では、どうぞ!
俺らはあの後とある病院の一室にいた。
あの時地下室にやってきて、女は日下麻子だと名のった。
俺も雄二ももう話す気力もなく、ボーッとしていて雄二にしては目も死んでいる。
特に、雄二はオスロから薬物など投与されていてひどい。俺に関しては、ただひたすらそんな時間もウィサゴとの殺し合いに明け暮れていたので、精神的は異常はなかったそう表向きは。
そんなとき勢いよく扉が開いた、俺らをあの場所から助けた日下麻子が入ってきた。後ろには、もう一人女がいる。
「おい、風見雄二、大樹。お前らがこの病室にいると邪魔なんだと。さっさと出て行くぞ!四十秒やる準備しろ」
「…」
「少な…」
雄二は黙り、俺は文句を言う。
「なんだ文句あるのかギロ」
「…いえ」
俺はひとにらみで黙らせられる。しかし相変わらず、雄二は黙っている。
「どうした耳が聞こえないのかクソガキ」
麻子は雄二に向かい叩く。
「ちょっと」
「弟になにしやがる!」
もう一人の女と俺は文句を言う。
「返事くらいしろよ、いい加減にしないと殴るぞてめぇ」
「ちょっともっと優しくできないの?!」
「いいか、このてのガキは優しくされることに慣れてねぇ。優しくされても、どう対処したらいいかわからねえんだ。ゴミグズ扱いされた方が、従いやすいってもんだ」
「てめぇ、黙って聞いていれば」
「大樹。お前は今のところ精神に異常はないかもしれんが、雄二に関してはお前もそうした方がいいと思ってるんだろ?!」
「…くそ」
確かに麻子の言う通りそうした方がいいのかもしれない。雄二はこの病室に入ってから俺も何度も話しかけたが返事をしてくれたことは一度もなかった。
「…」
結局雄二は返事をしない。
「ああくそ面倒くせー。いいから来い、お前も
大樹ももう私の物だ!逆らうな」
そして麻子は雄二と俺の顔を手でとり目を見つめて言った。
「いいか私がお前らを拾う限り神様だ!分かったか?」
俺は神様という言葉を聞き、転生した時のことをうる覚えだが思い出し、懐かしさを感じる。
こうして、俺ら兄弟は麻子によって、引き取られることとなった。
あの後、慌てて準備して麻子たちに連れられた後、どこかの森のログハウスに連れてこられた。あと、もう一人の女はJBというらしい。
ログハウスについたら、とりあえず風呂に入れられて、新しい服に着替えさせられた。
今は夕方になり四人で弁当を食べている。
雄二は弁当になかなか手をつけない。すると、雄二の周りにハエがとんでいる。
ハエがテーブルに止まると、雄二は無意識にハエを潰した。
「「えっ」」
「…雄二」
麻子とJBは驚き、俺は心配性に声をかける。
すると、雄二は突然大声を出し口から物を吐きだした。
「雄二、雄二大丈夫か!」
俺は直ぐさま雄二のもとに行き背中をさする。
「えっ何?」
「余計なものを思い出したようだな。大樹あとはかわるお前は飯を食え」
「…分かった」
JBは突然の事で驚き、麻子も雄二のもとに行き、俺と一緒に雄二の背中をさする。
「只でさえ汚い部屋に、ヘドを撒き散らすんじゃねえよ。まったく」
「ごめんなさいごめんなさい、殺してごめんなさい」
「まったくら面倒な奴等を引き取っちゃったもんだな」
「雄二…」
「大樹お前はなんともないのか」
「問題ない…」
「そうか…」
俺はこの時、雄二の心配をしていたが気づかなかった。無意識に、近くにあったナイフを眺めていたことに。夜になると俺と雄二は眠りに着いた。
私日下麻子は今JBと夜あいつら…雄二と大樹が寝た後、話していた。
「生き物を殺すことに、過剰反応したんだ」
「結局何も口にしてないのね」
「ああ」
私はそう返事すると手に持った酒を飲む。
「雄二は私たちが思っているより、ずっと重症よ」
「そうだな…だが私には大樹の方が、重症な見えるがな」
「えっ」
JBは私が言ったことに驚く。
「あいつは負の感情を心の底に、無理矢理隠している。弟に自分の弱いところを見せないためにな」
「そんな」
「まぁ、どちらも時間をかけてなんとかしていくさ」
「ええ」
この後私達は少し今後の事を話したあと眠りに着いた。
深夜私は嫌な予感がして目を覚ました。横を見ればJBが眠っている。風見兄弟が寝ている場所を見てみると雄二は寝ていたが大樹の寝床は空いていた。
「あのガキどこに行った?」
私はふと近くの棚を見てみると、置いてあったはずのナイフも見当たらない。ログハウスのドアも空いている。
私は大樹を探すために外に出る。
ログハウスを離れて少し離れたところまで行くと、大樹を見つける。しかし私はそれを見て再び思った。
「あ~あ、私は本当に面倒くさい奴等を引き取っちやったみたいだな」
私の視線の先には
数々の血塗られた死体の山。よく見ればウサギや熊、それに猪などいる。
空は夜なので真っ黒のはずなのに赤く見える。
その死体の山の上で片手にナイフを持っている、血だらけの少年。
そこにいる少年はとても、昼間に私に文句を言っていた、明るい少年には見えない。
そこには…
絶望がいた