのを見せられたら言いたくなると思っていたが、全くそんなことはなかった。たまにはああいう展開も悪くない。

 

天満「ああ、そうだ。にこから預かってるチョコがあったの忘れてた。」

 

にこからのまともなチョコを2人に渡すためにバックを開くと。にこのチョコの代わりに見知らぬチョコが2つ入ってた。

 

天満「なにこれ?」

希「うちらからのチョコ。」

天満「なかったんじゃないのか?」

絵里「わざわざ作ってあげたのよ。」

天満「あ、ありがとう。」

希「どういたしまして。」

 

なんでロマンチックな渡し方するんだよ。さっきのシーンが頭をチラついて勘違いしちゃうだろ。

 

天満「感想はすぐに言った方がいいか?」

希「明日でいいよ。」

天満「大事にいただくわ。」

絵里「私も明日でいいわ。」

 

今日は感想を考えるまで寝れそうにないな。そういえば絵里は気になる人に渡したのだろうか。

 

天満「なあ、絵里はもう気になる人に渡したのか?」

 

絵里はすぐには答えず少しの間を置き微笑みながら答えた。

 

絵里「ええ、渡したわ。」

天満「そうか。」

 

 

そうか、みんな渡してんだな。バレンタインだもんな。愛の日は恋する乙女のためのものであり、ドキドキする男のためのものではない。バレンタインは乙女の気持ちを形にし、受け取ってもらう自分の思いを見せる儀式なのかもしれない。だからこそ、男は来月のホワイトデーで男気を見せなくてはいけない。

ああ、ホワイトデーのお返しが大変そうだ。

 




なんか前回と似たような展開になってしまいましたね。バレンタインでの告白はありがちな展開なんですかね?まあ、色々とやっていくつもりです。
これからは次回予告は決まり次第つけていく形にします。

次回「入試の問題」
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