ダンジョンに忍者がいるのは間違っているだろうか   作:兵庫人

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第二話

 この世界がどんなところか調べるにはまずここから脱出しなければならない。気温や空気の重さから考えてどうやらここは地下のようなので、俺は取りあえず上を目指すことにしてみた。

 

 洞窟の中を歩いていると何度か壁や床からさっきの巨大な蟻やらゲームに登場するゴブリンのような怪物が出現してきたが、どれも大した強さではなかったので現れた先から怪物を倒して上の階に続く階段を探し、三階くらい上の階に上がるとようやく人の手によって造られた石畳と壁がある階層についた。

 

「ここまでくればそろそろ地上も近いと思うのだがな……ん?」

 

 辺りを見回しながら歩いていた俺は少し先、通路が広くなっている所で一人の少年が三体の怪物と戦っているのを目にする。

 

 三体の怪物は全て同じで、二足歩行をする野犬という感じの姿はゲームに登場するコボルトのイメージそのままである。

 

 そしてそのコボルト達と一人で戦っている少年は、小柄で白い髪に赤い瞳をしていることからウサギのような印象だった。

 

「ガアアッ!」

 

「くっ! ……てい!」

 

 少年はコボルトの攻撃を避けながら手に持ったナイフを振るって戦っている。

 

 ……ふむ。あの少年のスピード、下忍にはまだ届かないけどアカデミー生としたら上位にはいるな。将来性に期待、といったところか。

 

「ギィアア!?」

 

 俺がそんなことを考えているうちに少年は、三体のコボルトの一体を倒して二体目のコボルトと戦い始めたのだが、その後ろには三体目のコボルトが。

 

 まずいな。あの少年、三体目に気づいていないぞ。

 

「仕方がないな。……はあっ!」

 

「ッ!?」

 

 俺は少年を背後から襲おうとしている三体目のコボルトに向けて手に持っていた手斧を投げ放ち、離れた場所にいる三体目のコボルトの首を一撃で切り落とした。

 

「えっ?」

 

「ガアッ!」

 

 背後の音に少年が振り向き、正面にいたコボルトがその隙をついて襲いかかろうとする。

 

 おいおい……。目の敵に敵から意識をそらすなんて戦闘では絶対にやってはいけないことだろ? とはいえ、これは俺がやったことが原因だから仕方がないか。

 

「爆遁・流星掌!」

 

「…………!?」

 

「えっ? うわああ!?」

 

 俺はチャクラを右手を少年とコボルトがいる正面に突きだすと掌からチャクラの塊を放ち、チャクラの塊はコボルトの体に命中すると大爆発を起こしてコボルトの体を粉々にして吹き飛ばした。

 

 これが俺が一番得意としている忍術。俺は「NARUTO」のデイダラと同じ爆遁の血継限界を持っており、今のは爆遁のチャクラの塊をチャクラの糸で体と繋げた状態で放つことによって離れた敵に爆撃を与える、前世のミサイルの知識から開発した俺のオリジナル忍術だ。

 

「これでもう怪物はいないなって……あっ」

 

「う、ううん……」

 

 辺りにもう怪物がいないことを確認してから少年の方を見ると、少年は流星掌の爆風にやられたらしく床に倒れて気絶していた。

 

 しまった……。手加減を間違えたか。

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