戦闘機がもっと活躍してもいいと思うんです(凍結中)   作:ヤママ

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うーん。ガバガバ設定


転生スレイン君誕生~火星行き決定

少年が目覚めた時、彼の中身は何者かに乗っ取られていた。もはや少年の自我は消え失せ、残るのは少年の記憶と何者かの精神のみ。と言っても、その何者かも自分が誰なのか分かっておらず、あるのは少しの知識のみ。何者かは何が起こっているのか分からない状態だった。

 

とりあえず状況を整理する。

この体の主の名はスレイン・トロイヤード。7歳。西ヨーロッパ出身。父親は生物学者。父親の仕事の関係上各地を転々としている。母親は他界しているようだ。

 

 

そしてもう一つ。自分は何者であるか。

 

一番必要とされる情報が全く引き出せない。思い出そうにも出てくるのはちょっとした雑学や一般常識、それにコンピューターゲームやアニメの情報のみ。性別や出身、家族構成はもちろんのこと、名前さえ思い出すことが出来ない。というより、元々そんなものはなかったのではないのだろうか、と思えるほどのまっさらな状態。

 

 

まさかとは思うが、もしやこれは転生というやつか?

 

 

・・・・・いやいやまさかな。そんなオカルトあり得ません。中二病乙

きっとこれは夢だから適当に楽しもう。そう思って活動を始めるスレイン君(仮)

 

 

時計を見ると7時を指している。明るい外から分かるように今は朝のようだ。とりあえずベットから抜け出して体を伸ばす。う~~ん。なんというか、夢の中にしては朝独特の体のだるさがリアルである。本当に転生だったらワロエナイな、とギャグ半分マジの心配半分の状態。

 

とりあえずスレイン少年の記憶をたどりに台所へと降りていく。おなか減ったでござる。

台所にはエプロンを着け、めちゃくちゃうまそうなふんわりオムレツを作っているインテリ系メガネがいた。どうやらスレインパッパのようだ。ふむふむ、料理も出来て学者とな。完璧だな。これができる男というやつか。もしこれで奥さんが生きていればだれもが羨む家族だったのだろうが、悲しいことである。スレイン少年の記憶には母親以外スレインパッパと仲良くしている女性の記憶はないようだ。スレイン少年の年齢を考えれば母親代わりの人が必要にも思えるが、どうやらスレインパッパは

「いいかいスレイン。父さんにとってもスレインにとっても母さんは一人だけなんだ。新しい母さんが来ることはないし、スレインには寂しい思いをさせるかもしれない。でも父さんも今までより長い間スレインと居られるようにするから。分かってくれるかい?」

と説明したそうだ。成程、スレインパッパは生涯奥さんしか愛さないと決めた夫のようだな。何と男らしい人なんだ・・・!これはもうパッパなんて呼べないな。両足を揃え、手は太ももの横に固定。背筋をピンと伸ばす。挨拶の姿勢確保完了!敬意を払ってこうよばなくては・・・!!

 

 

 

 

「おはようございます!親父殿!」

 

 

「・・・へ?」

 

 

 

 

親父殿が固まってしまったでござるの巻。そりゃそうだよね。「父さん」って呼ばれてたのにいきなり「親父殿」って、しかも7歳の我が子から言われちゃびっくりってどころか、どこからそんなこと聞いてきたんだ?ってなっちゃうよね。

だが私はこの呼び方を止めるつもりは毛頭ない!親父殿とは日本の戦国武将の子供が父親を呼ぶときに使っていた呼び方であった気がしたりしなかったり。とにかく!その位尊敬している、という思いがこもっているのである!

 

 

 

「お、おはようスレイン。それにしてもびっくりしたよ。突然そんな呼び方されたら。いつも通り父さんって呼んでくれ。ほら、朝ごはん出来てるよ。」

「おはようございます。いい匂いですね。食欲がそそられます。それと呼び方をかえることに関して了承しかねます。親父殿のことは親父殿とよびたいのです。」

「スレインどうしたんだい!?急にそんな難しい言葉を使う様になって!?しかもその呼び方変えるつもりないのかい!?父さん訳が分からないよ!今までのスレインはどこに行ったんだい!?」

 

 

おおっとあまりにも敬意の念が入りすぎていつものスレイン少年のように対応しなくてはならないことを忘れていた。ええっと・・・記憶的にはどう喋っていたのかなっと・・・・・

 

 

ない。スレイン少年の喋り方の記憶がすっぽり抜けている。これは由々しき事態ですぞ・・・

 

 

私はスレイン少年の外見をしているが中身は記憶喪失もいいところの正体不明野郎だ。スレイン少年の記憶をある程度引き出すことは出来るが、今気付いたが、全部引き出せるわけではないようだ。加えて精神が全くの別物なので対応が変わるのは自明の理。その違いに苦悶しているのはついさっき尊敬する人になったスレイン少年の親父殿である。

 

 

これは、私がスレイン少年を演じるしかないか・・・

 

と思ったが、よくよく考えれば今は夢の中である。どうせなら親父殿に被害がこうむらない程度におふざけするか。視界が妙にはっきりしてたり、料理の匂いとか、ものの感触とかがリアルなことには目を背ける。転生なんてありえないんや!

 

 

「ごめんなさい、親父殿。驚かせちゃって。近所のクソガキに「子供だな」ってバカにされたから利口な子を装う練習を寝る間も惜しんでやってたの。でも成功だったみたい。私、そんなに難しい言葉の使い方してた?」

即興にしたってあまりにもお粗末だなこれ。大丈夫か?

「へ?あ、あぁ。そうだったんだ。父さんスレインがあんまりにも大人みたいな言葉使いをするから実はスレインじゃなくて宇宙人かと思っちゃったよ。」

よかった!何とか切り抜けた!つか親父殿

「あははは!宇宙人は流石にないよ!親父殿ったら今世紀最大のギャグだよ!あはははは!!」

「そ、そんなに笑わなくったていいじゃないか。本当に心配したんだから。そういえばスレイン、まだ「親父殿」なのかい?そろそろ父さんってよんでくれないか?こう、父さんって呼ばれないと背中がムズムズしちゃうんだ。」

「やだ。だって親父殿はえらいもの。だから親父殿なんだよ?」

死んだ人を愛し続けるってそうそうできるもんじゃないですよ?

「えぇ・・・何だかよく分からないなぁ・・・

 それにしてもスレイン、近所の子と言ったらよく遊んでる子じゃないか。クソガキなんて言っちゃいけなよ。 スレイン悪い言葉使い知ってたっけ?それに自分のことを「私」だなんて。男の子なんだからいつも通り「僕」って言わなきゃ。」

「う~~ん。何だか今日から自分のことは「私」って呼びたくなったんだ。こっちの方が「僕」より頭よさそうでしょ?親父殿と同じ学者っぽくて。」

「ま、まぁスレインがそれで良いなら止めはしないよ。さぁ、ご飯が冷めてしまう。早く食べて学校へ行きなさい。」

「はーい。」

 

 

 

 

その後、1日中スレイン少年を演じる状態は続き、私は致したかなく自分が「転生」したことを認めざるを得なかった。チクショウメェー!!

 

 

 

 

 

親父殿の研究していることは、どうやら種族ではなく、それぞれの個体にのみ含まれる遺伝子的因子にどのような違いがあるのか、またそれを個体どうしで共有するにはどうすればよいか、とかいうことで多くの動植物のサンプルが必要だそうで各地を転々としていた。私はそのせいでまともに友達は出来ず、灰色どころか無色に近い学園生活を送っていた、と親父殿には思われていたようだが、私には私で心惹かれているものがあった。空を高速で駆け、変幻自在の軌跡を描く戦闘機である。

ちょうど海に近い場所で暮らしていた時の話だ。外で遊んでいると、ゴォォォと耳だけでなく体の芯をも揺らす音を空から感じた。見上げてみると「私」のゲームの知識にあった戦闘機が頭上を飛んで行った。

 

ラファールM‹Rafale/M› 通称アホ毛ちゃん

 

一目ぼれだった。空を飛ぶという人間の夢を最大限追及した戦闘機という形の内の一つ。鳥を模したフォルム、地上にいる者に空を飛ぶという事を知らしめるかのように響く轟音。そして何より、ラファールの特徴的な給油口。A・HO・GE☆

 

戦闘機で萌えを感じるとは・・・

 

その後は空への思いを馳せながら戦闘機の資料や情報を集める日々。ゲームの知識があったためか、大方の機体のフォルムと性能はそれなりに分かっていたため、実際のところではどうなのか、その違いを知れるだけでもだいぶ楽しかった。ミサイルって50発もつめないんだね。

 

エロいフランカー。何でも出来る系のイーグル。トップガンなトム猫。対鑑一筋バイパーちゃん。みな、可愛くて仕方なかった。だが一番私がしたいことは見ることではない。

 

乗りたい。あの空を肌で感じたい。

 

いつも地上から見上げる飛行機達。違う、私はここにいたいんじゃない。お前達と一緒に、空を飛びたいんだ。鳥よ、おまえ達の翼を私に分けてくれ。ほんの少しの間でいい。届きそうで、決して私では届かないその空を、感じさせて欲しい。

 

 

そんな私の思いを感じ取ったのか、運命は回り始める。

 

私は自室で妄想に耽っていた。

 

「スレイン、少しいいかい?」

「ぐへへへ、ラファールたんアホ毛かわいいよアホ毛。まじprprしたいお。君のその小柄なボディーに私を乗せてイカせて!!!(自分の体を抱き締めながら)」

「まったく・・・まーた悪い病気が出てきたか・・・。おい!スレイン!いい加減に帰ってきなさい!」

「いたっ!」

 

いきなり頭上を衝撃が襲う。だ、誰だ!敵襲か!これは演習ではない!繰り返す、これは演習ではない!

 

と思って脳内会議をすること1秒と少し。目の前に飽きれ顔の親父殿がいた。どうやらいつもの如く戦闘機愛故のトリップを起こしていたようだ。

 

「どうしたの親父殿。てか、いきなり叩くの止めてくれない?もう少しでラファールたんとの前戯に入れそうだったのに。」

「戦闘機に性欲を感じるなんてなんて業の深い息子なんだ…どこで育て方を間違えてしまったのかな…。」

「む、業が深いとは失敬な。それと間違ってもらっちゃ困るけど、僕は別に戦闘機に性欲なんて感じてないさ。ただその一人一人をレディとして脳内で丁重に扱っているだけだよ。」

「はぁ…もういい。慣れたよ。

それよりスレイン、大事な話があるんだ。聞いてくれるかい?」

突然親父殿が真面目な顔になる。この顔は私の戦闘機への興味が愛へと変貌し始めた頃に、変化を察した親父殿の顔によく似ている。あの後色々問い詰められて「スレイン!引き返すんだ!まだ間に合う!無機物を愛するような変態になっちゃいけない!」ってめちゃくちゃ説得されたんだよな。でも、結局親父殿は私の溢れる思いに負けて戦闘機への愛を認めてくれた。その後数日、親父殿の顔はげっそりと痩せこけてしまっていたが。

 

そんなこともあったので、私は親父殿を過去のように疲弊させないため、体を向けて聞く体制をとる。親父殿は息をゆっくりと吸うとおもむろに言った。

 

「父さん、火星へ行こうと思うんだ。」

 

 

 

意識が飛びそうになった。

 

だって火星ってクーデターで出来た国だよ?てかそもそも国として認められているのか?地球にとっては休戦状態にあると言っても明らかに友好的な立場にないことは確か。過去の事件から言えば、火星のヴァース帝国を名乗るテログループがいたり、ヴァース本国の命令を無視した軌道騎士がいたり。戦争とは別の火種を地球に残すわ大規模な内部分裂を起こしてるわまともじゃないぞ。

 

「気でも狂ったの?」

「いや、真面目なんだスレイン。ヴァースで研究をしてくれないかと、頼まれたんだ。」

「誰に?何の研究さ?」

「レイレガリア皇帝に。因子に関わる知識人として呼ばれたんだ。」

「皇帝直々にかよ。しかも親父殿の研究どう使うんだよ。あんな人形兵器にしか力入れてないような国で。まじで訳わかんねえな。」

もう頭割れそう。ストレスマッハで剥げそう。

「私もそう思ったんだ。それで聞いてみたんだ。私の研究は生き物の中にある因子の特定のみです。あなた方の望むようなものは作れないはずですが、ってね。」

「そんで?」

「どうやら、火星のすべての動力を担っている「アルドノアドライブ」というエンジンがあるそうなんだが、それ、皇帝や皇帝の血を分けた人、もしくは皇帝や皇帝の血を分けた人が保有している起動因子と呼ばれる特殊な因子を貰わないと起動できないんだよ。」

「ポンコツじゃねーか!なんだその選ばれたものしか出来ない、みたいな設定!RPGだけで十分だよ!工業製品は誰でも操作道理に使えば使えるものじゃなくちゃダメだろ!だいたいそんな代物なら起動因子もってるやつらふんぞりかえれるじゃねーか!……ってまさか」

「そう、起動因子を与えられるのは37家門の軌道騎士のみ。それが火星内で権力の横暴と格差を生んでいるそうなんだ。」

「はぁ…所詮科学者がオーバーテクノロジーを武器に樹立した国。統治も糞もあったもんじゃないな。それで?親父殿の仕事は大方その起動因子を解読して誰にでもアルドノアドライブを使えるようにしてくれ、ってとこでしょ?」

「さすがだねスレイン。惚れ惚れするほど頭が回る。父さん鼻が高いよ。」

「そりゃどうも。でも私がそれにokというと思う?親にそんな危なっかしいとこにいって欲しいと思う子供どこにもいないよ?」

「それも十分理解しているつもりなんだ。でもねスレイン。私は今までじぶんの研究が果たして社会のためになるのか、ずっと疑問だった。ただひたすらに因子を集めるため、幼いお前をつれ回して転々として。大学の非常勤講師をして食いつないではいるが、給料の大半は研究に持っていかれ、学会で成果を発表してもまともに見向きもされない。そんなときにレイレガリア皇帝からの依頼だ。私の研究がやっと人のためになるんだ。自分の世界だけで終わるのはこれで終わりなんだ。分かってくれるね。スレイン。」

 

親父殿の目は、決意に満ちているようで、どこか焦点があっていないように感じた。

ふと私は、ヒトラーのことを思い出した。画家志望だったヒトラーは、マスメディアの与える影響力をよく知っていた。絵やポスター、映画などが人に与える心理的効果を巧みに使い、国内での支持を得ていた。その際、絵描きや映画監督に「君にしか出来ない仕事がある。」みたいなことを言ってプロパガンダマスメディアを大量につくらせたそうだ。

絵描きや研究者は、必ず報われるような職ではない。それこそ一生見向きもされずに終わることもあるだろう。金が入ってくることもないかもしれない。

しかし忘れてはならないのは、研究者とは本来学問を追及すべき存在であり、注目や金儲けなどはあくまで副次的な事柄に過ぎない。いつの間にか自分の研究が役に立ってたよかったよかった、とその程度の意識でいる方がちょうど良いのだ。だが人間は群れを成していきる動物。群れに属している以上何らかの形で貢献しなければ、という欲にかられるものだ。その点で言えば、研究者とは社会から抜け、孤独であらなくてはならない。しかし親父殿は研究者にしては、私という我が子の未来(重荷)があったため、群を意識しすぎてしまった。そのため、度重なる引っ越しによって友達の出来ない我が子、研究者といえば聞こえはよいが、定職につかず子供をつれ回しているとの噂、無視される研究、そしてどこかで聞こえる「お子さんが可愛そう」

 

まあまとめると、親父殿の研究者としての人格を壊したのは恐らく私<我が子>なのだろう。そう思うと、どんなに危ない奴だろうが、「あなたが必要だ」と言われれば着いていくのは道理か。私は自責の念にかられ、とりあえず頷くことしか出来なかった。

 

「………そうか、ありがとうスレイン。分かってくれて。あと一週間後にシャトルに乗って行こうと思う。用意をしておいてくれ。」

 

パタンと部屋のドアがしまる。

言い様の無い不快感が胸のなかでぐるぐるしている。

 

てか用意しておいてくれって、私も火星にいくのかよ…

 




スレイン君が勝手にネガティブしてんのは関わってきたのが父親位しかいないから、ということにしといてください。あと、レイレガリアおじいちゃん本人が、というより使いのひとが秘密裏に地球へ降りてアルドノアパワーで伝え、そしてアルドノアパワーで火星へつれてく、とでも思ってください。



そんなオカルトありえません!
ネタで使ってみましたが、ここでひとつ体験談を。
高校の頃、部室で麻雀しているのを見ていたら、先輩が九蓮宝燈(出したら運をすべて吸われて死ぬと言われている役)を出しました。「お前死ぬぞ~」ともう一人の先輩がおちょくってたのですが、九蓮宝燈を出した先輩はその日の帰り道、車にひかれて足の骨を折る重症を負いました。九蓮宝燈なんてそうそう揃うものじゃありませんが、もし役が揃ったとしても出さないようにしてください。
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