ISG~インフィニット・ストラトス・ガンダム~   作:レイブラスト

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67th Episode

アリーナ

 

一夏SIDE

 

俺と刀奈さんは第三アリーナにてISを装着し、対峙していた。本気でかかってこいとのことだから、相手も全力を出すだろう。

 

「いくらデータ計測だからって、本当に全力を出していいのか?」

 

「問題ないわ。本気を出さなきゃちゃんとしたデータは取れないもの」

 

「それもそうだな」

 

「そんなことより、そろそろ―――始めましょうよ!!」

 

「ああ―――望むところだ!!」

 

彰人しか見てないアリーナにブザーが鳴り響くと同時に俺はGNソードⅤ(ソードモード)を、刀奈さんはトツカノツルギを所持すると、接近して斬り合う。

 

「(っ、このパワー……並のISじゃないわ!)せえいっ!」

 

ガキンッ!

 

「そうらっ!」

 

ガッ!

 

互いに一歩も引かず鍔迫り合いになったところで一度距離を取ると、刀奈さんはビームライフルを連射してきた。

 

「(そう来たか。なら)コイツを使ってみるか!」

 

GNソードⅤを腰にマウントし、フルセイバーから取り外したGNガンブレイド二丁をガンモードで連射する。撃ってからわかったが、結構弾速いな。

 

「威力は低めみたいだけど、連射速度がバカにならないわね! 下手に距離取るのはまずいかも!」

 

トツカノツルギとビームサーベルの二刀流を構え、刀奈さんは突撃してくる。俺もGNガンブレイドを合体させたツインエッジを投げつけると、GNソードⅣセイバーモードを持って突撃する。

 

「「でぇやぁああああああああああああ!!」」

 

俺とツインエッジを弾き飛ばした刀奈さんの剣が交わり、火花が散る。相手が二刀流とは言え、俺の方が若干押されている。

 

「簪と勝負したときとは全然違う強さだ……こっちがホントの本気か!!」

 

「あの時は簪ちゃんの豹変ぶりに動揺して、全力を出し切れなかったからね。甘く見てると危険よ!!」

 

「そうか。だったら遠慮は一切しねぇ!!」

 

ISコアの出力を上げ、腕により力を込める。

 

「やるわね! だったら!」

 

「っ! うお!?」

 

刀奈さんは至近距離でランサーダートを放つと再び離れ、ミラージュコロイドで姿を消した。

 

「消えた? ハイパーセンサーは…ダメか」

 

俺はありとあらゆる方向を警戒しつつ、GNソードⅣをライフルモード(連射&高出力モード)に切り替える。

 

「ぐあっ!?」

 

直後、何かで引っかかれたようなダメージを受けた。ツムハノタチによる攻撃か。しかも見えないままか。反則気味だな……だが!

 

「GNビット!」

 

GNソードビットを射出し、手当たり次第に攻撃していく。これで誘い込むことができればいいが……。

 

「くっ!」

 

! 声が聞こえた!!

 

「そこかぁ!!」

 

すかさずGNソードⅣライフルモードを高出力モードで放つ。と、そこには右腕のシールドで防ぐゴールドフレームのシルエットが浮かんだ。

 

「下手な鉄砲、数打ちゃ当たるか。この空間では有効な攻撃ね。さすがの私も一杯食わされちゃった……」

 

そう言うとビームライフルで攻撃してきた。

 

「お陰で余計に燃えてきたわ!!」

 

「そりゃどうも。俺もフルスロットルで行くぜ!!」

 

GNソードⅣをライフルモード(ワイドカッター粒子ビーム)にすると連続射撃を行い、すぐにGNランチャーモードに変形させる。

 

「本当に多彩な攻撃パターンを持ってるわね。じっくり披露させた方がいいんだろうけど、そうしてたらこっちが負けそうだから!」

 

ガキッ!

 

ワイヤー型の武器、マガノシラホコを射出すると、それを巧みにコントロールして俺の足に突き刺した。

 

「しまった!?」

 

GNビットで切断しようとするも遅く、俺は刀奈さんに引っ張られていく。しかし尚も体勢を立て直すと、引っ張られながらGNランチャーで狙いを定め―――撃った。

 

ドォォォン!

 

「やったか? ってこれは失敗フラグ―――どわっ!?」

 

つい禁句を言ってしまったところへ腹部に衝撃が走る。見るとミラージュコロイドを発動させた刀奈さんがマガノイクタチで俺を挟み、エネルギーを吸い取っていた。

 

「貴方のエネルギー、私のものにさせてもらうわよ!!」

 

「そうはいくか!!」

 

俺はGNソードⅣをフルセイバーモードにするとGNソードビットを展開して真後ろにテレポートゲートを作り、俺だけが通った段階でゲートを閉じた。

 

「なっ!? そんな―――」

 

「もらったぁ!!」

 

動揺している刀奈さんの真後ろから現れ、GNソードⅣを振り翳す。そして……

 

「……私の、負けね」

 

刀奈さんのシールドエネルギーが、無くなった。

 

「危なかった……あと少し判断するのが遅ければ……」

 

「結構僅差だったのね。ちょっと悔しいけど、素直に負けを認めるわ。で……使ってみた感想はいかがかしら?」

 

「凄まじい力です。仮に俺が全部の装備を把握しきった上で戦ったら、ウイングゼロ以外には敵はいないかもしれません」

 

「そうね。実際戦ってみたけど、その可能性は大だわ。でもどうしてウイングゼロは例外なの?」

 

「ゼロシステム積んでますし、操縦者が彰人なんで俺の癖とか見抜かれてそうなんで」

 

「ああ……2人とも付き合い長いからね」

 

俺が言うと、刀奈さんは納得したように頷いた。と、その時だった。

 

「生徒会長! 覚悟っ!!」

 

突如、M1アストレイ二機とGN-XⅣ一機が各ピットから出撃し、対艦刀とGNバスターソードを持って突進してきた。

 

「コイツ等!? ええいっ!」

 

「きゃあああ!?」

 

反射的に一機のM1アストレイに蹴りを入れて沈黙させる。

 

「私の座を狙う輩か。疲弊したところを狙ったんでしょうけど、その程度で!」

 

刀奈さんももう一機のM1アストレイをマガノイクタチで挟み込み、エネルギーを吸い尽くしてから解放した。えげつねぇな……。

 

「トランザム!」

 

だが最後に残ったGN-XⅣがトランザムを発動し、刀奈さんの背後から一気に迫った。

 

「! しまった!」

 

「遅い! これで会長の座は―――」

 

 

ドォォォォン!

 

 

言いかけた時、GN-XⅣがビームに飲まれて墜落した。思わず放たれた方向を見ると。

 

「生憎だったな。お前なんかに明け渡す席は無いんだと」

 

ツインバスターライフルを構えたウイングガンダムゼロカスタムが居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1分前

 

彰人SIDE

 

勝負はかなりの接戦だったが、最終的に一夏が勝った。これがもし一夏がGNソードⅣフルセイバーの全機能を把握した状態で挑んでいたら、刀奈は一方的に負けていた筈だ。俺も負けるかもしれない。気をつけなきゃな。

 

「ん? あれは……」

 

俺がピットに迎えに行った時、そこからM1アストレイが発進して行った。見れば他にも2つの機影が見える。気になってウイングゼロを展開しつつ入り口付近で待機して聞き耳を立てていると、どうやら生徒会長の座を狙う者達らしい。その内二機は刀奈と一夏に撃墜されたが残ったGN-XⅣがトランザムで刀奈に奇襲を掛けた。

 

(甘いな)

 

俺はゼロシステムを作動させていてこうなることはわかっていたので、ツインバスターライフルを構えて発射した。

 

「生憎だったな。お前なんかに明け渡す席は無いんだと」

 

構えを解きながら言う。……心なしか未来を予測してから行動に移るのが早くなったような?

 

「っと、彰人か。サンキュー!」

 

「これくらい軽い軽いっ」

 

フェイス部分を解除しながら2人に近づく。

 

「とりあえずもう帰ろうぜ。また狙われるかもしれないし」

 

「ええ、そうするわ。でも……そうなったら、またこうやって助けてくれるかしら?」

 

そう尋ねてくる刀奈は、顔を赤く火照らせていた。助けてもらったのがそんなに嬉しかったのかな?って自意識過剰な考えは我ながらキモいな。

 

「勿論だよ。約束する」

 

「? ちょっと待て。向こうのアリーナから何か聞こえないか?」

 

一夏に言われて指された方向を見る。確かに何かが聞こえてくる。ハイパーセンサーで見てみると……。

 

『どうしたどうした! 束で挑んでもこの程度か!!』

 

箒ちゃんがガーベラストレートとタイガーピアスを持って無数のISを薙ぎ払っていた。

 

「………………マジでやっていたとは……」

 

「…………見なかったことにしよう……………」

 

「………………その方がいいわ………」

 

さすがに本人も見られたくないと思うので、俺達はさっきの光景を忘れてアリーナを出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

今日は俺、一夏、簪の3人で食堂に集まって昼食を取っていたが、簪からある相談を受けていた。

 

「へぇ、四組は野外ライブをやるのか。いいんじゃない?」

 

「……でも、ここって実質女子校で男子がいないから、困ってるの」

 

「要するに男の歌い手が欲しいと。うーむ……」

 

腕を組んで考える。要は男手が欲しいってことだ。身近な友人に歌が上手い奴は…………あ。

 

「そうだ、居るじゃないか! うってつけの奴らが!」

 

「おお、そうだった!」

 

「……それって本当!?」

 

「勿論。よし、そうと決まれば明日早速アイツ等に伝えに行くぞ」

 

「歌の一覧表と役割表、借りるね」

 

俺は内心でこれを聞いたあの2人がどんな反応をするのか楽しみにしていた。

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