the King Of Fighters NEW GENERATION 作:昆布さん
ですが!まあ、たまーにシリアスさの欠片もないおまけからシリアスな番外編まで、上げさせていただこうかと思っています。
なので、連載中の表示のままですが、本編はこれで終了です。
明人「ENDING そして…」
吉久「ここまで読んで下さり、ありがとうございました!」
大会とその後の騒動も収まり、彼等はそれぞれの日常に戻る。
カイルは両親の元に戻り、静かにひっそりと暮らしている。しかしときどき栄助のところへ遊びに来ているらしい。
レイズはカツアゲで生計を立てているようだ。かつてシバキ倒した高山達と似たような生活になりつつある。
怒チームの面々もそれぞれの生活に戻り、商談やら任務やらで忙しい日々を送っている。
ユウキとアイはパオパオカフェの常連としてときどき食事に来ているらしいが、エージェントの仕事の方は最近ないらしい。
ロックとレインは大会終了後に出社してみるとカンカンに怒ったビリーに待ち伏せされ、お仕置きされたそうだ。
また、明人は正式に草薙流伝承者の座を継ぐことが決まり、同じく八神流伝承者の座についた夕子と切磋琢磨する日々を送っている。
吉久もボンゴレの十一代目として高校卒業後に裏社会に打って出るらしく、宏人や弘、秀人や久といった次期守護者達と共に相も変わらず
リボーンのしごきに耐える日々を送っている。
そして季節は巡り…
・・・・・
KOFからおよそ半年が過ぎた。季節は冬。
寒空の下、大阪某所にある和風建築の座敷で二人の男がにらみ合っていた。
「おいアッシュ。これは俺が先にとった伊達巻きだ。何挟んでんだよ?」
「そっちこそ、たまのお正月なんだから来客には優しくしてよネッ。」
実家に帰省した草薙京とたまたまフランスから日本にやってきていたアッシュ・C・ブラントルシュだ。
二人の視線の先には重箱に入った伊達巻き(残り一つ)。
「何やってんだか。親父もアッシュさんもガキみてえに・・・あ、夕子、ちょっとその黒豆とってくんね?」
「はい。代わりにかまぼことって。」
草薙家+アッシュ&エリザベート、息子のジャッロのブラントルシュ一家+楓&あかり+夕子とかなりの大人数でわいわいやっていると玄関の方から
「オーイ、京ー、いるんだろー。」
と、声が聞こえてくる。
「あ、紅丸さんだ。俺ちょっと行ってでてくる。親父もアッシュさんも、その間にその不毛な争いに決着つけといてくれよ。」
はいはーい!と返事をしながらどたどた玄関まで行って明人はガラス戸を開ける。
「明けましておめでとうございます紅丸さん。優作も。」
と、二人に挨拶すると明人の目が後ろの巨大な物に吸い寄せられる。
巨大といっても2メートルあるかないかぐらいの物だが。
「あ、大門さん。おめでとうございます。」
「うむ。こちらこそな。所で、京の奴はどうした?」
「アッシュさんと伊達巻きの取り合いしてます。」
紅丸がその答えに目を丸くし、続けて
「そいつぁ…なんというか…八神ホイホイって感じだな。」
「その庵さんですが、どこにいるんでしょうね?」
「さあな。大方日本のどこかでキョー!とか叫んでんだろうぜ。それより早く中に入ろう。寒くてかなわねえ。」
紅丸達が家の中に入ると明人も続こうとするが
「あれは…先に行ってて下さい。すぐに行きます。」
と、紅丸達を先に行かせる。
「よう、久しぶりだな。元気だったか?」
「はい。お久しぶりです蒼司さん。さ、立ち話もなんだから中に入りましょうか。」
座敷の方から覚醒楓の「いいかげんにしやがれ!」と言う声が聞こえてきたが平和な、のどかな正月である。
・・・・・
「うう…寒いな、ホント…」
「何言ってやがる。」
「ホントだよ!寒いのなんて当たり前じゃない!冬なんだから!」
「ハハ…とても30代とは思えないな。あの頃のまんまだ。」
並盛町、九条家の玄関先で話しているのは家主の九条翔と氷華、そしてかつて二人が別の名前を名乗っていた頃の友人、マキシマだ。
「ふん、まあいい。早く中にはいんな。餅ぐれえなら出してやるよ。」
「そいつはすまねえな。所で、跳ねっ返りのガキはどうした?」
栄助か?と翔が返し、氷華が
「お正月なのに部活だってさ。サッカーは冬がシーズンだから大変らしいよ、おじさん。」
「おじっ、あのなあ。せめてマキシマおじさんとかいってくれよ。おじさん単体じゃどうにもな…」
そんな様子を背に、翔は台所の方へ歩いて行く。
「けど、あのK'が積極的になるとはな。やはり、奥様のお陰ですかな?」
「へへっ。かもね?」
何してやがんだー?早くこねえとタバスコかけて焼いてやる!などという叫びを聞き、マキシマが慌てて
「かけるんなら黄粉にしてくれ!それか砂糖醤油か!頼むからタバスコはやめてくれ!」
と言いながら台所に駆け込んでいく。
「クスクス…二人とも面白いなー…あっ!私もお餅食べるー!」
・・・・・
「なんか…一瞬で中華まん、消えちまったな。」
栄助が少し後ろめたそうに言うが、吉久達は平然と
「もぐもぐ…俺は問題ないと思うけど…」
「若大将の言うとおりだ。コンビニはもぐもぐ買ってもらうためにもぐもぐ商品並べてるんだからよ。ゴックン。」
食べるか喋るかどっちかにしてくれよ。と呟いて栄助は視線を前にやる。と、宏人が少し焦って声をかけようとするが間に合わず。
ツルッ!ガン!視界から外れた凍っている水たまりに足を取られて思いっきり転んだ。
「いってえ…」
「大丈夫か?」
と質問する宏人の肩を借りて立ち上がるとあることに気付く。
「あれ?俺のカレーまん…」
「安心しな。お前は無事じゃねえがカレーまんは無事だぜ?」
そういってカイが右手に持った自分の肉まんと一緒に左手にある食いかけのカレーまんを掲げてみせる。
「どっちかっつーと俺を支える位してくれてもいいと思うんだけどな。」
カイはそうぼやくと、空に向かって白い息を吐いた。
・・・・・
「明人、ちょっと外、出ようよ。なんか怖いことになってきた気がする…」
「庵さんまで来て阿鼻叫喚だな。よし、じゃあ俺らだけで初詣行くか。」
キョオオオオオオオオオオオオ!ほうりゃああ!せやあ!などなど。京、庵、アッシュの叫び声と共に色とりどりの炎が飛び交い、その度にエリザベートとユキがしかりつけるがすぐにまた大ゲンカ。いつの間にやら仲裁に入っていたはずの紅丸まで参戦している草薙家の惨状からこっそりと抜け出すと
二人は近くの神社までの道のりを歩く。
「なあ、あの二人、一生あのままなのか?」
「もはや三人になりつつあるけど…」
「まあ、俺はあんな事になるつもりはさらさらないけどな。」
「同感ね…」
しばらく無言のままで並んで歩く。一月一日、本当に正月の午前中ではあるが小さな神社なので人はそんなにいない。
「よし!このKOF優勝者の俺が宣言してやる!これからも俺が死ぬまでお前を守り続けてやる!」
いい加減沈黙に耐えられなくなったのか明人が真っ赤な顔で宣言すると夕子も顔を赤くして頷く。
「なんだかお邪魔みたいな気もするけど…仕方ないか。」
「楓先生!あかりさんも。もっ、もしかして今の俺の台詞…全部聞いてました?」
「ひっじょーに言いにくいことやけどな。ごめん、聞こえてしもた。」
恥ずかしさのあまりうがあああ!と両手で頭を抑えて悶絶する明人を放って置いて楓は
「僕もあかりさんに同じ事を誓おうかな…」
などと呟くがあかりはしっかりとその呟きを聞きつけて
「かっ、楓!?それはぷっ、ぷろぽーずちゅーやつと受け取っても、かっ、かまわへん!?」
と楓に詰め寄る。
「えっ!ええまあ…っていうか聞こえてたんですか!?」
「なんだ、楓先生も一緒じゃん。」
復活した明人が楓にぐさりと言葉を突き刺すと今度は楓が悶絶する。
「ちょっと明人、ひどくない?」
「しかえししかえし。」
さっさと境内に入っていく明人が10円玉四枚と5円玉一枚を夕子に渡す。
「ほら。始終ご縁がありますように…ってな。」
「以外に験担ぎなんだね。」
「いいじゃねえか。」
・・・・・
「いっつつつ…」
「おいおい、大丈夫かよ栄助。」
「何でもねエよマキシマさん。」
栄助達は自分たちの家族と、ついでに矢吹家の面々を誘って初詣に来ていた。
「いいかてめえら!十代目もよく聞いて下さいね!賽銭は45円!始終ご縁があるようにだ!」
と力説する隼人に対し、めんどくせえなと吐き捨てる翔だがしっかりと財布から45円取り出しているあたりしっかり話を聞いていたのだろう。
「今年こそ!」
「今年こそ草薙さんに追いつけるように…でしょ?」
早速新年の抱負を妻に言い当てられている矢吹真吾や無難に家内安全を願おうとする親子同時に石につまずき、氷に追い打ちをかけられて
すっころび、京子に早速心配をかけている綱吉と吉久。
ああっ、くそっ。などと悪態をつきながら財布の中の小銭相手にその太い指で奮闘するマキシマ。
なんにつけ、ボール一個分外れた普通の正月だ。
・・・・・
これは偶然の符合であるのだが、大阪で明人と夕子、ついでに復活した楓とあかりが手を合わせたのと
並盛で後頭部を押さえながら吉久と弘が賽銭を投げ込み、手を合わせたのは全くの同時だった。
(来年もいい年でありますように…)
the end!
教官出てくんな。テイク2。
fin...
教官が絶妙のシリアスブレイカーだと思うのは俺だけ?あ、そう?ふうん。
では、皆さん、お願いします!
覚醒楓「KOF NEW GENERATION」
あかり「これにて終了や!」
栄助「そんじゃあおまけで」
カイ「また会おうぜ!」
ユウキ「ありがとうございました!」