ISG~インフィニット・ストラトス・ガンダム~   作:レイブラスト

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35th Episode

皆さんこんにちは、矢作彰人だ。あれからしばらくして昼休みになり、俺達は食堂に向かいがてら3人に鈴ちゃんに関する説明をしていた。

 

「……つまり、彼女は箒が転校した後すぐに入れ違うように転校してきたってこと?」

 

「平たく言えばそうなる」

 

「それで鈴の家が中華料理屋やってたから、よく食べに行ってたんだ。いやー、あの時はお世話になったなぁ」

 

「だな。また食べられる時が来るといいんだけど……」

 

「あの、鈴さんはどうして中国に帰ってしまったのですか?」

 

ふと聞いてきたセシリアに、俺達は困ったように顔を見合わせた。

 

「それは俺の口からは言えないなぁ」

 

苦笑しながら答える。

 

「何か事情があるのか?」

 

「そんなとこだ」

 

一夏が答えたところで会話を切り上げ、食堂へと入った。

 

「待ってたわよ、一夏! 彰人!」

 

元気よく食堂で待ってたのは、鈴ちゃんだった。

 

「おう、お待たせ」

 

「まずは食券出すから、少し待っててくれ」

 

「うん」

 

トレーを手に持ちながら、俺達3人は久々に会話をする。

 

「本当に久しぶりだな。だけど、帰ってたのなら連絡くらい入れればいいのに」

 

「ふふ、それだと感動の再会にならないじゃない?」

 

「あー、それは確かに」

 

こういうところは鈴ちゃんらしいと言える。心が暖まるよ。

 

「ところで向こうでは元気だったか?」

 

「当然よ。アンタ達こそ、怪我とか病気とかしてないわよね?」

 

「それこそ当然、してないさ」

 

「体は丈夫だからな」

 

その後、俺達は昼食(俺は天そば、一夏は日替わりランチ、鈴ちゃんはラーメン)を持って席に着いた。

 

みんなが近くに座ったのを確かめると、一夏が口を開いた。

 

「さてと、鈴に紹介しよう。左から順に、篠ノ之箒、セシリア・オルコット、更識簪だ。箒のことは前に話したことがあったよな? 俺と彰人が通っていた剣道場のとこの娘さんだ。セシリアは代表候補生で、俺達にISの操縦を教えてくれてる。簪は……ちょっと訳ありで、彰人と一緒に自分のISを制作しているんだ」

 

「ちなみに大きな声じゃ言えないが、鈴は信用できるから伝えておく。……セシリアと簪は、俺と付き合ってるんだ」

 

「へ~ってマジ!? 2人も!? ………再会していきなりそんなサプライズがあるなんて……アンタこそ、中々やるじゃない」

 

やろうと思ってやったわけじゃないけどな。てか、意識してやれる人がいるなら俺は尊敬する。

 

(それにしても、篠ノ之箒……か……)

 

「ん、どうした? じっと見てきて」

 

「ううん、何でもないわ。よろしくね、箒」

 

「こちらこそよろしくな、鈴」

 

ここは大した問題はないようだ。

 

「セシリア・オルコットですわ。よろしく、鈴さん」

 

「うん、よろしくね。セシリア」

 

よかった……原作みたいに険悪にならなくて……。

 

「さ、更識簪……です。よろしく……」

 

「よろしく、簪」

 

簪はやや緊張気味みたいだ。けどそれも最初だけだった。

 

談笑していると、鈴ちゃんは周りとすぐに打ち解けた。この辺り、彼女の人徳が表れているんだろう。すると、箒ちゃんがタイミングを見計らったかのように鈴ちゃんを真剣な顔で見つめた。

 

「……なあ、鈴」

 

「ん?」

 

「いきなりで悪いが、少し2人で話したいんだ…いいか?」

 

「……別にいいけど…」

 

2人は席を立つと、食堂の隅っこに移動していった。……何をしているんだろう? 気になるな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴SIDE

 

私は箒に連れられ、食堂の隅に来ていた。

 

「で、用件は何なの?」

 

「ああ。一夏から聞いたんだが、鈴は私がいない間、一夏を支えてくれたんだな?」

 

何だ、そのことか。どんなことを聞かれるかと思って一瞬身構えちゃったじゃないの。

 

「そうよ。ごめんなさいね、出しゃばっちゃって」

 

「いや、今一夏がこうしていられるのは、鈴のお陰だ。だから私は、鈴に感謝しているんだ。……ありがとうな」

 

っ!? ま、まさかこんなストレートにお礼言われるなんて……変に警戒してた私が、バカみたいじゃん。

 

「ひ、人として当然のことをしただけよ。それで、聞きたいことはそれだけかしら?」

 

「後1つだけある。……鈴、お前は一夏のことを、今でも好きなのか?」

 

「えっ!?」

 

な、何でそんなことを!? ……さては一夏の奴、喋ったわね? 別に話そうが話すまいがどっちでもいいけど。はぁ、本当は言いたくなかったけど、聞かれた以上は答えるしかないわね。

 

「……好きよ。情けないことに、割り切ることができなくてね。でもいいの。一夏はアンタのことが好きみたいだし、どうせアンタ達付き合ってるんでしょ? だったら私は「そのことなんだが」……?」

 

「確かに私と一夏は付き合っている。だが、一夏はどうも鈴のことも好きで、そのことで悩んでいるようだ」

 

「え……」

 

私は言葉を失ってしまった。どういうこと? 一夏は箒のことが好きなんじゃ……。

 

「自分を献身的に支えてくれた姿に、心惹かれたと言っていた。最も、明確に気づいたのはお前に告白された時だそうだが」

 

「っ!?」

 

嘘……それって、私のせいじゃない……私が告白したから、一夏が悩む羽目に……そんな……!

 

「わ、私……そんな、つもりじゃ……」

 

「そう悲観的にならないでくれ。実は、私にちょっとした考えがあるんだ」

 

「……考え?」

 

「だがそれを言う前に、まずは一夏を連れてくる必要がある。すまないが、ここで少し待っててくれ」

 

そう言うと、箒は一夏達のところに戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏SIDE

 

「一夏」

 

「ん? どうした箒?」

 

「悪いがちょっと来てくれ。鈴のことで、な」

 

「……わかった」

 

箒に促され、俺は席を立った。鈴に関することなら俺にどうこう言うことはできないし、どんな話になってるか予測できない。しかし、俺まで呼んだということは何か重要なことなんだろう。

 

「待たせたな」

 

「一夏……」

 

鈴が申し訳なさそうな顔でこちらを見てくる。多分、俺が鈴にも好意を抱いていることを知ったんだろう。

 

「……鈴のせいじゃないさ。で、俺まで呼び出したってことは、何か大事な考えがあるんだろ?」

 

「その通りだ」

 

やはりか。でも、俺と鈴を居合わせて……何をする気なんだ?

 

「だがその前に確認をするぞ。一夏、お前は私のことが好きだ。が、同時に鈴のことも好きだ。そうだろう?」

 

「……ああ」

 

「うむ。では次に鈴。お前はもし許されるなら、一夏と両想いになりたいと思っているか?」

 

? 何故その質問を鈴に……?

 

「そ、それは……………そうよ。だって私はまだ、一夏のことが好きだもの!」

 

っ!? マジでか!? てっきり俺のことなんか忘れてくれてると僅かながらに思っていたが……。

 

そして、それを聞いた箒は腕を組んで何回か頷いていた。いよいよ本題に入るのか?

 

「……よし。これなら本題を切り出してもいいだろう。では単刀直入に言わせてもらうが……一夏、私と鈴の両方と付き合う気はないか?」

 

「「えっ!?」」

 

予想だにしてなかった言葉に、俺と鈴は揃って驚いてしまった。

 

「あ、アンタそれ本気で言ってるの!? 別に反対する気はないけど……大丈夫?」

 

「問題ない。既に前例もあるし、ちゃんと平等に愛してくれれば構わない」

 

そう言うと、箒は彰人の方をチラッと見た。……身近なところに前例があると、凄い安心感があるんだって初めて知った。

 

「で、どうなんだ?」

 

「私は……箒が許してくれるなら、それでいい。ねえ…一夏はどうなの?」

 

「……俺も箒の意見に賛成だ。鈴の好意を無下にするなんて俺にはできないし、箒が言ったように前例を見てるからな……悩んでた自分が、アホらしくなっちまってさ」

 

「フッ、決まりだな」

 

「っ……一夏、ありがとう……」

 

余程嬉しかったのか、鈴はポロポロと涙を零し始めた。

 

「2人とも。こんな俺だけど、絶対2人とも幸せにしてみせるから。だから……これからもよろしくな」

 

「「ああ(うん)、こちらこそ。よろしくな(ね)」」

 

……これで、長い間俺が抱えていた悩みも解消されたということか。

余韻に浸りながら、俺達は席に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彰人SIDE

 

「待たせたな、彰人」

 

「おう、おかえり一夏。やっぱ俺と同じになったか」

 

「っ…何で知ってるんだ?」

 

俺が一夏達が話し合いの末に出したであろう結論を言うと、一夏はあからさまに驚いていた。

 

「だってあの3人で話してる時点でどんな内容かは想像がつくし、お前等が穏やかな顔つきをしてた時点で、そういう結果になったんだろうなって確信できたからな」

 

「そうだったんだ。あーあ、じゃあわざわざあんなとこで話す必要なかったじゃん……」

 

俺の説明を聞いた鈴ちゃんは、少し不貞腐れている。

 

「なあ3人とも。このことは周りには―――」

 

「ええ、わかってますわ箒さん。時が来るまでは私達の秘密、ですわよね?」

 

「……お互い同じ状況だから、言い辛いよね」

 

「「それ以前に、場所が場所だけに言えないんだよな」」

 

簪の言葉に一夏と同時に頷きながら言う。もし付き合っていることがバレたなら、阿鼻叫喚になることは間違いない。それも付き合ってる状況が特殊なら尚更だ。

 

そう考えていると、一夏が鈴ちゃんに真剣な顔つきで向き直っていた。

 

「そういえば、鈴に言っておきたいことがあるんだった」

 

「何一夏?」

 

「クラス対抗戦だが……加減なしの全力で来い」

 

「っ!!」

 

「ほう……」

 

「勿論俺も全力で戦う。本気同士のぶつかり合いといこうじゃないか」

 

一夏の奴、純粋に鈴ちゃんと勝負したがってるな。原作みたいに不用意な発言で怒らせるよりは格段にマシだ。

 

「……いいわよ。私の実力、存分に見せてあげるから!!」

 

「おう。期待してるぜ」

 

「それじゃあ、後でね」

 

そう言って鈴ちゃんは一旦去って行った。……コイツは面白くなってきたじゃないか。

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