僕と戦極姫と召喚獣   作:京勇樹

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お昼の攻防戦

明久達がお化け屋敷を出ていった直後、入れ替わる形で雄二達がお化け屋敷に入った。

 

最初は普通だったが、何故か途中からお化けが出なくなった。

 

そのことに二人が不思議そうに首を傾げていると、ボソボソと何かが聞こえ始めた。

 

その音に二人が耳を傾けていると……

 

『俺は翔子よりも、姫路の方が好みだな』

 

と、何故か雄二の声が聞こえた。

 

しかもその直後には、前方の天井から釘バットや刀、鉈と言った凶器が垂れ下がってきた。

 

だが、雄二と翔子の二人はソレらと声を無視してスタスタと進んだ。

 

すると、どこからか慌てている気配がするが、雄二は無視して

 

「俺はあんな事を言った覚えはない」

 

と言った。

 

そして、翔子は

 

「……たかが機械音声に惑わされる私じゃない」

 

と断言した。

 

それを聞いて、雄二が

 

「よく機械音声って分かったな?」

 

と問いかけた。

 

すると、翔子は親指を立てながら

 

「……雄二に関して、私に不可能は無い」

 

と断言した。

 

まさしく、愛の成せる技である。

 

なお、人というのは自分の声は分からないものである。

 

だから、録音したのを後で聞くと、結構驚くものだ。

 

閑話休題

 

「しかし、これは何がしたいんだ?」

 

雄二が首を傾げていると、翔子が

 

「……多分、吊り橋効果を狙ってると思う」

 

と言った。

 

「吊り橋効果って、アレか。二人で危機的状況を乗り越えると、仲が進展するっていうヤツだな?」

 

雄二がそう言うと、翔子は頷いて

 

「……そう。けど、これは逆効果」

 

と言った。

 

すると、雄二は同意するように頷いて

 

「むしろ、これは浮気効果になるだろ」

 

と告げた。

 

雄二の言葉を聞いて、翔子が頷いているとどこからか動揺した気配がする。

 

雄二達はそれも無視して、さっさとお化け屋敷から出ていった。

 

その頃、明久達はファンタジーな乗り物から降りて、休憩スペースに居た。

 

すると、謙信が持っていたカバンの中から大きめのバスケットを取り出して

 

「少し早いですが、お昼にしましょうか」と提案した。

 

時刻は、十一時を少し過ぎた辺りである。

 

確かに、少し早いが丁度いいかも。と明久は思い

 

「そうだね。そうしようか」

 

と頷いた。

 

すると、謙信はビニールシートを取り出して草原に広げて、中央にバスケットを置いた。

 

そして、明久が座ると謙信はバスケットの蓋を開けた。

 

中は謙信としては珍しく、洋風の食べ物が入っていた。

 

サンドイッチを初めに、ポテトサラダにミートボールと、バランス良く入っていた。

 

「これ、謙信が?」

 

明久が問い掛けると、謙信は頷いて

 

「はい……兼ねてから、信繁に教わっていました。少しでも、料理のレパートリーを増やそうと思いまして……」

 

と恥ずかしそうに言った。

 

それを見ただけで、明久の為に頑張ったと分かる表情であった。

 

謙信のその表情を見て、明久は微笑みを浮かべると

 

「ありがとうね、謙信」

 

と謙信の頭を撫でた。

 

すると、謙信ははにかんだ笑みを浮かべてから

 

「どうぞ、食べてください」

 

と促した。

 

謙信に促されて、明久は両手を合わせて

 

「いただきます」

 

と言ってから、サンドイッチを口に運んだ。

 

そして明久が咀嚼していると、謙信は不安げな表情を浮かべて

 

「どうでしょうか?」

 

と明久に問い掛けた。

 

そして、明久は飲み込むと笑みを浮かべて

 

「うん、おいしいよ。頑張ったね、謙信」

 

と誉めた。

 

明久に誉められて、謙信は安堵した様子で

 

「では、ドンドン食べてくださいね」

 

と明久に、更に食べるように促した。

 

「うん、ありがとうね……」

 

明久はそう感謝すると、再び食べ始めて、謙信も食べ始めた。

 

なお、この時明久達は知らなかったが、休憩スペースの出入り口では、熾烈な戦いが繰り広げられていた。

 

「退け! この裏切り者があぁぁぁ!」

 

そう叫んでいるのは、係員に紛れ込んだFクラスの男子達である。

 

そして、そのFクラス男子達を食い止めているのは、康太と秀吉だ。

 

「断るのじゃ!」

 

「……元より、貴様らの仲間になった覚えなどない!」

 

二人はそう言いながら、手に持っている武器を振るった。

 

まず、康太が両手に持った小太刀を後ろに引いて

 

「……回転○舞六連!」

 

「ギャアァァァ!?」

 

二刀流による高速連撃を叩き込み、数人を纏めて吹き飛ばし、続くように秀吉が

 

「中華○舞!」

 

「グアァァァァ!?」

 

目にも留まらぬ高速刺突を繰り出した。

 

結果、Fクラス男子達は全員撃破された。

 

男子達が動かなくなったのを確認すると、二人は顔を見合わせてから捕縛に移行。

 

そして、二人は颯馬に連絡して、Fクラス男子達の回収を頼んだ。

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