「なん・・・だと!?」
砂煙の先に見えた辰生は何食わぬ顔で立っていた。
「フッ、今のお前じゃ俺は倒せない。」
何故だ?何故あいつは立っていられる!?俺の攻撃はそんな緩いものじゃなかったはずだ。力の全てを出したと言っても過言じゃない。だが奴は、辰生は立っていられる。俺があいつよりも劣るとでも言うのか!?
どれだけ考えようともこのままでは答えはわからない。なら、それがわかるまでやるしかないだろ!
俺は辰生に向かっていく。連打し続けるが全てをかわされる。次の瞬間腹部に強烈な痛みを感じる。そのまま訳がわからず後ろに飛ばされていた。どれだけ飛ばされたのか、背に打ち付けられるような痛みが走りようやく止まる。そしてずるずると地面に座りこむ。顔をあげると目の前に辰生がいて何か話していたが何一つ聴こえず、目の前が真っ暗になっていった・・・・・。
□■□■□
目の前に少しずつ光が射し込み自分は気絶していたのかと気づく。一番最初に目にはいったのは白い硬そうな雲だった。
「目は覚めましたか?」
声の主は木咲だった。俺の隣に座っていたところから推測すると寝ている俺の看病をしていてくれたのだろう。
「ん、んん~ん、おはよう」
「おはようございます。実際にはこんばんはですけどね」
木咲が優しく微笑んでそう言う。どうやらもう夜なのだろう。起き上がろうとすると木咲が手伝ってくれた。
「先輩、もう大丈夫そうですね。私は自室に戻らせてもらいます」
そう言って部屋から立ち去ろうとする。
「ちょっと待ってくれ」
「何ですか?」
「聴きたいことがある」
そこで辰生や他の二人と戦ってみて、感じたことや何が
あったのかを話してみると以外な言葉が返ってきた。
「私も辰生さんも友香さんも翔悟さんのように人間ではない力を持っているんです」
「それは本当か?」
「はい。私達は身体の中に竜の力を宿しているんです」
「っ!!」
驚きだった。まさか、その身体に力を、竜を宿しているだなんて。
「でも、それはどんな力なんだ?」
「はい、かんたんに言えばその竜の力、性質を持っているんです。ちなみに私の竜は緑竜です」
「緑竜ってのはどんな力を持ってるんだ?」
「緑竜というのはその名の通り緑、自然の力を操ることができます。特に目立った能力といえば治癒の能力ですかね」
「治癒の能力?」
「はい。翔悟さん、身体の痛みがほとんどなくなっているでしょう?」
確かに、辰生と戦っていたときからすれば痛みはない。むしろ、軽く感じる。
「それが私の力、緑竜の力なんです」
「凄いんだな竜の力ってのは。いつから身体に竜が宿っていることを知ったんだ?」
「3ヶ月前の適正検査の時です」
「3ヶ月前の適正検査ってことは戦争前のことじゃないか。何で戦争に参戦しなかったんだ?」
「それは決まっているでしょう?即戦力に成る程、竜の力を使いこなせてはいなかったんですよ」
「そうか、でも凄いんだなお前」
「はい、凄いんですよ。なのに先輩は普通に避けて、しかも攻撃までしてきて・・・・・先輩は私以上に凄かったってことになりますね!!」
何をそこまで怒っているんだ?俺にはさっぱりだ。
「とにかく!怪我人は寝てください!」
押し倒され布団をおもいっきり投げつけられて木咲は部屋から立ち去った。
さっきの話からすると辰生と坂浪も竜の力を持っているということになるのか。あいつらはどんな力を持っているんだろう。
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翌日、身体からあまり痛みがしなくなった。今日も何とか動けそうだな。
食堂へ行き朝食をとろうとする。朝食を取って席に着こうとすると一番窓際の席に座っている坂浪に手招きされたので一度はやめようとしたが坂浪の目が怖かったので仕方なくそちらにいく。反対側には辰生もいた。
「おはよう翔悟くん、体の調子はどう?」
「ああ、大丈夫だ。ごめんな心配かけて」
「いいよいいよ。それよりさ、昨日綾華から聞いたんでしょ能力のこと」
「ああ」
「だからさ、私達の力も言っておこうと思って、一応同じ小隊の仲間なんだからさ」
「ありがとう、昨日から気になってたんだ」
「私のは水竜。水を自在に操ることができるの」
「へぇ~」
「ほら、辰生も言いなさいよ」
「はぁ・・・・・わかったよ。俺の身体にいるのは土竜、パワー型の竜だ。一応竜と名についてはいるが翼は無く、空は翔べない。」
「なあ、俺の雑学だからさ合っているかどうかはわからないけどさ、土竜ってモグラのことじゃなかったっけ?」
「そうだよね!土竜ってモグラのことだよね!!」
そう言いながら友香は爆笑、辰生は恥ずかしくなったのか赤面しながらご飯にガッついている。落ち着けよ。
「宿っている竜がどうであれ、お前は勝てない」
「なに!?やってみなきゃわかんないだろうが!!」
「結果はもう見えている。昨日の一戦でわかっただろう」
「あれだけでまだ全てが決まった訳じゃない!」
『もう一度俺と勝負だ!!!!!』