the King Of Fighters NEW GENERATION 作:昆布さん
ガードポイントも活かしてるぜ!
明人「ROUND6 新たなる神器、来る!」
カイ「始まるぜ!」
『さあ、第三試合は新三種の神器チーム対新日本チーム!』
「先鋒は俺だな。」
優作が前に出ると虎五郎がそれに応じ、
「紅丸殿のご子息とて容赦はせぬぞ。」
「そりゃこっちの台詞。いかにも動きにくそうな投げ技ごと蹴っ飛ばしてやるぜ。」
『それでは、優作Vs虎五郎、始めエッ!』
先に動いたのは虎五郎。
下駄のカンコンカンコンというかつて悪魔の足音と謳われた音をお供に距離を詰める。
「雷光拳!」
優作が下駄キックにカウンターを合わせるように雷を纏った正拳突きを放つがそれを姿勢を低くして躱す。
「何イッ!?」
「もらった!」
虎五郎が優作の体を掴み、地獄極楽堕としに持って行くかと思われた瞬間、その姿がふっとかき消える。
「何イッ!?」
「そっちは鏡だ!幻影ハリケーン!」
虎五郎の後ろから優作が連続で幻影を飛ばす。
「ぐうううううっ!」
「バカなっ!?俺の幻影ハリケーンを全てガードしただと!?」
「今だ、超大外刈り!」
「うおおっ!?」
『うまいッ!虎五郎選手、優作選手の必殺技後の隙を突き、超大外刈りでダウンまで持って行き、そこからの…地雷震だあ!』
地面の震動でダメージを与える大門親子の十八番、地雷震がクリーンヒットし、優作の体が宙を舞うが、
「まだだぜ、フライングドリル!」
空中で体を捻って体勢を立て直すと、続けてそのまま錐揉み回転、ドリルのように回転しながら虎五郎の頭部に踵を落とした。
「ぐうっ!?」
「今のも鏡だ!本体のフライングドリルを喰らえィ!」
そしてもう一撃フライングドリル。
ふらつく虎五郎にも容赦ない連撃。そもそも一撃の威力が明人や夕子に比べて軽い優作の基本は意表を突いてのコンビネーションにある。
『これは…ローキックからの居合い蹴りという必勝パターン!優作選手、速くも決着をつける気だァ!』
「いくぜ!」
そのまま居合い蹴り、反対側の足でもう一撃、更に居合い蹴りの方の足で雷を纏ったサマーソルトキック、通称稲妻キック。それらのコンビネーションには特別な名がつけられている。
「反動三段蹴り!」
「ぐおあっ!?」
「まだだぜッ!エレクトリッガー!」
顎を蹴り上げられ、隙のできた虎五郎をひっつかみ、全身からの放電を喰らわせる。
「ぐう…だがまだだ、フンッ!」
「ばかな!?電撃を喰らっている体でそのまま俺を掴みに来やがった!?」
「ふぬあっ!」
うおあああっ!?と言う声を上げて優作が大きく投げ上げられ、叩き付けられる。
「げふッ!?」
「行くぞ…驚天動地!」
そのままダウンした優作に強烈な地雷震が炸裂した。
「ぐあああああっ!!!」
振動で大きく吹っ飛んだ優作が場外に放り出される。
「ハア、ハア、ハア…よしっ!」
「ッつう~…それじゃ夕子、あと、頼んだぜ。」
「・・・・・」
鮮やかな赤毛をゆらして虎五郎と対峙した夕子は一瞬だけ構えるとすぐに尋常ではない瞬発力で駆け出した。
「ふっ!はっ!」
そして左右のショートアッパーの連打。八神流古武術百弐拾七式、葵花だ。そこから少し飛び上がって赤紫の炎を纏った一撃。
「ぐっ!?」
「まだよ!百式、鬼焼き!」
続いて肘打ちからの飛び上がりながらの裏拳。
「おおおっ!?」
「これで終わりよ!裏千弐拾九式・焔甌!」
飛び上がった勢いのままに虎五郎の頭を掴んで地面に叩き付ける。そして。
「はああああっ!」
大爆発。赤紫色の爆炎と共に虎五郎が吹っ飛ばされ、動けないままステージに倒れ伏す。
「え…次…俺なんスけど…なんつーかその…お手柔らかにお願いします…」
「最初からいくわよ!」
「え゛え゛ッ!?」
「禁千弐百拾壱式・八稚女!」
圭太郎がステージに飛び込むやいなや低い姿勢での猛ダッシュ。一瞬で距離を詰めてボディブローを放つ。
「げふっ!?」
「いいから!私の!邪魔を…」
父、庵であれば泣け!叫べ!そして…のあたりが違うし、斬撃が打撃になっているがそれは紛れもない八稚女。
「しないで!」
「ぎゃああああああっ!?」
秒殺。ギャグマンガのように吹っ飛んだ圭太郎はあっさりと場外へ。
「ま…なんつーかね…あいつはギャグキャラだったが俺は…」
と、ステージに上りながらカイは言う。
「ひと味違うぜ!虎煌拳!」
ひと味違うの言葉通り、気力を溜めるモーションもなく放たれる虎煌拳。
「くっ!百八式・闇払い!」
咄嗟に走らせた炎で虎煌拳を相殺したがその後ろからはもう一つの気功弾。
「なにっ!?」
「へへッ。なんちゃってベノムストライク。そしてェ…」
ベノムストライクがヒットし、少しだけ仰け反っている間に瞬時に距離を詰め、
「極限流奥義ぃ!」
極限流の技の中でもKOFに出場するほどの実力がある者は皆持っている必殺の猛ラッシュ。それが…
「龍・虎・乱・舞ッ!オラオラオラオラオラァ!」
激しく撃ち込まれる突きや蹴り、手刀の乱舞。そしてシメは…
「極限虎砲!天地覇煌拳!」
左ボディからの乾坤一擲右アッパー。そこから続く正拳突き。最後はもちろん
「覇王翔吼拳!」
「きゃあっ!」
最後の覇王翔吼拳に弾き飛ばされた夕子の体は勢いよく客席のフェンスへ。
「しまッ…!」
「まずい!」
「くうっ…!」
優作とカイが焦りの声を上げ、夕子が歯噛みしながら受け身をとった瞬間、明人の姿がふっとかき消えていた。
「おおおおおおおおおッ!!!間に合えええええええッ!」
ガシイイッ!全速力で軌道上に割り込んだ明人が夕子の体を受け止め、思い切り地面に踵を突き立てて食い止める。
「ふうッ…なんとか間に合ったみてえだが…怪我はねえよな?」
「え…ええ…ありがと…」
・・・・・
と、そんな様子を控え室へと続く通路から見ていた京が呟く。
「明人の奴…ちょっと修行みねえ内に速くなってんじゃねえか…にしても、」
と、もう一人同じ場所から見ていた赤毛の男に偽悪的な笑みを向ける。
「テメエンとこの娘さん、明人に気があるみてえだぜ?いっそこのままゴールしちまうんじゃねえのか?なあ、八神よ。」
「フン、あいつが誰を好こうが俺が貴様を殺す事実には変わりない。それに俺はそれ以外なら誰がどうなろうと知ったことではない。」
「とかいって、さっきはものすげえ慌てて飛び出そうとしてたじゃねエか。今だってほら。」
と、庵の右頬を指さす。
「そこ。さっきの冷や汗が残ってるぜ?男のツンデレに需要はねえよ。隠すのなんてやめちまいな。」
「試合を楽しみにしていろ。すぐに切り刻んでやる…」
「おお、こわ。オイ見ろよ。そろそろ大将戦が始まるらしい。リョウ、おれンとこの糞ガキかアンタのとこの息子さん、どっちが勝つか楽しみだ。」
「そうだな。無敵の龍か草薙の剣か。果たして今、どちらが強いか…しっかりと見極めさせてもらうか。」
・・・・・
「手加減無しだぜ、カイ!」
「そっちこそな、明人!」
『さあ、いよいよ本日最後の試合となります、新三種の神器チーム対新日本チーム大将戦、始めてください!」
「虎砲疾風拳!」
「毒咬み!」
カイが突っ込み、それを鋭く踏み込んで打点をずらすことで躱す明人。そこから
「ボディがッ!」
矢吹真吾のメモに曰く「右足を鋭く踏み込み、そのまま拳をねじり込む!」その通りに毒咬みがヒットし、
「あめえッ!」
八錆、続いて
「ぜっ!」
七瀬!カイを大きく蹴り飛ばす。そこからさらに
「百壱式・朧車!」
「げふっ!」
「そらそらそらあッ!落ちやがれ!」
空中での連続回し蹴り、そしてそこから派生する踵落とし。
「くうっ!」
「まだだぜ、虎伏せ!」
さらにダウンしたカイに手痛い一撃。
「クソッ!こうなりゃ一か八か!極限流奥義、覇王翔吼拳!」
巨大な気功弾で反撃を測るカイ。すぐに龍虎乱舞の始動でそれを追う。
(覇王翔吼拳が決まれば追い打ち、防がれてもガードが外れたところに龍虎乱舞を…何ッ!?)
「うけろ!」
と、覇王翔吼拳をガードし、そこから突進してくるカイに向かって…
「こンのブロォーッ!」
強烈なボディーブロー!
「げふッ!?」
「これで終わりだぁ!秘奥義裏百八式…」
思わず体をくの字に追ったカイの目に移るのは右手を掲げ、全身に炎を纏う明人の姿。
「大蛇薙だアアアアッ!」
凄まじいまでの炎がカイの体に襲いかかり、その圧倒的な勢いでもって場外にたたき出した。
「ッつー…あークソッ、完敗じゃねえかよ。」
「へヘッ。燃えたろ?」
『決まったァーッ!本日最後の試合、勝者は新三種の神器チーム!』
・・・・・
「あれっ?綱吉さんじゃないですか、なんで参加してないのにセカンドサウスくんだりにいるんです?」
ホテルに戻りさあ部屋で一休みしようというタイミングで「お疲れ様」と声をかけてきた綱吉に明人が質問した。
それに応えたのは同じく月華チームで出場していた武だ。
「そりゃもちろん、生で試合を見たかったんだろ?それにここはボンゴレが経営してるホテルだからな。オーナーから利用客への挨拶を…ってトコだろ?」
「ハハッ。さすが武。よくわかってるね。一応チーム単位で部屋を取ってあるからどうぞごゆっくり。あ、ソワレさんはどうします?」
「俺は久々に兄貴ンとこのアジトで泊まるよ。ユウキとアイで広々使いな。」
と、そういって一人でホテルを出て行く。それを見送った明人と夕子の腹が同時に「グウ~。」という音を立てた。
「あっ!」
「ヤベッ!」
二人共が慌てて隠そうとするより先にテリーが両脇に抱え込み、
「OK!だったらみんなでリチャードんトコに食いに行こうぜ!案内は任せな!」
味は?と訊く優作にはライバルチームのアンディが
「心配要らない、酒はともかく飯は最高さ。兄さんじゃないがあそこのホットドッグは絶品だね。」
そこで大声を出してしきるロバート。
「ほな皆さん、行きましょか!お代はテリー持ちや!」
「なんでだよ!?」
「兄さん、少なくともツケの分は払っておきなよ…」
「わあったよ!いいから早…」
「グウ~。」どうやら全員空腹の限界が近いらしかった。
・・・・・
「ああ、うまかった。俺先に寝るからな。」
そういって優作がベッドに潜り込み、さっさと寝てしまう。
シャワーだけ浴びて俺ももう寝るか。なんて考えた明人に夕子が声をかけてきたのはそんなときだ。
「どした?」
「あのときは…ありがとう…」
「気にすんな。俺が助けたかったから助けただけだ。」
暫くの静寂。明人がそれに耐えきれなくなった頃に夕子が口を開く。
「初めて会ったのは…七年前だっけ?」
「ああ、菊理さんが死んで、庵さんも行方不明ッてんでちづるさんを通してウチに居候することになったのが、出会いだったっけかな。あのときはびっくりしたよ。何せ初対面の女の子に飛びかかられたんだからな。」
「なんの苦労も無さそうで…ただ、あのときは気に入らなかった…でもあのとき、明人は反撃しなかったよね?」
「そっ!そりゃあなあ。」
<なんでこうげきしてこないの!?>
<きみがかなしそうだから。>
夕子の脳裏に浮かぶ八歳の頃の自分たち。
あのとき自分は泣きながら拳に炎を宿して明人に襲い掛かった。しかし明人は裁きこそすれど反撃しなかったのだ。
<なんで!?なんでわたしみたいなばけものにやさしくするの!?>
<べつに。ぼくにはきみがばけものになんてみえないよ。ただのないてるおんなのこだよ。>
「泣いてるヤツに攻撃するなんて男のすることじゃねエよ。それに、あん時お前は自分のことを化けモンなんて言ってたけどな。俺に言わせりゃちょっとオロチの血が混じってるからって普通の人間とかわりゃしねエと思うぜ。」
<へへっ。そうやってわらってたほうがかわいいよ。>
「!!!!!」
その後少しだけ笑った当時の夕子にかけた言葉がよみがえり、明人の心拍数が急激に跳ね上がる。
「あっ!あん時言ったことは今でも覚えてるし、今でもそう思ってるぜ!」
「えっ!?」
二人とも顔を真っ赤にしてしばらくしてからぎこちなく
「じゃっ!じゃあ俺も寝るから!」
「おっ!おやすみなさい!」
と、二人とも眠りにつこうとした。しかし心臓がバクバク言っている内は眠れるわけもなく、しかしそうとは知らずにしっかり盗み聞きしていた優作が思わず
「おあついねえ。」
と、呟いた。
・・・・・
翌朝…
「さあッ!今日の第四試合は俺達あさり一家の初陣だ!気合い入れていこう!」
「「おー!」」
ホテルのロビーで吉久、宏人、弘の三人が気合いを入れている。それを見ていた綱吉がふと目をやると、ロビーの端の方でボロボロになった優作がぽつねんとたたずんでいた。
「どうしたの?優作君?」
「俺、神に誓って言います。人の色恋沙汰には金輪際聞き耳を立てません!」
「やったんだ…」
そういえば昨日彼等の部屋から「ほうりゃああ!」とか「くらいやがれええ!」とか「葵花!」とか聞こえてきたなあ。と冷や汗を浮かべて思う綱吉であった。
とにもかくにも二日目のはじまりだ。
荷物持ちだったりチームメイトにボコられたり優作は哀れだ。
だが後悔はしていない。
では次回予告をば。次回 ROUND7 ボンゴレⅩⅠ世、来る!
吉久「それじゃあ次回も!」
紅丸「みてくれよ!」