東方閻鬼録   作:狛犬太郎

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 こんにちは!狛犬太郎です!

 今回で二十七話目となります。

 そして嬉しい事にお気に入り登録が30となりました!

 読者の方々誠にありがとうございます(*^▽^*)

 では今回も見て行って頂けると嬉しいです(^^)


お使いと永遠亭

 こんにちは皆さん、鬼道尚樹です。

 

 今俺が何をしてるかというと、まぁ付き添いだ。

 

 レミリアさんが発案した、「外になれさせるためにも

フランにお使いに行ってもらおう」と言うことでただいま付き添って来ているのだが………。

 

 フラン「………ねぇお兄様、ここどこ?」

 

 俺も分からん。

 

 さかのぼること2時間前………

 

 紅魔館でのアルバイトも最終日となった。

 

 初日はフランを外に出すためレミリアさんを説得したりした。

 

 二日目はまた今度話そう。

 

 

 

 尚樹「買い物………ですか?」

 

 レミリア「そう、フランが外にでても問題ないように練習として永遠亭まで買い物に行かせるからあなたも付いていってあげて。」

 

 永遠亭って言うと、あの永琳さんの所か。

 

 レミリア「今パチェの薬が少なくなってきたからそれを買ってきてちょうだい。普段は咲夜に行かせてるのだけど外に出るには丁度いい機会だし、よろしく尚樹。」

 

 あぁ、そんな事言ってたっけ。

 

 パチュリーさん、喘息持ちなんだったよな。

 

 尚樹「分かりました。じゃあ準備したら言ってきますね。」

 

 レミリアに背を向け歩き出そうとする尚樹にレミリアが声をかけた。

 

 レミリア「あぁそうそう尚樹?」

 

 尚樹「ん?なんですか?」

 

 レミリア「簡単に行けてもつまらないから、緊急事態以外は刀の力を使っちゃダメね。」

 

 尚樹「ギクッ!」

 

 あ、やっぱりお見通しですか………。

 

 レミリア「その様子だと図星のようね。昨日パチェの所で笑いながら本を読んでたものね。

その本の続きを読みたいから行きは歩いて帰りはフランに競争だとか言って早く帰ろうとしてたのでしょう?」

 

 ………一言一句その通りです。 

 

 そう昨日は、特に仕事も無かったのでパチュリーさんの図書館で発見した漫画を読んでいた。

 

 尚樹「え~、……なぜお分かりで?」

 

 レミリア「私の能力は運命を操る程度の能力、今私が何も言わなかったら尚樹のお望みの未来が来てたかも知れないわね。」

 

 苦笑いしかできない。

 

 尚樹「はぁ、分かりました。じゃあ今度こそ行ってきますね。」

 

 しかし再度レミリアに呼び止められる。

 

 レミリア「あぁ尚樹待ちなさい、それともう一つ。」

 

 尚樹「何でしょう?」

 

 レミリア「その……フランの事をお願いね。」

 

 普段のレミリアさんでは見られない一人の姉としての顔。

 

 この紅魔館の主として、どんなに気丈に振る舞ってもちゃんと妹の事も考えているのだ。

 

 尚樹「もちろんですよ。この身に変えても無事に連れて帰ってきますから!」

 

 レミリア「たかが買い物で大げさねぇ。まぁ頼んだわよ。もしフランに何かあったらあなたの血を全部吸い取ってあげるから。」

 

 …………最後の一言は冗談と受け取っておこう。

 

 俺はその後、フランに一緒に買い物をするため外に出ることを伝えるとフランはとても喜んだ。

 

 今まで外に出られなくて初めて見る外の世界だ。

 

 嬉しいだろうし、興奮を抑えるのも難しいだろう。

 

 その気持ちはよく分かる。

 

 だがフラン、

 

 フラン「やったあぁぁーー!!お兄様!!ついに!

ついにフラン外に出れるよぉぉぉーーー!!!」

 

 尚樹「痛い痛い痛いフランちょ、待っ、うわあぁぁぁーーーー!!!」

 

 嬉しさの余り俺をそのとんでもない馬鹿力で振り回すのは止めてくれ。

 

 尚樹の能力を使い、フランの狂気に刺激を与えるようなものの影響をうけなくし、ついでに吸血鬼の弱点とも言える太陽の光の影響も受けなくした。

 

 そして、買い物に向かったのはいいのだが………

 

 見渡す限りの竹林。

 

 フラン「………ねぇお兄様、ここどこ?」

 

 今に至る訳である。

 

 尚樹「あれ~、おかしいな?咲夜さんに書いて貰った地図だとこの辺りのはずなんだけど………。」

 

 どこを見ても竹、竹、竹なのでどこがどういう道なのか全く分からなくなる。

 

 現在時刻三時三十分、あんまり遅くなるようではみんなに心配かけるから出来れば早く帰りたい。

 

 とりあえずなんとしてでも永遠亭にたどり着かないとまずい。

 

 尚樹「フラン、こっち行ってみよう。」

 

 フラン「んー、わかった-。」

 

 そうしてしばらく歩いてみるのだが建物が見える気配は無い。

 

 尚樹「んー?どうなってんだ-?」

 

 フラン「お兄様ー、私疲れたー!」

 

 確かに疲れた。

 

 ひとまず休憩する事にし、再度地図を確認する。

 

 尚樹「はぁ、地図見ても今どこにいるかすら分からねーよ………。」

 

 思わずため息がでる。

 

 フラン「ねぇお兄様?お兄様って結構方向音痴?」

 

 痛いとこ突かれたなぁ。

 

 正直自分ではそうは思わなかったのだが旧都で迷った経験もあるから………。

 

 尚樹「うーんまぁそうかも知れないけど、この竹林は既に方向音痴の範囲を越えてる気がするよ。」

 

 フラン「まぁ確かに、私もよく分かんなくなるね。」

 

 あ~、旧都で迷った時の事が懐かしいなぁ……。

 

 勇儀さん、パルスィさん、元気にしてるかなぁ?

 

 …………パルスィさん?

 

 尚樹「そうだ!そういえば!」

 

 尚樹は突然立ち上がりポケットの中を探り始めた。

 

 フラン「どうしたの?お兄様?」

 

 尚樹「フラン、もうこれで大丈夫だ。これさえあればすぐに着く。」

 

 そう言ってポケットから取り出したのは一見どこにでも在りそうな鈴。

 

 フラン「鈴?」

 

 尚樹「あぁ、鈴と言っても特別な物でな。 これは『道しるべの鈴』と言ってな、道を教えてくれる素晴らしいアイテムなんだ!」

 

 フラン「へぇ~!凄いね!……ってそんな物持ってるなら最初から使ってよ!」

 

 ごもっともです。

 

 とりあえず鈴を使ってみる。

 

 使い方は、頭の中で行きたい場所の名前を思い浮かべてぐるっと一回り、行く方向に向いたとき鈴が鳴ると言う仕組みらしい。

 

 チリンチリンと音を立て方角を示す。

 

 鈴が鳴ったのは西の方。

 

 50メートルほど歩くと建物が見えてきた。

 

 あれが永遠亭だろう。

 

 尚樹「便利な道具だな、これ。」

 

 フラン「すぐそこにあったのにぐるぐる回ってたと考えるとアホらしいね。」

 

 尚樹「ああ、全くだよ。」

 

 そんな事言いながら永遠亭の戸を叩いた。

 

 尚樹「すいませーん!」

 

 はーい!と中から声がする。

 

 鈴仙「はいはーい、今開けますよー……え~と、どちら様で?」

 

 中からウサ耳?をはやした女の子が出てきた。

 

 尚樹「あー、レミリア・スカーレットさんに薬を買ってくるよう頼まれて来たんですが永琳さんいます?」

 

 鈴仙「お師匠様ですか?今丁度材料の調達に出てまして、もうすぐ帰ってくると思うので中でお待ちください。」

 

 礼儀正しい子らしい。

 

 お邪魔します。と一声かけ玄関をくぐり、その子に客間まで案内してもらった。

 

 風通しが良く、室内は適温であった。

 

 なんだか実家を思い出すなぁ。

 

 尚樹がそんな事考えているとコテンと肩にフランの頭がぶつかってきた。

 

 フラン「………あ、ごめんお兄様。私、眠くなってきちゃった。」

 

 そうか、元々吸血鬼は夜型だし、ここに来るまで歩き回ってるし、フランも疲れてるはずだ。

 

 尚樹「あ、永琳さんが来るまで寝てていいよ。」

 

 フラン「ありがと、お兄様………。」

 

 すぅすぅと寝息を立て眠ってしまった。

 

 するとお盆を持った鈴仙が入ってきた。

 

 鈴仙「お茶をお持ちしまし……あ、寝ちゃいました?」

 

 尚樹「あぁ、ちょっと疲れちゃったみたいで……。」

 

 鈴仙「じゃあお布団敷きますね、その体勢だと首痛めちゃうかも知れませんし。」

 

 確かに疲れてるだろうし、そうしてもらおう。

 

 尚樹「すいません、ありがとう。」

 

 布団を敷いて貰い、その上にフランを寝かせる。

 

 鈴仙「あ、申し遅れました。私ここで働いてます鈴仙

・優曇華院・イナバ(れいせん・うどんげ・いなば)と言います。鈴仙って呼んで下さい!」

 

 尚樹「よろしく鈴仙。俺は鬼道尚樹。今寝てるのがレミリアさんの妹のフラン、俺も尚樹って呼んでくれ。」

 

 鈴仙「もしかして最近新聞に出てた外来人って尚樹さんのことですか?」

 

 あぁ文さんの新聞か。

 

 尚樹「あぁ多分そうだね。」

 

 鈴仙「なるほど、この人が………」

 

 何やら小声で言っているが?

 

 尚樹「どうかした?」

 

 鈴仙「あ、いえ!なんでもないです!」

 

 何だろう?何か隠してるような気がするが………

 

 すると玄関の方からトントンと戸を叩く音が聞こえた。

 

 鈴仙「お客さんかな?ちょっと待ってて下さい。」

 

 パタパタと玄関に向かう鈴仙

 

 話し声が無くなった部屋は風に吹かれサラサラと笹の葉がよく聴こえた。

 

 あーなんか俺も眠くなってきたな………

 

 しかし、そんなまどろみを遮るように叫び声が聞こえた。

 

 鈴仙「きゃっーー!!」

 

 続いてドンッと鈍い音。

 

 尚樹は飛び起きると鬼道丸を引っ掴み玄関に向かう。

 

 尚樹「鈴仙!大丈夫か!?」

 

 鈴仙の姿が無い。まさか誰かに連れ去られたか!?

 

 慌てて玄関を飛び出す。

 

 鈴仙「尚樹さん!外に出たら駄目です!」

 

 えっ?鈴仙の声?下から?

 

 そして感じた浮遊感。

 

 下を見ると大きな穴がぽっかりと空いているではないか。

 

 ………そりゃないぜ。

 

 尚樹「うわあぁぁー!!」

 

 ぽよん

 

 ………あれ?あんまり痛くない?というか、ぽよん? 

 

 何やら顔に柔らかいものがある。

 

 ………まさか、これはっ!

 

 下から聞こえた鈴仙の声、穴に落ちた俺。

 

 恐る恐る顔を上げるとそこには顔を真っ赤にした鈴仙がいた。

 

 事態を理解した尚樹は思考が強制シャットダウン

 

 再び鈴仙の胸に倒れ込むように気絶した。

 

 てゐ「よっしゃ!今回も見事引っかかったな鈴………」

 

 端から見たら相当やばいシーンだろう。

 

 誰がこんな状態になっていると予想出来ただろう。

 

 この落とし穴の主犯者である因幡てゐもこんなこと予想出来なかった。

 

 第一彼女の想定では罠に引っかかっているのは一人のはずだったが、一人多い。

 

 そして胸に顔を埋めている状態。

 

 予想外のアクシデントに彼女が取った行動はただ一つ。

 

 てゐ「あ、お取り込み中すいませんでした。では私はこれで。」

 

 逃走、この手に限る。

 

 鈴仙「ふざけんなこのバカウサギがあぁぁー!!!」

 

 恥ずかしさを通り越して怒りに震える鈴仙の叫びを尻目にてゐは今日も竹林の中に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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