ISG~インフィニット・ストラトス・ガンダム~ 作:レイブラスト
リボーンズガンダムは簪に狙いを定めると、GNビームサーベルを片手に接近した。
「……くっ!」
辛うじてタクティカルアームズソードフォームで受け止めるが、一撃の重さに思わず顔を顰める。
「簪さん! それ以上はさせませんわ!!」
追い詰められてる簪を援護すべく、セシリアがビームを放つ。が、リボーンズガンダムは回避すると大小合わせて12基のフィンファングを放った。
「なっ、ファングですって―――きゃあああ!?」
大型フィンファングから放たれるビームと小型フィンファングによる斬撃によってセシリアは次々と攻撃され、ミーティアの砲身が破壊されてしまった。
「それ以上、やらせるかぁ!!」
セシリアを援護すべく、シャルロットがGNビームサーベルで斬りかかる。リボーンズガンダムは最初GNバスターライフルで迎撃していたが、シャルロットが回避して接近するのを確認するやGNシールドで防御する。その間に大型フィンファングが背面に再接続される。
「その隙、貰ったよ!!」
背後から簪がタクティカルアームズソードフォームで斬りかかろうとする。が、リボーンズガンダムは接続された大型フィンファングの向きを変えると、背中を向けたまま簪にビームを放った。
「うわああぁぁぁ!?」
不意の一撃に簪は声を上げる。更にリボーンズガンダムはシャルロットを弾き飛ばすと、各部を変形させて前後を反転。砲撃戦形態の『リボーンズキャノン』に姿を変えた。
「変形しただと!? だが!」
ラウラが正面からビームサブマシンガン二丁を撃ちまくるが、リボーンズキャノンはそれをものともせずGNバスターライフルを放った。
「くっ、うおっ!?」
左腕に展開したビームシールドで防ぐが、威力が大きい為後ろに下がってしまう。そこへGNバスターライフルを撃った隙を狙い、箒と鈴が左右から攻め込む。
「食らえぇぇぇ!!」
「おぉりゃぁぁああああああああ!!」
ガーベラストレートとツインビームトライデントを扱う二機だったが、リボーンズキャノンは両腕のマニピュレーターからエグナーウィップを射出し、箒と鈴を捕らえ電撃による攻撃を浴びせた。
「う、うわぁぁぁああああああああああああ!!」
「うあぁぁあああああああああああ!!」
余りの痛みに声を上げた後、2人は解放された。しかしリボーンズキャノンは不敵な面持ちで各機を見やる。まるで「もうお前達では敵わない」と言っているかのように。
大型フィンファングにエネルギーが収束し始め、この場に居る誰もが敗北を想像し始めた―――その時。
ズガガガガガガッ!!
突如として青とクリアグリーンで彩られたGNソードビット数機と黄色のビームがリボーンズキャノンを襲い、バランスを崩させた。驚いた面々はビットが戻って行く方向を見た。
「待たせたな!」
「真打ち登場、ってな!」
そこには威風堂堂とした出で立ちで、ダブルオークアンタとウイングガンダムゼロカスタムが並んで居た。
「一夏っ……一夏なのだな!? 体は、傷は……!」
「この通り、ピンピンしてるぜ」
「彰人さん! もう、大丈夫なんですか!?」
「ああ。完全復活って奴だ」
そう言うと彼らはリボーンズキャノンを睨み付けた。
『ダブルオーライザーとウイングガンダムゼロの反応及び覚醒を確認。任務を継続する』
新たに加わったクアンタとウイングゼロカスタムを確認すると、リボーンズガンダムに再変形した。
「さて、そんじゃ行きますか」
「新しい力を試すのもある。存分に暴れさせてもらおう」
彰人と一夏はそれぞれの武器を構えてリボーンズガンダムと対峙するが。
「待った、私も行こう」
「私も行きますわ」
その隣に箒とセシリアが並び立った。
「2人が墜とされたのには私も責任を感じているのでな。それに、そろそろ守られているばかりではいられん!!」
「私も、箒さんと同意見ですわ。あの機体を停止させなければ、腹の虫が治まりませんの!!」
2人が力強く言った瞬間、それぞれに変化が起きた。箒は機体が輝いたかと思うとシールドとビームライフルにビームサーベルが消滅し、バックユニットがブルーフレームセカンドのタクティカルアームズに似たものになる。そして右腰には新たな日本刀型武器が装備されていた。
セシリアは機体の変化こそないものの、セシリア自身の頭の中で種のようなものが弾けるイメージが生まれ、同時に集中力が常時極限まで研ぎ澄まされることになった。
「箒ちゃん、その機体……レッドフレーム改!? 何で?」
「わ、私に聞かれても困る! だが、私の想いに応えてくれた……ということか?」
「詮索は後だ。まずは奴を倒すのが先だ!!」
「っ、そうだな!」
「ですわね(不思議な感覚ですわ。まるで頭の中が透き通ったかのよう……これなら!)」
更なる変化を見守っていたリボーンズガンダムは、ツインアイを怪しく光らせた。
『ガンダムアストレイレッドフレームの覚醒を確認。第一目的達成。尚も任務を継続させる……トランザム発動!!』
機体全体が真っ赤に輝き、トランザムを発動させた状態で4機を見据えるリボーンズガンダム。
「完全にやる気のようだな」
「改めて、行くとしようか! トランザム!!」
言うが早いかまずは一夏がトランザムを発動し、GNソードⅤを振るう。リボーンズガンダムはGNビームサーベルで対応しつつ、GNバスターライフルの砲口を向けるが―――
「生憎だが、そう上手くは行かないぞ!!」
彰人がビームサーベルでGNバスターライフルを真っ二つに切り裂き、リボーンズガンダムが怯んだ隙に一夏がGNソードⅤにGNソードビットを合体させたバスターソードで攻撃した。リボーンズガンダムは両手でGNビームサーベルを持ち、反撃しようとする。
「せいはぁぁぁああああああああああ!!」
しかし背中のバックパック―――タクティカルアームズⅡLソードフォームを持ったレッドフレーム改によって斬りかかられた。
「なるほど、やはり使い方は簪のと同じ……次は!」
続けてガーベラストレートとタイガーピアスに持ち替えてX字型に斬りかかってダメージを与えると、リボーンズガンダムは小型GNフィンファングを射出してきた。
「甘いですわ! 行きなさい、ドラグーン!!」
同時にセシリアもスーパードラグーンを射出すると、驚くべきことにソレを縦横無尽に動かしながらビームを発射し、トランザム状態のフィンファングを次々に撃ち落としていった。
「うおっ! セシリアってあんな風にドラグーン操作できたっけ!?」
「いつの間に上手くなったんだ……」
近くに居た彰人と一夏も思わず驚いてしまう。一方リボーンズガンダムは拳を強く握るとリボーンズキャノンに変形。大型フィンファングにエネルギーを集めていくが、
ドガァァァァン!!
2つのビームにドラゴンハングが放たれ、大型フィンファング部分を破壊してしまった。
「僕達を忘れて貰っちゃぁ困るね!」
一斉攻撃を仕掛けたのは鈴、シャルロット、ラウラだった。突然のことにリボーンズキャノンはバランスを崩しながらもリボーンズガンダムに変形してGNビームサーベルを握る。しかしバランスを崩したこの一瞬が、リボーンズガンダムにとって致命的なものとなった。
「今だ! みんな行くぞ!!」
「おう!!」
「はい!!」
「なんと、弓矢にもなるのか……面白い!!」
リボーンズガンダムの前にはツインバスターライフルを構えた彰人と、バスターライフルモードのGNソードⅤを構えた一夏と、ドラグーンを自分の周囲に配置し全部装を展開したセシリアと、タクティカルアームズⅡLアローフォームを構えた箒が居た。
「最大出力、攻撃開始!!」
「これでぇぇぇぇええええええええええええ!!」
「いっけぇぇぇええええええええええ!!」
「はぁぁっ!!」
そしてツインバスターライフル最大出力とトランザムライザーソード(威力は調整してある)とドラグーン・フルバーストとビームアローが同時に発射され、リボーンズガンダムに向かって行った。
ドガァァァァン!!
「……どうなった?」
「さあな……」
やがて爆煙が晴れていくと、中からボロボロになりながらもGNシールドで防御姿勢を取っているリボーンズガンダムが姿を表した。
「おいおい、まさかまだやるって……ん?」
半ば呆れながら一夏が言った時、モニター画面にある表示がされていた。
「……彰人、ちょっと来てくれ」
「え、どうした?」
「いいから」
一夏は彰人を連れて動くこともままならないリボーンズガンダムへと近づいた。何も聞かされていない彰人は、これから何をするのか疑問に思っている。
「何をするんだ?」
「ああ、ちょっとな……進化したアビリティーを試そうと思って」
そう言うと、一夏はモニターを操作して何らかの出力を調整し、再びソレを起動させた。
『ツインドライヴ完全安定。システムオールグリーン』
『 TRANS-AM BURST/.
QUANTUM SISTEM 』
直後、ダブルオークアンタが一瞬赤く輝くとすぐ緑色に輝き、高濃度のGN粒子が一夏と彰人、そしてリボーンズガンダムを包んだ。
彰人SIDE
『……またこの空間か』
トランザム―――否、クアンタムバーストにより発生した空間に俺達は居た。
『何でこれを使うんだ? あの後、適当に攻撃すれば解除できただろうに』
『俺にもわからない。ただ、彰人を連れて使うように表示されただけだ』
『何だそりゃ……あ、操縦者が見えた』
一夏の発言を疑問に思っていると、リボーンズガンダムの操縦者らしき人物が眠るようにして浮かんでいた。が―――
『なあ一夏、あの2人って誰?』
『俺に聞かれても知らないんだが……』
操縦者の周囲に2人の少女が居たのだ。両方とも髪は白で、瞳は向かって右の子が青、向かって左の子が赤だった。一体何なのか見当がつかなかったが、俺の中にある仮説が出てきた。
『まさか……リボーンズガンダムのコア、なのか?』
『え? まさかそんな筈は……』
『『……はい。貴方の言う通りです』』
『マジかよ……』
まるで双子のように揃って言ったことに一夏は天を仰ぎ、俺は次にどう言えばいいか考えていた。
『えっと、君達が本当にISコアとして、何で暴走したんだ?』
『『お母様に、言われたからです』』
『お母様って言うと、束さんか?』
一夏が言うと、2人はこくりと頷いた。やっぱり束さんの仕業だったのか……。
『『お母様は言っていました。「これから現れる敵の為に、この世界の未来の為に、いっくんとあっくん、それに箒ちゃんのISと戦って覚醒を促してほしい」と』』
『『何っ!?』』
コイツは驚いた。まさか今回の出来事が、俺と一夏に
『『そして、「仕方がないとは言え、貴女達を暴走させてごめんね……」とも言っていました』』
『……そうか…それで、君達はこれからどうするんだ?』
『『任務を遂行した以上、私達の活動は後21.025秒で停止します』』
その直後、空間そのものが薄くなって来た。
『そろそろ限界ということか……結局俺達は、何の為にこれを見せられたんだ?』
『さあな。俺はともかくお前も居るということは、ウイングゼロも一緒に使って、世界を平和にしろとでも―――!!』
そこまで一夏が言った時、俺と一夏は同時にある確信に辿り着いた。
『そうか、そういうことだったのか……。だから束さんは、彰人も一緒に!』
『差し詰め今日は、可能性を見せられたという訳か。束さんめ、凄いこと考えるな……!』
束さんの意図に感心していると、俺達の意識が空間から離れて行った。
「「ん……」」
気がつくと先ほどの海上におり、一夏は操縦者を抱えていた。
「終わったか……」
「ああ……そうだ彰人。あの空間に居た時の俺の目って、金色になってたか?」
「え? ……そう言われてみると、確かになってたな」
「マジか……俺、本当にイノベイターになっちまったのか……」
こうして、1.5ガンダム及びリボーンズガンダム暴走事件は終わったのだが、一夏がイノベイターに覚醒したという事実が明らかになった。