ISG~インフィニット・ストラトス・ガンダム~   作:レイブラスト

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88th Episode

「もう好きにはさせませんわ。これ以上何も壊させない……殺させない!!」

 

ドラグーンを展開しながら、セシリアはビームライフルを連射しドラグーンレーザーも放つ。しかしMS形態のデストロイには多少ダメージを与えられたが、MA形態のはバリアである陽電子リフレクターを展開されて無傷だった。

 

「やはりMS形態でしか碌にダメージは与えられませんわね。でしたら!」

 

セシリアはMA形態のデストロイへの攻撃をやめ、MS形態のデストロイへと集中した。現在MS形態なのは二機だが、まずは落ち着いて一機ずつ仕留めようと彼女は考えた。

 

狙いを定めたデストロイから両腕が分離して放たれ、ツォーンMk2とスーパースキュラの複合攻撃で狙い撃って来る。セシリアは冷静に回避すると、ビームシールドでシュトゥルムファウストを防ぎながらビームサーベルで右腕を切り裂いて破壊し、すぐに左腕も破壊する。そしてドラグーンを自分の周囲に配置すると、ドラグーンフルバーストをデストロイに放つ。デストロイは再びツォーンMk2とスーパースキュラの複合攻撃を行い反撃する。最初は拮抗していたが徐々にセシリアの方が押し始め、やがてデストロイのボディを貫いた。

 

倒れゆくデストロイに息をつく間もなく、セシリアは残るデストロイ達の攻撃を回避する。

やがてある場所でセシリアが止まり、MA形態のデストロイがそこにアウフプラール・ドライツェーンを発射する。だがマスクの下でニヤリと笑って回避すると、真後ろに居たもう一機のデストロイに直撃。ツォーンMk-2を発射しながら倒れ、機能を停止した。

撃った方はツォーンMk-2を食らってバランスを崩し、倒れたところにスーパースキュラの発射口にビームサーベルを突き刺され、内部構造が剥き出しになる。そこへビームライフルを構えながら、セシリアは言った。

 

「この距離なら、バリアは使えませんわね!!」

 

直後にトリガーを引き、内部から破壊されたデストロイは起き上がることもできずに機能を止めた。

 

「ふぅ……」

 

ため息をつくと、セシリアは怪我をしている人々の救援に回った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴はデストロイの一機に真上から取り付くとツインビームトライデントを振り回し、頭部を貫き引き千切った。

 

「ガラクタ風情が……!」

 

仰向けに倒れるデストロイから飛び降りながら鈴は憎々しげに言うと、フルバーストをしてくる残りのデストロイを見た。

 

「そんなもので私を止める気? 笑わせるわね……!」

 

横に飛んで回避するとドラゴンハングを伸ばし、一機のデストロイの足に引っかけると転倒させ、即座に頭部に火炎放射を行い電子頭脳ごと丸焦げにして破壊する。

 

最後の一体にはスーパースキュラを放とうとしていたところにツインビームトライデントを投げつけ、エネルギーを暴発させて倒した。

 

「はぁー……これで少しはスッとしたわ。一夏達は大丈夫かしら……」

 

他の国で戦っている仲間達を思い、鈴は空を眺めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「せぇええええええい!!」

 

ビームサーベルとGN-Ⅳ用のGNバスターソードを振るい、シャルロットはエキューデのデストロイにダメージを与えていく。

 

「あぁぁぁああああああぁぁああああああああああぁぁぁぁぁぁぁああああああ!! ウザイウザイウザイウザイウザイうざいうざいうざいうざい!! このガキがぁあああああああ!!」

 

シュトゥルムファウストやスーパースキュラを滅茶苦茶に発射する。シャルロットは落ち着いて回避するが、苛立ったエキューデはブースターでジャンプすると押し潰すようにパンチを繰り出してきた。面食らったものの回避には成功したが、偶然落下地点に居た別のデストロイが代わりに下敷きになり、頭部を破壊されて哀れ機能停止してしまった。

 

「ててててててめぇえええええええええええ!! よ、よくもバカにしやがってぇぇぇええええええええええ!! ここ、殺してやる! この私と! デストロイが!!」

 

変形しアウフプラール・ドライツェーンを放つエキューデ。しかしそれさえもシャルロットには避けられ、逆にGNバスターソードを構えて突撃してきた。

 

「はぁあああああああああああああああ!!」

 

スラスターを全開にした彼女の突きは陽電子リフレクターを破ってデストロイのボディを貫き、GNバスターソードの刀身を血に染めた。

 

「あ……はは…は………私は、まだ………………」

 

命の輝きが消えてもたれかかるエキューデのデストロイを、シャルロットはそっと地面に寝かせた。何故そうしたのかは彼女自身もわからなかった。

 

そこで彼女は背後に佇む最後のデストロイに注意を向けた―――が、その直後。突然地上から放たれた桃色の光線にデストロイは撃ち抜かれ、倒れて沈黙してしまった。さすがにシャルロットも困惑して発射された方を探すが、GNロングライフルを持って半壊してるGN-XⅣしか見えなかった。きっとアレが最後の力を振り絞って助けてくれたんだろう。彼女はそう思い、名も知らぬパイロットに敬礼した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、久しぶりだけど威力は落ちてなかったね」

 

『マスターも無茶しますね。危うく見つかるところでしたよ』

 

「にゃはは……さすがに危ないなって思って。考えるより先に行動しちゃってたんだ」

 

『マスターらしいですね』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

フォルファントリー突撃でデストロイの一機に肉薄したラウラは、そのまま押し切ろうとする。しかしデストロイは至近距離でスーパースキュラをチャージし撃とうとした。半ば無意識でラウラはビームナイフを発射口に押し当て、エネルギーを暴発させるが自身も吹き飛ばされてしまう。

 

「隊長! ご無事ですか!?」

 

「ああ、何とかな。しかしAIにしては、強いな……」

 

クラリッサに助け起こされたラウラは、目の前のデストロイが沈黙しているかどうか確かめた。煙を上げながら横たわるデストロイのツインアイは光を失っており、二度と動くことはなかった。

 

少し離れた場所では別のデストロイに、ハイペリオンG達の至近距離でのビームキャノンの発射と別働隊のGR-2ガーランドがレーザーブレードで頭上から深々と突き刺したことで断末魔に熱プラズマ複合砲「ネフェルテム503」を撒き散らせながら屠った。最後に残った一機は状況不利と見て、その場を離脱しようとした。

 

「逃がすか!」

 

「食らえ!」

 

その背中にラウラとクラリッサのビームキャノンが直撃し、俯せに倒れる。そこへハイペリオンG達のビームサブマシンガンによる一斉射撃でデストロイは完膚無きまでに破壊され、活動を止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガーベラストレートを右上から左下にかけて振り下ろし、MS形態のデストロイは斜めにずれて爆発する。それを見ていた他のデストロイ達が両腕を飛ばしてシュトゥルムファウストで仕留めにかかる。

 

「ただのAIの動きではないな……だが!」

 

ビームの嵐を避けつつガーベラストレートで腕を次々に切り落とすと武器をタクティカルアームズⅡ・アローモードに持ち替えてトリガーを引き、一機の頭部に命中させる。その隙に箒は急接近するとクローモードにアームズを変えて頭部を掴み、力任せに引っこ抜いた。そのまま頭部を投げ捨てると、MA形態に変形して防御力を高めている残りのデストロイを見てデストロイの真上に上昇すると、タクティカルアームズⅡをデルタフォームへと変え、ガーベラストレートを上段に構えた。

 

「行くぞ、レッドフレーム。今こそ奥義を使う時だ……!」

 

静かに言い放ち、箒は単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)の『ヴォワチュール・リュミエール』を発動し、デストロイに向かって加速し続ける。自分に向かってくるアウフプラール・ドライツェーンもガーベラストレートで防御し、そして……。

 

「はぁああああああああああ!! チェェェェェェェストォォォォォオオオオオオオオオオオオオ!!」

 

勢いのついた一閃のもとに、デストロイを真っ二つに切り裂くと着地の衝撃に一瞬顔を歪めながらもデストロイを後ろにガーベラストレートを鞘へゆっくり戻していき―――

 

「我がガーベラストレートに……断てぬもの、無し!!」

 

カチッ、という音と共に完全に収めると背後でデストロイが爆発した。

 

(ここはどうにかなったが、他は大丈夫だろうか。彰人には格闘武器の少なさからアレを渡しておいたが……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スーパースキュラ発射口にGNソードⅣを突き刺した一夏は、機体が爆発するのを尻目にGNソードビットで他のデストロイの両目を破壊。

 

「マスクを外して目視に頼るかい? ま、無理だろうがな」

 

視覚を失いデタラメに攻撃するデストロイ。その内の一機に、一夏はGNソードⅤを投擲、頭部を貫き破壊する。素早く接近してそれを引き抜き、GNバスターソードに合体すると最後の一機をGNソードⅣとの二刀流で滅多切りにし、破壊した。

 

「あっけないな……世界を正すとか大層なこと言ってても、所詮はただの機械ってことか」

 

デストロイの残骸を見下ろしながら、一夏は肩をすくめた。

 

(こっちは終わったことだし、彰人のところへ行くとするか。何せ敵のトップが居るからな……1人じゃ危険だ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やああああああっ!」

 

分離した両腕をソードアームで破壊し、ソードフォームに変形させるとアウフプラール・ドライツェーンを回避しながら接近。陽電子リフレクターを突破してデストロイのボディを切り裂き、露出した内部にガトリングアームを押し当て連射し破壊した。

 

「くっ、まだ……!」

 

一息つく間も与えず攻撃してくる別のデストロイに簪は武器を向ける。だが戦っているのは簪だけではなかった。

 

「子供だけに活躍されてちゃ、自衛隊の名折れだ! 大和魂を見せてやれっ!!」

 

付近の自衛隊基地から発進したIS&ガーランド部隊も、最前線で戦っていた。隊長の女性が駆るのは赤いIS、セイバーガンダム。デストロイとの相性はあまり良くないが、それでも隙を見つけては善戦していた。しかしツォーンMk-2に被弾し、バランスを崩してしまう。

 

「うあっ!? この……落ちろカトンボ!!」

 

何とか体勢を立て直してスーパーフォルティスビーム砲を放つと、直後に地面に墜落する。デストロイの方は、ビームが足に当たったせいか膝を地面につけながらもセイバーガンダムを見据え、スーパースキュラとツォーンMK-2にチャージを始める。

 

(くっ、ここまでか……情けない……!)

 

諦めかけた時、彼女の前に金髪で青と白の服を着た女性が現れた。

 

「な、何してるんだアンタ!? 早く避難を―――」

 

慌てて言うセイバーガンダムのパイロットだが、全て言い終える前にデストロイから攻撃が放たれる。覚悟を決めて目を閉じた、その瞬間―――

 

「はぁあああああっ!!」

 

目の前の女性らしき声が聞こえ、何かが両断される音が響く。いつまで経っても痛みが訪れないことに違和感を抱いた彼女が目を開けると、女性はおらず真っ二つになったデストロイが居た。

 

(何だったんだ、一体……)

 

「……大丈夫ですか!?」

 

唖然とする彼女の元へ簪が駆けつける。既に三機目のデストロイも撃破されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

(少々無茶をしてしまいました……これではマスターに叱られてしまいますね……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

五機のデストロイを相手に、省吾達は獅子奮迅の活躍を見せていた。

 

「テメェ……吹っ飛びやがれ!!」

 

両手で掴み上げられた省吾はテレスコピックバレル延伸式ビーム砲塔を近距離発射し頭部を破壊して離脱すると、すぐにエクスカリバーを構えた。

 

「チッ、どいつもこいつも……おいB.D! これ一本貸した方がいいか!?」

 

「できる限り、そうして貰いたいな!」

 

エクスカリバーを一本投げ渡すと、共に構えて一体のデストロイへと向かう。

 

「だぁあああああああああああっ!!」

 

「ふんっ!!」

 

そしてエクスカリバーを使用した2人の連携攻撃でデストロイの脚部を破壊して倒れさせると、ブラントがプラズマキャノンを放ち撃破した。

 

「隊長達もやったんだ、俺達だって!」

 

「うおおおおおおっ! やってやるぞ!」

 

数機のヴィルデ・ザウとGR-2ガーランドがデストロイ一機を取り囲み、一斉射撃を行って怯ませると頭部にレーザーブレードを突き刺し、更にプラズマキャノンで消し飛ばした。

 

「一刀両断! でやぁぁぁああああああああああああああ!!」

 

また別のMA形態のデストロイは駆けつけたイーリスのガンダムエピオンが、最大出力のビームサーベルで一刀の下に切り捨てた。

 

「後は二機だ! このまま一気に―――どわぁ!?」

 

省吾の背後で爆発が起き、スラスターが損傷する。シュトゥルムファウストで撃たれたのだ。省吾のアウトフレームDは警告を鳴らしながらフラフラと地面に近づいて行く。

 

「や、やべぇなおい…………ん?」

 

その時、視界の端に先ほど乗っていたプロトガーランドが映り、省吾は素早くISから脱出するとプロトガーランドに乗ってMSモードに変形させた。その頃にはアウトフレームDは墜落し、爆散していた。

 

「へっ! やっぱ最後は、お前が切り札になるか……!」

 

ビームガンを連射しながら一機のデストロイに接近し、顔面を何度も殴りつけトドメにショルダータックルで頭部を胴体と分離させ繋がっているコードを引き千切った。

 

「フッ、その機体を駆るお前と戦うことになるとはな……だがISとはスペックがまるで違うぞ」

 

「わかってらぁ! でもコイツは全てのガーランドの親みたいなもんだ。簡単にゃ負けないぜ!!」

 

言いながら省吾とブラントは最後のデストロイに火力を集中。防御姿勢を取った隙にイーリスのヒートロッドが背部ユニットを掴んで強引に引き千切り、そのせいで後ろに傾きかけたところにヴィルデ・ザウ隊やガーランド隊、IS部隊による集中攻撃を受けスーパースキュラを虚空に発射して機能を止めた。

 

「ようやくか……亡国機業(ファントム・タスク)は随分厄介なものを作ってくれたな」

 

「ああ。今更だが本当にな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ行くよ、マドカ!」

 

オーはMS形態になると以前より強化されたハサミ、「ギガンティックシザース」にある「シザースビームキャノン」を連射しながら接近する。

 

「こんなもの!」

 

マドカも負けじとビームライフルを放ち、応戦していく。やがて2人は待機しているエスから少しずつ離れていく。

 

(いいぞオーよ。そのまま時間を稼いでくれ)

 

(任せて、姉さん)

 

エスは地上に降りて両腕のストライククローを地面に引っかけて固定し、胸部装甲を展開し腹部も上下にスライドさせ、3つの砲門を露出。エネルギーをチャージし始める。それにマドカが気づいたのは、ビームサーベルで鍔迫り合いを行っていた時だった。

 

「ん? まさか……しまった! コイツは最初から―――うわっ!?」

 

「フフフ、今更気づいても遅いよ。マドカ。見事に時間稼ぎに掛かってくれたね」

 

ギガンティック・シザースでマドカのレジェンドを捕まえながらオーはマスクの下で笑みを浮かべる。

 

「姉さん、今だ!」

 

「いいぞオーよ……トリプルメガソニック砲、発射!!」

 

「ま、まずい……!!」

 

必殺武器「トリプルメガソニック砲」が放たれる直前、咄嗟にマドカはドラグーンを幾つか分離し、オーにビームを浴びせて拘束を解いた。結果、トリプルメガソニック砲は何にも当たらず通過して行った。

 

「しまった……!」

 

「やるな。さすがは私達姉妹の希望だ、伊達ではない。が……私達とて死に物狂いで訓練に耐えた身だ。お前に勝利は与えん!!」

 

合流しながら言うと、エスは再び変形したオーの上に乗り、マドカに接近しながらクロービーム砲とシザースビームキャノンの同時攻撃を行う。

 

「それはこちらの台詞だ! 勝利するのは、私の方だ!」

 

連結したまま向きを変えて撃ったドラグーンビームとビームライフルを放つ。しかし2人は一度分かれて攻撃を回避する。そして一瞬の隙を突いてギガンティック・シザースで再度捕まえる。

 

「同じ手が何度も通じると―――」

 

「生憎、同じではないぞ!」

 

そこへエスがストライククローで攻撃し、更にビームサーベルで装甲を貫く。

 

「ぐぁああああああああああああああ!?」

 

「悪いね。まだ終わりじゃないんだ!」

 

最後にマドカを地面に振り落とすとシザースビームキャノンを撃ち込んだ。墜落したマドカは割れた装甲から血を滴らせ咳き込む。

 

「あ……がっ……!」

 

立ち上がろうとするが、倒れ込んで動かなくなってしまう。

 

「最早これまでだね…姉さん」

 

「ああ。だがこれ以上痛めつけるのは忍びない。せめてもの情けだ、痛みも感じさせず一瞬で葬ってやろう」

 

エスはMA形態になったオーの展開された砲身を持ち、エネルギーが溜まるまで待つ。

 

「これで終わりだ……「フッ、どうかな?」何!?」

 

その直後、マドカがドラグーンとビームライフルの銃口を全てエスとオーに向けた。

 

「バカな! 芝居を打っていたのか!?」

 

「ね、姉さん!」

 

「……マドカを撃つ!」

 

「!? でもまだチャージが!!」

 

「構わん!!」

 

戸惑うことなく、エスはトリガーを引きビームを発射した。

 

「させるかぁっ!!」

 

マドカも最大出力のビームを一斉に放った。互いのビームは途中でぶつかり合い、爆発を起こした。

 

「「「うわぁぁぁぁああああああああああああああああ!?」」」

 

マドカとエス、オーは爆風に装甲をボロボロにされながら吹き飛ばされ、付近に居たデストロイガンダムは二機とも巻き込まれて破壊されてしまった。マドカが起き上がった時には、ヴァサーゴとアシュタロンとデストロイの残骸以外何も見つからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁあああああああああああああ!!」

 

ピーの駆るバンシィ(デストロイモード)の「アームド・アーマーVN」が刀奈のゴールドフレーム天ミナに襲いかかる。

 

「くっ!!」

 

咄嗟にトツカノツルギで防いだ刀奈だが、4つの爪から発生する超振動によって粉々にされてしまう。

 

「何て威力なの……!」

 

「トドメだ! 食らえ!!」

 

今度は右腕の「アームド・アーマーBS」を発射する。精度はほぼ100%だったが辛くも刀奈はシールドで防御姿勢を取りつつ回避に成功する。しかしシールドの一部が焼き切れており、近くの建物や偶然巻き込まれたデストロイの一機が纏めて溶断されていた。

 

「まだくたばらないか! なら!」

 

(またアレが来るわ。一か八かの博打だけど、やるしかない……!)

 

アームド・アーマーVNで殴りかかるピーだが、刀奈は左手のトリケロス改を突き出し超振動で破壊される前にランサーダートを発射しアームド・アーマーVNをショート、爆破した。

 

「っ!? 貴様……!!」

 

ピーは再びアームド・アーマーBSを撃とうとするが懐に飛び込まれた刀奈のツムハノタチを引っかけられ、彼女の全力で引き千切られた。

 

「小賢しい真似を!」

 

しかしピーは両腕に装備されたビームサーベルをビームトンファーとして展開し、刀奈に斬りかかる。

 

「あら? 小賢しいとは、こういうことを言うのよ!」

 

言いながら刀奈が避けた瞬間、ビームトンファーが背後に居たデストロイを貫き破壊してしまった。

 

「何っ…がっ!?」

 

「そして貴女は、これで終わりよ」

 

マガノイクタチでピーを掴み上げエネルギーを吸収する。やがてバンシィはエネルギー切れで待機形態となり、その際のショックで気絶した生身のピーを刀奈は抱えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GNファングからビームが放たれ、オタワの大地を焼く。彰人はローリングバスターライフルで全機撃ち落とすが、アルヴァトーレには傷1つ与えられない。

 

「へぇ~、やるじゃん! ファングが落とされちゃったよ。でも私のバリアは貫通できなかったみたいだね」

 

「だが貫ける手筈はきっとあるさ!」

 

攻撃を避けながら彰人はゼロシステムでバリアを突破しダメージを与える手段を模索する。しかしマシンキャノンやビームサーベルはおろか、ツインバスターライフルでも破るのは不可能という結果が突き付けられた。

 

(不可能かどうか、試しにやってみないとわからないだろ!)

 

内心で叫びながら彰人はツインバスターライフルを最大出力で放つ。しかしエーは相変わらず無傷だった。

 

「無駄無駄無駄って奴だね。今のが君の必殺技なんでしょ? じゃあ私の勝ちは貰ったも同然―――」

 

「……果たしてそうかな?」

 

勝利を確信するエーの言葉を遮り、彰人は手に一本の刀……タイガーピアスを握った。

 

(出撃前に敵の本拠地に乗り込むならって箒ちゃんに託された時には驚いたが、まさか役に立つとは……心配性もバカにしちゃいけないな)

 

「実体剣!? 何でウイングゼロが!?」

 

驚くエーを余所に、彰人は一気に近づくとゼロシステムで探った効果的な場所を、タイガーピアスで素早く切り刻んでいく。それが終わった時、アルヴァトーレはバラバラになったが、中から人型のIS『アルヴァアロン』が姿を表した。

 

「まさかアルヴァトーレがやられるなんて……でも! このアルヴァアロンがあったことはさすがに見抜けなかっただろう! ここからが本当の戦いだよ!!」

 

「いいや。この戦いの勝敗は、既に決している」

 

彰人の言葉に「?」と首を傾げると、分割したバスターライフルを撃ってくる。すぐさま避けるがその先に向けて投げたビームサーベルがGNビームライフルに直撃、破壊する。

 

「うわっ!? くっ、この!」

 

慌ててGNビームサーベルを構えるが、その時には彰人に接近を許しマシンキャノンで蜂の巣にされ、ビームサーベルで斬られた後ツインバスターライフルをまともに食らった。

 

「あ、アルヴァアロンが……! 私のISが!?」

 

「お前の負けだ。しばらく眠っていろ」

 

ISが解除されたところに手刀を叩き込んでエーを気絶させると、降下して地面に寝かせた。丁度そこにワープした一夏が現れた。

 

「終わったか?」

 

「どうにかな。箒ちゃんの剣が無かったら、負けてたかもしれないが……」

 

「ともかくプロフェッサーが居る場所を探そう」

 

一夏の言葉に「ああ」と頷いた彰人だったが、その時彼らのISに何らかの情報が送られてきた。

 

「これは……敵の居場所までの正確なマップ? それもプロフェッサーが送り主だと……どういうことだ?」

 

「誘っているのかもな、俺達を……何にせよ進むしかない。行こう」

 

意を決し、彰人と一夏はマップを頼りにとある建物の地下駐車場へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見えたぞ!」

 

海面スレスレを進むガンダムエクシアリペアⅡ、アルケーガンダム、アカツキ(シラヌイ装備)はデストロイガンダムの部隊を目視できる距離まで移動した。

 

「2人とも、行くぞ!」

 

「了解だ、決めてやるぜ!」

 

「脱退したとは言え、後始末はつけさせて貰うわよ!」

 

それぞれGNソード改、GNバスターソード、ビームサーベルを構えるとデストロイ達へと向かう。デストロイ達はアウフプラール・ドライツェーンを発射して迎撃行動に移る。

 

「そんな攻撃で!」

 

千冬は背面のISコアをオーバーブーストモードに変形させると、GNソード改を居合のように構え、ビームの合間を縫ってデストロイの一機の横を一閃しながら通過した。瞬間、横一文字にデストロイは破壊され海に落下した。

 

「へっ! ちょいさぁ!!」

 

出力をアップさせたオータムは一機のデストロイの前にGNバスターソードを縦に構える。咄嗟に止まることができず、デストロイは自分のスピードを利用されてGNバスターソードで両断された。

 

「ハッ! ぶちのめしてやるのは気分がいいぜ!!」

 

一方スコールはビームを無効化しつつビームサーベルをデストロイの一機に突き刺すと、内部機関が丸見えになった部分にドラグーンを全て展開し近づけた。

 

「これで終わりよ、人形さん!」

 

ドラグーンを一斉射し、デストロイを海へ撃墜した。残る二機のデストロイは三機を無視してIS学園に向かおうとする。

 

「させるかっての!」

 

内一機はGNバスターソードの投擲で破壊されたが、一機は攻撃をかいくぐった。

 

「まずい! このままでは『心配要りません』…クロニクル? 何を―――」

 

『私に任せて下さい』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園のある島に辿り着き、MS形態に変形するデストロイ。クロエはそれに背を向けて立っている。

 

「終わらせます。この力で……!」

 

クロエは背中から巨大なカラフルな蝶の羽のようなものを発生させる。それにデストロイが触れた途端―――デストロイは砂のように消滅してしまった。

 

『な、何だ? 今のは一体……』

 

「くーちゃんはね。ISと一体化していてその力を直接使うことができるんだ。今のはくーちゃんのIS……『∀ガンダム』のアビリティ『月光蝶』だよ」

 

「今まで使ったことは無いんですけどね」

 

『月光蝶だと!? お前はまた恐ろしいものを……だが状況が状況だけに、怒るに怒れん……』

 

戸惑いを隠せず、千冬は大きなため息をついた。

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