この町に茅場晶彦がやって来るという情報を聞いた次の日、俺は今自分が住んでいる町の大学に来ている。
茅場晶彦は高校卒業後に、アーガスの会社に入社。そしてその後、本社から一定の期間この町にある会社に移動することになった。さらに、今回は家の近くの大学で特別講義することになったらしい。
落ちていた紙には茅場晶彦の特集で、ざっと上のようなことが書いてあった。おそらくあの紙は新聞紙かなんかに挟まっていたのを、あの糞な父が誤って落としたのだろう。
さてさて、どうやってあの茅場と話す席を設けるかというと、成功するか一かバチかだが考えはある。
今の時間は十二時頃で、大学の関係者出入り口の前で俺は奴がここから出るのを待っていた。どうしてここから茅場がでてくるか分かるかだが、しっかり茅場がここから入っていくのも見たしここに茅場が乗ってきたリムジンもあるからである。
作戦はシンプルであることと、呼び出す時間や場所が書いてある紙を手に持ち、わざとぶつかり茅場の白衣のポケットに入れる作戦である。
恐らく、ほかにもいい作戦があったと思うが、俺の足りない頭では考えられなかった。
まぁ、茅場は一人で大学の中に入って来てたしな。ぶつかるのも大丈夫だろう…多分。
少し待つと茅場が一人で出てくる…今だ!
俺はこのタイミングだと分かると、紙を持ち勢いよくぶつかると、茅場の白衣のポケットに入れる。
茅場は一瞬驚き体勢を崩すが、直ぐに戻す。
俺はその間に全力で走り、その場から離れた…お願いだから見てくれよ。俺は茅場が紙を見てくれる事を祈りつつ、紙に書いた場所に向かった。
とあるリムジンの中、私茅場晶彦は車の窓から外を眺めているとポケットの違和感に気付き、手を入れる。すると中から一枚の紙が見つかり心辺りはないが見ることにした。中には衝撃的な内容が書いてあり、驚く。
「これは…いやまだ私は誰にもこの事は言ってないはず。なに時間と場所だと、何が目的かは知らないが行ってみる価値はあるようだ。さて、これを書いたのは一体どんな人物か…」
こうして指定された時間ももうすぐだったので、私は運転手に場所を言い直ぐに向かうことにした。
俺は紙に書いた場所で、茅場晶彦を待っていた。
実際、奴に渡した紙に書いた内容はどれも無視できないような内容だったはずだし、今この時間ここには俺以外人がいないから、大丈夫だと思うんだが…。
待つこと5分、少し先にリムジンが止まり、こちらの方に白衣を着た男がやってくる…茅場晶彦だ。どうやら、あの手紙を見て来てくれたようだ。
茅場はこちらに近づき俺以外人がいないことに気付くと、一瞬驚いたがどうやら俺が手紙の差出人だとわかったらしい。さすが天才だ。
「…まさかあの紙を書いたのが、こんな子供だったとは。とにかく、場所を変えた方がいいかな?」
「はい、お願いします」
とりあえず、俺と茅場は場所を変えるということで、歩いて近くの喫茶店に入る。道中は無言だった。
喫茶店に入り人があまりいない方の席に着く。
もちろんお互い向かい側の席に着いた。
「では、単刀直入に聞く…君は何者かね?」
茅場は席に着くと早速質問してくる。
まぁ、そうだよなぁあんな事を書けば。ちなみに、書いた内容はおおまかに
SAOの事
奴のプレーヤーネームである、ヒースクリフ
SAOの結末
の三つだ。
俺はここで話す内容を頭に思え浮かべて茅場に話す。
「僕は…」
とりあえず、僕は転生者で前世ではSAOという二次作品があり、その話に茅場晶彦がでてきてSAOを作り七十五層で黒の剣士によって終わったみたいな事を一通り話した。
「それで、君はそれを私に話して、どうするつもりかね?それが本当の話かもわらからないのに」
そうだ、今回この話をして一番の目的は茅場俺に興味を示させることだった。しかしこの反応は…。
「僕があなたに接触した目的は、あなたのSAOの制作に協力したいと思ったからです」
「ほう、君はこのSAOがデスゲームになると知りながら私に協力すると言うのかね?」
「はい…」
俺はあのデスゲームだと知りながらこの話を持ちかけている。まぁ、実際俺が阻止の方向に動いても茅場を止めることなんて無理だし。だからせめて、我が兄弟の夕飯のために利用させて貰おうと思ったのだ。
「俺の知識も役に立つはずだ」
「…」
茅場は俺を見てしばらく無言になると突然笑いだした。
「はっはっは、面白い。いいだろう、協力を許そう。そして報酬はさきほどの周りの料理を見た反応からして食事…いやお金というべきか」
「えっ」
いやらまさか一瞬でバレるとか…恐るべし茅場晶彦。
「しかし具体的にはどうやって協力するのかね?」
「情報提供と前世で情報系の大学だったんでプログラム関係もいけます」
「ほう」
茅場は俺の発言を聞き驚く。
「あとSAOのことだが、特に方針を変えるつもりはない。私は君のいった通り、ヒースクリフとしてゲームに参加するつもりだ。そして…」
ここまでは予想通りだ。茅場はこんな話をしても方針を変えるような研究者だとは予想してなかったしな。
「ただし、君の協力を許すのに条件がある」
えっ条件?
「ひとつは君もSAOに参加すること、二つ目に
命を賭けることだ」
命を賭ける?最初の条件とかぶらないか。
「正直、まだ私は君を百パーセント信じたわけではない」
まぁ普通信じないわな。ここまで信じてくれたのは奇跡だわ。
「そこでさらに命を賭けて貰う。確か君の言う通りでは七十五層で私の正体がばれ、黒の剣士と戦うということだったね」
まぁ、そうだなぁ。
「だから私の正体が七十五層でもしバレなかったら、その時点で君を死ぬように設定する。それでも、協力するかね?」
なるほど、七十五層でバレなかったら死か…
「もちろん、その前に君が彼に助言や正体をバラしてもその瞬間死ぬ」
俺はこの時一瞬考えた、この世界はSAOの世界だけというわけでもない。だが、いまさら引けない。キリトくんを信じよう。
「分かりました、その条件をのみましょう。ただし、こちらもさらに命を掛かけるんだ、もうひとつ頼みを聞いてくれませんか」
「ほう、言ってみたまえ」
俺がもうひとつの頼みを言う。
「なるほど、よかろう。しかしこの頼みは私に協力することのプレーヤーたちへの罪滅ぼしのつもりかね?」
「…」
「まぁ、いい。では今後のことだが…」
俺と茅場はこの後のことについて話合った。その結果とりあえず茅場はしばらくこの町に残るみたいなので、この町にいる間毎日学校が終わってから、夕方まで会社に通うということになった。
暫く話込んでいると、夕方になっていて俺達二人は外にでる。すると茅場は俺に一枚のカードを
渡してきた。
「このカードを使って銀行で私の口座から、お金を引き出せる。先払いだ」
「えっ!」
俺はまさかカードで、しかも今日渡して来るとは予想外だったので驚く。
それでこの後、俺は茅場に車で家の近くまで送って貰った。運転手はもう帰したので、自分が送っていくそうだ。
この後、茅場と別れて銀行でお金をさっそくおろしてみが…やばい金額だったとだけ言っておこう。とても小学生が持ってていい金額じゃないぞ。
弁当を買って帰ると家にはいつも通り雄二しか居なくて弁当を見せると
「どうしたのこれ?」
と聞かれたがとりあえず秘密と言って渡した。
その後も、雄二に何度も聞かれたので結局貯めていたお金があったと言い、親や一姉にも秘密だよと言った。
まぁ、何はともあれこうして俺と茅場晶彦との取引は終わった。
最後のオリ主の頼みはSAOまでのお楽しみです。