ISG~インフィニット・ストラトス・ガンダム~ 作:レイブラスト
「
「だから言ったんだ。試していたと」
武装等を再確認しながらオルコットさんに言う。ん? これは……
『
こんなものまで積まれているとは、俺が決めたこととは言え恐ろしいな。逆に言えば、これがなければウイングゼロではないのだが。まあそんなことは今はいい。
「ともかく……ここからは俺のステージだ、セシリア・オルコット!!」
『ゼロシステム起動』
「ぐっ!」
早速ゼロシステムを起動させると、脳に凄まじい量の情報が流れ込んでくる。あまりの量に目眩がして思わず声を上げてしまう。だがそれだけではない。情報量に対応する為に、体が
「(今のは一体……だが!)まずは……!」
宙に浮いてある程度移動すると、右手に持っているツインバスターライフルを分割して両手で持つと、それぞれを横に向けた。
「何を……?」
「最大出力、攻撃開始!!」
訝しむオルコットさんを余所にトリガーを引き、ビームを放つと同時に機体を回転させる。微妙に斜角を変えながら、俺は目標―――ドラグーンを全機撃墜する。
「なっ!?」
「きゃああああ!?」
「ビ、ビームが……!」
必殺のローリングバスターライフルにオルコットさんは驚き、一部観客から悲鳴が上がる。シールドがあるから、大丈夫な筈だが……怖い人には怖いんだろう。
「な、何て荒技を……! こうなれば!!」
ドラグーンを破壊されたオルコットさんは、今度は腰の電磁レール砲二門を展開し、放ってきた。俺は接近しながらツインバスターライフルの出力を調整して放ち、ビームを相殺すると、ビームサーベルを右手で一本引き抜いて斬りかかった。
「せあっ!」
「っ! ええい、ビームサーベル!」
対するオルコットさんもビームサーベルを引き抜いて対抗するが、やはり格闘戦には慣れてないのかすぐに押し切ることができ、切り裂くと同時にキックを食らわせて再び距離を離した。
「きゃあっ! くっ、まだですわ……まだ、私は負けてない……!」
ドラグーンを破壊され、ダメージを負ったストライクフリーダムの眼光は未だに鋭いままだった。強い信念すら感じられる。そんな彼女を見て、俺は自然と言っていた。
「オルコットさん……君がここに至るまでにどれだけの努力と覚悟を持っているのか、俺には想像もつかない」
「あ、貴方…何を?」
「だが敢えて言わせてもらうなら、俺にも覚悟がある。絶対に負けられない、男としての覚悟が」
ツインバスターライフルを再連結させ、オルコットさんに狙いを定める。背面のブースターも展開している。
「君の覚悟が俺より勝っていると言うのなら、その力を、想いを、全て俺にぶつけろ! 俺も全力で君に応えよう。どちらの覚悟が上か……勝負だ!!」
銃口を突きつけながら言ったことに、オルコットさんはおろか観客すらしんと黙っている。が……
「…………ですわ」
「?」
「上等ですわ! 私の背負う覚悟を、貴方にぶつけてやりますわ! 甘く見ないでくださいまし!!」
力強く言うと、オルコットさんはライフルを分離、両手で構えると展開したレール砲と共にこちらに向けた。……なるほど、かの有名なアレをやる気か。
「それでいい。こっちも遠慮なしでいける……! ツインバスターライフル、最大出力!!」
「ターゲット・ロック……行っけぇぇぇぇぇぇぇ!!」
ウイングガンダムゼロのツインバスターライフルとストライクフリーダムガンダムのハイマット・フルバーストが同時に放たれ、ぶつかり合う。
力は互角と言ったところか。だが……!
「うおおおおおおおおおおお!!」
出力を更に引き上げたツインバスターライフルの方が押し始める。黄色のビームは、オルコットさんを飲み込まんとしており―――
「あ……」
まるで何かを悟ったかのような声をオルコットさんが出した直後、ビームがストライクフリーダムに到達した。
「試合終了! 勝者、矢作彰人!」
ブザーが鳴ってアナウンスが聞こえる。エネルギー供給を止めて様子を伺うと、ストライクフリーダムの装甲はそんなに損傷しておらず、かろうじて直撃を避けたようだった。しかしエネルギーがなくなって完全に待機状態になってしまい、オルコットさんは地面に向けて落下……!?
「まずい!!」
ネオバード形態に変形して全速力で真下に回り込むと再変形し、オルコットさんを抱きかかえた。
「……あ…貴方…………どうして……私を…………?」
どうやら意識は辛うじて残っているみたいだ。
「誰かを助けるのに、理由がいるのか?」
「ですが……私は「敵だって言うなら間違いだ」……え?」
「俺達が敵対していたのは試合中だけだ。ソレが終われば、互いの健闘を讃え合う仲間になる。……少し古くさいが、そういうもんだろ?」
「……!」
オルコットさんは俺の言葉に目を丸くして驚き、少しして微笑みながら目を閉じた。……気絶してはいないようだけど、何か引っかかる気がする……何だろ。
「ま、いいか……」
俺はオルコットさんを反対側のピットに運び込むと、すぐに自分側のピットに戻った。
「よっと……ただいま」
帰還するとウイングゼロを待機状態にし、一夏達に目を向けた。
「ああ、おかえり。見事な試合だったぜ」
「うむ。それに、オルコットに発破をかけた言葉。アレは中々にカッコよかったぞ」
「お、そうか?」
今思い出すと凄い恥ずかしいこと言ったなと考えてたから、安心する。
「……お疲れ様、彰人」
「ん…ありがと、簪さん」
タオルと飲料水を持ってきてくれた簪さんに礼を述べる。いつ用意したのかはわからないが、こうした気の利く子ってのも最近見ないからいいな。
「よくやったな、矢作。この後は試合を見ながらゆっくり休むといい」
「ええ、お言葉に甘えさせてもらいます」
そう言うと俺は一夏に視線を向けた。
「一夏」
「ん?」
「負けるなよ」
「……ああ、勿論だ!」
笑みを浮かべながら力強く言うと、一夏は格納庫に置かれたもう1つの機体―――ダブルオーガンダムへと歩いていった。
一夏SIDE
「よいしょと」
俺は彰人がやったのと同じようにダブルオーガンダムに身を任せる。……まるで自分の体のようだ。彰人もそう感じたんだろうか?
武装は……GNビームサーベル2本にGNソードⅡが2本か。トランザムは使用できないと……原作再現してるけど、ほぼ近接武器だけかぁ。ま、やるっきゃないか。
「織斑、どうだ?」
「問題ありません、行けます。……彰人、箒、簪さん。行ってくる」
「おう。俺も信じてるからな。お前が信じてくれたみたいにな」
「ああ…私も信じてるぞ」
「……健闘を祈ってる」
「(重畳の至り、という奴だな)織斑一夏! ダブルオー、発進する!!」
俺はみんなの期待を受けながら、ダブルオーを発進させた。