僕と戦極姫と召喚獣   作:京勇樹

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休日デート

ある日のことだった。

 

「謙信、出かけるよ~」

 

と、明久が謙信に声を掛けた。

 

「お出かけ……ですか?」

 

「うん……まあ、簡単に言うと、デートだね」

 

謙信の問い掛けに明久がそう返すと、謙信は顔を仄かに赤くしながら

 

「デート……ですか……」

 

と呟いた。

 

それを聞いた明久は、コクリと頷いて

 

「うん。考えてみると、ここ最近謙信と出かけてないからね」

 

と答えた。

 

それを聞いた謙信は、数秒間黙考すると、コクリと頷いた。

 

こうして、二人のデートが決定した。

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

十数分後、二人の姿は街中にあった。

 

明久は動き易さを重視されており、荷物は腰のポシェットのみ

 

謙信は肩から小型のバッグを下げている

 

「まずは、どこに行こうか」

 

明久が問い掛けると、謙信は考え込んでから

 

「アソコはどうでしょうか」

 

と、近くのカラオケを指差した。

 

「OK、行こうか」

 

謙信がカラオケを選ぶなんて、珍しいと思いながら、明久は謙信と一緒にカラオケに入った。

 

受け付けを済ませて、部屋に入ると、明久はメニューを開いて

 

「謙信はなにを飲む?」

 

と問い掛けた。

 

「私は烏龍茶で」

 

「それじゃあ、僕も同じのにしようっと」

 

と明久は、インターホンを使って注文した。

 

その後、注文した飲み物が来てから、謙信が端末機を持って

 

「では、私から行きますね」

 

と、曲を入れた。

 

題名は《届け物》と出ている。

 

「明久を思って、歌いますね……聞いてください。届け物」

 

※わからない人は、YouTubeで探してみてね!

 

数分後、曲が終わると明久は拍手しながら

 

「うん……謙信らしい可愛い歌だね」

 

と誉めた。

 

「ありがとうございます……」

 

誉められた謙信は、頬を朱に染めながら、マイクを明久に渡した。

 

「それじゃあ、僕はこれかな」

 

そう言って、明久が入れたのは

 

《私の中の銀河》と出た。

 

「かなり古い曲だけど、いい歌なんだよね」

 

と明久は言うと、マイクのスイッチが入ってることを確認してから立ち上がり

 

「それじゃあ、行きます」

 

と歌い出した。

 

数分後、明久が歌い終わると謙信が拍手しながら

 

「明久らしい、優しい歌ですね……聞いてて、安心できます」

 

と言った。

 

「ありがとう、謙信」

 

誉められた明久は、お礼を言ってから烏龍茶を一口含んだ。

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

約二時間後、明久達はカラオケから出て昼食を取ることにした。

 

ただし、来たのは……

 

「なんで、ウチの店なんだよ」

 

喫茶躑躅ヶ崎である。

 

「だって、ちょうどいい立地だし。値段も良心的で味も良しとなったら、来るしかないでしょ」

 

と明久が言うと、信繁は

 

「そりゃ、あんがとよ。で、注文は?」

 

と、二人に聞いてきた。

 

明久と謙信は、軽くメニューを見ると

 

「僕はナポリタンとアイスミルクティーで、謙信は?」

 

「私はたらこスパゲッティとストレートティーで」

 

と注文した。

 

「あいよ~、ちょっと待ってな」

 

注文を聞いた信繁は、カウンターの奥へと消えていった。

 

十数分後、カウンターの上に二つずつお皿とコップが置かれた。

 

それを、和風メイド服を着た幸村が持って

 

「お待たせしました。ナポリタンとアイスミルクティーのセットとたらこスパゲッティとストレートティーのセットです」

 

と置いてから、脇に持っていた伝票を掴んで

 

「ご注文は以上ですか?」

 

と聞いてきたので、二人は頷いた。

 

二人が頷くと、幸村は伝票を机の端に置いて

 

「では、ごゆっくり」

 

と言ってから、下がっていった。

 

二人は幸村が離れたのを確認してから、料理を食べ始めた。

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

約三十分後、二人は食べ終わった。

 

そして、カウンターの方に顔を向けると

 

「さすがは信繁」

 

「いい仕事してます」

 

と、信繁に賞賛を送った。

 

賞賛を貰った信繁は、二人に背を向けたまま親指を立てて返答した。

 

そして二人は、会計を済ませると、喫茶躑躅ヶ崎から出た。

 

その二人を、追跡している者達が居た。

 

「フッフッフ……吉井くーん……許しませんよー」

 

「異端者は処刑だー!」

 

姫路とFFF団である。

 

なお、その人物達を少し離れた所から親子が見ていて、子供が指差して親に聞くと、親がどこかに連れて行った。

 

そして、この不審者達(バカども)は、明久達の後を追って移動を始めた。

 

場所は変わり、映画館前。

 

明久と謙信の二人は、映画館の目録を見ていた。

 

すると、そんな二人に

 

「あ? 明久?」

 

「……偶然」

 

雄二と翔子が声を掛けた。

 

「あ、雄二に霧島さん」

 

「偶然ですね」

 

明久と謙信が返答すると、雄二と翔子は二人に近づいて

 

「お前らも映画か?」

 

「うん、僕達はデートって感じだけどね。雄二達も?」

 

雄二からの問い掛けに明久が返すと、雄二は頷いて

 

「ああ、翔子が行きたいって言うからな」

 

と言った。

 

「で、お前らは決まったのか?」

 

と雄二が聞くと、明久はあるタイトルを指差して

 

「うん、アレにしようかなって」

 

と言った。

 

「何々……機動警察パ○レイバーか」

 

「うん、昔のマンガを実写化したんだって。気になってたんだ」

 

明久が指差したのは、少し昭和的雰囲気が漂う作品だった。

 

「面白そうだな。俺達もそれにすっか?」

 

「……雄二がいいなら、それでいい」

 

雄二が問い掛けると、翔子は頷きながら言った。

 

すると、先にチケットを買った明久達が

 

「じゃあ、僕達は先に入ってるね」

 

と言ってから、中に入った。

 

明久達が入ったいったのを確認すると、雄二達もチケットを購入した。

 

すると、入り口のほうからドタバタと足音がして

 

「あれ!? 吉井くんはどこに!?」

 

「おのれ、異端者め! どこに逃げた!」

 

不審者達(バカども)が現れた。

 

入ってきた不審者達(バカども)は、周囲をキョロキョロと見回して雄二達に気付くと

 

「坂本くん! 吉井くんがどこに行ったか、知りませんか!?」

 

「隠し立てすると、容赦しないぞ!」

 

と、いきり立って聞いてきた。

 

その瞬間、雄二と翔子の二人はアイコンタクトを成立させて

 

「……吉井なら、地獄の黙示録2を見に行った」

 

「しかも、二回な」

 

四時間超えの映画の題名を教えて、そこに隔離することにした。

 

「地獄の黙示録2ですね!」

 

「よし、総員突撃!」

 

不審者達(バカども)は、雄二達の言葉を信じて、チケットを購入して入っていった。

 

雄二達はそれを見送ると、お互いに親指を立ててから、明久達と同じ部屋に入った。

 

それから、約二時間後

 

「いやー楽しかったね」

 

「だな。いかにも、今の技術で作れそうだから、尚更だったな」

 

明久と雄二は興奮した様子で語り合い、それを見ていた謙信と翔子は微笑んでいた。

 

すると、腕時計を見た明久が

 

「そろそろ、いい時間だね」

 

「マジだな。そんじゃあ、俺達は帰るか」

 

「……うん」

 

雄二が問い掛けると、翔子は頷いた。

 

「じゃあ、ここで」

 

「また明日、学校で」

 

明日と謙信が挨拶すると、雄二と翔子は手を上げて

 

「じゃあな」

 

「……また明日」

 

と言って、別れた。

 

こうして、休日デートは幕を閉じた。

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