ISG~インフィニット・ストラトス・ガンダム~   作:レイブラスト

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4th Episode

箒SIDE

 

織斑一夏と矢作彰人。彼らは私の大事な友達で、いつも一緒に居る。共に剣の道を学び、共に遊んで。時には色んな勝負をして。どんな形であれ、2人と一緒に居るのはとても楽しい。どんな辛いことでも乗り越えられそうな気がする。そう思っていた矢先だった。

 

ある日の放課後。教科書等をランドセルに入れていると、5人の男子に囲まれた。彼らには面識があった。最近、生徒の中から誰かを選び、その子に悪口を言ったりする……要するに性質の悪い悪ガキ共だ。近頃は私が狙われている。私がリボンを着けているのが理由だそうだ。私も女子だ。おしゃれの1つくらいしてみたい。でも彼らは……私に心無い言葉をぶつけてくる。

これまでは誰の目も触れないところで私に言うだけだったが、ここまで堂々とするのは初めてだ。体格と数の違いが組み合わさり、私は恐怖を感じていた。怖い、助けて……。けど、残っている僅かなクラスメイト達は見て見ぬふりをしていた。皆も、彼らが怖いんだ。

けど、私だって……怖い。お願い、助けて。誰か……。

 

 

 

 

「そこまでだ」

 

そう思っていた時、私の前に誰かが現れた。一夏だった。

 

「何だ? おい織斑。お前男女の味方するのか?」

 

「知ってるぜ。お前等、いつも一緒に居るもんな」

 

「まるで夫婦だな。夫婦夫婦~!」

 

彼らは一夏にまでちょっかいを掛け始めた。やめろ……やめてくれ。一夏を巻き込むのは、頼むから……!

 

「どうした? 何か言い返「おい……恥ずかしくないのか?」え?」

 

突然―――一夏が口を開いた。彼は目の前の相手をきっ、と睨んでいた。

 

「男の子が女の子を、しかも4人がかりでいじめるなんて、恥ずかしくないのか?」

 

「そ、それは……」

 

「お前達がどういうつもりか、俺は知らない。けど、箒ちゃんは俺にとって大切な子なんだ。これ以上バカにしたら……許さんぞ!!」

 

私の心は、高鳴った。目の前に立ちはだかる悪に対し、一夏は自分の怒りを真っ直ぐぶつけた。その姿に、その言葉に、心の高鳴りは嬉しさになった。一夏が、私の為に怒ってくれてる。一夏が私を……大切な子って言ってくれてる。嬉しい……! 頬が熱くなる。

 

「う、うるさい! 俺達に逆らうな!!」

 

彼らの1人が一夏を殴った。ああっ!と思った瞬間、既に一夏は動いていた。殴った腕を掴むとそのまま捻り上げる。一夏は、敢えて殴られたんだ。そう考えた時、一夏は左手で相手の腹を殴り、更に足払いをして倒す。流れるような動きに、私と男子達はただ唖然としていた。

 

「後4人……」

 

その隙を一夏が逃す訳はなく、今度は2人の男子を一度に倒すと鳩尾に拳を入れた。あっという間に、相手側の数が2人に減った。強い……こんなに強かったんだな、一夏は。

 

「残り2人。……まだやるのかなぁ?」

 

この言葉を言った瞬間の一夏の顔を私は見た。見てしまった。一夏は……恐ろしいまでの笑みを浮かべていた。それに恐怖したのか、1人が逃げだし、ついに残ったのは1人だけとなった。

 

「どうする? 戦う覚悟はできてるのか? 俺はできてるぞ」

 

「う…うわぁぁぁあああああああああああ!!」

 

最後の1人は一夏に殴りかかったが、勢いを利用されて放り投げられた。あの技は私も知っている。一本背負いだ。

……一夏は、1人で全員を倒してしまった。あれだけの人数差をものともせずに。

 

「箒ちゃん、ケガはない?」

 

一息つくと、私の方に手を差し伸べて来た。……何だか少し恥ずかしくなってしまい、手を取った時の私は顔が赤くなっていただろう。

 

「あ、ああ……その…ありがとう、一夏」

 

お礼の言葉だって、はにかみながら言うことしかできない。でも何故だろう。一夏に抱いている感情が変化していくのがわかる。これは……信頼? 安心? いや、違う。……そうか、私は一夏を―――異性として、意識してるんだ。好き、という感情なんだろうな。これが。

 

そんなことを考えてると、彰人が先生を連れて教室に入って来た。……やってることは正しいんだから、ばつが悪そうな顔をしないでくれ。私まで、恥ずかしくなるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彰人、一夏、今から面白いもん見せてやるぜ」

 

「箒ちゃん、ちーちゃん。ちょっと来てくれる?」

 

ある休日。俺達は省吾兄ちゃんと束さんに連れられて、篠ノ之家の書斎に来ていた。

 

「何が始まるんだ? 千冬姉さん、何か知ってる?」

 

「いや、私も知らない。由唯は知っているのか?」

 

「ええ。でも、今は秘密よ」

 

(十中八九、ISだろうな)

 

「それでは……スイッチオン♪」

 

心の中で予測を立てていると、束さんが本棚にある本の1つを押し込む。すると、固定式の筈の本棚が移動し、後ろに地下へと続く階段が現れた。……いつの間に作ったの?

 

「これは、隠し通路!? 姉さん、いつの間に……!」

 

「まだまだ、お楽しみはこれからだよん♪ さ、レッツらゴー!」

 

束さんを先頭に、おっかなびっくり階段を降りて行く。降りた先にある重そうな扉を開けると、更に先へと進む。そこで待ち受けていたのは―――

 

「うわ!? でっかいバイクだ!」

 

「あそこにあるのは…ガンダム!?」

 

「が、ガンダム?(名前なら聞いたことはあるが……今度一夏と一緒に見よう)」

 

作業場と思われる広い部屋に、大きな赤いバイクと全長約4m程の灰色の人型……Oガンダムが佇んでいた。神様……何故ここもガンダムに? 俺と一夏の機体もガンダムだから、統合性を求めたの?

 

「束、省吾。このバイクとあのガンダムは何なんだ?」

 

千冬さんが不思議そうに目を細めながら2人に尋ねる。俺が思うに、バイクの方はガーランドだと思う。

 

「ちーちゃん、よくぞ聞いてくれました! まずガンダムの方から説明するけど、これは束さんがある研究機関の理論を受け継いで作り上げたマルチフォーム・スーツ。その名も、インフィニット・ストラトス!! ちなみに外見とかはサン○イズの許可貰ってるから安心して」

 

「インフィニット・ストラトス……」

 

どこか感慨深そうに一夏が呟く。どういう形であれ、ガンダムと向き合うことができて嬉しいんだろう。……原作のISは一部を除いて、生身の体が露出してたけど。危ないどころの話じゃないって。

 

「長いからISでいいよ。そしてこっちのバイクが―――」

 

「俺と束の共同製作で作ったスーパーバイク、ガーランドだ! …正確には、プロトタイプだけどな。これもISとは少し違うが、パワードスーツに変形するんだ」

 

自慢気に説明する省吾兄ちゃん。やっぱりこれはガーランドだったんだ。実写で見られるとは思ってなかったなぁ。

 

「ISにガーランドか……お前達、私に黙ってこんなものを作っていたとは。由唯も知っていたと言うのに、水臭くないか?」

 

「ごめんね、千冬。束と省吾が「ドッキリさせた方が喜ぶ」って言って、私も乗っかっちゃったから……」

 

「あはは、ごめんごめん。お詫びと言ったらあれだけど、ISの一号機…Oガンダムが完成したら、ちーちゃんをテストパイロットにしてあげるから」

 

苦笑しながら言う束さんに、千冬さんは目を見開くと同時にある疑問を持ったようだ。

 

「完成してないのか? その……Oガンダムは」

 

「ガーランドは完成してるんだけどね。後一息ってとこかな」

 

「今度、二機の元になった機体のデータを取りに行くんだ。よかったらみんなで行くか?」

 

「私は構わんが、一夏達はどうする?」

 

「勿論行くよ」

 

「俺も(ISの元になったのがどんなのか、気になるし)」

 

原作じゃ言及も何もされてなかったから、この世界だけの話かもしれないが、見てみたいのは本当だ。

 

「私も行くぞ」

 

「じゃあ、予定は後から伝えるね」

 

この後は各自解散となった。にしても、まさかガーランドまでできるとは。何が起こるかわかんないな。

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