戦闘機がもっと活躍してもいいと思うんです(凍結中) 作:ヤママ
目が覚めて色々金髪少女に説明してもらったら、まさかの皇族。建物は壊すし無礼な態度を取らなかったかとても心配している私、スレイン・トロイヤード。
反射的に次期女王の娘に土下座を決めてしまったが大丈夫だろうか・・・
火星って確か中世の封建制度で成り立っているんだったよね。もしかして、魔女狩りが如く地球人狩りと評して火あぶりにされちまうのか!?
「殺せ、地球人だ」
「アイエェェェ!?歓迎するって言ったのに!ナンデ?オヒメサマナンデ?」
「歓迎すると言ったな。あれは嘘だ。」
「ウソダドンドコドーン!」
ってな感じで殺されてしまうのか・・・ガクガクブルブル
とりあえずお許しを!お慈悲を頂かなければ!命乞いを!
「顔を上げてください。スレインさん。」
声に顔を上げる。目の前には困った顔をした次期女王様。女王様っていうと少しいかがわしいな。
「まずは貴方の治療をしなければいけません。天井を突き破ってきたんです。きっともうすぐ近衛兵が来るでしょう。その時に私が貴方の治療をするように言いますから。」
「ありがとうございます女王様!本当にありがとうございます!」
「いえ、たいしたことではありません。それと私、まだ女王ではないので〝アセイラム″と呼んでください。」
「はい!アセイラム姫!」
私の中でアセイラム姫の株がめちゃくちゃ上がっている高騰しているインフレおこしてる。自分の遊び場壊されてもこれっぽっちも怒らずに寧ろ体の心配してくれるとか。なんやこの子。天使かな?
「姫様!ご無事ですか!」
そんなこんなしていたら銃を持った兵士と侍女らしき人が奥の方から出てきた。膝をつき、アセイラム姫を見上げるような姿勢をとっている私をみて、兵士は銃を向け、侍女達はゴミを見るような目で私を見る。ご慈悲をもらっているとでも思っているのか?その通りだよ!あんたらのお姫様めちゃくちゃ優しいな!
「私は大丈夫です。それよりこの方の治療を。脱出用シャトルの衝撃で少しの間でしたが意識を失っていました。」
「しかし姫様、この者は・・・」
「彼に非はありません。早くしなさい。」
「は、はい!」
そういわれると侍女は兵士に私を運ぶよう指示し、兵士は銃を下ろし私の肩に手を回そうとする。だが私自身自分で歩ける位には回復していたため、兵士に「結構です。」と一言言い、侍女の案内に従って医務室へと向かった。
医務室へ到着し、検査を受け、どこも問題はないことが確認されると、鮮やかな赤色の服を着た男が兵士を2人背後に従えてやってきた。男の服は兵士の服と比べて細かな装飾が施されたものだった。男は私を見つけるとゆっくりと近づき、立ったまま、私を見下ろす。・・・感じの悪い人だ。人と話をするときは目線を合わせるのは常識だろうに。
「そなたがトロイヤード博士の御子息か。」
「は、はい。・・・そうだ!親父殿!父は、父は無事なんですか!?」
色々ありすぎてすっかり失念していた。私は何とかエスコン知識でシャトルの操作が可能だったが親父殿にそんなことが出来るとは到底思えない。地球連合軍に拿捕されているのならまだいいが、奴らは非武装のシャトルに撃ってきた。親父殿のシャトルが落された可能性だって十分にありうる。最悪の状況を想像すればするほど私の手は自然と震えてくる。
「落ち着け。そなたの父君は無事だ。今は我が領地でお休みになっている。」
「本当ですか!あぁ、よかった。本当によかった・・・」
体の緊張が抜け、近くにあった椅子に思わず座る。そういえばこの人「我が領地」っていったよな?もしかしてかなりのお偉いさんなのだろうか。とりあえず親父殿を保護してくれたことのお礼も兼ねて自己紹介せねば。
「私はスレイン・トロイヤードと言います。父を保護して頂いてありがとうございます。」
「我はヴァ―ス機動騎士37家門が一人、ザーツバルムである。そなたと博士には危険な目に遭わせてしまいすまないと思っている。」
地位の高い人とは思ったが、まさか天下の機動騎士が出てくるとは。姫様といい気が休まることがないな、全く。それより「危険な目に遭わせてすまない」なんて、どういうことだ?
「そなたを乗せたシャトルを操縦していたのは我の配下にある兵士だ。」
「成程。その、こちらこそ何と言って良いか・・・」
「長旅で疲れであろう。今日はゆっくりと休むがよい。後日、事情聴取をさせてもらう。」
「は、はい。あの、父と会うことは出来ませんか?」
「すぐには無理かもしれぬ。トロイヤード博士の頭脳は皇帝陛下が必要とされているもの。博士の容体が万全になりしだい本国で研究をしていただく手筈となっている。」
「そうですか・・・」
親父殿の無事を言伝で分かったことはいいものの、やはり実際に会えないのは不安だ。今までの引っ越しでは親父殿がそばにいたので、それまで感じることが出来なかったが、背中を追っていればよい安心感があった。だが今は違う。ヨーロッパはおろか、もはや地球でもない戦争国に身一つで放り出された状態だ。軌道騎士のザーツバルムさんによると親子殿とはしばらく会えないようだし、`客人の息子'として扱ってもらえるか定かでない。ヴァースの人間からすれば私は子供とはいえ、憎き地球の人間である。それ相応の扱いを受けるであろうことは予想できる。さっきも姫様の侍女っぽい人に睨まれたし。うーむ。どうしたものか。なんて考えていたらザーツバルムさんがじっとこっちを見ていた。な、なんすか。
「ところで、なぜそなたは脱出用シャトルを操縦したのだ?あれにはオートパイロットで本国に向かうようプログラムが施されていたはずだが。」
「地球のカタフラクトに発砲されたんです。シャトルの軌道は直線的で弾が当たるのは時間の問題でした。まぁ、結局2、3発くらってしまいましたが。」
「何故操縦方法が分かった?あれはヴァースで開発されたものだ。地球の操縦系統には全く違うもののはず。」
「勘で操縦しました。」
「勘だと?」
うわっ、今眉毛ピクッてさせたよ。ヤバイよ、あれ絶対怒ってる。「何で地球人がヴァースの機械操縦できんだよスパイか?ぶっ潰すぞコラ」とか思われてるよ。怒らせた相手がまずい。軌道騎士だよ、休戦協定発表されても攻撃続ける武道派連中だよ。死んだかも。
「・・・まあよい。明日にはシャトルの解析も終わるだろう。そなたの真偽も明らかになるだろう。」
怖えぇ。どちらにしたって何かに理由つけて処罰されそう。落ちたところが何もない広場とかなら何も言われなかったんだろうけど、皇族の住まいだもんな・・・向こうもどうにか折り合いつけようとしてんだろうな。まぁ、根本的なことを言えば私と親父殿を運んだシャトルが見つからなければよかったんだろうけど。とりあえず私はこれからの生活や扱われ方に不安を憶えつつも体を休めるために目を閉じ、横になって眠りが来るのを待つことにした。
「シャトルの解析結果はどうだった?」
「はい。シャトルの軌道とアラートの回数が記録されたシステムが生き残っていました。」
「モニターに映せ。」
「はっ。」
ザーツバルム伯爵の命令で部下の兵士が作戦室のモニターに記録されたシャトルの軌道を映す。バーツバルムの他には彼の配下にあるヴァ―ス製宇宙専用戦闘機「ステイギス」のパイロットを統括する「ステイギスマスター」が数名、古参の整備兵、戦闘記録をとる管制官がいる。モニターを見て若い勝気な女性のステイギスマスターの一人が口を開く。
「これは何の冗談ですか?ザーツバルム様。」
「冗談ではない、事実だ。正直、我も信じられん。よもや戦闘訓練も受けたことの無い子供がこれほどの腕を持っているとは。」
彼女が失礼とも取れる発言をしたのには訳がある。詳しいことは伝えられていないが、レイレガリア皇帝の命令によって、地球から研究者とその息子の護送を行った際に地球連合のカタフラクトの襲撃にあった脱出シャトルの機動の軌跡を見て意見が欲しい、というものだった。
脱出シャトルの機動などそう変わるものではない。戦闘用でも、ましてや移動用でもない「脱出用」であるため、大抵はヴァ―ス本国か揚陸城に真っ直ぐに飛ぶようにプログラミングされている。まぁ飛ぼうと思えばバレルロールを決めたり無理な機動をとることも出来なくはないが、機体が耐え切れないか、パイロットが機体の重さから来るGによって意識を失うかの二択である。だがモニターに映し出された矢印で表された機動の軌跡は、戦闘機の機動と遜色ない程の軌跡を描いている。更にロックオンされた時と照らし合わせると、丁度エルロンロールで避けているのが分かる。その他にも左右に不規則に動くシザーズ、ブースターの推力偏向を利用した急な方向転換を見事使いこなしている。気持ちがよくなる程に美しい機動だと、モニターの前にいる誰もが思う。
「回収したシャトルの状態はどうだった?」
「フレームはひどく歪んで、とてもじゃありませんが飛んでいたとは思えない程でした。ですが、機動を見て気付きました。」
「何にだ?」
「あの機動は、機体の限界ギリギリまで負荷をかけるものでした。決して限界を超える事はない。ですから、緊急(ベイル)脱出(アウト)しなくとも暫くは航行可能だったんです。」
古参の整備兵はそう断言する。あの機体はまだ飛ぶことが出来たのだと。弾で機体に穴が開き、機体のアラームが鳴り響いてはいたが、あの機体は飛べたのだと。驚くべきはそれをやってのけたのが何の予備知識もない子供だという事実。しかもシャトルを空中分解させるような無理な機動ではなく、ギリギリのところでポテンシャルを最大限発揮させる機動。まるで機体のことを知り尽くした動き。初めて飛行機というものに乗り、操縦を試みたとは思えない。
「戦闘記録をとる立場から見てどうだ?」
「正直に申し上げてあり得ないですね。訓練兵でもなく、ただの一般人、それも子供がこれほどの腕前とは。過去の戦闘記録を遡ってもこれほどの機動を見せた者はそういません。もし脱出シャトルにバルカン砲の一つでも装備されていたら地球連合のカタフラクトを落とせたのではないでしょうか。」
「そこまで言わせるほどの腕前か。ステイギスマスターよ。そなたらはどうだ。武装した脱出シャトルで地球のカタフラクトを落とせるか?」
「落としてみせましょう、と申したいところですが難しいですな。やってみたことがありませんのでどうとも言えませんが、やれと言われても出来る気がしません。」
「同じく。出来るとしても回避に徹するのみで振り切れはしないでしょう。そのうちあてられてしまう。」
ステイギスマスターの内、古参の者と次期総統括を期待されているエースが意見を述べる。この二人は並み居るヴァ―ス戦闘機部隊でも実力が頭一つ抜きんでている。そんな二人が無理だと言ったことをただの子供がやってのけた。それも敵国の地球出身の。
「おぬしらにそこまで言わせる腕前か・・・。欲しいな。」
「ええ。センスの塊です。今でも十分いい腕をしていますが、更に磨けば一騎当千のパイロットとなるでしょう。ただ、地球人であることが勿体ない。」
「ああ、全くだ。」
ザーツバルムの言葉に誰もが首を縦に振る。作戦室の中は誰もが口惜しさを感じずにはいられなかった。
「姫様!ご無事ですか?お怪我は?」
「はい。どこも怪我はありません。気遣い感謝します、クルーテオ伯爵。」
「いえ。軌道騎士として姫の身を案じるのは当然のこと。それよりアセイラム姫、なぜ皇居へ土足で侵入し、姫のためのお部屋を壊した者に治療を施したのです?聞けば其奴は地球人。姫の命を狙うスパイかもしれませんぞ。」
クルーテオ伯爵はアセイラムの身を案じていた。2代目皇帝ギルゼリアの工業力の発展による地球侵攻を妄信的に信仰し、作戦に参加していたクルーテオは例に漏れず地球を憎み、劣等民族であると見下していた。それ故か、いくら皇帝の呼んだ客人の息子だとしても地球人であることに変わりはなく、ヴァースへ足を踏み入れることさえ腹立たしいと言うのに、皇居の一部を破壊したとなれば、処罰というより消し去ってやりたいと思っているのは当然といえば当然か。しかしアセイラムはギルゼリアとは違い、地球と友好的な関係を築いていきたいと思っていることと生来の優しさからか、首を横に振る。
「クルーテオ伯爵、彼は私とそう変わらない年齢です。そんな子供をスパイだと疑うのですか?加えて彼は彼のお父さんの仕事でヴァースへ訪れたと言っていました。それはつまりお祖父様の客人ということ。違いますか?」
「いえ、その通りでございます。出過ぎた発言、申し訳ありません。しかし姫が怪我なくいるのはただ運がよかっだけのこと。それだけは覚えていてください。」
クルーテオの心配し過ぎた忠告を何だか可笑しく感じたアセイラムは小さく笑う。
「分かりました。十分気を付けておきます。今度は上から降ってくるものにも気を配らなくてはなりませんね。」
そういうことではありません。クルーテオは心の中で呟いた。
「そうそう、彼とはいつ会えるでしょう?地球の事、たくさん伺いたいです!」
彼女の願いが届いたのか、レイレガリア皇帝がトロイヤード親子との面会を希望し、その際にアセイラムも呼ばれることが後日決定した。
目が覚めたスレイン・トロイヤードでございます。どのくらい眠っていたんだろう?体はどこも痛みはなく、眠気も一切感じないことを考えるとかなり眠っていたんだろう。てか今何時?真っ白な医務室、どこにも時計がない。うーむ、事情聴取があるからあまりここから離れるのは駄目だろうけど、息が詰まる。ベッド以外何も無いとかマジ無いわ。病む。病室からの精神攻撃を受けている!
とりあえず病室を飛び出して基地探険へとのりだす。おぉ、すげぇ!ガラス越しに宇宙がみえる!ガラスは私よりも何倍もあり、シャトルの時と違って視野全体で宇宙を見ることが出来る。小さな星がキラキラととても綺麗だ。その美しさに暫く目を奪われていた。
「坊や、そこで何をしているんだい?」
声に振り向くとヴァースの軍服を着た赤髪で短髪の女性がいた。ヤバい、見つかった(白目)。私の今の格好は病院で患者が着ているような脇に紐がついているスタイルの服。どこから見ても医務室から出てきたことは明らかである。勝手に飛び出してきたことがばれたら怒られるどころじゃすまないんじゃないか?・・・アカン、冷や汗止まらねぇ。
「坊や大丈夫かい?汗が酷いよ?どこかで休もうか?」
アババババ!ドウシヨウ!?ドウヨウトマラナイ!!ヘイタイノオネーサンチカヅイテクル??ナニイッテルカワカラナイ!!ヴァースコワイ!!
「い、いや勝手に医務室抜け出した訳じゃないんです。ただベッドだけの真っ白な空間に耐えられなかっただけで、決して脱け出してやろうとかそんなこと考えてなんてないんですからね!?」
「お、おう。大丈夫そうだね。ん?そういえば、なんでこんなところに子供が?・・・!坊やもしかして地球から来たっていう・・・」
「!?!?!?ち、違うんです!わざとアセイラム姫のところに墜落した訳じゃないんです!本当はオートパイロットでいく筈だったんですけどカタフラクトに発砲されたんでそれを避けようと仕方なく!」
皇居に墜落したことがばれたと思い、あたふた弁解する。顔を真っ赤にして手を右へ左へ必死に動かして。地球人ってだけでも嫌われる対象なのに更に皇族に迷惑かけたことなんて知られたらどうされるもんか分かったものじゃない。一生奴隷として濃き使われるんじゃなかろうか・・・ガクガクブルブル
そんな私の心配を他所に、目の前の女性は片手を突きだしてストップの合図をだす。
「あー、坊やがアセイラム姫殿下のところに突っ込んでいったのは皆が知ってるよ。別にそれでトってかかろうなんて思ってないから安心しな。」
「ほ、本当ですか!?」
「本当さ。大体私達は一応騎士たれって日頃から口酸っぱくして言われているからね。本当に気に食わない野郎とは決闘で決着つけてやるのさ。」
「つまり私はこれから先決闘を申し込まれるってことですか(涙目)?」
「いや、決闘の申し込みなんざ聞いたこと無いよ。するにしたって37家門位だろうね。大体子供相手に本気になるやつなんていないさ。」
「良かった・・・!本当に良かった!!命と人権は守られそうで安心した・・・!」
「・・・一体どんな目で私達を見てんだか。」
冷たい目を向けられてる気がするけど気にしない!人権は守られたんだ!奴隷にならなくていいんだ!
そうと分かればお姉さんにお礼を言わなければ!
「ありがとうございますお姉さん。お陰で安心して生活出来そうです。」
「そうかい。そりゃ良かった。坊や、名前は?」
「スレインです。スレイン・トロイヤード。」
「私はカレン・ホワイト。よろしくスレイン。」
私の身長に合わせて膝を低くして握手のための手を伸ばすカレンさん。なんて優しくてええ人なんや。結婚したい。冗談だけど。
「よろしくお願いします。カレンさん。」
手を伸ばし、握手をする。すべすべしていると思ったが所々豆のようなゴツゴツした感触。兵士って大変なんだな。てかカレンさんが頑張っているのかな?どちらにしても好印象だ。なんて手の感触に感想をいだいていたらいきなり手を引っ張られ、宙に浮く感覚を感じた後、ガッチリとお腹の部分を抱えられる感覚。カレンさんが脇に私を抱えたようだ。・・・え?
「な、なんで?」
「せっかくだ。揚陸城の中を探険させてあげるよ。」
「あ、ありがとうございます。でも大丈夫です。自分で歩けます。」
「まあまあそう言わずに。」
「はぁ。ってあれ?揚陸城?私皇居に墜落したんじゃ?」
「多分あんたが寝てる間にでもこっちに移されたんじゃないの?一応あんた皇居に落ちた危険人物だし。」
「危険人物って・・・」
「ま、気を落とさない。取って置きのところに連れていってあげるよ。」
私はそのままカレンさんにドナドナされる形で移動する。着いた先は・・・
「さ、着いたよ。」
「えっと、ここは?」
六角形のハニカム構造のドックのようなものの中に顔が前面に突きだした虫のようなフォルムの機械が幾つもある。本当になんだあれ?
「ここはヴァース帝国ザーツバルム揚陸城所属戦闘機部隊通称ステイギス隊のドックさ。」
「戦闘機・・・」
その響きに私の好奇心は反応し、辺りを見回してその姿を探す。
(どこ!?戦闘機どこ!?ラファールたん?イーグル?それともフランちゃん?どこなの!?ねぇ!?)
私の様子を見てカレンさんが笑いながら肩を叩き、私の目の前を指差す。
「スレイン、あれが私達の機体、ステイギスだ。」
目の前にあるのはハニカム構造の中にいる昆虫みたいな顔したやつ。
「・・・あれ?」
「なんだよ不満かい?かっこいいだろ?」
えー・・・
あれ、かっこいい?ハチかバッタにしか見えないよ?動けばかっこよく見えるのかな?
「カレン、お疲れ様。」
「お疲れ様です、マスターゲイツ。」
「そこの少年は?」
「例のシャトルの少年です。」
「スレイン・トロイヤードといいます(ペコリ)。」
「・・・そうか君が。私はステイギス隊の総隊長のゲイツ・オーランドだ。よろしく。地球の少年。」
ずいぶんお偉いさんが出てきたな。つかカレンさん、シャトルの少年って、それで私って分かっちゃうんですね。悲しくなってきた。
「マスターゲイツ、提案なのですが、彼をステイギスに乗せてみてはどうでしょうか?」
「何?」←ゲイツさん
「ふぁ!?」←私(スレイン)
カレンさんナニイッテルンダイッタイ!?
「戦闘機乗りとしての彼の才は正に原石。磨けば磨くほど素晴らしいパイロットとなるのは分かっていることです。試しに自分の目でその軌道をみて見たいのです。」
「・・・君の言いたいことはよくわかる。だがカレン、スレイン君は地球人だ。敵国の人間に軍事情報を渡すわけにはいかない。例え子供であったとしても。」
「重々承知しています。しかしやはり私は見たいのです。この子がどこまで行けるのか、どれ程の軌道をみせてくれるのか。マスターゲイツ、貴方も同じ思いのはずです。」
「・・・否定はしない。」
「お願いします。私もマスターの一人。何か問題が起きれば責任は私が取ります。」
「はぁ・・・こうなった君は強情だ。テコでも動かんだろう。分かった。ザーツバルム様に掛け合ってみよう。」
「ありがとうございます!」
「しかしカレン、スレイン君の許可はとったのか?」
「大丈夫です!彼からは戦闘機好きの臭いがしましたので!」
「なんだそれは・・・」
「というわけでスレイン!どうかな?」
「ステイギスは形がダサいんで乗りたくないです。」
「えっ」←カレンさん
「えっ」←ゲイツさん
「あれなら乗りたいです。むしろ乗らせてください。」
スレインの指差した先にあったのは、蛇のように長い機首とデルタ翼の黒の機体。ヴァース帝国戦術輸送戦闘機、スカイキャリアーだった。後にスレインは語る。
「スレインキャリアーじゃなくってカリバーンって名前にしようよ」と。
ステイギス別に嫌いではないのですが、やっぱりスカイキャリアーの方がカッコいいですしおすし。原作では、機体変えたとたんに空気と化したスカイキャリアーさん。ほんとは輸送と戦闘、両方こなせるすごい子なんだけどなぁ。しかもVTOL機だし