とある魔術の七罪聖人 作:我楽多メロディ
イギリスのとある森の中。舗装はされてはいないが、人が通れる道として開かれれている場所を数人の人間が走る。しかしその走る順番には少し規則性を感じるところがある。黒服を着ている若い十数人の男が周りを囲みその中心に親子と思われる女性と6歳程度の少年がいる。そうこれはまるで何かから親子を警護しているような感じだった。
「マ、ママ……疲れたよぅ……どこまで行くの……?」
「もう少し、あと本当にもう少しだから頑張って!!」
少年からすればわからないことだらけだった。今日は久しぶりに自分の父が帰ってきてくれる日だったというのに突然母は何も言わずに自分の使用人たちと一緒にこの山奥まで走ってここまで来たのだ。まるで何か恐ろしいものから逃げるように。実際その答えはすぐに目の前に現れた。
「奥様、お坊ちゃま!!もうすぐでっ………?!」
先頭にいた黒服の言葉は最後まで続かれることはなかった。なぜなら黒服ののど元に深々と大きいナイフが突き刺さっていたからだ。
「きゃぁぁぁああああ!!!」
「うわあああああああ?!!」
これを見た少年と母親は絶叫を上げる。当たり前だ。普通の生活をしていればこんな光景は絶対に目にしない。黒服たちは二人を落ち着かせようとしつつナイフが投げられた方向を見た。
「……魔術結社「明け色の陽射し」の幹部殿の奥様と御子息…で間違いありませんよね?」
「えっ?!まさかわからないで襲わせたっスか?!もし違ってたらどうすんの?!」
「アスタトロ、仕事中にふざけるなタコ。…………早く終わらせますよみなさん」
黒服たちの見た方向からは三人の男女がこちらに向かって歩いてきた。
最初にしゃべった青年は派手なチェック柄のマントにハロウィンのかぼちゃの仮面をつけておりその手には鍔が存在しない細剣を持っていた。
次に後輩口調でしゃべる少女の服装はまるで踊り子で露出がとても多いが口元にはヴェールがかけられており、これのおかげで顔の全体像はわからない。手にナイフを持っていたためおそらく彼女がナイフを投げた張本人だろう。
そしてその二人を隣りに従えているリーダー格らしき少女は黒と紫色のフード付きポンチョを着ていた。フードを深くかぶっているため顔の全体は見えないが少し見える口元からでも恐ろしく整った顔立ちをしていることがわかる。しかしそんなプラス評価をすべてマイナスにするようなまがまがしい存在が彼女の右手に握られていた。それは剣……のような形をした木の板だった。長さは1メートル今日で外側には鉄で縁取りをされている。もちろんそれだけなら何も恐れるには足りないはずだが、それでも黒服たちは思わず目を奪われていた。そう、その木の剣には現在なお夥しい量の黒い電気がまとわれているからだ。
黒服たちも魔術に身を浸しているだから、彼らの姿を見るだけでわかる。
彼女らは強い、自分たちよりはるかに。
「お前たちは……いったい何者だ……?!」
黒服のリーダーは彼女らに問いを投げる。疑問と不安と恐怖を込めて。それを聞いたポンチョの少女は薄くやや自虐的な笑みを浮かべつつ質問に答えることにした。
「贖罪羊。………必要悪の教会(偽善者団体)が生み出した、堅気すら狙うクソッタレな始末屋だ…生きていたら覚えておくといい!!」
その言葉と同時に三人は黒服たちに突撃しに行った。しかしこれはおそらく勝負ではない。
一方的な殺戮だ。