僕と戦極姫と召喚獣   作:京勇樹

11 / 82
さて、誰かわかるかな?


対Bクラス戦 打倒キノコ!!

翌日

 

場所 Fクラス教室

 

「さて、これからBクラスとの戦闘を再開するが」

 

と、教卓の位置に立っている雄二が言った時だった。

 

「待つのじゃ、雄二よ」

 

そう言いながら、秀吉が手を挙げた。

 

「なんだ、秀吉?」

 

「Cクラスはどうするのじゃ?」

 

秀吉がそう聞くと、雄二は頷いて

 

「ま、大丈夫だ。多分、そろそろ……」

 

その時、雄二の近くにムッツリーニが現れて、耳元で囁いた。

 

「よし、予定通りだ」

 

と、雄二は頷くと

 

「Cクラスなら、Aクラスから宣戦布告をされたらしい。これで、Cクラスは動けない」

 

と、雄二は淡々と告げた。

 

「な、なるほどのぅ………」

 

秀吉は驚きながらも、納得したらしい。

 

何故、AクラスがCクラスに宣戦布告したのか

 

それは、昨日の帰りのことだった。

 

回想開始

 

「……Cクラスに対して、宣戦布告?」

 

「どういうこと、雄二?」

 

雄二からのお願いに、翔子と明久が首を傾げた。

 

「今、Fクラスが戦ってるBクラスには根本が居るんだがな」

 

雄二の言葉に、明久が眉をひそめて

 

「あの根本くんが? 大丈夫だった?」

 

と聞くと

 

「教室の設備をぶっ壊されたが、大丈夫だ」

 

雄二の言葉を聞いた明久と謙信は、顔をしかめて

 

「また根本くんはそんなことを………」

 

「話に聞いてましたが、本当だったとは………」

 

と、呟いた。

 

「で、その根本の彼女が、Cクラス代表の小山なんだよ」

 

雄二の言葉を聞いた明久は、納得したらしく頷いて

 

「なるほど、Cクラスが動いたんだね? Fクラスに対して試召戦争を」

 

明久の言葉に、雄二は渋面を浮かべて

 

「そうなんだよ……正直言って、お前らに迷惑を掛けたくないんだが………」

 

すると、明久が

 

「いいんじゃないかな? どのみち、何処からかは宣戦布告される可能性もあるし」

 

と明久が言うと、翔子も頷いて

 

「……クラスメイトの練習にもなる」

 

と呟いた。

 

「悪いな、頼んだ」

 

雄二が言うと、明久と翔子は親指を立てたのだった。

 

以上、回想終了

 

というわけである。

 

「これで俺達は、心置きなく、Bクラスと戦える」

 

と、雄二は心中で二人に礼を陳べると

 

「なお、前線指揮官は姫路と信玄に一任する! 頼むぞ、二人とも!」

 

と、視線を信玄と姫路の二人に向けるが

 

「は、はい……」

 

「わ、わかりました……」

 

その二人は、どこか挙動不審になっていた。

 

「? まぁ、とにかく! 全員、武運を祈る!」

 

雄二はそれに一瞬、眉をひそめるが、すぐに戻して激励を飛ばした。

 

「おおおおお!!」

 

生き残りの全員は雄たけびを上げた。

 

そして、運命の戦いは再開されたのだった。

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

しかし、試合は予想外の展開になっていた。

 

「勝負はなるべく、単教科で挑むのじゃ! 補給も念入りに行うのじゃ!」

 

「右翼は連携を厳に! 左翼は第二部隊と変われ!」

 

前線で指揮を執っていたのは、秀吉と信繁の二人だった。

 

その時、信玄と姫路の二人は

 

「くっそ! 現国が残り一桁だ! 姫路さん! 救援を!!」

 

「こっちもだ! 歴史の応援を、信玄さん! 頼む!!」

 

と、Fクラスの生徒が救援を頼むが

 

「あ、あう………」

 

「くっ………」

 

その二人は、僅か後方で動けないでいた。

 

「御館様!? どうなされたのですか!?」

 

「姫路さん! どうしたんだ!?」

 

幸村と須川が叫ぶ様に聞くが、二人は歯噛みするだけで答えなかった。

 

「仕方ない……幸村! 幸村が右の援護! 須川は左に向かえ!」

 

「承知!」

 

「おうよ!」

 

信繁が命令すると、幸村と須川が救援要請のあった方へと向かった。

 

その隙に、信繁と秀吉が二人に近づいた。

 

「姫路よ! お主になにがあったのじゃ!?」

 

「信玄! 一体、どうしたんだ!」

 

秀吉と信繁が問いかけても、信玄と姫路の二人は視線を左右に動かすだけで答えなかった。

 

と、その時

 

「くっそ! 古典がやばい! 誰か! 援護を!」

 

という、悲鳴じみた声が聞こえ

 

「私が行きます!」

 

と、姫路が向かおうとしたが

 

「あ、あう………」

 

ある方向を見て、動きを止めた。

 

(ん? あっち?)

 

それを不審に思った信繁が視線の先を見ると

 

その先に見えたのは、きのこ頭が特徴の男子だった。

 

そいつは前線の僅か後方で、可愛らしい便箋と簪を持っていた。

 

そして、簪のほうは信繁には見覚えがあった。

 

(あの簪は! 俺が信玄にプレゼントした!)

 

信繁は怒りで、拳が白くなるほど握った。

 

すると、秀吉が近づき

 

「どうやら、根本が原因らしいのぅ……」

 

と、彼にしては珍しく、怒りを露わにしていた。

 

それを見た信繁は

 

「なぁ、秀吉よ。少しばかり、男二人で無茶しねぇか?」

 

と、獰猛な笑みと共に、問いかけた。

 

すると

 

「そうじゃのぅ……なぜか知らぬが、ワシも怒りで腸が煮えくり返りそうじゃしのぅ……」

 

と、同様の笑みを浮かべた。

 

信繁はそれを確認すると、視線を信玄と姫路に向けて

 

「お前ら、少し下がっていろ。ここは俺達が対処する」

 

「うむ。しばらく休んでおれ」

 

「漢の意地。とくと見せてくれる!」

 

と二人は、獰猛な笑みを見せた。

 

「は、はい……」

 

「すみません。兄上……」

 

信繁はうなずくと

 

「秀吉。すまんが、しばらくここを頼む。坂本に許可を得てくる」

 

と、走り出した。

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

場所は変わって、Fクラス教室

 

「坂本!」

 

信繁は力強く扉を開けながら、雄二を呼んだ。

 

「な、なんだ!? どうした?」

 

雄二は予想外だったのか、少し動揺していた。

 

「すまんが、俺と秀吉で少しばかり無茶をする。その許可をもらいたい」

 

「あ、ああ……なにが、あった?」

 

信繁の剣幕に、ただ事ではないと悟ったらしく、許可を出してから、雄二は問いかけた。

 

「あまり深くは言えないが………少しばかり、きのこ料理を作るだけだ」

 

そう言ってる信繁の眼には、光が無い。

 

「そ、そうか………まあ、がんばれ」

 

「おうよ」

 

雄二の激励に、信繁は背中越しに手を振った。

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

場所は変わって、Bクラス前廊下

 

「許可は降りた。作戦はシンプルだ」

 

「どうするのじゃ?」

 

二人は、適時に指示を出しながら話し合っていた。

 

「秀吉、お前がアイツまでの道を切り開け。そうすれば、一撃で決めてやる」

 

と、信繁は根本を睨みながら告げた。

 

「承知したのじゃ。ワシも点数は良くないのでのぅ。長くは保たないぞい」

 

「わかってるよ。頼むぜ? 相棒」

 

秀吉に返事しながら、信繁は拳を突き出した。

 

秀吉は一瞬、キョトンとしたが

 

「うむ、行こうぞ」

 

と、拳をぶつけた。

 

そして

 

前に出た。

 

「Fクラス、前線指揮官代行! 木下秀吉、参る! 試獣召喚(サモン)!」

 

「Fクラス、軍師! 武田信繁、出る! 試獣召喚(サモン)!」

 

二人の足元に、召喚獣が現れ、点数が表示された。

 

古典

 

Fクラス 木下秀吉 98点

 

Fクラス 武田信繁 425点

 

「参る!」

 

秀吉は両手で長刀を構えてから、列に突撃した。

 

そして信繁は、槍から火縄銃に持ち替えた。

 

「せあぁぁぁぁ!」

 

秀吉は裂帛の気合と共に、長刀を振るいBクラスの生徒の壁に穴を開け始めた。

 

それを信繁は、目を細めて見続けた。

 

そして、秀吉が一人を倒した時だった。

 

確かに、根本の足元の召喚獣が見えた。

 

そして、その一瞬を信繁は見逃さなかった。

 

「軍師、武田信繁、敵を狙い撃つ!!」

 

信繁の召喚獣が放った弾丸は、生徒の壁の穴を通って

 

古典

 

Bクラス 根本恭二  0点

 

根本の召喚獣を葬った。

 

「な、なに!?」

 

根本が驚愕した時だった。

 

「戦死者は補習ーーーーー!!」

 

なぜか、Bクラス内のダンボールから鉄人が現れた。

 

何時の間に入ったのだろうか?

 

「ま、待て、鉄人! 俺はこんなの納得しない!」

 

「やかましい! 貴様は負けたのだ! 終わるまで、補習漬けにしてくれるわ!」

 

というやり取りをしながら、Bクラスから出てきた時だった。

 

「西村教諭! 待ってください!」

 

「待ってほしいのじゃ、鉄人!」

 

西村を信繁と、後退してきた秀吉が止めた。

 

「おお、なんだ。どうした?」

 

「少し失礼」

 

信繁はそう言いながら、根本の胸元に手を突っ込んだ。

 

そして、簪と便箋を取り返した。

 

「なんだそれは?」

 

西村は、眼を細めて聞いた。

 

「こいつ、Fクラスの設備を壊した挙句。人のカバンから物を盗んでたんですよ」

 

信繁の言葉を聞いた西村の目つきが険しくなり、根本を見た。

 

「ほほう………こいつはそんなこともしていたのか……」

 

その時

 

「ま、待て! それを俺がやったという証拠がどこにある!!」

 

根本は顔を蒼くしながら言うが、秀吉が

 

「お主が持っていた時点で、十分な証拠じゃ!」

 

至極正論である。

 

すると、西村がうなずいて

 

「根本……貴様には、特別に道徳の補習を追加してくれるわ」

 

と宣告した。

 

「な、なんだと!?」

 

「貴様がやったのは、立派な犯罪だ! 貴様の腐ったその性根、叩き直してくれる!」

 

西村は憤然と断言すると、根本を脇に抱えたまま補習室に向かった。

 

去り際に

 

「この屈辱、忘れんぞー!」

 

と、根本の声が聞こえたが

 

「何時でも来い! 返り討ちにしてやる!」

 

「何時でも来るのじゃ! 返り討ちにしてやるのじゃ!」

 

と二人は、宣言した。

 

 

 

そして、試験召喚戦争は佳境を迎える。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。