ドゴゴオーーーン!!!
眼前で地響きが鳴り、砂煙が起こる。
一時し、砂煙が消え一つの影が見える。
「我が軍の兵がこうもあっさりやられるか。今の魔法はお前か?」
「お前は誰だ」
「我は魔王サタンの息子、ティフォンである」
「魔王サタンの息子!?」
「ティ、ティフォンなのか?」
俺の“魔の剣”からガディウスが飛び出してきた。
「に、兄さん!?」
はあ? ナニソレ?
「なぜ、兄さんがこんなところに?」
「そ、それはあれだ、いろいろあんだよ、俺にも」
「兄弟って何だよ、ガディウス?」
「ああ、こいつは俺の弟なんだ」
「聞いてねえぞ.....てことは、お前は魔王の息子か!?」
「まあ、そんなとこだな」
マジかよ・・・・・。
「だが、兄さんがそちら側にいるとゆうことは敵なんだよね」
「・・・・・ああ」
「じゃあ、死んでくれ!」
□■□■□
ハァハァハァ
そろそろ魔力が無くなってきたな。クソッ、どんだけいるんだよこいつらは。
ザッザッザッザッ
「ほう、いい魔力を持っているな少年」
「あ?」
「私はアスティル・ブレイン、天使の翼(エンジェル・フェザー)の隊長だ」
「天使様か」
嫌だな、隊長クラスとなると俺じゃあ相手にならないだろう。逃げてえ。まあ、無理だろうけど。
足掻いてみるか。
「ここであんたを倒す!!」
「そうこなくては面白く無い!!」
アスティルは全力でこちらへと走ってくる、自慢の大剣を携えて。俺は、弓を造型する。それで矢を放つ。4・5発打ったが、予想通り当たらずだった。
“天の剣”で迎え撃つ。火花が散る、やはり力では勝てず押されていた。
そこで、剣を発光させる。アスティルは突然の発光に動揺し距離をとる。
今だと言わんばかりに魔法をアスティルにめがけて連発する。既にいろんな魔法を使っていたから魔力が少なく、威力は半減していたが。
砂煙が消えると何事もなかったかのようにアスティルは立っていた。
「この程度か? 少しガッカリだな」
「大丈夫だぜおっさん、ここからだ!!」
アスティルとの距離を急激に詰め、連続で剣を振るう。避けられたり、防御されたりで攻撃は食らわない。
当たってくれよ。
アスティルの蹴りで反撃を食らい、吹っ飛ばされる。これ以上無いっていう程の痛みだった。でも、動けなくなるほどではなかった。
やっとエミリさんが到着し応戦してくれた。だが、一人増えようが構わないといった様子でアスティルは俺たち二人を攻撃してくる。やっぱ隊長ってのは強いんだな。改めて実感した。
その後も三人の攻防が続き、ボコボコにされ、斬られた傷も沢山できた。そして、早くも俺は体力の限界に近づいていた。ヤバイかも。そう思いつつ戦っているとやっぱり限界が来てしまった。緊張した場面が続き呼吸がしっかりとできておらず酸欠になってしまった。その場に膝まづく。
「大丈夫? 鳴野くん」
「ええ、まあ、なんとか」
そうは言ったものの身体は動かない。
「よそ見をしてていいのか娘よ」
「くっ、わかってるわよ!」
早く、早くどうにかしなくちゃ。エミリさんが一人で戦っているというのに。でも、身体は動かない。何ができる? クソッ、役立たずっていうのが一番嫌いなんだよ!
オオーーーー!!!
力が身体の奥底から沸き上がってくる! 今まで感じたことの無い力が! いけるこれなら!
「僕の力を貸してあげよう」
エルの声が聞こえた。天の剣を弓へと錬成する。
構えて、
「エミリさん避けて!!」
「えっ!?」
“メテオ・フォース・アロー”!!!
エミリさんがタイミング良く避けてくれて、放った光の矢は流星のごとく空間を突き抜けて一直線にアスティルに向かっていった。そして、吸い込まれるようにアスティルの胸に突き刺さった。たぶん、心臓に命中したのだろう。それでアスティルは絶命した。その身体は光に包まれ、ホタルのように散っていった。
「や、やった」
そこで俺の魔力も完全に底をつき、地面に倒れ、今度こそ動けなくなった。