ISG~インフィニット・ストラトス・ガンダム~   作:レイブラスト

69 / 102
学園祭編
66th Episode


どうも皆さんこんにちは、矢作彰人だ。楽しい時間はあっという間に流れるもので、夏休みが過ぎて現在二学期に入っている。

 

んでもって今はみんなと朝食を取っているんだが……。

 

(視線を感じる……)

 

一学期の時よりも増して周りからの視線を感じるようになった。それも向けられているのは俺や一夏ではなく、箒ちゃんにである。

 

「最近、妙に視線を感じて気になりますわ」

 

「大方私が第4世代型ISを所持しているからだろう」

 

「間違いなくそれだな。どいつもこいつも、嫉妬やら憎悪やらの黒い感情ばかり向けてやがる」

 

「へぇ、イノベイターはそんなこともわかるんだ。苦労しそうね」

 

「まあな」

 

冗談混じりの鈴ちゃんの発言に肩をすくめながら一夏が言う。他人の負の感情なんて、知りたくないもんな……。それに、日に日に強くなってる気がするし。

 

「箒も大変だね……」

 

「仕方ないさ。強い力を持ってる以上、こうなることはわかりきっていたことだ。……まあ、余りにも度が過ぎる輩が現れたら、一夏達と同じスタンスを取るが」

 

「「え?」」

 

俺達と同じスタンス? それって……。

 

「彰人や一夏と同じ…………なるほど、そういうことか。中々良い考えだ」

 

「……結局、そうなるんだ」

 

言葉の意味を理解したラウラは非常に良い笑顔を浮かべ、簪は引きつった笑みを浮かべていた。てことはやっぱり―――

 

「私に対して不満があるなら、陰口を叩かれるよりも遠慮無く勝負を挑んでくれた方が良い。その方がわかりやすいし、それにレッドフレームの性能を試すいい機会だ」

 

『『『っ!!!!』』』

 

((うわぁ……))

 

最後の一言を言った瞬間、周囲の視線が更にきつくなった。箒ちゃんのことだから本気で言ってるんだろうけど、周りからすれば挑発にしか聞こえないもんな……。

 

強い意志と覚悟を決めた箒ちゃんに感心と苦笑しつつ、俺達は朝食を食べ続けるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体育館

 

その後、俺達は全校集会で体育館に集まっていた。どうやらIS学園の生徒会長(つまり刀奈)が挨拶するらしい。このタイミングってことは、あのイベントのことかな?

 

『では、生徒会長の挨拶です』

 

(いよいよか)

 

アナウンスの声が終わると、壇上に刀奈が出る。その堂々としたどこかミステリアスな雰囲気に、生徒全員が水を打ったように静かになった。

 

「やあみんな、おはよう。今年は色々立て込んじゃってちゃんとした挨拶がまだだったわね。私は更識楯無。このIS学園の生徒会長よ。初めまして、そしてよろしく」

 

ここに居るほとんどの生徒は、今みたいな凛とした刀奈しか知らない筈。そう思うと、一種の優越感のようなものを感じる。

 

「早速だけど、今月の一大イベント学園祭について、今回に限り特別ルールを導入するわ。その名も……」

 

そう言うのと同時に、背後に空間ディスプレーが展開された。さて、そろそろ来るか……。

 

「名付けて『織斑一夏&矢作彰人争奪戦』!!」

 

予想通りの宣言と共に一夏と俺の顔写真がディスプレーに……………………え?

 

「は!? 何!? どういうこと!?」

 

「えっ! 俺も!? 何で!!??」

 

まさかの俺も含まれているという事態に混乱し、一夏と一緒に騒いでしまう。

 

「静粛に。今年は世界で初めての男性操縦者が2人入学しました。しかし、そのどちらとも未だ特定の部活動には所属していません。皆も不満を募らせていると思い、勝手ながらこのイベントを作らせてもらいました。して、その内容は題名の如く、学園祭の催し物で一位と二位の成績を収めた部活動に、織斑一夏君と矢作彰人君のどちらかを強制入部させちゃいます!」

 

刀奈は閉じた扇子でディスプレーの俺と一夏を指す。途端に場の空気が一気に盛り上がった。

 

「きゃあああああああああっ!!!! ほ、本当に!?」

 

「何て素晴らしい仕事をするのかしら!」

 

「さすが更識生徒会長だ! 私達にやれないことをズバッとやってくれる! そこに痺れる、憧れるぅ!!」

 

「ようし! 全身全霊を掛けて、勝ちを取りに行くわよ!」

 

『『『えい! えい! おーっ!!』』』

 

生徒達(ほぼ)全員がカチドキアームズの変身音声になった瞬間だった。

 

「おいおい、これ俺達の意志とかどうするんだよ?」

 

「刀奈にとっても苦肉の策なんだろうさ。ここは腹を括るしかない……」

 

「マジかよ……」

 

とは言ったものの、本人が遊び半分でいる可能性は十分にある。……だから何だって話だけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一年一組

 

集会を終え、現在放課後のHR。黒板には色々な出し物の案が書かれている……のだが、内容は『織斑一夏と矢作彰人によるホストクラブ』、『男子2人とツイスターゲーム』、『男子2人と王様ゲーム』、『男子2人とポッキーゲーム』etc……

 

「「全力で却下だ!!」」

 

結論。即刻却下となった。

 

『『『えぇぇぇえええええええええええええええ!?』』』

 

「誰が喜ぶんだ、こんなの!」

 

「私が嬉しい! 断言する!!」

 

「そうだそうだ! 男子は女子を喜ばせる義務を真っ当せよ!」

 

「織斑一夏と矢作彰人は共有財産である!」

 

「他のクラスから色々言われてるんだってば! うちの部の先輩も煩いし!!」

 

「私達を助けると思って! お願い!」

 

コイツ等、切羽詰まってるのはわかるが好き勝手言いやがって……!!

 

「ふざけんな! こういうのは心に決めた相手としかしないって決めてんだ!」

 

「そうだ! 赤の他人となんかできるか!」

 

「心に決めたって、例えば~?」

 

のほほんさんがにこにこしながら尋ねてきた。例えばだって? そんなの……

 

「「セシリアと簪とシャルとラウラと刀奈(箒と鈴)に決まってるだろ!! わかりきったことを言うな!!」」

 

そもそも俺達に恋人が居ることは前に言っただろ! あ、でも刀奈のことはまだ言ってなかったっけ。まあいいか!

 

『『『えっ……』』』

 

クラス全体がシーンと静まり返る。そうなってから俺達は初めて、自分達がとんでもない爆弾発言をしてしまったことに気づいた。

 

「い、一夏!? な、なな、何を……!!/////////」

 

「あ、あああ彰人しゃん!? い、今の発言は……//////////」

 

「あ、彰人……気持ちは嬉しいけど、その……//////////」

 

「う、うむ。ストレートに言われると、照れるな/////////」

 

4人とも完全に真っ赤に茹で上がってらっしゃった。可愛い。

 

「はいはい、ごちそうさま」

 

「チッ、リア充め……」

 

……どこからかそんな声がしたが気にしない。

 

「コホン。えっと、他にまともな意見はないか?」

 

咳払いを1つして尋ねると、女子達は再び話し込む。と、ラウラがスッと手を挙げた。

 

「はい、ラウラ」

 

「今までのがダメなら、メイド喫茶はどうだろうか?」

 

『『『えっ!?』』』

 

ラウラの口から出たのは、普段の彼女からは想像できない言葉だった。まあ、俺は言うんじゃないかなって思ってたけどね。

 

「客受けは良いだろう。それに、飲食店は経費の回収が行える。確か、招待券制で外部からも入れるのだろう? それならば、休憩場としての需要も少なからずある筈だ」

 

「な、なるほど。ラウラにしちゃあ珍しい意見だが、みんなはどうだ?」

 

一夏が全体を見渡して尋ねると、シャルが答えた。

 

「良いんじゃないかな? 彰人と一夏も執事や厨房をやればいいし」

 

「織斑君と矢作君の執事姿……良い!」

 

「私も賛成! でもメイド服はどうする?」

 

「私に任せて! 私、演劇部衣装係だから縫えるよ!!」

 

あっという間に話は進んでいき、俺と一夏が執事をやることは半ば確定していた。

 

「俺達が執事やるのは既に決まってるのね……ま、いいか。―――そういう訳だから、出し物は『メイド喫茶』で決定だ。異論はないな?」

 

最後に一夏が確認すると、全員一致で可決した。しかし俺が執事か……話し方とか練習しなきゃな。

 

 

 

 

 

 

「……ていうか刀奈って…………誰?」

 

こっそりと呟いた相川さんの言葉は周りにかき消された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園整備室

 

出し物を決めた後、俺と一夏は整備室に来ていた。何でも一夏が見せたいものがあるんだそうだ。

 

「で、その見せたいものとは?」

 

「これのことなんだが……」

 

一夏はクアンタのデータをモニターに表示する。と、一部のデータに気になる点が見られた。

 

「あれ? 拡張領域(パススロット)にパッケージがある……どうやって入れたんだ?」

 

「俺が聞きたいよ」

 

そう、ダブルオークアンタの本来埋まっている筈の拡張領域(パススロット)に何故かパッケージがインストールされていたのだ。しかも名前は『GNソードⅣフルセイバー』ときてる。

 

「とりあえず使ってみなよ」

 

「わかった」

 

頷いてモニターをタッチする一夏。すると『GNソードⅣフルセイバー、起動』と表示が現れ、クアンタが光り輝くと共に背面装甲が変化し、右肩部分に巨大な剣―――GNソードⅣフルセイバーが装備された。驚くべきことに、かかった時間は一秒程であった。

 

「「ごついな……」」

 

クアンタの新たな姿、ダブルオークアンタ フルセイバーを見た俺と一夏は同時に感想を述べた。そう感じるのは俺達以外にもきっと居る筈。

 

『はろはろ~! こんにちは~! みんなのアイドル、束さんだよ~!!』

 

直後、突如として新たなモニターが出現し、束さんが(多分録画だろうけど)映し出された。

 

「た、束さん? 何で?」

 

『このメッセージを見てるってことは、GNソードⅣフルセイバーを見つけて装備したってことだね。嬉しいなぁ~!』

 

「なるほど。このパッケージを見つけることが一種のフラグだったのか」

 

『ではでは、いっくんが疑問に思ってるであろうGNソード……長いからフルセイバーでいいや。について説明しよう! フルセイバーはいっくんのダブルオーが第二形態移行(セカンドシフト)すると出現するように設定したパッケージで、それまでは使うことはできないし表示すらされないようになってるんだ~』

 

巧妙に隠してあったということか。束さんらしいというか、何というか……。

 

『フルセイバーの性能は原作とプラモ設定を混ぜてあるから、カタールにもすることができるし、現存するIS全てを単機で撃破することも可能だよ! あ、でも操縦者の負担とかは考えてないから実際には無理っぽいけどね。んでもってクアンタムシステムは使えなくなっちゃうから、状況に応じて使い分けることをおすすめするよ』

 

ちょい待て。今さらりととんでもないこと言わなかったか!?

 

『それじゃあ説明はここまで! 武器の詳しい使い方は取り扱い説明書を読んでね! じゃあ、ばいば~い!!』

 

そこで映像が切れ、しかも『消去しました』と音声が流れる。一度再生されたら自動的に消滅するよう仕組んであったらしい。

 

「ったくあの人は。どこまで原作再現するんだよ……しかも今度は、ほぼ無理だけど単機で全ISを撃破可能だって? マジかよ」

 

「どうも大マジらしい。んで、性能テストとかやるのか?」

 

「そりゃあやりたいけど、相手が務まる人が居るかどうか「ここに居るわよ」え?」

 

聞こえてきた声に揃って振り向くと、扇子を広げた刀奈が壁にもたれて立っていた。

 

「話は全て聞かせてもらったわ。中々興味深い代物を持ってるじゃない、一夏君」

 

「こっちは冷や汗もんですけどね。で……現れた目的は?」

 

「君の推測通りよ。その新装備の相手、私が務めてあげるわ。フフッ…こんなサービス、滅多にしないんだからね?」

 

どこぞの銀河の妖精っぽい台詞を言いながら、不敵に微笑む刀奈であった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。