今回は、第八話と第九話の間にカットされた話を、番外編として書きました。
葉太「あれ?本編はどうしたんですか?」
なかなか書けなかったので、後回しにしました。
葉太「いくら時間がないからって……もう少し、頑張ってくださいよ……」
……善処します
「あの~、少しいいですか?」
「ん?」
声をかけられて振り返ると、黒い羽の生えた誰かが、カメラを持って立っていた。
「どうも、清く正しい射命丸です~」
「……えっと、誰ですか?」
「私のことを知らない?……ってことは、外来人ですね!?」
「え…はい、そうですけど……(誰だろう、この人?多分妖怪だと思うけど……有名なのかな?)」
「初めまして、私は射命丸文といいます。鴉天狗で、新聞記者をやっています」
「えっと……水瀬葉太です、初めまして(新聞記者……?何か、関わってはいけない気がするけど……)」
「葉太さん、少し質問したいのですが、よろしいですか?」
「え?えーと……」
葉太は、誰に対しても平等に接するが、恥ずかしがりやで、自分のことが周りに知られるのを嫌がる一面もある(心を閉ざしているので当然かもしれないが) 直接話して知り合いになるのはいいが、噂などで自分のことが知られるのは嫌いなのだ。
「……この後用事があるので、また今度でもいいですか?」
そう言って、立ち去ろうとする。
「あ、待ってください!少し話をするだけでいいですから!」
「……でも」
「お願いします!少しだけでいいですから!」
「わ、わかりました……」
文に押されて、少し話すくらいならいいと思い、了承してしまう。……どうやら、葉太は押されると弱いようだ。そして―――――――――
Qどうやって幻想郷に来たんですか?
A気がついたらいました
Q幻想郷に来て、最初に会ったのは誰ですか?
Aルーミア
Q能力は持っていますか?
A持っています
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――と、暫く質問が続いた。
「……もういいですか?」
「えぇ、ありがとうございました!これで、いい記事が書けそうです!」
「……………え?」
「では、さようなら!」
「え、いや、まって…」
葉太がそう言った時には既に、文は飛び去ってしまっていた。
「は、早く追わないと……火符『フレイムウィング』!」
炎の翼を出して、必死に追いかけるが、人間が天狗に追いつけるはずがない。葉太は、もう諦めるしかないと思い、俯いた――――――――すると、懐で、何かが光っているのに気づいた。
「新しい―――――――スペルカード?」
何でこんな時にと思いながら取り出すと、使い方が頭の中に流れ込んでくる。
「空気読みすぎだよ……何でこんな時に……風符『ウインドウェア』!」
スペルを使うと、葉太の周囲で、風が吹き荒れる。そして、その風は少し弱まり、葉太の体に纏われる。
「これで、追いつけるのかな?……とりあえず、やってみるか。……!?」
葉太が文を追いかけようとスピードを上げると、さっきよりもずっと速いスピードが出せた。
「(これなら、追いつける……!)」
「……撒きましたか」
文は、後ろを振り返り、葉太の姿が見えないのを確認する。
「少ししか聞き出せませんでしたが、まあ、少し捏造すれば大丈夫ですよね」
そう言って、その場から飛び去ろうとする………だが
「……おい」
「……え?」
振り返ると、先程とは全く違う、険しい顔をした葉太がいた。
「よ、葉太さん!?どうして…」
「……射命丸」
葉太は、文の言葉を無視して進める。
「俺は………記事にすることを許可した覚えはないんだが………何故記事にしようとしているんだ?」
「え、えーと、それは……」
葉太は、さらに続ける。
「それに、捏造って………一体どういうことだ?」
「あ、あやややや……」
そして――――――――――
「――――――――破壊『バーニングサイクロン』」
葉太がスペルカードを使うと、文のすぐ傍に、炎の竜巻が出現する。近くにいるだけで、凄まじい熱気が文を襲う。
「あ、熱い……」
「……おい、射命丸」
「な、何ですか?」
文は、目の前の存在に恐怖を抱いていた。ついさっきまでは、とても友好的だった少年が、自分を、殺意の篭った目で睨んでいるのだ。
「絶対に、俺のことを記事にするな。いいか?絶対だぞ……?」
「は、はい、分かりました……」
彼女には、そう返事するだけで精一杯だった。
「………そうですか」
――――――――急に、熱気が消えた。
「……え?」
目を丸くしている文に、葉太は話しかける。
「分かってもらえて良かったです。記事にされたらどうしようかと思いましたよ」
「え?えぇ……」
「それにしても、文さんって凄く速いんですね~!天狗って、皆あんなに速いんですか?」
「えぇ、天狗の速さについてこれる種族なんて、吸血鬼くらいですし……よく追いつけましたね。それも能力ですか?」
「そ、そうみたいですね……」
「じゃ、じゃあ、私はこれで失礼します」
「そうですか、それじゃあ、僕は湖に戻りますね」
「こ、恐かった~!」
番外編と本編の話は繋がっています。
なので、第八話と第九話の間の十数分に、この出来事が起こったことになります。
……時間がおかしいのは、気にしないでください。
あと、①と番号がついていますが、番外編をまた書くかどうかは不明です。
続けられるか不安になってきましたが、できるだけ頑張りますので、これからもよろしくお願いします!