楽園を求む転生者   作:厨二王子

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20話 射撃

あれから訓練や鬼大尉との地獄の特訓をやりつつ、月日は過ぎて行った。

 

そして今日俺らの隊の射撃の競技があり、今目の前では雄二が撃っている…しかし全発命中とはさすがだな。

俺は十五発中十三発命中だった。あーあ、二発外しちゃったか。まぁ、そういうこともあるか。

 

そんなことを思いながらも俺ら兄弟はこの結果を報告すべく試験官らしき人のところへ行く。

 

「なに十三発命中に…十五発命中だと。虚偽の報告は許さんぞ!」

 

試験官らしき人は怒るというか信じてない。まぁ、俺はともかく雄二は全発命中だからな仕方ないか。

 

すると、奥からあの鬼…いやギャレット大尉がこちらに来てすぐさま否定した。

 

「いや、そいつらはスペシャルなんだ。編籍番号を見てみな、四桁だ」

 

「I9029にI9030…赤坂からの預り兵とはこいつらのことですか」

 

「貴様は麻子日下部を知っているか?」

 

「資料で読んだのみですが、海兵最強の狙撃兵だと」

 

「そいつらはその弟子だ。ライフルの腕がちょろっこいところも師匠にそっくりだ。たく、ムカつく奴等だぜ」

 

なんか、雄二だけではなく俺も一応褒められてるみたいで少し浮かれるとギャレット大尉は奇妙な笑顔を見せる…やばい、いやな予感が。

 

「それと大樹…今回の狙撃十三発命中だって?

お前の腕なら十五発はまだしも、十四発命中はいけたよなぁ」

 

「…」

 

俺はこの人の的確な言葉に返すことができなくて、ただひたすら黙っている。

 

「後で覚えてろよ大樹」

 

こうして、ギャレット大尉は去って行った。俺に絶望というものを残して…ああ、今日俺は死ぬのか。すると、雄二は俺の肩に手を置き言った。

 

「兄さん、大尉に気に入られてるんだな」

 

「全然嬉しくねぇけどな」

 

こうして競技は終わりを迎えた。もちろん、この後の特訓は死にかけたが、かろうじて生き残ったとだけ言っておこう。

 

 

そして夜になり、俺らの隊は食堂に集まっていた。目の前のテーブルには二つトロフィーとたくさんの酒がある。

 

「毎年屑揃いの最低チームだが昨日の激が効いたようだな。カッター漕艇では三位、今日の射撃はなんと一位だ!」

 

「「「「やっふー」」」」

 

食堂内に大きな声が響きわたる。

 

「やったなトーラー、ショーティー。お前らブラザーズが射撃部門で一位と二位独占だってなすごいな。ところで勲章はどうした?」

「あのピンバッチか?あれなら洗濯の邪魔だからロッカーの中だ」

 

「あっ、俺もだ」

 

「お前ら罰が当たるぞ…」

 

まぁ、こんな感じでバカ騒ぎをしつつ、楽しい夜は過ぎて行った。

 

 

俺と雄二はそれぞれベットにねっころがり本を読んでいると、赤色の断髪の女が雄二に向かって話かけてきた。

 

「へいジーニー、ちょと話があるんだけど」

 

雄二は一瞬女の方に向くが、何故か俺の方に向き言う。

 

「兄さん呼ばれてるみたいだぞ」

 

「いや、明らかにお前が呼ばれてるだろ」

 

「あんただよ、あんた」

 

女が雄二に怒鳴る。

 

「あんたでしょ。射撃部門でトップだった、ケージーていう日本人」

 

「ケージーじゃない風見だ。それに、それじゃ兄とわかりずらいから別の呼び名にしてくれ」

 

「ケージーユージニーだからジーニーでいいよな」

 

「よくねぇよ。ていうかお前誰?」

 

「覚えてねぇのかよ…ミリーストン。いいから面貸しな」

 

「はっはっは。まぁ面貸してやれば?」

 

「はぁ、俺の周りには強引な女しかいないのか?」

 

「…確かにそうだな」

 

雄二に言われ確かにそうだなと納得する。

この後雄二はミリーストンの首根っこを掴み、どこかへ行った。

 

しばらくして帰ってきて、なんか明日の夕方雄二がミリーストンと内容は言わなかったが、何か約束をしたらしい…。そして俺はこの時、一つの確信をしていた。

 

次の日の夜、俺はまたもやギャレット大尉の特訓が終わりくたくたになって歩いていたところ、昨日の女のミリーストンが俺に話かけてきた。

 

ここで改めて自己紹介などしていたんだが、明らかに昨日と俺に対する態度が違った。

そして俺は昨日の確信が正しいということがわかった。

ああ、雄二のやつまた堕としたなと。

 

そうそう、俺はこの時からミリーストンはミリーと呼ぶようになり、あいつは俺を普通にダイキと呼ぶようになった。

 

 

 

そしてさらに月日は過ぎる。とうとう過酷な訓練を俺らは乗り切りついに前期を終えた。後期は最終試験として実践部隊の小隊に配置され海上の生活が多くなった。

まぁ、なにより嬉しかったのはギャレット大尉との地獄の特訓を終えたことだな。

しかし最後にあの大尉がよく耐えたと俺の頭を撫でた時は不覚にもドキっとしてしまった。

 

 

今は俺ら兄弟はとある船の中で椅子に座り、待機してたがダニーが突然俺らに肩を組んできた。

 

「ようトーラー、ショーティー!船も同じだな、よろしく頼むぜ」

 

「さっそく、疲れがどっと出て来た」

 

「はっはっは、よろしくダニー」

 

俺は笑いながら答える。雄二の反応は相変わらずだな。

 

「俺らも晴れて一等兵さまだ。なぁ、給料で何買った?俺は車だ」

 

「女ものの時計を買った」

 

「例の師匠にか?」

 

「いや別の…」

 

なるほど、俺はたぶんその相手はJBかなと思った。

 

「ふーん。なぁ、大樹はどうしたんだ?」

 

「…俺か?俺は…」

 

「「?」」

 

俺はこの質問に言葉を濁す。

 

「はぁ…あのギャレット大尉殿に高い時計を買わされたよ」

 

「くっはっはっは、なるほど、それは災難だったなトーラー」

 

「兄さん、やっぱり大尉と…」

 

「いや、ないないない。それは絶対ないから」

 

そんなこんな盛り上がっていると、後ろからミリーも乱入してきたりしてさらにうるさくなった。雄二なんか溜息吐いている。

 

だが、俺はちょっと横を見るとしばらく見てなかったものが目に入りとても興奮した。

なぜならそこにはパソコンがあった。

 

さらにそこには眼鏡をかけた男がパソコンの画面をみながら妹がなんちゃらなど叫んでいる。

 

「マジかよ、こんなところでヘットホンもしないで…」

 

「屑だな…。ていうかあいつ、何語話しているの?」

 

「日本語かな…ていうか兄さんはお願いだからあそこまでならないでくれよ」

 

「…ふっ善処しよう」

 

「はぁ」

 

雄二に呆れられたがた多分あそこまではならないだろう。

 

この後は決められたことを、決められただけ繰り返す毎日を過ごす。少し上手く立ち回れるようになった頃、俺らの任地が決まり、ついに戦場に付されることとなる。

 




ギャレット大尉との特訓の様子とかは閑話とかでやるかも知れません。
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