艦娘と銀鷹と【完結済】   作:いかるおにおこ

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瑞鳳の日記4 鎮守府にお別れ。新たな戦場へ

 9月9日。

 

 とうとう3日後、私たちは南西諸島の基地に向けて出発することが決まった。今日は提督と一緒に近くの町々に行って、お別れの挨拶をしてきた。なんだかドライブデートみたいで、ううん、そんな浮ついた考えじゃダメよ、ダメダメ!

 

 この鎮守府の引き継ぎは経験豊富で知られる巌賢友って人がするみたい。いわおけんゆうさん。もう50を過ぎたくらいの人で、艦娘にとても厳しくあたる人だって聞いている。自分で戦うわけじゃないのにそんなに厳しくしていいのかなって思うけど、ゆるゆるすぎるよりは全然いいよね。

 

 そういえば小森提督は、軍属のデータアナリストだった時は巌提督のところで働いていたんだって。関係ないけど、メモっておこう。

 

 巌提督がここを引き継ぐってことになったけど、その人の豊富な経験を頼って大本営がある決定を出したって知らせが届いた。

 本格的に「第二艦」を運用することについての決定だった。簡単にいってしまえば、私たち艦娘の二人目を作るってこと。まあ艦娘ってある種の「神様」であるわけで。大本営側はそう考えてるけど、あまり広めてはいないのかな。

 艦娘は、元は船魂っていう存在から始まっている。船魂と適合する女の子を器として、これに船魂を入れ込んで、器の子の記憶処理をして、艦娘ができあがる。艦娘や提督なら誰もが知ってることだよね。

 

 この船魂っていうのは、神様の魂である「神霊」っていうのに分類されるんだって。なんだか自分のことを言われている気がしないんだけど、まあ、神霊というのは「分霊」をすることで「コピー」出来るんだって。

 最初はこんな説明をされてもよく分からなかったんだけど、簡単に言うなら「二人目の瑞鳳、三人目の瑞鳳をつくる」態勢を大本営が整えて、試験的に第二艦をつくって巌提督に任せてみるってことみたい。

 船魂の適合者って探すのがとても大変みたいだけど、技術的に改良されて探しやすくなったって。てことは、この前提督と一緒に大本営に行った時に見た私のそっくりさんは、私の第二艦ってことかな?

 コスプレなんかじゃなくて、もう一人の私。船魂をねじ込まれると外見が変わるのかもしれない

 コピーって言ったって記憶の共有をしているわけでもないし、第二の私がこの私の代わりになるわけでもない。練度やらなにやらのなにもかもがまっさら。

 だからいま現在一、ニを争うくらいには穏やかな海域のこの鎮守府で、巌提督が1から、ううん違うな、0から育てていくのだと思う。第二艦。もう一人の私たち。もしも一つの部屋で一緒にいたらどうなるんだろう、精神衛生上は…あんまり良くないかな。

 

 それと、大本営からの通達には、巌提督が金剛型1番艦の第二艦を要求してたってあった。つまり金剛さんのことだけど、あれ? 金剛さんって巌提督のところにいたはず。その後で小森提督のところに行ったの?

 鎮守府間で艦娘の入れ替えって普通にあるけど、でも、元々提督じゃなかった小森提督のところに金剛さんが行くのって、なにかすごい事情があったのかな。そのことがあって巌提督は金剛さんの第二艦を要求していた?

 

 ううん、やめやめ! こんなこと考えるよりも、目の前の任務に集中しなきゃ! 南西諸島の基地で頑張るんだから!

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