ブレイクワールド-break world-   作:黒谷晃佑

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6話 タイムリミット7(セブン)

「ねぇ、翔悟の能力ってどんなものなの?」

 

やっぱりこの時が来てしまった。湊の造形みたいな派手でめちゃくちゃ使い道があるものじゃなく、俺の能力は自身のステータスを底上げするだけという超地味なものなのだ。いつか聞かれると思っていたけど湊の造形を見た直後だからとても言いにくい。

 

「ほ、ほら、え、え~っと、俺のは人前で見せれるようなものじゃないんだよ」

 

「そんな~、残念だな」

 

「ご、ごめんな。あは、あはははは」

 

なんとか誤魔化せたと思いきや、

 

「いいから見せてみろよ。同じ隊の仲間なんだから見せておくのは当たり前だろ?」

 

湊がニヤニヤしながら俺が何かを必死に隠そうとしていることを言わせようとする。

 

コイツは俺が隠したいと思っていることをわかってやっているのだろう。(クソやろうっ!!)

 

「で、でもさ・・・・・・」

 

「ほらほら、言ってみなよ。みんなも待ってるよ」

 

「そうだぞ、早く見せてくれよ」

 

「お願~い」

 

みんなが口々にそんなことを連発して言う。

 

「翔悟、お願い!」

 

加奈まで・・・・・、よしっ、覚悟を決めろ!

 

「お、俺の能力は、」

 

「何? 声が小さくて聞こえないよ~?」

 

囃し立てんじゃねえ!!

 

「俺の能力は! パワーアップです!!」

 

「は?」

 

湊だけがどんなものなのか説明も聞かず、笑い転げている。

 

「それで、パワーアップと一言で言っても色々あるからね。どういう感じなの?」

 

そうだねどんなものなの? などと江口さんたちは湊みたいに笑わないで真面目に聞いてくれた。(やっぱり、あんたたちいい人だよ。)嬉しかった。

 

「えっとですね、主に自分だけをパワーアップさせます。パワーアップと言っても自分が元から持っている、ゲームで言うステータスを底上げするということです。俺の場合、発動するためのキーがいるみたいですけどされがなんなのかはわかりません」

 

湊以外のみんなは少し興味を持ってくれたようだ。

 

 

そのあとは夕暮れまで訓練をして解散となった。今日一日で剣の扱いにはだいぶ慣れた。まだまだ難しいけどこれからも頑張っていこうと思う。

 

 

翌朝、訓練のために駐屯地に行くと中ではいろんな人たちがバタバタと慌てるように働いていた。

 

中に入ると加奈と湊もいた。

 

目の前に冴木さんが通りかかったので急いでいるように見えたが声をかけた。

 

「おはようございます」

 

「ああ、おはよう」

 

「何かあったんですか?」

 

「実は、魔族と天族があと7日で人間界に攻めいるらしいんだ。だからこんなに慌てているんだ」

 

嘘、だろ。あと7日で戦争が始まるのか!?

 

話ではあと一ヶ月はあるって言っていたのに。

 

なぜ、いきなりこんなことが・・・・・。

 

 

 

 

 

 □■□■□

 

 

 

 

 

そこは暗く、柱に付けてある火がなければ何も見えないだろう。

 

ここは魔界の王、魔王サタンの城の王室である。

 

「進軍の準備はできたのか?」

 

「はい、すでに整っております。魔王サタン様」

 

私の名はティフォン。魔王サタンの息子である。今は人間界への進軍のために準備をして、それを報告に来たのだ。

 

「では、行こうか」

 

「待ってください」

 

「なんだ」

 

「この度の人間界への進軍、私に指揮をとらせてはもらえないでしょうか」

 

「ほう、何か策でもあるのか。それならばその策とやらを申してみよ」

 

「それはできません」

 

そう、なぜなら、天使たちも同じように進軍するという話しを聞き、大天使が手を組もうと申し出てきたからである。そして先日、私にそれを伝えに来た者がいて、その者が今回の全体の指揮をとると言っていた。必ず人間界をおとせるともその者は言っていた。核心的でとても現実的な策に私は乗った。

 

父上は天使が嫌いで、天使と聞いただけで一度魔界を半分、火の海にかえた程である。だから、そんな話しを持ち出すことはできない。

 

「申してみよ!」

 

「それはできません」

 

「申してみよと言っているのがわからんのか!!」

 

父上が床をおもいっきり踏み込み、城全体が揺れ、大理石の床にはヒビが入っていた。

 

「それでも、申し上げることはできません。ですが、必ずや人間界をおとしてご覧にいれましょう」

 

「核心的理由があるのだな」

 

「はい」

 

「わかった。ならばお前に任せよう」

 

「ありがとうございます」

 

これで準備は整った。王室をあとにした私は兵士たちが集まる城の広場へと急いだ。

 

「皆のものよく聞け! 今回の進軍は私、ティフォンが指揮をとることになった! みな、よろしく頼む!!」

 

オオーー!!! と歓声があがり、兵士たちが足踏みをし始めた。

 

必ずや、人間界をおとしてみせる!!!

 

 

 

 

 

 □■□■□

 

 

 

 

 

登場人物

 

ティフォン

・年齢 2250歳(本人いわく)

・血液型 不明

・備考

  魔王サタンの次男である。次男ということは兄がいるはずなのだがその兄は只今行方不明。勉学も武芸も何でもできるスーパー弟。だが、武芸は一度も兄に勝ったことは無いのだそう。行方不明の兄を探している。

 

魔王サタン

・年齢 8700歳(推定)

・血液型 不明

・備考

  魔界が生まれてから悪魔たちを統率する絶対無敵の王。まだ一度も負けたことはない。その力が強すぎて魔界を滅ぼしかけたこともある。過去に天使との間に事件があり、それ以来天使と聞いただけで抑えている強大な力を放ってしまう。

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