the King Of Fighters NEW GENERATION   作:昆布さん

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決着!
ツナ「ROUND16 門を閉ざせ!」
リボーン「始まるぞ」


ROUND16 門を閉ざせ!

「うああああああああああああああああああっっ!!!」

「優作!クソッ、テメエ!これでも喰らえ!」

カイザーウェイブを喰らい、優作が倒れるのを目にした明人はカッと頭に血を上らせ、大蛇薙を放った。

「フンッ。下らんな。ジェノサイドカッター!」

「ぐはっ!」

大蛇薙ぎを簡単に掻き消されたばかりか足を振り抜く勢いで真空波を発生、明人に攻撃までして見せたのだ。

「くっ…」

「今の神器とはこの程度なのか?随分と落ちぶれたものだな。ならばこれで終わりと…」

「終わるのはあなたよ!」

「夕子!?」

ざっくりと裂けた左肩を押さえながら明人は驚きの声を上げる。

「私の大切な人を傷つけたことを悔いて!詫びなさい!あなたの命で…」

「その程度か!全く話にならんわ!」

「え・・・っ!」

夕子の乱舞に無理矢理割り込んだルガールはそのまま壁まで彼女を持って行き、叩き付ける。

「さて…まずは貴様から…」

「…っ!!!!」

「怖いか?フン。やはり子供だな。」

そういいながら彼は蹲った夕子に蹴りを入れる。何度も、何度も。

「やめろ…」

「フンッ!」

「やめろって言ってンだろ…」

「ゲフッ!」

明人の体が赤く輝きはじめる。それが怒りによる物なのか、他の何かによる物なのかは分からないが。

とにかく、わき上がる怒りに身を焦がしながら明人が吼えた。

「やめろって言ってンだろうが!」

くるりと振り向いたルガールは少しだけ感心したような顔をして

「フン。草薙が八神の危機に怒りを燃やす…か。下らんな。宿敵が死んで嬉しいのが普通ではないのか?」

「ぅ…」

足下でもはや意識もなくうめいているだけの夕子をちらりと見やってから再び明人の方を向く。

「ならばせめてもの情けだ。二人まとめて殺してやろう!」

「やってみろ!」

「デッドエンドスクリーマー!」

ルガールが明人の懐に飛び込み、体に手刀を突き立てようとした瞬間、明人の体を赤く輝かせていた正体が分かった。

「何ッ!?」

「これは…俺の体全体から…炎が…すげエ熱さだ、さっきまでとは比べものにならねえ…燃える…燃える…燃えるぜ…!」

「糞ガキがアアアアアッ!」

「随分と荒っぽくなったなオッサンよ!見せてやるぜ!これが俺の!」

抉り込むようにして鳳燐をぶち込み、そのまま裏拳によるアッパーカット。そこから荒咬み四回、毒咬み四回、罪詠み四回からの罰読み四回。

「草薙の拳だアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

罰読みのまま飛び上がっての鬼焼き。さらにそこから大蛇薙とつないでルガールの全身を炎で覆い尽くす。

「ぐがががが…この私が…こんなガキに…」

「見苦しいぜ!大人しく燃えちまえ!」

とどめにもう一撃大蛇薙ぎを放ち、ルガールの体を骨も残らぬほどに焼き尽くした。

「や…やったぜ…夕子…無事か…?」

体全体を覆っていた炎がなくなったとたんに疲労がドッと襲い掛かり、明人は荒い息をついて俯せに倒れる。

「ぁ…明人…」

「よかった…無事みたいだな…」

這いつくばって、意識が朦朧とする中で夕子の倒れているところまで這っていく。

「本当に…よかっ……」

明人は力尽き、意識を手放す直前に駆け込んでくる人影を見た。

「・・・!・・・!」

何を言っているのかは聞き取れない。明人はそのまま意識を失ってしまった。

 

・・・・・

 

ジャララララッ!鎖が走り、吉久を直撃する。

「ぐああっ!!……ぅぁ…」

「若大将!」

「他愛もない。ボンゴレの十一代目はこんなものなのか?」

宏人はすでに気絶している。吉久も軽く意識を失いかけている。

「さて…残るは貴様一人…嵐の守護者、獄寺弘。今ここで死ね!」

「あ・・・あ・・」

「巫山戯るな…俺のファミリーを殺すなんて、させてたまるかよ!」

意識をつなぎ止め、立ち上がりながら吼える。

「いいだろう、ならばそれを見ることのないよう、貴様から殺してやる。」

(とはいえ…あいつとの実力差は…実際ヤベエ。けど、この様子は絶対見てるはずだ…)

吉久の左頬を冷や汗が伝い落ちる。ドライバーズグローブに炎を灯し、構えをとるがどこか小さく固まっているように見える。

「貴様、震えているようだが、本当に戦えるのか?」

「うるせえ!震えてる訳じゃねエ!ダメージでふらついてるだけだ!」

「ならば動くな。すぐ楽にしてやる」

「そんなわけにいくかよ。ダメージあるからっつって、ファミリーの危険に手ェ出さずにいられるかよ!」

グローブの炎が大きく猛りあがり、覚悟の強さを見せつける。その瞬間、隣のビルの屋上できらりと何かが光を放った。

 

・・・・・

 

「言うじゃねエか、クソガキ…」

「どう?俺の息子も捨てたモンじゃないでしょ?」

スーツ姿の赤ん坊がスナイパースコープを覗き込んでニヤリと笑う。

その隣に立ち、ビル風を受ける綱吉の髪が靡く。その髪を抑えながら綱吉は双眼鏡をおろし、赤ん坊に問いかける。

「どうする?リボーン?」

「しょうがねえ、手エ貸してやるか…」

スナイパーライフルの引き金に指をかけたリボーンがその指を引き絞る。

「いってこいよ。」

「がんばれ、吉久。」

 

・・・・・

 

ダァン!

額から血を吹き出して吉久がもんどり打つ。

「何ッ!?若大将!」

「む…今のは…」

イェーガーが隣のビルの屋上を見やる。

「沢田綱吉…」

その視線の先でリボーンがライフルを上げ、綱吉がしっかりとこちらを見据えている。

その二人の唇が動く。二人同時にニヤリと笑い

「イッツ死ぬ気タイム」

と言った。それを読み取ったイェーガーがバッと吉久の方に視線を戻すと吉久の体に亀裂が入る。

「死を全身で覚悟したか…面白い…その力を潰してこそ復讐たり得るのだからな…」

亀裂に手をかけ、ゆっくりと体の中から脱皮するように吉久が現れる。

復活(リ・ボーン)。死ぬ気でお前を倒し、みんなを守ってやる。」

「来い。」

行くぞ!と、吉久が全身から大空の炎を出して突撃をかける。

「ウォラァ!」

「ぐはっ!?」

ゴギャッ!バギィッ!ドスッ!ボグゥッ!一方的に吉久がイェーガーをタコ殴りにしていく。

「ぐうッ!?バカなっ!こんなパワーアップ!」

「成長期舐めんじゃねエ!」

ボウッ!ガギャアッ!渾身のサマーソルト。そしてそのまま追いかけ、掴む。

「そぉーれっ!」

そのままジャイアントスイングの要領でぐるぐるとブン回し、壁に向けて投げつける。

ドゴォン!

「ガハッ…!」

「終わりだ!XIの炎(ウンディエーチ・フィアンマ)!」

ボウッ!ドァッ!両の拳に炎をチャージ、猛烈な勢いで放出する。

十発の炎の弾丸がイェーガーの体を穿つ。

「ぐああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!」

ゴギャァァァッ!!全身から両手に炎を集め、一気にそれを放出したそれが思い切りイェーガーに叩き付けられる。

全身がコンクリートと調和し、風化、砕け散るイェーガー。

「ハァ、ハァ、ハァ…どうにか、なったか…って・‥へ?外!?落ち…」

いつの間にやら外に出ていた上に両手から炎を放った反動でビルから離れてしまった吉久。あわや彼の命もここまでかと思われた時、

隣のビルから飛び出してきた影が一つ。

「と…父さん?」

「よく頑張った!」

「ったく…見てたんなら早く出て来いよ…」

 

・・・・・

 

「連刃斬!」

「雷神すうぱあらっしゅ!」

雷神の巨大な拳が刹那に襲い掛かり、その中を縫うようにして楓の疾風丸が綺麗な弧を描いて空気を裂く。

しかし雷神の拳を軽やかに買わしながら刹那の黒い刀が疾風丸を受け止める。

「るあああああああああぁぁっ!!!!!」

強引に楓の一太刀を払いのけ、続いて渾身の一太刀を入れようと黒い雷を全身に纏って振り下ろす。

「今ここで…終われ!」

「終わってたまるか!」

ガキイイイッ!

咄嗟に鞘で受け止め、雷を雷で防ぐ。

「フフフフフ…やはり楽しい…こんな方法で防ぐとは…やはり御名方守矢の弟だな…」

「か…関係…ねえだろ!」

ギリギリと押し込まれる刃を必死で押し返しながら言い返す。

「それもそうか…だが、もういい加減飽きた…」

「ぐうう…」

刹那の刀に力がこもる。よりいっそう力強く押し込まれていく。

「終われ!」

「うおおおおおおっっ!!!!!」

キィンッ!

「あ…?」

「え…?」

「ククククク…面白い…刀を折ったか…」

顔面蒼白で疾風丸の残骸を見つめ、

「そんな…ここで…終わるのか…?」

と呟く。

「そのようだな…せめて苦しまずに…」

「死ね!」

楓の頭に刀身が迫り来る。それを呆然と見ながら楓の脳裏に一振りの刀が浮かぶ。

「終われるかアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

叫びながら黒い刀を躱し、続けてもう一振、左腰に吊った刀を引き抜く。

「なっ!?」

「うらぁ!」

楓がそれを振り上げ、それを刹那は仰け反って躱す。

「貴様…その刀は…一体?」

「楓、その刀、ひょっとして…」

「ああ、そうだぜ、こいつは雪乙女。姉貴の名前を持った兄貴の刀。だからこそ見せてやるよ。」

グン!楓の体が一気に前傾し、加速する。

「俺()の本気を!」

「舐めるなあ!」

ドスゥッ!二人の刀が同時に突き出され、黒い刀が刃をしたに、雪乙女が刃を上にして互いの腹に突き刺さる。

「ぐ…」

刹那の力が緩み、刀から手が離れる。しかし楓は話すどころか逆に力強く握りしめる。

「しまっ…」

「まだだぜ!」

楓の全身からスパークが散り、筋繊維が全力で収縮と弛緩を行う。

「おおおおおッ!活心最終奥ォォ義!」

全力で刹那の体に突き刺さった雪乙女を振り上げ、上半身を真っ二つに叩き斬る。

「さてと…邪魔者もいなくなったことだし、今なら四神一人で閉じられる。」

「うちかて一応力を預けられとる身や、手助けぐらいならできるで?」

フウ。と一息つくと楓は言う。

「それじゃあ、手伝ってくれよ。終わらせるからよ。」

 

・・・・・

 

報告書

 

我々が駆けつけたとき、全ては終わっていた。

三種の神器、草薙明人、八神夕子、二階堂優作は草薙京に介抱されているところを確認、

当人らの意識はなかったが病院に搬送、現在治療を受けているが命に別状はなく、また、時間こそかかるが

後遺症も残らないような程度の負傷。

次期ボンゴレ上層部たる沢田吉久、獄寺弘、山本宏人、はボンゴレ十代目、沢田綱吉によって病院に搬送、

やはり治療を受けており、命に別状はない。

ボンゴレ雨の守護者、山本武は蒼月楓を担いで自力でビルから脱出。

また、かつてカイン・R・ハインラインが居城としていたビルの10階には戦闘の跡もあり、非常階段を上ったすぐの所に

上半身を真っ二つにされた斬殺体があったことから、主催者との戦闘があり、その結果主催者が死亡したことが伺える。

 

追記―今回の潜入調査に協力していただいた方々にこの書面を借りて謝意を表させていただく。

 

    ツァイス・ヴィオレント少佐。




最後にいいとこもってったラルフもどき…影薄かったな。
それでは次回予告を。
次回 ENDING そして…
アッシュ「それじゃあ次回も」
蒼司「見ていてくれ。」

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