ISG~インフィニット・ストラトス・ガンダム~ 作:レイブラスト
彰人「宣伝してる……」
一夏「これっていいのかな……?」
一週間後。俺達はISの元になったパワードスーツのデータを取りに、それがあるらしい家へと向かっていた。……てか今更だけど、ここ海鳴市じゃん。ちらっとリリなの要素入れなくてもいいのに。
「ていうか、まだ着かないの?」
かれこれ一時間は歩いてると思うんだけど。
「おかしいなぁ。この辺だって聞いたけど」
「俺住所聞いてないからわから……お、丁度いい。あそこに居る子に聞いてみようぜ」
省吾兄ちゃんに連れられ、家から出てきたばかりの女の子(多分年上)に聞き込みした。
「そこの君、少しいいかな?」
「? 私で……すか……!?」
何故かこっちを見て目を見開く女の子。何でだろ? いきなり大人数で接近したから? ……十分あり得過ぎて困る。
「尾崎さんの家に行きたいんだけど、どこにあるか知らない?」
「と、智哉君の家なら、今から遊びに行くところですけど……」
「本当!? よっしゃラッキー!! 案内してもらおうぜ!!」
「あんまり大声出さない方がいいよ。びっくりしてるじゃない」
ガッツポーズを取って叫ぶ省吾兄ちゃんは由唯さんに窘められて申し訳なさそうに頭を掻く。
何はともあれ、俺達は女の子に案内データがある家まで案内してもらった。
「こ、ここです」
「ありがとな。さて、誰が最初に入って挨拶する?」
「私は初対面だから遠慮しておこう」
「じゃ、私が行くよ~!」
「「え……」」
意気揚々と玄関に向かって行った束さんに絶句する省吾兄ちゃんと千冬さん。ちゃんと挨拶できるのか心配なんですね、わかります。
女の子に玄関を開けてもらうと、束さんは勢いよく入って行き―――
「やっほ~! こんにちは、初めましてー! みんなのアイドル、束さんだよ~!」
普段の束さんのまんまな挨拶をかました。
「「初っ端からそれかい!!」」
そして兄ちゃんと千冬さんのダブルツッコミが炸裂する。
「あ、あはは……」
由唯さんに至っては苦笑いしている。
「いつもの姉さんだな」
「何か安心した」
「確かに」
これで礼儀正しい束さんを見たら、逆に「誰だお前!?」になることは間違いない。
(……ん?)
女の子と話している、少し奥に居る年上の男の子と目が合った。それだけならいいけど、何か不思議な感じがするな……。
「どうか弟達とも仲良くしてやってください」
「もちろんだとも」
ってあれ? 何か保護者同士で会話弾んでるし。俺達置いてかれた? ははは、そんな……置いてかれたな。
「初めまして、尾崎智哉です。よろしく」
男の子が近づいて自己紹介をしてきた。ふむ、名乗られた以上、俺も名乗る必要があるな。
「は、初めまして。篠ノ之箒です」
「矢作彰人です。よろしく!」
「織斑一夏です。よろしくお願いします」
自己紹介を終えた時、彼―――尾崎君は何やら驚きの様子を見せていたが、それ以降は特に変わったこともなかった。
その後無事にプロトタイプパワードスーツ『シュロウガ』のデータを持ち帰ることに成功した(名前がどっかで聞いたことがあったような気がしたが、多分気のせいだ)。
それから3日後。一夏と俺は礼の地下研究所へ遊びに行き、扉を開けた。そしたら、直後に中から飛び出して来た束さんと省吾にぶつかりそうになって危うく転びかけた。
「ど、どうしたの2人共? そんなに急いで」
「これから論文を見せに行くのさ! ISと、ガーランドのな!」
「え、てことは……完成したんだ!?」
これには俺も一夏も驚いた。プロトタイプのデータを貰ったとは言えまだ3日。全身は完成していたが、こんなに早く完成するとは思ってなかった。
「ISが認められれば、あっくん達との約束もきっと叶えられるから、楽しみに待っててね~!!」
そう言うと、2人は慌ただしく階段を駆け上がって行った。この場には、俺達2人だけがポツンと残された。
「彰人、約束って……月に行くってことかな?」
「多分そうだと思う」
ていうかそれ以外に約束らしい約束が見つからない。……だが、もしそうだとすると束さんはやっぱり凄い。IS開発の発端が、あの夏祭りの一幕だなんて普通誰にも思わないし、やろうとも思わないだろう。けど束さんは違った。夢を現実のものにしようとしている。子供の様な純粋さが残っているからこそ、できるんだろう。
(でも誰にも認めてもらえないんだよな……)
原作で束さんは、ISを発表した時に周囲に認められなかったことで癇癪を起こし、後に『白騎士事件』と呼ばれる事件を起こしてしまった。この世界でも起こしてしまうんだろうか。物語の進展上必要だけど、できれば起こしてほしくはない。
(実際どうなるかはその時次第か)
考えても仕方ない。時が来るまで待っていよう。今の俺にできることは、何も無いんだから。
???SIDE
私が今回の論文発表に参加したのは、ただの気紛れだった。軍を辞めてから、議員として休みの少ない日々を送っている。なら少しは暇をしてもいいのではないか。そう思ったからだ。
が、今私は、この発表に参加して良かったと思っている。
(IS……それに、プロトガーランドか)
篠ノ之博士が最初に掲げた、マルチフォームスーツ『IS(インフィニット・ストラトス)』。こちらには純粋に興味と期待を持ったのだが、次に博士がある男と共同開発したというバイクを見た時、私の目の色は変わった。
(矢作省吾…………やはり)
同姓同名かと思ったが、顔を見た瞬間にはっきりした。紛れもない、MZ23で戦った矢作だ。
私はおもむろに自分の名が書かれた名刺を取りだした。
(ブラント・ダグラスか……)
これが今の私の名だ。以前は愛称と言うか、略称で呼ばれていたので気にもとめてなかったが、果たして彼に気づいてもらえるのだろうか? まあいい。それよりも……。
(聞いていれば、先ほどから嘲笑ばかりだな)
信じられないのはわかるが、頭ごなしに否定するばかりが正しいのか? ……それと今さっき聞こえたが、「小娘ごときが調子に乗るんじゃない」だと? ふざけるな。なら貴様はアレを超えるものを作れると言うのか? 俺は確信しているぞ、あのISというものは世界のパワーバランスを大きく変えるだけの力を秘めていると。なのにそれを潰そうと言うのか? 新たな可能性を、若き芽を摘んでしまうのが『大人』なのか? 見ろ、矢作が飛び出しかけて篠ノ之博士に抑えられている。
(彼らに接触する必要がある。何としても)
2人が退出とたのと同時に、私は席を立ちこの薄汚い者達の居る空間から立ち去った。
ついに省吾のライバルキャラであるB.Dを出しました。本名はオリジナルです。さすがに略称だけではどうかと思ったので。
彼も省吾達同様、主人公達を裏から支えると同時にあることに関わって来ます。