昔の夢を見た―…
忘れたくとも忘れられない昔の出来事
昔の自分は、ただ周りに認めてもらう事で頭が一杯だった
父親の期待に応え、ただ闇雲に力を追い求めたーー例えそれが間違った力だとしてもー…
だから自分の"した事"は正しいのだと信じていた――いや、思い込ませていた
自分の"した事"で周りの反応は自分の想像していたものとは違いすぎていた
疑念・憤怒――そして"恐怖"
自分の周りに居た者はそんな感情で俺を見ていた
だけど俺は自分の"した事"は間違っていないと自分に言い聞かせて、その場から出ていった――いや、逃げ出した
自分の"した事"によって『目的』は果たせた――だが、それ以上に大切な"モノ"を失ってしまった
それはもう二度と元に戻ることはないーーそんな"モノ"を犠牲にして、俺は力を手に入れた
そしてこの場所にもう俺の居場所はない―…
だが出ていったところで行く宛もなく、出ていく事を周りが許さないだろう
それが"次期当主"としての責任と使命
父親の代わりに皆を引っ張っていかないといけないーーだが、皆は俺を許しはしないだろう
結果、自分で自分の首を絞め逃げ出す事も出来ず、周りの冷たい目から耐える日々が始まった―…
場面は変わり、自分の"した事"から数ヵ月後
あの日からただ同じことを繰り返す日々―…
朝、いつもと同じ時間に目を覚まし、学校に行きいつもの様に授業を受け、終われば家に帰って1人でご飯を食べ、風呂に入りいつもと同じ時間に寝る―
そんな張り合いの無い日々―…
自分の"した事"に疑問なんて抱かなかった
『目的』は達成した
周りに力を示す事も出来た
しかし、全てが思い描いてモノとは違いすぎた
そんな日々が自分の思いを揺るがしていた
「―俺は……間違ってなんかいない…」
夢の中の自分が唇を噛みしめ、そんなことを呟いていた
誰かに助けを求めることも出来ず、誰にも救いの手を差し伸べられることもなくーー俺の精神を疲弊させていた
間違っていないーーただただそう自分に言い聞かせ、暗示をかけて張り合いのない日々を過ごす
自分より強い者のいない環境の中、それでも力を追い求めて修行を行うーー誰の為でもなく、ただ自分の為にー…
だが、もう疲れていたのだーーこんな生活に
目的もなく、ただただ力だけを追い求める生活にーー味方のいない一人の環境に孤独を感じながらー…
願わくはーー見知らぬ土地で全てを0からやり直したい…そんなことを思いながらー…
俺の夢はゆっくりと覚めていくのだったー…