僕と戦極姫と召喚獣   作:京勇樹

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二、三程、おまけを挟みます


おまけ
おまけその1 王様ゲーム


どこと知れない薄暗い教室……

 

時間も分からない。

 

そんな教室に、十数人の男女が集まっている……

 

そこで行われるのは……

 

「王様ゲェーーム!」

 

「イェーーーッ!」

 

集団では定番のお遊びである。

 

「明久、ルール説明を頼む!」

 

「OK、雄二!」

 

雄二に頼まれた明久は、箱と十数枚の紙を取り出した。

 

「ここに王と書かれた紙と、1から12の数字が書かれた紙があります。これを箱に入れて、各自が中から取ります。で、王を引いた人は命令が出来ます。例えば、一番が王様の肩を揉むとか、七番が九番にしっぺ等々……そして、このゲーム唯一のルールは……王様の命令は」

 

明久がそこまで言うと、全員が口を揃えて

 

「絶対!」

 

と言った。

 

「はい、その通り。ただし、数字を引いた人は絶対に数字を言わないように」

 

と明久が言うと、最初に雄二が引きながら

 

「それじゃあ、お前ら……覚悟はいいか!?」

 

と、全員に問い掛けた。

 

そして全員は、各々紙を引きながら頷いた。

 

それを雄二は確認すると、自分が引いた紙を高く掲げながら

 

「行くぞ、せーの!」

 

「王様誰だ!」

 

雄二の音頭に続けて、全員は言った後、無言で紙を見た。

 

数秒後

 

「っしゃあ! 俺だ!」

 

雄二が嬉しそうに、王と書かれた紙を高く掲げた。

 

他の全員は悔しそうに、床を叩いたり頭を抱えていた。

 

「んじゃまあ。最初は無難に……四番と六番は全員分の飲み物を買ってこい」

 

と雄二が命令すると、明久と康太が呻いた。

 

「僕達か……」

 

「……仕方ない。行こう」

 

康太が言うと、明久は頷いて立ち上がった。

 

そして、二人がドアの向こうに消えると

 

「それでは、二人が戻ってくるまでの間にやりましょう」

 

と、信玄が言った。

 

残っていたメンバーはそれに従い、数字の紙を二枚減らしてから全員で引いて

 

「王様誰だ!」

 

次の王様ゲームを始めた。

 

数分後、ドアが開き

 

「ただいま」

 

「……今戻った」

 

明久と康太が戻ってきたが、二人は思わず固まってしまった。

 

理由は

 

「ダハハハハハ!」

 

腹を抱えて大爆笑している信繁と

 

「ちくしょう……」

 

なぜか、西遊記の孫悟空のようなコスプレをしている雄二が床を叩いていたからだ。

 

「えっと……これは……」

 

「……何があった」

 

その光景を見た二人が呟くと、謙信が

 

「あれは信繁の命令です」

 

と、二人に説明しだした。

 

「……どういう命令だ?」

 

康太が詳細を要求すると、謙信は苦笑いしながら

 

「五番は、まあ今回は雄二さんだったわけですが……五番は隣の部屋にある衣装から、適当に一着選んで着替える。という命令でした……」

 

「それであの格好なんだ……」

 

謙信の説明を聞いて明久が納得していると、雄二がユラリと立ち上がって

 

「そんじゃあ、次行くぞぉ! せーの!」

 

と音頭を取りながら、紙を取った。

 

「王様誰だ!」

 

そして、数秒間の沈黙の後

 

「あ、ボクだね」

 

工藤愛子が笑みを浮かべながら、王と書かれた紙を掲げた。

 

それを見た全員が各々悔しがっていると、愛子が

 

「それじゃあね……二番が三番、四番が五番の……ほっぺにチューで♪」

 

という、とんでもない命令を出した。

 

「本当ですかぁ!?」

 

その命令を聞いた姫路は嬉しそうな顔をしながら、明久に視線を向けて

 

「吉井くん……吉井くんの番号は……二番ですよね?」

 

と問い掛けた。

 

問い掛けられた明久は、自分の紙を見ると

 

「ん……」

 

と呟きながら、ゆっくりと紙を開いた。

 

そこに書かれていたのは……五番だった。

 

「えっ!? じゃ、じゃあ……誰が……」

 

と、明久の紙を見た姫路が狼狽えていると

 

「ん、ん……」

 

姫路の肩を、島田が叩いた。

 

「え? 美波ちゃん、どうし……っ、まさか!?」

 

姫路がピクリと体を震わせると、島田はゆっくりと紙を開いた。

 

そこに書いてあったのは……二番だった。

 

「いらっしゃい……瑞希……」

 

島田がそう呟くと、姫路は絶望した様子で固まった。

 

そんな二人を無視して、明久は

 

「四番は誰?」

 

と、自分の相手を探していた。

 

すると、顔を赤くした謙信が手を上げて

 

「わ、私です……」

 

と、恥ずかしそうに呟いた。

 

それを聞いた明久は、ホッとした様子で

 

「謙信か、良かった。それじゃあ、手早く済ませようか」

 

と言うと、謙信は頷いた。

 

 

少々お待ちください……

 

数分後、部屋には何とも言えない雰囲気が漂い、島田は顔を赤くしながら口をハンカチで拭いていて、恥ずかしがっている謙信の頭を明久が撫でていた。

 

すると、姫路が黒いオーラを揺らしながら

 

「なるほど……そういう少しエッチな命令もアリなんですね……だったら、私……もう、容赦しません!」

 

と、何やら決意した様子で声を上げた。

 

それを聞いた秀吉は、不思議そうにしながら

 

「女子は普通、そういう命令は嫌がるはずなんじゃがのう……」

 

と首を傾げた。

 

すると、それを聞いた信繁が秀吉の肩に手を置いて

 

「秀吉、Fクラスに普通とか常識は通用しない……」

 

と、諭すように言った。

 

そして、それを聞いた秀吉は

 

「それだけで納得出来るのも、嫌なのじゃ……」

 

と落胆していた。

 

「それじゃあ、行きます! せーの!」

 

「王様誰だ!」

 

姫路の音頭に続いて、全員は紙を引いた。

 

数秒間の沈黙の後、翔子が

 

「……私が王様」

 

と紙を傾げた。

 

そして全員が悔しがっていると、翔子は雄二を数秒間見つめて

 

「……八番はこの後、私とデートして」

 

と告げた。

 

すると雄二は、自分の紙を机に叩きつけながら

 

「なんでお前は、俺の番号をピンポイントで当てるんだよ!」

 

と叫んだ。

 

雄二の叩き付けた紙には、八番と書かれてある。

 

すると、翔子は親指をグッと立てながら

 

「……雄二のことに関しては、不可能はない」

 

と言った。

 

それを聞いた雄二は、視線を明久に向けて

 

「最近、翔子がエスパーになったのか? と思う……」

 

と呟いた。

 

「あははは……」

 

雄二の愚痴を聞いた明久には、苦笑いしか出来なかった。

 

そして、雄二は立て直すと

 

「そんじゃあ、時間的に次が最後だな」

 

と告げた。

 

全員はそれに頷くと、箱に手を入れて

 

「それじゃあ、最後行くぞ! せーの!」

 

「王様誰だ!」

 

一斉に引いて、紙を開いた。

 

そして、数秒後

 

「あ、僕だね」

 

明久が手を上げた。

 

全員が悔しがっていると、明久は全員を見回して

 

「それじゃあね……全員は盗撮写真や噂になってるBL本とか全部出して、焼却処分!」

 

と告げた。

 

「良い提案じゃな、明久!」

 

秀吉は賛同するが、姫路と島田の二人は驚愕した様子で

 

「そんなぁぁぁ!?」

 

と揃って叫ぶと、明久に詰め寄り

 

「吉井くん! そんなのあんまりです!」

 

「そうよ! そんなことしたら、アンタが持ってる木下の写真まで燃やすことになるわよ!?」

 

と非難した。

 

非難された明久は溜め息混じりに

 

「なんで、僕が持ってること前提なのかな? それに、そういうのは犯罪だからね? さあ、キリキリ出す!」

 

明久がそう言うと、島田と姫路の二人はドアに向けて駆け出すが、それは雄二と幸村の二人によって捕まえられた。

 

「お前ら、王様ゲームのルールを忘れたのか? 王様の命令は……」

 

「絶対です」

 

雄二に続いて幸村が言うと、二人は顔を青ざめて

 

「い、いやああぁぁぁ!!」

 

と叫び声を上げた。

 

「それじゃあ、色々と処理が残ってるけども……解散!」

 

明久の号令により、王様ゲームは色々な爪痕を残して終了した。

 

なお、姫路と島田及び、康太が所持していた写真などは全て回収

 

内容を確認次第、順次燃やしていった。

 

その光景を見た姫路と島田は、虚ろな目をして笑っていて、康太に至っては、泣きながら寝転んでいる。

 

 

 




ちょっと短かったかな
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