ISG~インフィニット・ストラトス・ガンダム~   作:レイブラスト

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9th Episode

箒ちゃんが去り、シグナムさんと出会ってから月日が経ち、俺達は5年生に進学していた。

一夏はあれから大分強くなったが、やっぱり箒ちゃんがいないのは寂しいようだ。俺もそうなんだけどね。

 

「静かに。今日から私達のクラスに新しい友達が加わります。みんな、仲良くしてあげてくださいね」

 

お? 転校生か。どんな子が来るのやら。

 

「初めまして、凰鈴音です。皆さん、よろしくお願いします!」

 

小柄でツインテールの髪型をした女の子が元気よく挨拶をした。

そうか……今日だったのか。凰さんが転校してくるのって。

 

「席は……織斑君と矢作君の間が空いているから、そこにしましょうか」

 

え、マジ……って本当だ。俺と一夏は縦一直線に(俺が前で一夏が後ろ)並んで座ってるけど、まるでサンドイッチみたいに挟む形になるな。

 

「えっと、どっちが織斑でどっちが矢作?」

 

「あ、俺が織斑だけど」

 

最初に会話したのは一夏か。

 

「そう、アンタが。早速だけど、私のことは『鈴』って名前で呼んで頂戴。名字で呼ばれるのは慣れていなくて。その代わり、私もアンタのことは『一夏』って呼ぶわ」

 

意外とこの頃からガンガン行くタイプなんだ。箒ちゃんとは別ベクトルで個性的な子だ。

 

「そっか……よろしく、鈴ちゃん」

 

って一夏の奴、少し上の空になってる。思い出してるんだろうな。

 

「? どうしたのよ? 何か暗くない?」

 

おお、一夏の気分が沈んでいることに気づいた。そんなに変化しないから俺以外誰も気づかなかったのに、凄い。

 

「あー、ちょっといいか?」

 

ここで俺が割って入る。自己紹介もしときたいし。

 

「アンタは確か、矢作?」

 

「矢作彰人だ。彰人って呼んでくれ。それと一夏だが、去年辛いことがあってな。今でも少し引きずってるんだ。……俺も、たまに今の一夏みたいになるが」

 

「そうなの……。そういうことなら、何も聞かないわ。誰にだって辛いことはあるし、ソレを根掘り葉掘り聞かれるのは嫌だと思うから」

 

「そう言ってくれると助かる」

 

優しいね、鈴ちゃんは。俺や一夏とも早々に打ち解けたし、正直どうやって友達になろうとか考えてたから、安心安心。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、俺と一夏は鈴ちゃんと仲良くなり、校内や住んでる街の案内をしたり、省吾兄ちゃんや千冬さん、由唯さんを紹介したり、道場で稽古をつけてるところを見学させたりした。それと、何度か鈴ちゃんの家に遊びに行ったりもした。俺達が友達関係になるのはあっという間だった。

 

鈴ちゃんはとても活発な性格で、俺と一夏が逆に振り回されることもしばしばある。仮面ライダーごっこにも最初は「?」を浮かべていたが、途中から積極的に参加するようになった。

 

「行くぞキバ! 『R・E・A・D・Y!』 変身! 『F・I・S・T・O・N!』」

 

「勝負だ、イクサ……! 『ガブッ!』 変身!」

 

「2人とも、私を忘れてない? 変身! 『ヘンシン!』」

 

今日も昼休みにやっている。俺がイクサで一夏がキバで鈴ちゃんがサガだ。ちなみにベルトの音声は全部地声だ。少し恥ずかしいが、慣れると割と楽しい。

 

こうやって毎日を楽しく過ごしているからか、一夏と俺の心にあった僅かな寂しさは埋まっていき、やるせなくなることもなくなった。……少し前だったかな? 一夏が箒ちゃんとの別れ際の話を鈴ちゃんに話したことがあった。彼女は「いい話じゃない。大丈夫、きっと会えわよ」と笑顔で言っていた。

こうして俺達は、新しい友達を交えて楽しい日々を送っていた。しかし、平穏というのは壊れやすいもので、とある事件が起きてしまった。

 

 

ある日、俺と一夏は一緒に帰る為鈴ちゃんを昇降口で待っていた。が、中々来ないのでジャンケン等をして暇を潰していた。

 

「やーい、リンリン。パンダなら笹食えよ~!」

 

ふと、どこからかそんな声が聞こえてきた。何だ? 嫌な予感がする……

 

「一夏!」

 

「ああ!」

 

急いで声のする方向に走る。やがて見えてきたのは、箒ちゃんと同じ状況に立たされている鈴ちゃんだった。囲んでいるのは4人の男子。場所は校舎裏。……ここはいつから不良の溜まり場になった? しかも、全員箒ちゃんをいじめてた子じゃないか!

 

「はぁ。アンタ達ねぇ、どうやったらアタシがパンダに見えるわけ? 視力悪いんじゃないの?」

 

「何?」

 

やばい…やばいぞこれは! 男子達がもう臨戦体勢だ。下手すれば殴られる!

 

「彰人、俺行ってくる! 荷物持っててくれ!」

 

その時、一夏が箒ちゃんの時みたいに行こうとした。俺は一夏の肩を掴んで止めた。

 

「何だよ?」

 

「別に関わるのを止めろって言う訳じゃないが、確認させてくれ。お前は1年の時に箒ちゃんを守って戦った。そのせいで、一部の先生は目を光らせてる。もし同じことをしたら、今度は……」

 

「だから止めろと? 冗談言うな。友達を助けなくて良い子になるなら、俺は悪ガキでいい!」

 

「そう言うと思ったさ。ほら行け。俺は先生呼ぶから」

 

「彰人……わかった!」

 

俺は一夏と一旦別れ、職員室にダッシュで向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏SIDE

 

「女の……中国人の癖に、生意気なんだよ!」

 

「きゃっ!?」

 

鈴ちゃんが突き倒された。

 

「中国人が、俺達と一緒に勉強すんじゃねぇ!」

 

ソイツ等はここぞとばかりに罵声を浴びせる。鈴ちゃんは……泣きそうになっていた。その瞬間、俺の中で何かがキレた。

 

「おい……今、鈴ちゃんを笑ったな?」

 

俺が言った直後、4人のいじめっ子はビクッと震え、振り返って俺を見ると恐怖し出した。

 

「お、織斑!? 何でここに!?」

 

「ま、まずい。コイツはまずいぞ!」

 

今更気づいたのか。だが遅い!

 

「へ、へへ……何怯えてるんだよ。あん時はまぐれだ。二度も負ける訳がない!!」

 

「あっ、バカ!!」

 

1人が殴りかかってくる。前と同じじゃんか。コイツ等は猿以下か? ……以下なんだろう、多分。

 

とりあえずパンチを避けると足を引っかけ、よろけたところで髪を掴んで鼻っ柱を殴る。そして怯んだところに足払いをして倒す。

 

痛みに悶えてるのを見て、彼らは震える。そんなに怖がるなら、最初からやるんじゃないって思うのは俺だけか? いや、彰人もそう思う筈だ。

 

「もう一度聞く。今……鈴ちゃんを、大事な友達を笑ったよなぁ?」

 

某地獄兄貴のように不敵に笑って尋ねる。

 

「「「い、いいえ! 笑ってません! 笑ってません!!」」」

 

途端に3人揃って必死の弁解をしてくる。何か笑えてくるが、ここは我慢だ。笑うのも、見逃すのも。

 

「いいや、笑った。……俺も笑ってもらおうか」

 

そう言うと、まずは前に逃げた奴の腹に右足キックを入れる。相手は地面にうずくまった。しばらくは立てないだろう。次は残りの2人の鼻を同時に殴り、動きが鈍ったところでそれぞれ膝蹴りと鳩尾へのパンチをお見舞いした。随分とあっけなかったな。って、そんなことはどうでもいい。

 

「鈴ちゃん!」

 

今は鈴ちゃんの無事を確認するのが第一だ。

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