ISG~インフィニット・ストラトス・ガンダム~   作:レイブラスト

29 / 102
28th Episode

一次移行(ファーストシフト)!? まさか……まさか貴方、今まで初期設定の機体で戦っていたと言うのですか!?」

 

「だから言ったんだ。試していたと」

 

武装等を再確認しながらオルコットさんに言う。ん? これは……

 

単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)、ゼロシステム使用可能』

 

こんなものまで積まれているとは、俺が決めたこととは言え恐ろしいな。逆に言えば、これがなければウイングゼロではないのだが。まあそんなことは今はいい。

 

「ともかく……ここからは俺のステージだ、セシリア・オルコット!!」

 

『ゼロシステム起動』

 

「ぐっ!」

 

早速ゼロシステムを起動させると、脳に凄まじい量の情報が流れ込んでくる。あまりの量に目眩がして思わず声を上げてしまう。だがそれだけではない。情報量に対応する為に、体が作り替えられているような(・・・・・・・・・・・・)感覚がする。が、少しするとその感覚も目眩も収まっていた。

 

「(今のは一体……だが!)まずは……!」

 

宙に浮いてある程度移動すると、右手に持っているツインバスターライフルを分割して両手で持つと、それぞれを横に向けた。

 

「何を……?」

 

「最大出力、攻撃開始!!」

 

訝しむオルコットさんを余所にトリガーを引き、ビームを放つと同時に機体を回転させる。微妙に斜角を変えながら、俺は目標―――ドラグーンを全機撃墜する。

 

「なっ!?」

 

「きゃああああ!?」

 

「ビ、ビームが……!」

 

必殺のローリングバスターライフルにオルコットさんは驚き、一部観客から悲鳴が上がる。シールドがあるから、大丈夫な筈だが……怖い人には怖いんだろう。

 

「な、何て荒技を……! こうなれば!!」

 

ドラグーンを破壊されたオルコットさんは、今度は腰の電磁レール砲二門を展開し、放ってきた。俺は接近しながらツインバスターライフルの出力を調整して放ち、ビームを相殺すると、ビームサーベルを右手で一本引き抜いて斬りかかった。

 

「せあっ!」

 

「っ! ええい、ビームサーベル!」

 

対するオルコットさんもビームサーベルを引き抜いて対抗するが、やはり格闘戦には慣れてないのかすぐに押し切ることができ、切り裂くと同時にキックを食らわせて再び距離を離した。

 

「きゃあっ! くっ、まだですわ……まだ、私は負けてない……!」

 

ドラグーンを破壊され、ダメージを負ったストライクフリーダムの眼光は未だに鋭いままだった。強い信念すら感じられる。そんな彼女を見て、俺は自然と言っていた。

 

「オルコットさん……君がここに至るまでにどれだけの努力と覚悟を持っているのか、俺には想像もつかない」

 

「あ、貴方…何を?」

 

「だが敢えて言わせてもらうなら、俺にも覚悟がある。絶対に負けられない、男としての覚悟が」

 

ツインバスターライフルを再連結させ、オルコットさんに狙いを定める。背面のブースターも展開している。

 

「君の覚悟が俺より勝っていると言うのなら、その力を、想いを、全て俺にぶつけろ! 俺も全力で君に応えよう。どちらの覚悟が上か……勝負だ!!」

 

銃口を突きつけながら言ったことに、オルコットさんはおろか観客すらしんと黙っている。が……

 

「…………ですわ」

 

「?」

 

「上等ですわ! 私の背負う覚悟を、貴方にぶつけてやりますわ! 甘く見ないでくださいまし!!」

 

力強く言うと、オルコットさんはライフルを分離、両手で構えると展開したレール砲と共にこちらに向けた。……なるほど、かの有名なアレをやる気か。

 

「それでいい。こっちも遠慮なしでいける……! ツインバスターライフル、最大出力!!」

 

「ターゲット・ロック……行っけぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

ウイングガンダムゼロのツインバスターライフルとストライクフリーダムガンダムのハイマット・フルバーストが同時に放たれ、ぶつかり合う。

 

力は互角と言ったところか。だが……!

 

「うおおおおおおおおおおお!!」

 

出力を更に引き上げたツインバスターライフルの方が押し始める。黄色のビームは、オルコットさんを飲み込まんとしており―――

 

「あ……」

 

まるで何かを悟ったかのような声をオルコットさんが出した直後、ビームがストライクフリーダムに到達した。

 

「試合終了! 勝者、矢作彰人!」

 

ブザーが鳴ってアナウンスが聞こえる。エネルギー供給を止めて様子を伺うと、ストライクフリーダムの装甲はそんなに損傷しておらず、かろうじて直撃を避けたようだった。しかしエネルギーがなくなって完全に待機状態になってしまい、オルコットさんは地面に向けて落下……!?

 

「まずい!!」

 

ネオバード形態に変形して全速力で真下に回り込むと再変形し、オルコットさんを抱きかかえた。

 

「……あ…貴方…………どうして……私を…………?」

 

どうやら意識は辛うじて残っているみたいだ。

 

「誰かを助けるのに、理由がいるのか?」

 

「ですが……私は「敵だって言うなら間違いだ」……え?」

 

「俺達が敵対していたのは試合中だけだ。ソレが終われば、互いの健闘を讃え合う仲間になる。……少し古くさいが、そういうもんだろ?」

 

「……!」

 

オルコットさんは俺の言葉に目を丸くして驚き、少しして微笑みながら目を閉じた。……気絶してはいないようだけど、何か引っかかる気がする……何だろ。

 

「ま、いいか……」

 

俺はオルコットさんを反対側のピットに運び込むと、すぐに自分側のピットに戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっと……ただいま」

 

帰還するとウイングゼロを待機状態にし、一夏達に目を向けた。

 

「ああ、おかえり。見事な試合だったぜ」

 

「うむ。それに、オルコットに発破をかけた言葉。アレは中々にカッコよかったぞ」

 

「お、そうか?」

 

今思い出すと凄い恥ずかしいこと言ったなと考えてたから、安心する。

 

「……お疲れ様、彰人」

 

「ん…ありがと、簪さん」

 

タオルと飲料水を持ってきてくれた簪さんに礼を述べる。いつ用意したのかはわからないが、こうした気の利く子ってのも最近見ないからいいな。

 

「よくやったな、矢作。この後は試合を見ながらゆっくり休むといい」

 

「ええ、お言葉に甘えさせてもらいます」

 

そう言うと俺は一夏に視線を向けた。

 

「一夏」

 

「ん?」

 

「負けるなよ」

 

「……ああ、勿論だ!」

 

笑みを浮かべながら力強く言うと、一夏は格納庫に置かれたもう1つの機体―――ダブルオーガンダムへと歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏SIDE

 

「よいしょと」

 

俺は彰人がやったのと同じようにダブルオーガンダムに身を任せる。……まるで自分の体のようだ。彰人もそう感じたんだろうか?

 

武装は……GNビームサーベル2本にGNソードⅡが2本か。トランザムは使用できないと……原作再現してるけど、ほぼ近接武器だけかぁ。ま、やるっきゃないか。

 

「織斑、どうだ?」

 

「問題ありません、行けます。……彰人、箒、簪さん。行ってくる」

 

「おう。俺も信じてるからな。お前が信じてくれたみたいにな」

 

「ああ…私も信じてるぞ」

 

「……健闘を祈ってる」

 

「(重畳の至り、という奴だな)織斑一夏! ダブルオー、発進する!!」

 

俺はみんなの期待を受けながら、ダブルオーを発進させた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。