翌日、清涼祭二日目
明久達は全員、教室に揃っていた。
そして、一番前には雄二が立っている。
「お前ら、今日が最終日だ! 何が何でも、売り上げを上げるぞ!」
「おう!」
「はい!」
「任せろ!」
「売りに売ってやるぜ!」
雄二の言葉に、AとFのクラスメイト達は口々にそう言った。
その時、放送用のスピーカーからノイズが聞こえて
『只今より、清涼祭二日目を開催します!』
という、宣言が聞こえた。
雄二はそれを聞くと、右手を掲げて
「行くぞ、お前ら! 開店だ!」
と号令を下した。
「オオオォォォォ!」
雄二の号令に、クラスメイト達はときの声を上げた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
清涼祭二日目が始まって、数十分後
「いらっしゃいませ! こちらへどうぞ!」
「はい、プチシュークリームとミルクティーのセットですね」
「三番席の注文、出来たから持ってけ!」
コスプレ喫茶ははっきり言って、大盛況だった。
どうやら、前日来店客からの口コミもあったらしい。
廊下には常に長蛇の列が出来上がっており、最後尾は最大で四十分待ちと書いてある看板を持ってる男子が立っている。
そして、明久はと言うと
「はい、二百六十円のお釣りです。ありがとうございました!」
レジの席に座っていた。
ちなみに衣装だが、康太は宣言通りに血痕を完全に抜いていた。
そして、明久の補佐に謙信も居る。
厨房は康太と信繁が中心になっており、フロアーは信玄と幸村が中心になって切り盛りしている。
雄二と翔子は早期品切れを防ぐために、在庫管理を中心にしている。
なお、島田は先日のこともあったからか、葉月ちゃんが怖がったために今日は休みである。
そこらへんは、やはり良いお姉ちゃんらしい。
そして島田が休んだことにより、姫路が中心となって本来ならば倉庫の在庫管理をするはずだったが、予想外の大盛況により、姫路一人では管理しきれなくなったのだ。
それをフォローするために、雄二と翔子が行ったのである。
翔子の記憶力と雄二の指揮能力の高さにより、今のところは大丈夫である。
その時
『間もなく、試験召喚獣大会、準決勝を始めます! 選手及び観戦者の方々は第一会場までお越し下さい!』
という放送が聞こえた。
その直後、厨房から康太が出てきてたまたま教室に来ていた雄二と一緒に教室から出ていった。
明久達は模擬店が忙しいために、応援には行けない。
だが、雄二達が勝つと信じて見送った。
そして、十数分後
「戻ったぜ」
「……戻った」
二人が教室に帰ってきた。
「……結果は?」
翔子が問い掛けると、二人はサムズアップしながら
「勝ったに決まってるだろ」
「……根本程度に負けるか」
と言った。
なお、この時二人は言わなかったが、対戦相手の根本は女装姿で参加していた。
理由としては、至ってシンプル。
Bクラスの出し物が、《男女逆転祭り》だからである。
根本としては普通に男子の制服で出たかったのだが、いつの間にか制服を隠されていたので、仕方なく女装したままで参加したのだ。
そして、そんな根本のパートナーは彼女の小山友香であった。
そして、雄二達は根本の姿を見て大爆笑。
怒りに任せて突撃してきた根本の召喚獣を、雄二がトンファーで頭部を強打して撃破し、小山の方は康太が二本の小太刀で切り裂いて勝ったのだ。
「……次の対戦相手は?」
康太が問い掛けると、懐から紙を取り出した信繁が苦い表情を浮かべて
「さっき情報が上がった……こいつらだ」
と指差した。
そこには、《常村勇作》《夏川俊平》と書かれていた。
「常夏コンビか……」
「……ちょうどいい、ボコボコにしてやる」
常夏コンビの名前を見た二人は、歯を剥き出しにしながらそう言った。
どうやら、前日の明久への暴行がよほど腹に来ているらしい。
しかし、二人は大きく深呼吸してから頬を叩いて
「今は、模擬店に集中すっか」
「……売り上げも大事」
と言った。
そして、二人は模擬店に集中し始めた。
そして、時間は経ち昼過ぎ
『これより、試験召喚獣大会決勝戦を行います! 選手及び観戦者の方々は第一会場へお越し下さい! 繰り返します……』
という放送を聞いて、雄二と康太は教室を出ようとした。
すると、ホールの全クラスメイトが
「勝ってこいよ!」
「応援してるわね!」
「あの、いけ好かない三年を叩きのめしてやれ!」
と、口々に応援の言葉を口にした。
それに対して、雄二と康太の二人は右手を高々と掲げて
「おうよ!」
「……優勝してくる!」
と返答して、教室を去った。
そして、運命の戦いが始まる。
3年Aクラス所属 常村勇作&夏川俊平
VS
2年Fクラス所属 坂本雄二&土屋康太
友のために、二人は決戦の舞台へと上がる。