俺は海兵のβテスターの情報をもとに、序盤で使える片手剣のアニールブレードを手に入れ、試し切りしていたんだが流れで西の森に来ていた。
俺は自分のステータスを考える。
SAOのステータスは基本的に《筋力》と《俊敏》の二つを割り振ることができるのだが、俺はあの茅場から貰った武器やスキルのことを考えてほとんどを《俊敏》にふった。
まぁ、あのスキルは速さが命だからな…。
おそらく、今いるプレイヤーたちの中でも、俺はトップクラスの速さだと自負している。
西の森を進んでいくとフードを被った人が、モンスターに襲われていた…あれはまずいな。その人と自分の距離は結構あり、普通のプレイヤーだったらまず追い付かない距離だった。しかし…俊敏に振りまくった俺なら追い付ける。
俺は背中から剣を抜き加速する、そうすると僅か数秒でフードの人のところに行き、近くのモンスターのゴブリンの頭を引き裂いた。フードの人は驚きゴブリンのHPはゼロになり消えていった。
「大丈夫か?」
「…ありがとう」
一応お礼言ってくれたんだよな。俺から見て少し動きがぎこちないのでおそらくビギナーだと思い、ちょっと試してみた。
「君、名前は?」
「結城明日菜…」
「はぁ…オンラインゲームでは名前を聞かれたらプレイヤーネームで言うんだよ」
「そんなのどうでもいい」
「よくねぇよ」
確信こいつ絶対ビギナーだ…しかもドがつくほどの。というか女子か…このゲームにログインして始めて見たな。
「ちょっと、動き方とかソードスキルとか教えてやるよ」
「何で?」
「何で?じゃねぇよ。お前ビギナーだろ、これで教えなくて死んだら目覚めが悪いから教えてやる」
「…じぁ頼むわ」
こうして、俺のアスナに対するこのゲームのレクチャーが始まった。
彼女はレイピアで俺とは戦いかたが違うし、実際俺も仮想現実は始めてだったが、感覚ももう掴んでる、基本操作も海兵のβテスターから聞いていたので、教えることができた。
シュイン
彼女の動きはどんどん良くなっていった。才能あるなこの人(確信)
それとお互いパーティーを組んだことがなかったので、パーティーを組みスイッチの練習もした。
「そういえば、アスナお前最近街で配られているβテスターが書いた本、しっかり読んでいるか?」
「…読んでないわ」
マジかよ…ビギナーなんだからしっかり読んどけよ。
「そんなことだろうと思ったよ。ほれ、しっかり読んどけよ」
俺は彼女に自分のβテスターが書いた本を渡す。
「貰っていいの?」
「俺はもう読んだからな」
こんな会話のあともレクチャーは続いた。
「腹も減ったし休憩しようぜ」
「大丈夫、まだまだやれる…」
「はぁ、そんな焦ったってこのゲームを速くクリアなんてできないぜ」
「…」
俺の言ったことが図星だったみたいで、彼女は黙る。ここで、なぜか彼女と過去の雄二のためにひたすら人を殺していた俺の姿と重なった。
いや、そこまで重症じゃないか彼女もこのままじゃいずれ…。
「まぁいいや、これ食べてみな」
「…パン?」
「そう、そしてこのパンにこの調味料をつけて食べると甘くなり、おいしくなるんだぜ」
俺はパンとともに近くのクエストで手にはいった甘い調味料をだす。それをパンにつけて彼女に渡した。
「…おいしい」
「だろ?近くの街のクエストで手に入るんだ」
軽い食事をした俺たちは取り敢えず近くの街に向けて、また歩き始めた。
「そういえば、まだあなたの名前聞いてなかったわ」
「んっそうか、まだ俺の名前言ってなかったな。
俺の名前はダイキ、よろしくなアスナ」
これが俺とアスナの初めての出会いだった。