僕と戦極姫と召喚獣   作:京勇樹

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救助活動

始まってから、約一時間

 

明久達は校舎全体を回り、景品を回収していった。

 

とはいえ、中にはハズレやダミーも有ったので、回収出来たのは最初に見つけたのを含めて、三つである。

 

そして、時間的に最後の場所に向かった。

 

その場所は、旧校舎の屋上だった。

 

「よっと……」

 

と明久がドアを開けると、すでに目的の場所では雄二達と翔子達が戦っていた。

 

数学

 

Aクラス

 

代表 霧島翔子 475点

 

木下優子 327点

 

工藤愛子 286点

 

VS

 

Fクラス

 

代表 坂本雄二 457点

 

木下秀吉 125点

 

土屋康太 224点

 

点数的には雄二達が劣勢だが、召喚獣の操作では雄二達が勝っている。

 

故に、雄二達はなんとか拮抗していた。

 

とはいえ、点数差は如何ともし難い。

 

少しずつ劣勢になり始めた。

 

その時、ドアが開いて

 

「あ! 吉井! 見つけたわよ!」

 

「見つけました!」

 

島田と姫路が現れた。

 

「お姉様! そんな猿なんて放っておいて、私とアバンチュールを!」

 

その二人を追い掛けてくる形で、清水美春まで現れた。

 

「さあ、勝負よ、吉井!」

 

「吉井くん、勝負です!」

 

「邪魔する奴は殺します!」

 

明久は思わず、額に手を当てた。

 

かなり面倒である。

 

とはいえ、召喚しないと負けになってしまうので、召喚した。

 

古典

 

Aクラス

 

吉井明久 398点

 

上杉謙信 412点

 

天城颯馬 485点

 

VS

 

F&Dクラス

 

島田美波 7点

 

姫路瑞希 425点

 

清水美春 98点

 

正直言って、一人圏外である。

 

「……島田さん?」

 

「聞かないで……」

 

明久が問い掛けると、島田は涙を流しながら目を逸らした。

 

はっきり言って、勝負にならない。

 

結果、島田と清水の二人はすぐさま撃破された。

 

その時、柵を飛び越えて人影が現れた。

 

「戦死者は補習!」

 

なぜか西村は、髪を逆立てて二等辺三角形のサングラスを掛けていた。

 

「まさかの戸○呂弟ですか!?」

 

西村の格好を見て、颯馬は思いっきり突っ込みを入れた。

 

「いやぁぁぁぁ!?」

 

「お姉様と一緒ぉぉぉぉ!」

 

かなり不安をかき立てるセリフを言いながら、島田と清水は連行された。

 

一抹の不安を覚えながら、明久は姫路の一撃を受け流して切りかかった。

 

だが、姫路は明久の一撃を避けて、明久の攻撃は屋上にパネルにめり込んだ。

 

その直後、嫌な音と共にヒビが広がっていった。

 

「ヤバい!」

 

それを見て明久はすぐさま、隣に居た謙信を抱えて跳んだ。

 

その数秒後、床が崩れて大きな穴が空いた。

 

明久と謙信、颯馬はなんとかギリギリで助かった。

 

だが、雄二達や翔子達。

 

更に、姫路が構造物を掴んで耐えてる状態だった。

 

「脆すぎでしょ、学園長!」

 

思わず悪態を吐きながら、明久は救助活動を始めようと動いた。

 

その時、新校舎側のドアが開いて

 

「何があった!?」

 

「轟音がしましたが!?」

 

「大丈夫ですか!?」

 

と信繁達が現れた。

 

「三人共、ナイスタイミング! 手伝って!」

 

明久が声を掛けると、三人は頷いてから雄二達の救助へと向かった。

 

姫路はすでに颯馬が自慢の暗器を活用して、救助を始めている。

 

そして、明久は翔子達のほうへと近づいた。

 

だが、明久が翔子のほうに手を伸ばそうと一歩踏み込むと、ガラガラと音を立てて足場が崩れた。

 

「これは、下手に近付けない……」

 

明久がそう呟いていると、姫路を救助し終わった颯馬が近寄ってきて

 

「明久様、下がってください。危険です!」

 

と明久に下がるように促した。

 

「くっ……! 何も出来ないの!?」

 

明久が歯噛みしていると、雄二が雲梯の要領で翔子へと近づき

 

「翔子、ゆっくりこっちに来い!」

 

と手を伸ばした。

 

翔子は頷くと、雄二の手を掴み、少しずつ雄二の背中に掴まった。

 

「いいな、しっかり掴まってろよ!」

 

「……うん」

 

雄二はそう言うと、先ほどと同じように雲梯の要領で脱出しようと動き始めた。

 

だが、雄二が手を伸ばして掴んだ部分が崩れて、雄二は大きくバランスを崩した。それを見た瞬間、明久は颯馬が持っていたワイヤーを掴んでそれを近くの柵にフックを掛けて跳んだ。

 

もちろん、颯馬が止めようとしたが、明久は止まらなかった。

 

そして、一気に雄二に近づくと雄二の腕を掴んだ。

 

「明久!? 無理するな!」

 

「……怪我がまだ、治ってない!」

 

雄二と翔子が制止するが、明久は離さない。

 

「上げて!」

 

明久は痛みを堪えて、信繁達に引き上げるように促した。

 

信繁達が引く度に、右手に巻き付けたワイヤーが肉に食い込んで、激痛が走った。

 

だが、それでも明久は絶対に離さず、痛みを歯を食いしばって耐えた。

 

そして数分後、無事に引き上げが終わった。

 

だが、明久の右手はワイヤーが食い込んだことで、酷い有り様であった。

 

「雄二……大丈夫?」

 

「俺は大丈夫だが、お前……右手が」

 

「……早く、保健室に」

 

明久が問い掛けると、雄二と翔子は明久の右手を見て、息を呑んだ。

 

明久の右手は、ワイヤーが食い込んだことで真っ赤になっていて、出血していた。

 

その怪我を明久が確認したタイミングで、チャイムが鳴った。

 

そして、なんとか救助した高橋女史が腕時計を見て

 

「只今を以て、オリエンテーリングは終了です」

 

と言うと、それまで展開していたフィールドを解除した。

 

すると、高橋女史は明久に近づき

 

「まず、吉井くんは保健室に行ってください。その手は、治療が必要です」

 

と言った。

 

「わかりました」

 

流石に痛みが強かったので、明久は素直に頷いて保健室へと向かった。

 

十数分後。

 

「失礼しました」

 

と明久が出ると、謙信が近寄り

 

「どうでした?」

 

と心配そうに問い掛けた。

 

すると、明久は右手を上げて

 

「摩擦で皮膚が破けた位だよ。まあ、しばらくは包帯だね」

 

と言った。

 

明久の説明に謙信が安堵の息を漏らしていると、雄二達が近寄ってきて

 

「明久、大丈夫か?」

 

と問い掛けた。

 

「うん、大丈夫。雄二達は?」

 

明久が問い返すと、雄二は肩をすくめて

 

「俺達は平気だ」

 

と答えた。

 

「そっか、良かった」

 

明久はそう言うと、雄二に視線を向けて

 

「そういえば、雄二は何を手に入れたの?」

 

と問い掛けた。

 

「ああ、そういえば見てなかったな」

 

雄二達はそう言うと、鞄の中から回収したガチャポンを取り出して開けた。

 

「えっと……如月グランドパークのプレミアムオープンチケットに、事典セット……それに、シークレットアイテム?」

 

どうやら、雄二達がシークレットアイテムを手にしたようだ。

 

「あ、雄二達がシークレットアイテムを手に入れたんだ。なんだろうね」

 

「さあな、学園長室に取りに来いって書いてある」

 

雄二がそう言うと、明久達も手に入れたガチャポンを取り出して開けた。

 

「えっと……如月グランドパークのプレオープンチケットに、ぬいぐるみ?」

 

明久は最後の一つに首を傾げ、信繁は固まっていた。

 

「どうしたの?」

 

明久が問い掛けると、信繁はゆっくりと紙を見せた。

 

紙には『西村&高橋女史による1ヶ月特別補習券』と書いてあった。

 

その内容に戦慄を覚えて、明久達はさり気なくその紙を須川の席に置いたのだった。

 

ちなみに、シークレットアイテムというのは腕輪で、能力はコピーという物だった。

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