僕と戦極姫と召喚獣   作:京勇樹

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今回の閑話は続き物です


おまけその2
二人の出会い


よ、俺の名前は坂本雄二(さかもとゆうじ)だ、好きに呼んでくれ。

 

今回は俺と明久の出会いを語るらしい。

 

つか、最初に俺かよ。

 

『いい機会だと思ったんよby作者』←カンペ

 

さいか。

 

まあ、いいか。

 

俺と明久が出会ったのは、今から二年前だった……

 

雄二sideEND

 

第三者side

 

季節は春先

 

彼、坂本雄二を含めて全ての学生の学年が一つ上がった直後である。

 

ちなみに、雄二は中学三年生である。

 

だが、この時までの雄二は荒れに荒れており通称で《悪鬼羅刹》とまで呼ばれるようになっていた。

 

その理由は彼の幼なじみの少女、霧島翔子に有った。

 

だが今は、詳細を割愛させていただく。

 

この頃の雄二は全てにイライラしており、売られたケンカは全て買っては憂さ晴らしに相手をボコボコにしていた。

 

故に、雄二は敵が多かった。

 

この事件も、それが原因となった。

 

雄二が街中を一人で歩いていると、前に数人の男子が立ちはだかった。

 

全員は共通して、どこかしらに怪我を負っていて、雄二はその全員に見覚えがあった。

 

「なんだ……てめぇらか……またケンカを売りに来たのか?」

 

雄二はそう言いながら、その男子達を睨んだ。

 

その男子達は今から数日前に雄二にケンカを売り、ズタボロに負けた男子達だった。

 

「よう、悪鬼羅刹!」

 

「この傷の礼、返しに来たぜ!」

 

雄二の言葉に対して、男子達はそう返した。

 

「それはいいけどよ……てめぇら、弱いんだよ」

 

雄二がそう言うと、一人の男子が舌打ちしてから

 

「はっ! これを見ても、そんなことが言えんのかよ!」

 

と言って、ポケットから取り出した携帯を投げた。

 

雄二は前に落ちた携帯を見て、目を見開いた。

 

「てめぇ! これは翔子の!」

 

そう、その携帯は翔子の携帯だった。

 

その証拠に、雄二が携帯に付けているのと同じストラップが付けられていた。

 

「おうともよ!」

 

「お前が来ないと、その子がどうなるかなぁ?」

 

男子達の言葉を聞いて、雄二は歯噛みしてから

 

「何処だ……」

 

と問い掛けた。

 

すると、男子達は嘲笑いながら

 

「こっちだ」

 

「付いて来な」

 

と言って歩き出し、雄二も無言で歩き出した。

 

この時雄二は気付いていなかったが、それを眼帯を付けた少年が見ていた。

 

その少年は落ちていた携帯を拾うと、雄二達の後を追い始めた。

 

そして数十分後、雄二達が到着したのは潰れたスーパーだった。

 

「こっちだ」

 

男子はそう言うと、ドアを開けて中に入った。

 

どうやら不良の溜まり場になっているらしく、廊下の隅には空き缶や古雑誌などが乱雑に転がっている。

 

そして廊下を進んでいると、男子が一つの大きなドアを開けて

 

「中に入れや」

 

と指示した。

 

雄二は促されたままに、中に入った。

 

どうやら元々は倉庫らしく、かなり広い空間だった。

 

雄二が周囲を見回していると、突如光が点いた。

 

雄二は思わず、右手を顔の前に持っていき光を遮った。

 

そして、光に目が慣れたので奥に視線を向けた。

 

「翔子!」

 

「……雄二!」

 

奥では、翔子が椅子に縛られていた。

 

どうやら無事らしく、見たところケガは確認出来なかった。

 

「来てやったんだ、そいつは解放してやれ!」

 

雄二がそう言うと、翔子の近くの男子が笑って

 

「はっ! そう簡単に解放する訳無いだろ!」

 

と言った直後、雄二の背後から一人の男子が金属バットで雄二の頭を強打した。

 

「……雄二!」

 

「ガッ!?」

 

さすがに効いたらしく、雄二は片膝を突いた。

 

すると、男子達は笑い声を上げて

 

「今まで、よくもやってくれたよな!?」

 

「倍返しにしてやるぜ!」

 

と言うと、雄二に対して集中攻撃を始めた。

 

雄二が無抵抗なのをいいことに、男子達は雄二に殴る蹴るの暴行を行った。

 

この時、雄二はこの状況を利用しようとも考えた。

 

この状況が度々起これば、翔子が自分から離れるだろう。

 

(翔子……お前には、俺よりも相応しい奴が居る筈だ……)

 

雄二は痛みに耐えながらそう思い、翔子に視線を向けた。

 

だが、翔子は涙を流しながら自分の名前を叫ぶように呼んでいる。

 

その光景を見ると、嬉しくもあり少し、胸が痛かった。

 

その時、雄二に暴行を加えていた男子の一人が

 

「ちっ……相変わらずタフな奴だな……だが、これは耐えられないだろ!?」

 

と言いながら、その手に工事現場などにある大きなハンマーを持った。

 

「これで、逝けやぁぁぁ!」

 

男子はそう言いながら、ハンマーを振り上げた。

 

「っ!」

 

さすがに雄二が瞠目するが、ハンマーは振り下ろされなかった。

 

「?」

 

雄二が疑問に思っていると、ハンマーを持っていた男子は崩れ落ちた。

 

「な、なんだ!?」

 

と、翔子の隣に居た男子が喚き声を上げた。

 

次の瞬間

 

「やっぱり、鈍ってるなぁ……」

 

という、少年の声が聞こえた。

 

その直後、喚き声を上げた男子は倒れた。

 

そして、その男子の背後の位置に立っていたのは眼帯を付けた少年

 

吉井明久だった。

 

「……誰?」

 

翔子が呆然と問い掛けるが、明久は答えずに

 

「動かないでね」

 

と言って、翔子を縛っていた縄を解いた。

 

すると、雄二に暴行を加えていた男子達の内の一人が明久を睨んで

 

「てめぇ……なにしてやがる!」

 

と駆け出して、明久目掛けて鉄パイプを振り上げた。

 

だが明久は、それをユルリと回避して手刀を首筋に叩き込んだ。

 

その直後、その男子は倒れた。

 

すると、他の男子達も明久を睨んで

 

「てめぇぇ!」

 

「ぶっ殺す!」

 

「死ねえぇ!」

 

と雄叫びを上げながら、明久目掛けて突撃した。

 

だが明久は慌てず、足下の鉄パイプを拾い上げて軽く肩に当てた。

 

そして十数秒後、男子達は軒並み地面に倒れ付していた。

 

明久は男子達を全員、一撃で気絶させたのである。

 

すると、翔子が

 

「……雄二!」

 

と雄二に駆け寄った。

 

「雄二……? あぁ……彼が悪鬼羅刹か……」

 

明久は翔子が呼んだ名前から、雄二の二つ名を思い出した。

 

そして、翔子が助け起こしている雄二に近づいて

 

「手酷くやられたね、坂本雄二君」

 

と声を掛けた。

 

「お前は……?」

 

雄二が問い掛けると、明久は

 

「僕の名前は……吉井明久」

 

と答えた。

 

これが、二人の初めての出会いだった。

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