「「おおおおおっ!?」」
ヘスティア・ファミリアのホームに帰ると、先に買い物を終えて帰ってきていたベル君とヘスティア様が、俺が持ち帰った魔石とドロップアイテムを換金した金を見て驚きの声を上げた。
「す、凄い……! これ、砕蔵さん一人で稼いだんですか?」
「たった一日でこれだけのお金を稼ぐだなんて忍者って本当に凄いんだね」
ベル君とヘスティア様の反応を見るに俺が持ち帰った81000ヴァリスという金額はそれなりの大金らしい。
「どうやら役に立てたみたいですね。それじゃあヘスティア様、ベル君。今日はこの金でどこかに食べに行きませんか?」
「それはいいね。うん、行こう。すぐに行こう。……って、そうだ」
そこまで言ってヘスティア様は何かを思いついたようで俺を見上げてくる。
「……ねぇ、砕蔵君? そのどこかに食べに行くって話なんだけど、そこにあと三人加えてもらってもいいかな?」
「あと三人?」
「うん。ミアハっていうボクの神友とそのファミリアの二人。ミアハは本当にいい神で、ボクも苦しい時に何度もご飯をおごってもらった事があるんだ。だからそのお返しを少しでも返したいんだよ。ね? お願い?」
両手を合わせて俺を見上げてくるヘスティア様。何て言うか神様に拝まれるなんて、地味に凄い体験をしているんじゃないか?
「俺は別に構いませんよ。ベル君もいいよね?」
「はい。勿論僕もいいですよ」
「ありがとう二人。それじゃあ早速行こうか」
☆
ヘスティア様に案内されたのは、小さい冒険者用のアイテムを扱っている店だった。
「ここか?」
「はい。ここがミアハ様のファミリアが経営しているお店で、僕もここでポーションを買っているんです」
俺の呟きにベル君が答えてくれて、ヘスティア様が店の扉を開けて中へと入っていく。
「ミアハ。いるかい?」
「おお、誰かと思えばヘスティアではないか。そなたがここに来るとは珍しいな」
「いらっしゃいませ。ヘスティア様」
ヘスティア様に続いて俺とベル君も店の中に入ると、そこには優しそうな表情を浮かべた男と頭に犬の耳を生やした女性がいた。今の話ぶりだとこの男の方がミアハ様なのか?
「ほう、ベルも来ていたか。……それでそちらの見ない顔を誰だ?」
「ふふん。彼はボクの新しい家族さ。飛斧砕蔵君って言って、ミアハのところの『彼』と同じ忍者さ」
ミアハ様がこちらを見て訊ねるとヘスティア様が胸を張って答え、それを聞いた神と犬耳の女性が驚いた顔をする。
「ヘスティアの新しいファミリアか。それはめでたい」
「それに『彼』と同じ忍者……」
「俺と同じ忍者? ミアハ様のファミリアにも忍者がいるんですか?」
俺の疑問にミアハ様が頷いて答えてくれた。
「そうだ。二年か三年くらい前だったか? 我が店の前に一人の忍者が倒れていたのだよ。見つけた時その忍者は酷い傷を負っていた上に思い病にかかっていて、我とそこにいるナァーザは彼を看病し、当時この店に一つだけあった秘薬を使い病を治した。するとその忍者は『命を救ってくれた恩を返したい』と言って我がファミリアに加入し、それ以来は冒険者としてダンジョンで資金やアイテムを作るのに必要な素材を取ってきてくれているのだよ」
「本当に凄いんだよ、『彼』は。このオラリオでも三人しかいない『Lv.7』の一人だし、難しいクエストも一人ですぐに解決しちゃうし。……でもそのせいで大きいファミリア、正確にはそこにいる団員達に睨まれて新しい加入者が来なくなったらしいけどね」
ヘスティア様の言葉にミアハ様が苦笑する。
「それは仕方あるまい。だが今では『彼』は我の自慢のファミリアだ。我にはナァーザと『彼』がいるだけで充分であるよ」
「俺と同じ忍者でLv.7の冒険者。その人は一体……?」
「ミアハ様。ナァーザさん。ただいま戻りました」
質問をしようとした時に後ろから若い男の声が聞こえてきた。俺は振り向いて声の主を見ると……その場で硬直した。
何故ならその声の主は俺のよく知る、だが全く予想しなかった人物だったからだ。
どうしてだ? どうしてお前がここにいる? いや、どうして「生きて」いるんだ?
……うちはイタチ。
次回も「NARUTO」の世界のキャラを一人登場させる予定です。