「東方閻鬼録」三十八話となります。
前回から二ヶ月近く投稿が遅れてしまい大変申し訳ありませんでしたm(_ _)m
テスト期間も終わったのでなるべく投稿早めて行きたいです(^_^;)
では「東方閻鬼録」見ていって頂けると嬉しいです!(^^)
鈴仙は尚樹を助ける為、博麗神社裏にある地底直結の縦穴を降下していた。
鈴仙以外にもちょっとした縁で行動を共にしている者が二人、地霊殿に住んでいる火車と八咫鴉だ。
本名はよく知らないがお互いのことをお燐、お空と呼んでいるのは先程耳にしている。
そしてこの地底へと繋がる縦穴が随分と長い。
本来であればもう少し早く降りられるのだろうが現在進行形で地底から出てきた怨霊がうようよしているのだった。
数はそれほど多くはない、しかしアレには毒素が含まれており、余り触れるのはよろしくないのだ。
弾幕ゲーム程ハードなものではないが、怨霊を避けつつ進む。
お燐「………う〜ん?やっぱり駄目だなぁ。」
少し困ったように首を傾げるお燐
鈴仙「どうしたんです?」
お燐「あー、あたいの能力のなんだけど、怨霊や死体を操ったり、話したりする事が出来るのさ。」
お空「お燐はこの能力を使って地霊殿の怨霊を管理してたんだよ〜。」
鈴仙は「へぇ〜これを管理かぁ………。」と呟く。
お燐「いやいや、コイツらの話はなかなか面白くてね、意外に楽しいのよ!」
花の異変の時に出会った三途の川の船頭も似たような事言っていた気がするんだけど…………。
まぁそれは今はどうでもいいか。
それより今気になっていることが一つ。
鈴仙「という事は怨霊と会話してここからどいてもらう事も出来たり………?」
それが出来れば移動がもっとスムーズになるのだが……。
お燐「それが全く耳を貸してくれないんだよ………。
話しかけても素通りさ。」
やれやれと言ったように肩を竦めるお燐。
お空「お燐、元気出して?ね?ね?」
心配そうに親友を見つめるお空にお燐は「お空ありがとね。」と微笑みかける
鈴仙「………やっぱり暴走した怨霊だと何かあるんでしょうね。」
お燐「かも知れないねぇ…………。」
そこで会話が少し途切れたのだがお燐がふと思い出したように口を開いた。
お燐「そう言えば鈴仙さん。」
鈴仙「鈴仙でいいですよ。で、なんですか?」
「おっけー!」と軽く頷くお燐
お燐「率直に聞くけど、鈴仙の想い人ってどんな人!?」
お空「あ!お空も聞きた〜い!」
…………へ?
鈴仙「…………な、ななな!何をいきなり聞いてくるんですかっ!?」
全く想定してなかった質問に動揺を隠せない鈴仙を見てお燐は更に追い打ちをかける。
お燐「いや〜、さとり様は見えてるみたいだけどあたい達にはそんなこと出来ないからね〜!本人からどんな人間か聞いてみたかったのさ!」
くっ!やっぱり主人があれだとペットもこうなの!?
鈴仙は心の中でため息つく、がこの二人がさとりのように心を読めなくて良かったと思うのであった。
あんなのが何人もいたら私のライフは既にゼロであろう。
落ち着け私、私はクールな兎。てゐのようなバカな兎じゃあない!!
鈴仙「………あの人を見つけられればその時にみれるでしょう?その時に見なさいよ。」
お燐「でもね〜、やっぱり見る前に本人の事をよく知っている人に話を聞いておいた方がどんな人か分かるじゃない?」
ずずいと二人が鈴仙に詰め寄る。
鈴仙「近い近い!!そもそもあなた達に話さなきゃいけない事じゃないでしょう!!」
その「聞かせてよ!!」みたいなキラキラした目をこちらに向けるのを止めなさい!!話しずらい!いや、話す気は無いんだけど!!
お空「えぇ〜!つまんな〜い!」
お燐「ちょっと位いいじゃな〜い!」
鈴仙「ちょ、まとわりつかないで!ただでさえここ暑いのに余計暑苦しい!と言うかお空、羽!!あなたの羽がバシバシ当たってる!!諦めなさいってもう!」
すると「えぇ〜」とか言いながら渋々離れていった。
お燐「鈴仙つまんな〜い」
お空「つまんな〜い」
鈴仙「つまらなくて結構ですよ〜、あぁ、あなた達がさとりみたいな能力の持ち主じゃなくて本当に良かったわ………。」
すると二人はこの言葉を聞いた途端、顔を見合わせニヤリと笑う。
お燐「あー、まぁ本人が話したくないと言うなら無理に話させるのも悪いですから、ねーお空?」
お空「うにゅ!そうだねお燐、良くないね!」
鈴仙「分かってくれましたか………。じゃあそろそろ………。」
底につく頃ですし気を引き締めて、と言おうとしたがその言葉はお燐の言葉に遮られた。
お燐「やっぱりさとり様に話を聞くしかないですねー。そして小説を書いてもらって出版しよう!」
お空「地上から地底まで私が空から色んな所に配るからみんなに見てもらえるね!!」
この二人………今なんて言った?
さとりに本を書いてそれをばら撒く!?
公開処刑なんてもんじゃないわ!!
鈴仙「あ、あなた達!いくら何でもそれは!!」
お燐「うーん、どうしようかなぁ〜?今この場で話が聞けるならさとり様に本を書いてもらわなくてもあたい達は満足するからそれで終わりなんだけどなぁ〜?」
お空「少し話してもらえればいいだけなんだよね〜。」
くそっ!余計な事言うんじゃなかった!
そう思っても祭りの後、選択肢は二つ。
一つはこの場で 二人に誰にも話さないことを約束し、話して後は黙らせる。
もう一つはここで黙秘権を行使してさとりに書かれた暴露小説を大量にばら撒かれる。
正直な事を言うとどちらも意味が無いのだ。
まず第一に後者は百パーセント無い。これを選んだら私はもう幻想郷では生きていけない。
だがしかし、前者を選んだとしよう。仮にもこの二人に話をしたとして誰にも話さないという確証はどこにも無い。
お空は約束の事自体忘れ誰かに話すだろうし、お燐の方は嬉嬉としてあの烏天狗にこの話をするだろう。
どうにかして打開策は無いものか…………ハッ!?
………………こうすればどうにかなるかも!!
鈴仙「………分かった、分かりました!話せばいいんでしょ!話せば!!ただし、条件があるわ!」
お燐「ふむふむ、その条件とは?」
鈴仙「ここでの話は誰にもしない事、そしてもう一つ!あなた達の好きな人の名前を教えなさい!それならいいわよ!!」
お空は「分かったー!!」と一言
お燐は少し考えた後、苦笑いしながら頷いた。
そして鈴仙は話を始めた。
数分後……………
鈴仙「………まだ話せるけどそろそろ着きそうだし、以上よ。とりあえず、凄くいい人って事だけは言っておくわ!ほら、約束よ。あなた達も話しなさい!」
恥ずかしさを紛らわすかのようにわざとらしく二人に話を振る。
お燐「はいはい、分かりましたって。そんなに焦らなくとも話すから。」
コホン、と軽く咳払いするとお燐は話し始めた。
お燐「………まぁ、最初からこんな事言うのも何だけどあたいとお空は好きな人が同じ何だよね。」
お空「うにゅ!」
お空も元気よく首を縦に振る。
ほほぅ…………三角関係ってやつですね。
どこぞの文屋じゃ無いけどいいネタになりそうじゃない。
鈴仙「へぇ〜、意外ねぇ………。取り合いになったりで喧嘩とかしないの?」
お空「たまーにあるよ!膝枕の取り合いとかで揉めたりしたことあったよね〜?」
膝枕っ!?膝枕って相当仲良さげじゃない!?
鈴仙「こ、告白とかは!?もうしたの!?」
お燐「そうだねぇ〜、あたい達が大好きって言ったら、向こうも大好きって言ってくれたね。」
一体どんな人なんだ………?もうお互いベタ惚れじゃない。
お燐「いや〜、初めてあった時からすごく優しくしてくれてねぇ〜。」
お空「私もよく羽根のお手入れしてもらってるんだ〜。」
お空は照れくさそうに「えへへ〜」とはにかむ。
鈴仙「じゃあその人の名前は………?」
そう、ここからが重要な所だ。ここで二人の弱みを握っておかなければ私の人生終了待ったなしになる。
お燐「一度しか言いませんのでよく聞いておいてね。」
お空「ちょっと恥ずかしいなぁ~!」
しかしそんな事言いながら二人は突然真顔になる。
鈴仙「そ、その人とは…………?」
お燐「その人とは……………。」
鈴仙「その人とはっ!?」
その時だけ時間の速さが遅くなった気がする。
まるで一分一秒が何倍にもなったような………。
そして二人の口が開き、その答えが明かされた。
お燐・お空「さとり様っ!!」
鈴仙「……………………………………へ?」
鈴仙は二人が何言っているのか分からないといった表情だ。
お燐「さとり様だけじゃなく、こいし様もお空も地霊殿のみんなあたいは大好きさ!!」
お空「私も私もー!!!」
仲良くじゃれあう二人をよそに鈴仙は細かく震えていた。
その異変に気が付いた二人は鈴仙に声をかけてくる。
お燐「ありゃ?鈴仙ー、どうしたー?」
お空「うにゅ?大丈夫?」
鈴仙「…………ふ………」
お燐「ふ?」
鈴仙の怒りが爆発した。
鈴仙「ふざけるなぁぁぁぁ!!!!!」
辺り一体に弾幕をばら撒く。
お燐「鈴仙!?お、落ち着いて落ち着いて!!」
鈴仙「こんなオチで落ち着けるかぁぁぁ!!!」
お燐「そうじゃなくって!!こんな所で弾幕ばら撒いたら…………。」
鈴仙「じゃあ私のこのやるせない気持ちをどこにぶつければいいのよー!!!」
その瞬間フッと鈴仙は後ろに気配を感じた。
怒りで我を忘れていたのでお空だと思っていた。
しかし…………
ふと右を見ればお空がいるではないか。
そして何故だか二人とも血の気が引いた顔をしている。
鈴仙「な、何よ?まだからかってるの!?」
この時から何となく嫌な予感はしていた。
けれどその嫌な予感を信じたくなかった。
お燐「いや、その………鈴仙、後ろ後ろ…………。」
ブンッブンッ!!と勢いよくお空も頭を縦に降る。
…………どうやら私の嫌な予感は的中してしまった様だ。
恐る恐る後ろを振り向く。
目先わずか三十センチ先に全長三メートルはあるであろう巨大な悪霊の姿があった。
鈴仙「…………き、きゃーーーー!!!」
驚きのあまりその場に固まってしまったが、突然ぐいっと引っ張られる。お燐とお空の二人だ。
その直後、ブォン!と凄まじい風が三人に吹き付けた。
どうやら悪霊が手でなぎ払った反動らしい。
お燐「逃げるよ!」
三人は全速力で縦穴を降下した。
幸いな事に出口まではおよそ二百メートル程、一直線でなければ追いつかれることも無いだろう。地底まで行って物陰に隠れながら上手いこと撒けばいい。
しかし事は上手く進まなかった。
残りわずか五十メートルという所で出口が黒く染まり始めた。
怨霊達が道を阻むように集まっているのだ。
お空「このままじゃ挟まれちゃうよ!!」
鈴仙「あれが集まる前に突っ切るしかない!!」
そうは言ったもののもう既に道は塞がれつつあった。
ここまで来たのに………。
悪霊はジリジリと距離を縮めてくる。
こうなったら出口の怨霊をスペルカードで吹っ飛ばして…………。
そう考えていた次の瞬間、怨霊達の中心から突然の爆発、そして何かが飛び込んできた。
少年だ。
少年は一瞬で鈴仙達を通り越し、悪霊に刀を突き刺した。
助けに来たはずが助けられちゃったなぁ………。
少し恥ずかしいけど来てくれて嬉しかった。
少年は刀を引き抜くと悪霊は形を失って霧散していく。
尚樹「大丈夫か鈴仙!?」
ヒーローは遅れてやって来るってことですね………。
それなら今出来る最高の笑顔で伝えよう………。
鈴仙「………勿論!遅いわよ尚樹!!」
そろそろこの章完結したいですがまだまだ話が長引きそうです。もう少し私のお話にお付き合い下さい(^_^;)
感想、評価、アドバイスなどお待ちしております(*^ω^*)