では、どうぞ!
「なんだ、そういうことだったの。勘違いしちゃったじゃない」
「なんとか、誤解が解けた…」
「ハハハ、面白いものを見せて貰ったよ」
「誰のせいだと思ってる」
俺はやって来た阿修羅ギロ…もといアスナさんにしっかりと事情を説明した。といっても、ユイは親を失った子で、暫く知り合いから預けられたということにしておいた。ちなみに、知り合いの名前は言ってない。まぁ、最悪の場合は団長って言えばいいし。
「えーっと、私はアスナ。よろしくね」
「アルゴだ、よろしくな」
「……よろしく」
「かわいい……」
絶賛アスナがユイの可愛さに暴走中である。まぁ、あの可愛さには納得だな。
「最近姿を見せないと思ってたら、休暇を貰ってたとわな」
「本当よ。ダイキくんも何で教えてくれなかったの」
「すまん、忙しくてな」
俺は二人に軽く謝る。すると、アスナが思い出したと言うように、声を出した。
「そうそう、ダイキくんの家広いし、ここで出来るわね」
「……何を?」
「実はキリトくんがラグーラビットを、クラインさんが黄金魚を手に入れたの」
「どっちもS級素材じゃねぇか……」
「そうなの。だから高レベルの料理スキルを持っている私と、ダイキくんが料理を作ってパーティーをしようと思って」
「さりげなく、俺が料理することになってんだな……まぁ、いいけど。で、誰が来るんだ?」
誰が来るのかというと、いつものメンバーのアスナ、キリト、クライン、エギル、リズベット、シリカ、アルゴが来るそうだ。シリカについては、キリトとアスナに、俺が知り合いと言い紹介されて、なんかいつものメンバーになった。
しかし、結構いるな…。
「というわけでパーティーは明日だから、よろしくね」
「よろしくな」
「唐突だな…」
俺は突然のことで一瞬驚くが、直ぐに落ち着く。その後、彼女たちは帰って行き、俺はユイを寝かせ、明日の食材で何かいいものがないか、アイテムボックスを漁るのであった。
そしてパーティ当日の夜、奴等は現れた。
「おう、ダイキ。遊びに来たぜ!」
「悪いな、お邪魔するよ」
「お邪魔します……」
「お邪魔するね」
「お邪魔するわ」
「ハハハ、ダイボウお邪魔するぜ」
「お邪魔するぞ」
クライン、キリト、シリカ、アスナ、リズベット、アルゴ、エギルが一斉にやって来た。まさに、遠慮なしって感じだ。
「いらっしゃい。まぁ、一応歓迎するよ」
俺はまぁ、一応家主ということもあり、別に来られても困ることなど、ないので歓迎する。
「いい家だな」
「ああ、現実で住んでいた家にそっくりなんだ」
「へー、あっ、ソファもらい」
クラインが勢いよく、ソファーに座る。
「じゃあ、私とダイキくんは料理を作りに、行ってくるから」
「すまんが、ユイのこと頼んだわ」
「まかせなさい」
アスナと俺は早速S級素材を調理するべく、台所へ向かう。あま、調理と言ってもスキルのレベルが高ければ、勝手にやってくれるだけなんだが。今回はS級素材の料理だけ作るのではなくて、ほかの料理も作るから人手がいるのだ。
ユイに関しては、女性陣に任せてある。あいつらだったら、問題ないだろう。
男性陣はキリトを中心にして、何か話しているようだ。
とりあえず、調理するか。
「ごはんだー!」
「そうだよ、ユイちゃん。お皿配るからもう少し、待ってね」
「うん!」
アスナが皆の分のお皿を配る。テーブルに集まっている人たちの顔を見ると、よだれをたらしているクラインがよく目立つ。
……お前は子供か!
思わず、心の中で突っ込んでしまった。
隣のキリトも気付いているのか、苦笑いしてる。
テーブルの上にはたくさんの料理がある。中でもメインディッシュなのは、ラグーラビットの肉で作ったシチューと、黄金魚で作ったムニエルだろう。人数分に分けてある。
「じゃあ、ダイキの新築祝いに……」
「乾杯!」
『乾杯!』
この集まりは、俺の新築祝いだったのか……初めて知った。
俺が一人驚いていると、キリトが声を掛けてくる。
「今回はダイキの新築祝いもそうだけど、ほら。あの圏内事件から、ダイキの様子がおかしかったから……それで、このパーティーをやろうと思ったんだ」
「そうか……心配かけたな」
「それはアスナに、言ってやってくれ。アスナが一番お前のこと、心配してたからな」
「……」
俺はアスナの方を見る。アスナはユイにご飯を食べさせていた。
「それと、ダイキ。PoHのことだけど……いや、何でもない」
キリトが何かを言いかけて止める。恐らく、PoHのことだろうが、俺の顔を見て、触れてはいけないと思ったんだろう。ちなみに、いつの間にか横に来ていたアルゴは、舌打ちしてる。
「よっしゃー、食うぞ!」
クライン、テンション高いわ。
「おう、ダイキ。元気でやってるか」
「エギル。相変わらず、儲け悪いのか?」
「バカ言ってんじゃねぇ。めっちゃ儲けてるよ」
俺が久しぶりにエギルと話していると、俺の肩に何かが止まる。
ピーーー!
「ピナ、勝手に動いちゃダメでしょう。あっダイキさん、久しぶりです」
「おう、シリカも久しぶりだな。どうだ、レベルは上がったか?」
「まだ攻略組には、追い付けてないですけど……いずれは!」
「そうか……がんばれよ。あとこの子がピナか?」
「はい!」
ピーーー!
ピナはまた動き出すと、部屋の角の方へ飛んで行き、シリカもその後を、追って行ってしまった。
「ダイキ」
「んっ?」
後ろの声を聞き、振り返るとそこにはぼったくり加治屋リズベットがいた。
「今あんた……心の中で、何か変なことを考えたでしょ」
「いやいやいや、そんなことないよ」
「はぁ、まぁいいわ。それと、月夜の黒剣の強化素材集まったから、暇な時に店に来なさい」
「ああ、了解」
リズベットは俺との話を終えると、女性陣の集まりの方へ、戻って行った。
俺は家の中、全体を見回す。皆がにぎやかに話している光景が、現実で俺と雄二、麻子にJBが楽しく話している光景と重なった。
……たく、本当ににぎやかだな。
俺は外の空気を吸うために、部屋の扉を開けて、外に出た。
「こんなところにいたんだ……」
「なんだ、アスナか」
「なんだって、なによ」
俺が外でボーッとしていると、後ろからアスナが声を掛けてきた。
「ダイキくんさ。何か、隠してるよね」
「……何を?」
「PoHとの関係……それだけじゃない、団長とも」
「……」
「何も隠してないとは、言わないんだね」
いつも俺たちの近くにいるアスナには気づいちゃうか。団長のことはともかく、PoHとのことはほかの人にも、勘づかれてるか。
「アスナ。VRMMOでお互いに現実の話はタブーだけど、聞いていいか?」
「何?」
「アスナは現実世界で、普通に親がいて、当たり前のように学校に通ったりしていたか?」
「……もちろんよ」
「そうか……」
アスナは当たり前のことを聞かれ、首を傾げる。そして、彼女は自分のことを語り出した。
アスナの話を聞くに、彼女は大企業の娘で常に親の期待を背負って、生活してきたらしい。
……似てるな、一姉と。いや、一姉の場合、親の期待なんか越えて、もはや親を家畜扱いだったか。それでもまだあの時は、俺は幸せだっただろうか……そう確かに、本当に小さい幸せがそこにはあった。
「だったら、尚更だな……」
「えっ……」
アスナが俺の突然の呟きに、驚く。そして、俺はアスナとしっかり、向き合って一言告げる。
「お前には……いや、お前たちには、このゲームをクリアした後は、表の世界にいてほしい」
「表の世界……」
「そう。普通に学校に通って、友達と話して、親と生活して……それはなアスナ、お前が思っている以上に恵まれてることなんだぜ」
「……」
「はっはっは、悪いな変なこと言って。そして、そこに隠れて見てる七人。お前らもだぞ、分かったな」
すると、家にいたはずの皆が木の陰から、顔を出す。まったく、あいつらは……。
そして、俺はアスナから背を向けると、最後に一言告げて家に入った。
どうだったでしょうか、オリ主の思い。次回は、他の方たちの視点を書こうと思います。それと、最近三作目を書こうと思いまして、ハイスクールd×dの方はなかなか展開が思い付かなくて……。そのうち、投稿するので見てくれると嬉しいです。では、また会いましょう。