ダンジョンに忍者がいるのは間違っているだろうか   作:兵庫人

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第十三話

 ダン! ダン! ダン!

 

 イタチと再会し、キラー・ビーとも再会した次の日、俺はダンジョンの中を駆けていた。床だけでなく壁や、時には天井を蹴って風のように駆けていると、現実世界で生活していた時とは全く別の生き物のなってしまったんだな、としみじみ思う。

 

 そんなことを考えながら駆ける俺の前には、俺より先にこの異世界に来ていて冒険者として大成している二人の忍者、イタチとキラー・ビーの姿があった。昨日キラー・ビーに冒険に誘われた俺は、冒険者となって更に強くなったと思われる二人の力を身近で見たくて、彼の申し出を受けることにしたのだ。

 

 当然ヘスティア様からの許可はもらっている。ヘスティア様は「レベルが近い者同士の方が得るものがある」と言って快く頷いてくれたし、ベル君も自分のペースで一人で冒険を頑張ると言ってくれた。

 

『すまねえな、お前ら。ビーのわがままにつきあってもらってよ』

 

 ダンジョンを駆けていると突然頭の中に声が聞こえてきた。ビーの中に封印されている八尾の声だ。

 

『まったく……。ビーがあんな馬鹿な真似をしなかったらこんなことをしなくてもよかったのに。オイ、聞いているのか? ビー?』

 

「~~~♪」

 

 八尾の言葉にキラー・ビーが口笛を吹いて聞こえていないふりをする。そう、キラー・ビーが俺とイタチをダンジョンに誘ったのは、全て彼の「借金」の返済のためだったのだ。

 

 昨日キラー・ビーがライブを行ったあの会場、実は彼個人で建てたものらしく、その建築費用で一億もの借金を抱えてしまったらしいのだ。Lv.7の冒険者であれば一億くらい稼ぐのはそれほど難しくはないのだが、それでもやはり一人では時間がかかり、効率よく稼ぐために俺とイタチに声をかけたというわけだった。

 

 ……コンサート会場を自費で造るって、そりゃあ八尾じゃなくても馬鹿な真似って言いたくなるよな。

 

「気にするな。丁度俺のダンジョンに潜ろうと思っていたところだ」

 

「俺もだ。この世界に来たばかりでダンジョンにも慣れておきたかったからな」

 

『ありがとよ、二人とも。……ん?』

 

「どうやら出てきたみたいだぜ。コノヤロー、バカヤロー」

 

 俺とイタチが返事をすると先頭を行くキラー・ビーと八尾が何かに気づく。キラー・ビーの視線の先を見るとそこにはダンジョンの壁から数体の魔物が生まれようとしていた。

 

「予定通りにすぐに片付けるぜ。先手必勝♪ 俺達なら楽勝♪」

 

『昨日話したフォーメーションだ。頼むぜ。イタチ、砕蔵』

 

「ああ」

 

「分かった」

 

 話しながら駆けているうちに魔物との距離が近づいていき、目と鼻の距離まで近づいたところで俺達は攻撃を開始した。まず最初に仕掛けたのは……キラー・ビー。

 

「ウィー!」

 

 まずキラー・ビーが魔物達をすれ違いざまに一撃で倒していく。

 

「……シッ! 砕蔵さん、お願いします」

 

 次にイタチが絶命した魔物達が倒れるより先に死体にクナイをいれて魔石を抜き取って、さらに写輪眼を使い灰にならずに残りそうな部位、ドロップアイテムを切り取る。

 

「任せろ」

 

 そしてイタチが切り取った魔石やドロップアイテムを走りながら回収して時空間忍術で巻物の中に入れていく俺。……って、俺だけなんだか地味じゃないか?

 

 というかどこかでこんな妖怪の話を聞いたことがあるんだけど気のせいか? ……まあ、早いからいいんだけどさ。

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