時間 午後1時
場所 廊下
ここでは今、Fクラス対Dクラス戦が行われていた。
しかし、状況はFクラスが劣勢だった。
しかも、副隊長を任せられてる島田は……
「だ、誰か助けて! このままじゃ、色々危ない!」
「フフフ……無駄ですよ、お姉さま。豚共は今、全員足止めされてます!」
Dクラス所属、清水美春に連行されかけていた。
隊長の秀吉はDクラスの男子の一人と戦闘中で、助けには来れない。
「い、いや~!」
半ば半泣きになった。
その時
「危ない島田!」
どうやら、戦闘を終えたらしい須川が手助けした。
すると
化学
Dクラス 清水美春 VS Fクラス 須川亮
0点 50点
どうやら、島田との戦闘でギリギリまで減っていたらしく、一撃で0点になった。
すると
「戦死者は補習ーー!」
と西村が、物凄い勢いで走ってきた。
「た、助かった……ありがとう、須川! 西村先生、早くその危険人物を連れてってください!」
「おお、清水か! 戦争終了まで補習漬けにしてくれる!」
「お姉さま! 諦めませんからね! 卒業までに、お姉さまを美春のものにしますからねーーー!」
なにやら不穏当な発言をしながら、清水は西村に連行された。
「島田。お前、苦労してんだな………」
「なんか、居た堪れない気分になるから、それ以上言わないで………」
須川の一言に、島田は涙目で俯いた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
そして、しばらくすると
「木下、大変だ!」
「む? 須川か。どうしたのじゃ?」
戦線も大分落ち着いたのか、秀吉が休んでいると須川が慌てた様子で走ってきた。
「Dクラスの奴ら、船越先生を呼びやがった!」
「なんじゃと!? 一気に勝負を仕掛けるつもりじゃな………仕方ない、雄二に対処を聞いてくるのじゃ!」
「わかった!」
須川は廊下を走って、Fクラスに向かった。
そして、しばらくすると
ピンポンパンポン♪
と、放送が始まった。
<船越先生、船越先生>
「む、この声は須川じゃな」
スピーカーから須川の声が聞こえて、秀吉はどうするのじゃろうか? と首をかしげた。
すると
<Aクラスの吉井明久くんが体育館裏で待ってます。男と女の垣根を越えた話がしたいそうです。繰り返します>
「須川!? あ奴、なんてことを!!」
秀吉は須川のしでかしたことに、慌てた。
船越先生は45歳の独身女性で、仕事に熱中するあまり婚期を逃してしまい、最近では成績を楯に生徒にすら迫る始末なのだ。
つまり須川は、明久を生贄にしたのだ。
「こうしてはおれん! 早く須川を止めんと!!」
と秀吉が駆け出そうとした、その時だった。
<須川ーー! 誰が明久を使えって言ったーーーー!>
<だ、代表!? なんでここに!?>
<てめぇが明久を使うからだろうが!! 誰が明久を使えって言った!>
<え、えっと、島田だ!>
<あいつは……っ! とりあえず、お前は寝てろ!!>
<ゴフっ!?>
須川のくぐもった声の直後、ドサリという音が聞こえた。
<あーあー、船越先生。ここに寝てる
「雄二よ、ナイスじゃ!」
雄二の采配に、秀吉がガッツポーズをしていると
<フフフ……ここかしら~>
どうやらマイクの電源が切れてないらしく、船越先生の声が聞こえてきた。
<見つけたわよ、須川く~ん>
<ヒ、ヒィ!? 船越先生!?>
<さあ! 今から、
<やめて! 来るな! 来るなぁ!>
<ウフフフフフフフ!>
<ひぎゃァァァァァァ!?>
その悲鳴を最後に、放送は途切れた。
「自業自得じゃ」
そして、そんなFクラスの行動にDクラスに動揺が走って、Dクラスは軒並み浮足立っていた。
「今じゃ! 一気に切り崩すのじゃ!」
秀吉の号令に全員従い、序盤はFクラスが制したのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
時は戻り
場所はAクラス
「明久………」
眠っている明久を、謙信が憂いを含んだ顔で見ていた。
すると
「こんにちは」
気付けば、木下優子、霧島翔子、工藤愛子の三人が居た。
「確か、木下さんに霧島さん。それに工藤さんの三人ですね」
「ええ、よろしくね」
「……よろしく」
「よっろしく~」
三人はそれぞれ、謙信に挨拶すると
「にしても、吉井くん。自習時間なのに寝てるのね」
「本当だね」
「……今は、少しでも休ませてあげて……」
優子が明久を起こそうとすると、翔子がその手を止めた。
「代表?」
「……吉井は、闇を抱えてるから……」
「闇?」
「っ! あなたは、知って……るんですか?」
翔子の言葉に、優子と愛子が首を傾げたが、謙信は驚いた表情で見た。
「……過去に助けられたの……そして、吉井の
うなずくと翔子は辛そうな顔で、明久を見た。
その明久は今は安らかに寝ているが、少し、汗を掻いている。
「……それで、あなたが吉井が話してた幼馴染?」
「そう……ですね。確かに私は、明久の幼馴染で……婚約者です」
「こ、婚約者!?」
謙信の言葉に、優子は驚いている。
「はい。家同士の取り決めですし、私達もお互いが好きですから」
謙信はそう言いながら、ハンカチで明久の汗を拭いた。
しかし、その表情はとても悲しそうだった。
「明久は……私を守るために……とても大きな傷を負ってしまいました」
そう言いながら謙信は、明久の左目の眼帯にそっと触れた。
「この左目?」
「左目だけじゃありません。心にも、大きな傷を作らせてしまいました………」
と、話していると
ピンポンパンポン♪
「ん? 放送だネ」
「なにかしら?」
<船越先生、船越先生>
「船越先生とは?」
「数学の先生よ。最近は悪い噂が多いけど」
謙信の質問に優子が答えていると
<Aクラスの吉井明久くんが体育館裏で待ってます。男と女の垣根を越えた話がしたいそうです。繰り返します>
「え?」
「よりによって、あの船越先生!?」
「……こうしちゃ居られない!」
放送を聞いた翔子がその場で反転して、教室を飛び出そうとした。
が、それを優子が止めた。
「代表、駄目よ! 試験召喚戦争に関係ないクラスが干渉すると、ペナルティが科せられるのよ!?」
「……そうだけど、このままじゃ!」
優子が必死に翔子を抑えていると
<須川ーー! 誰が明久を使えって言ったーーーー!>
「……雄二?」
<だ、代表!? なんでここに!?>
<てめぇが明久を使うからだろうが!! 誰が明久を使えって言った!>
<え、えっと、島田だ!>
<あいつは……っ! とりあえず、お前は寝てろ!!>
<ゴフっ!?>
須川のくぐもった声の直後、ドサリという音が聞こえた。
<あーあー、船越先生。ここに寝てる須川《バカ》を好きにしていいですよ。それと島田、教室に戻れ。以上>
「……雄二、グッジョッブ」
と、翔子が手を握っていると
<フフフ……ここかしら~>
どうやらマイクの電源が切れてないらしく、船越先生の声が聞こえてきた。
<見つけたわよ、須川く~ん>
<ヒ、ヒィ!? 船越先生!?>
<さあ! 今から、
<やめて! 来るな! 来るなぁ!>
<ウフフフフフフフ!>
<ひぎゃァァァァァァ!?>
その悲鳴を最後に、放送は途切れた。
「人を貶めようとするからよ」
優子の一言に、その場の全員は無言で頷いたのだった。
左手中指脱臼しちゃいまして、執筆速度が激減しています