東方閻鬼録   作:狛犬太郎

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こんにちは!狛犬太郎です!

今回も魔理沙、華扇、文の視点でのお話となります。
事件が起きたあの日を知る華扇、真実を追い求める文、魔理沙は何を感じ、何を思うか。

「東方閻鬼録」四十一話目、見て頂ければ嬉しいです(^^)


酒呑童子の伝説 「偽」

魔理沙「酒呑童子?萃香の事か?」

 

この質問に答えたのは文だった。

 

文「酒呑童子、現在は萃香さんにその名前は継承されていますけど、この話は先代の酒呑童子、いわゆる萃香さんの父親の事ですね。」

 

魔理沙「ほー、そいつは聞いたことが無いなぁ。で、どんな話なんだよそれは?」

 

魔理沙が興味あり気な視線を文に送るが文は首を横にふる。

 

文「あやや、魔理沙さん、この話の情報は極端に少なくて私もそこまで詳しくなくてざっくりとした内容しかわからないのですよ。」

 

魔理沙「らしくないな?アンタのことならこの話に関わっていた妖怪達に話を聞いたりしなかったのか?」

 

文「勿論、聞きましたよ。でも、みんなその話はしたくないと。して欲しければ飲み比べで勝つことだ。って言われて何回か飲み比べしましたけどとてもかないませんから………。」

その話をした途端、文の顔色が少し青ざめたのが分かった。どうやらその飲み比べで相当飲まされたらしい。

 

文「それはともかく、華扇さんがどうしてこの話を?」

 

意表を突かれたのか華扇は少し慌てて答えた。

 

華扇「えっ?あ、あぁ、私の家も妖怪の山の中にありますからね!鬼とは顔見知りなんですよ。勇儀や萃香と知り合いなのもそれが理由です。」

 

文「ほうほう!御自宅は妖怪の山の中だったのですか!華扇さんの情報が少しずつ分かってきましたよ〜!!華扇さんが沢山の動物を飼っている事は耳にしたことがあるので結構大きなお宅なのでしょうねぇ!しかし、それほど大きなお宅ならこの射命丸文が見落とす筈が…………………」

 

魔理沙「あれはもうダメだ。完全に自分の世界に入り込んじまってる。」

 

華扇「………そうですね、先を急ぎましょう。」

 

マシンガンのように話し、自らの世界にトリップしてしまった烏天狗の記者を尻目に残された二人は先へ進む。

 

***少女移動中…………

 

文「置いてかなくてもいいじゃないですかぁ!!」

 

結局、文は途中で置いて行かれてることに気が付き猛スピードで追いかけてきた。

 

魔理沙「それは無理だ。お前完全にトリップして私達の声が届かなかった。仕方ない事だぜ。」

 

華扇「えぇ、人の家の詮索はするは話は聞かないはじゃあどうすることも出来ませんよ。」

 

うぅ………とむくれる文を放置し、魔理沙は華扇に改めて質問する。

 

魔理沙「で、結局どんな話なんだよ?その萃香の親父さんの話は?」

 

すると華扇は少し緊張した面持ちでゆっくりと話し始めた。

 

華扇「………あれはまだ鬼が地底に行かず、妖怪の山を拠点としていた頃の話。酒呑童子が全国の妖怪達を統一し妖の世を治めていた。妖の世を治めた酒呑童子は人の世もその手に治めようと山を下り人里で人を襲い、攫った。人間は鬼の脅威に怯え、怒りに震えていた。そして遂に一人の男が行動を起こした。朝廷から討伐隊が組まれるというのにそれを待たず、単身妖怪の山に攻め入り、知恵を駆使して、鬼をも酔わせる酒を酒呑童子に飲ませ、酔いつぶれた所を討ち取ったと言われている…………。」

 

そこで華扇の話は止まった。

 

魔理沙はあまりに呆気ない終わり方に拍子抜けしていた。

 

魔理沙「なんだよその話?それじゃあ萃香の親父さんは人の世に手を出そうとして人間の罠に嵌められて殺られただけじゃないか。」

 

文「私もそんな感じの話を人里で聞き込みしたときに慧音さんに聞きましたね。でもこれじゃあ酒呑童子の伝説と言うより、その人間の伝説じゃないですか?」

 

華扇はフーッと息を吐くと改めて話し始めた。

 

華扇「そうですね、この話は人里に伝わる酒呑童子の話。文さんも上白沢さんに話をきいたのでしょう?そう、これは人里用の話なのよ。」

文「と言う事は…………」

 

華扇「えぇ………この話の真実は今話した事と全く異なるわ。」

 

さぁ、少しだけ真実を語ろう。出来れば思い出したくない、あの時の話を…………。

 

私も何時までも逃げてはいられない。

 

華扇「ーーーー」

二人はこの話を神妙な面持ちで聞いていた。

 

文はこの話をある程度独自に調べていた様だからなんとなく感づいていたようだ。里で聞いた話の違和感があることに

 

文「やはりそうでしたか…………。変な話だと思いましたよ、あの後今まで山を治めていた鬼達が一言『山を出る』言って山を降り地底へと姿を消したと………。あの鬼がですよ?それも後から聞いた話があの話、腑に落ちなかったですよ。」

 

魔理沙「何だって鬼達は嘘の話を流したんだ?鬼ってほら………萃香とかがよく言ってるじゃないか?『鬼は嘘が嫌いだ』って………。」

 

この質問に華扇は少し俯き、一呼吸置くとゆっくり答える。

 

華扇「そうねぇ…………きっと偽の話を里に流した鬼にも何らかの事情があったのでしょうね。嘘を嫌う鬼に最初で最後の嘘をつかせる程の決心をさせる事情がね………。」

 

苦渋の決断だった………。しかしあの方から頼まれた最後の頼み。

 

そう、里に偽の話をしたのは…………………私だ。

 

 

 




今回と次回は「偽」と「真」というように分けてお話をさせて頂きます。

「偽」は今回の偽の話を、「真」の方では時代を巻き戻し、当時の華扇がその時見ていたもののお話になります。

お話を引っ張り過ぎて申し訳ないです。m(_ _)m
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