しかし、最初っから最強モノなんて面白くありません。
なので、最初は最弱という見掛け倒しの強さに設定しています。
どんな内容になるかは、流れに乗って書いていくのでほとんどプライスレスです。
それでは、ご覧くだされ。
その日は、きれいな満月だった。
縁側で、清酒を一口、未成年なのに飲んでいるのは、衛宮士郎だった。親父が死んでから、こうして月を見ながらの一杯は格別な一杯だ。酒屋でバイトしているので、その際に古くなったお酒は廃棄処分するのだが、その際に、四次元ポケットに格納して大量に押収しているのだ。
だから、うちの調理酒には、いつも日本酒が鎮座している。だからとても良い香りが料理に花を咲かせている。この四次元ポケットだが、アニメでこういうのを使っているのをみて、俺も使ってみたいなと思い、土蔵で妄想を具現化したら、できてしまったのだ。
衛宮士郎は、スタスタと土蔵に移動した。
その土蔵には、今までアニメやマンガにでてきたものを、俺の妄想具現化力で実物にしてしまったものが飾ってある。俗に言う、創っちゃいましたというものだ。最近は、レイジングハートという赤い宝石型の魔力宝玉みたいなものを創った。ギミックまでちゃんと具現化できており、ちゃんと砲撃タイプに変化する。それを俺は、飾ってあるところから、ポケットにしまいこんだ。
「レイジングハート、明日の天気はどうだ?」
"はい、明日の天気は快晴です"
iPhoneのSiri機能真っ青な魔改造を施した、特性のレイジングハートだ。このほかにも、空中にディスプレイを投影し、その場に簡易工房を展開できるようになっている。魔術師として、工房を移動できるのは無敵なことである。
「うーん。明日学校に行って、一成に頼まれたエアコンの修理をしなくちゃな」
この衛宮士郎は、ちゃんとした魔術、投影魔術、解析魔術も使える。しかもその精度は、複雑な機械までカバーしており、簡単な構造のものから高度な基盤をつかった精密機器まで修理することができる。もう業者レベルだ。それ故、学校の大半の設備の修理のバイトを担っており、酒屋のバイト以上のお金をもらっている。酒屋のバイトを辞めないのは、先述した通りの酒がいただけられるからだ。
「さて、晩酌の続きでもしようかな」
その日は、月が傾くまで晩酌を続け、夜23時になるまで続けた。そして眠りにつき、明日に備えた。
朝。衛宮士郎は、朝ご飯を三人分つくっていた。そこへ、
ピンポーン!
と、軽快な呼音がすると、一人入ってきた。
「先輩、遅くなりました!」
「おお、桜か。今日は遅かったな」
「すいません。ちょっと寝坊してしまったので」
こいつは、俺の後輩の間桐桜。俺が以前に大けがしたときに、面倒をみてくれた存在だ。あの時は、本当にまいったよ。大きな二つの揺れるモノが目の前にあったんだからな。妄想具現化力で、それを握りしめたい衝動に駆られたが、発動はしなかった。やっぱり、俺は年頃の男の子なんだよなぁ。
そんな妄想に没入し始めた衛宮士郎は、元の作業に戻り始めた。
「どうしたんですか?先輩。顔が崩れていますよ?」
「ああ、すまんすまん。ついいつもの癖でな」
「ご飯、途中でしたよね。続き創りますから、先輩はテレビでも見ててください」
「ああ、ありがとう。桜」
士郎は、テレビをつけて、アニメ専用チャンネルに変えた。そうすると、そこには、名探偵コナンがやっていた。すると、ちょうどその蝶ネクタイ型変声期をしていたシーンだった。
「お、これ創ってみようかな。これがあれば、悪戯がしほうだいじゃないか!」
この衛宮士郎は、やや腐っているところがあり、純粋な衛宮士郎とは予想しない斜め上を行っている顔がある。学校をずる休みすることはないが、学校で悪戯を実行することは多々あるのだ。学校の七不思議の考案者がこの衛宮士郎なのである。
夜遅くまで学校に滞在して夜な夜な学校の整備をしたときに、おもしろ半分で、ラジコンで人体模型の人形を動かせるようにしたり、全身写し鏡に細工して、電子広告型鏡に魔改造して、見えないものを写しちゃったり、と巧妙な悪戯を仕組んでいる。これをおもしろ半分でやってしまうあたり、慎二並にひねくれた性格をしている。普段はそうは見せない純粋なお人好しの性格をしているが、それは猫かぶりで、本来はこのような性格なのだ。
慎二とは友人同士で今もつきあっているが、慎二は、強気な場面を士郎には見せない。時折顔をもたげてくる士郎の本質に、恐れているからだ。だから、士郎に対しては、畏敬の念を抱いており、ジャイアンみたいなのび太と、スネ夫の関係になっている。
アニメが終わったくらいに、台所から料理を配膳する音がした。
「おっ!終わったのか。桜」
「はい。終わりました。ところで、先輩、調理酒が一本空になっていたんですが、昨日何か夕食で使ったのですか?」
「いや、なに、梅酒を作るために一本つかったんだよ」
「梅酒をですか?」
「そうだよ。藤ねぇが大好きだろう?藤ねぇのために仕込んだんだよ。方法は、酒屋でバイトしたときに、教えてもらったとおりにつくったんだ」
「そうでしたか。もしかしたら、一杯飲んでしまったのかと思っていました。すいません」
「まだ未成年だからな。飲んでいないよ。飲んだとしても、一杯が限度だろうな。以前、花見の席のために、清酒ゼリーをつくろうとしたときに、アルコールを揮発させる前に味見してしまったとき、ちょっと飲んだけど、その少しだけで酔っぱらったからな。俺は酒に弱いんだよ」
「そうなのですか。なら、安心ですね」
「じゃあ、朝飯にしようぜ?」
「はい!」
そして、数分時間がすぎたところ・・・・・・
ガシャン!パシィィン!
強く玄関の扉が開けられ、閉められたら、虎のお出ましだ。
「お、はよう!士郎、桜ちゃーん!」
「藤ねぇ、おはよう。早く食べないとなくなっちゃうぞ」
「藤村先生、おはようございます」
「おっ今日の朝飯は何かなぁー?」
今日の朝食は、ウドの酢漬けと、ベビーリーフの醤油ドレッシング和え、鰯のオリーブオイルの素揚げ、自家製たくあん、自家製の味噌をつかったキノコと大根の味噌汁、自家製ふきみそ、自家製のニラを使ったニラ玉、などだ。
衛宮庭には、家庭菜園があり、そこで大根、ニラ、大豆などの豆類、ほうれん草、ミニトマトなどたくさんの野菜が育てられている。季節の野菜を採取できるように、隣には小さなビニールハウスがあるほどである。お米は、学校の友人のツテで、直接農家よりやすい値段で購入しているので、お米以外は自給自足に近い生活をしている。
野菜とお米以外にも、衛宮邸には、柿、梨、リンゴ、金柑や蜜柑、キウイフルーツ、梅、など果樹も植えられており、季節に応じた収穫も楽しみである。裏庭には、孟宗竹も自生してあり、春になればタケノコもいただくことができる。豪勢な場所となっている。
「あ、藤ねぇ、梅酒を作ってあるから、今度の土曜日に取りに来てよ」
「おぉ!いいね。ありがとう。士郎!私、梅酒大好きなのよね!」
「熟成にはまだ時間がかかりそうだから、途中で飲むなよ」
「大丈夫よ。飲みはしないわよ。そこまでアル中じゃやないわ」
「なら、いいんだけど」
「先輩、ご飯、おかわりどうですか?」
一杯早々に平らげていたことを忘れていた。
「ああ、じゃあ、お願いするよ。桜」
「はい!」
朝食の時間が終わり、後かたづけに入っていた。俺と桜は、後かたづけをしていたが、藤ねぇは、居間でテレビを見ていた。テレビでは、十年前の大火災の慰霊祭が行われていた。
あのころから、もう十年が過ぎていたことを思い出した俺は、記憶の中に没入しはじめた。そう、あの災害から俺を助けてくれた、親父。俺に正体を打ち解けてくれて、魔術を教えてくれた時のことを。
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あれは、猛暑が続いた頃のことだった・・・・・・魔術を教えてくれる親父は一番輝いているように見えた。そんないつもの授業を聞いていたんだけど、あの時は居間でテレビを見ていたときに、こんな一言をかけてくれたんだ。
「士郎、士郎は、このアニメみたいに道具を具現化する能力があるかもしれない・・・・・・」
「ええ!?そんな魔法みたいな魔術があるのかよ、親父。だって一からには、一の魔術しかつくれないって言ってたじゃないかよ」
「いや、それは原則なんだが、士郎にはその原則を無視するような力が宿っているんじゃないかって思ったんだ。現に、昨日行った木の棒を強化する魔術を行ったが、あの結果、鉄と同等の強化をしたよな?あれは一見、強化に成功したと思われるんだけど、あの場所には鉄以外に強度のある物質がなかったので、鉄までしか試せなかった。もし、仮にそれ以上の強度を持っているのなら、話は違ってくる。土蔵に移動しよう。士郎」
「確かめるんなら、いいよ」
二人は土蔵に移動し、庭に落ちていた柿の木の枝を持ってきた。
「じゃあ、士郎、これを鉄以上に強化してみれくれ」
「うん、・・・・・・トレース・オン!」
士郎は、鉄より硬質な鋼に強化してみた。想像するのは錬鉄をし、練りに練った鋼の音。それに鉄を打ち付けて、鉄が砕ける音を体感した。キーンという高い音を出すその鋼を、ぬるりと木の枝に投入し、強化していく。
木の枝がみるみる打ちに、鋼色に変身した。
「お、成功だな、どれどれ見せてくれ」
「どうだい。親父」
「・・・・・・やはりな。士郎、君はここでないどこかから、エネルギーを吸収し、それを具現化しているようだ。強化の魔術は一時的に強化するものでね。こう時間がたてば、元の姿に戻ってしまうものなんだよ。それが、この強化では、時間がたっても劣化しないどころか、より強固になっているよだ。つまり、士郎の魔術は、魔法の域に達してるということだよ。これじゃあ、僕がもうこれ以上、教えることはないよ。まいったなぁ。ハハハ」
「具現化する能力に長けているってことは、戦隊番組に出てきたかっこいい武器も具現化できるってことだよね?!」
「そうか。確かにできるはずだよ。士郎。やってみるんだ」
先ほど、侍戦隊アサシンズにでてきた、レッドが持っていた赤い色をした長剣を士郎は、イメージしてみた。毎回見ている番組だ。最後の必殺剣であるそれは、おもちゃ屋で実際に持ったことがあるから、感触、形状はイメージできる。重さは、鉄の重量で換算している。イメージし、それを一振り、二振りしている自分をイメージした!すると、士郎の右手にその剣が具現化してきた。その剣には、扱う剣士に絶対の勝利を与える効果を付与された剣になっている。必殺の剣技であるから、そのような効果が付与されたらしい。
「できた!」
「な、なんてことだ。本当に具現化したのか・・・・・・士郎、君には天性の魔法が使えるようだね。驚いたよ・・・・・・」
ということがあった。あの時から、俺は、心に描いた妄想を具現化できる能力を持っていることが判明した。それから親父が死ぬまで、親父は僕に付きっきりで魔術を教えてくれた。
おもちゃを与えられた子供がはしゃぎだすように、親父は興味をもって接してくれた。そんな純粋に楽しんでいる親父を見ているのが楽しかった俺は、親父が喜ぶそんな姿を見たくて、強化。錬成の魔術にとことんのめり込んだ。ほぼ戦隊モノのあらゆる武器類は、投影できるということを証明した。
そして、伝説の名剣や武器類の投影にさしかかったとき、その日は突然に起きた。満月が美しい日だった。いつも、縁側にでては、親父と話をするのが日課だった。
「士郎、いままでありがとう。僕だけじゃあ、あの魔法の域に達することができなかったよ。これなら、僕の本当の夢を実現できるんじゃないかって思えたよ」
「親父の夢って?」
「ああ、僕の夢は、正義の味方になることだったんだ」
「そう」
「しかも、この願いは大人になるつれ実現が難しくなってしまってね、名乗ろうにも難しくなっていったんだ」
「・・・・・・じゃあ、俺がその願い、正義の味方になる願いを実現してやるよ。まだまだ若いし、実現する日も早いだろうから。この魔法の力で、正義の味方になってみせるよ」
「そうか。安心した・・・・・・」
それっきり、親父が目を覚ますことはなかった。先に魔法の世界に旅だった親父を問いただすことはしなかったけど、もっとかっこいい絶命をしてこそ、正義の味方じゃないのかって思ったんだ。
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんなことがあったな、と俺は思った。あのころから鍛錬をもっと重ねて、投影する対象の魔法効果、逸脱した異能の効果も付与することができるようになった。中には、危険な刀剣類もあったので、それらは具現化していないけれど、いつかもしものことがあったら具現化してみようかなっと思っている。
俺は、学校では、弓道をやりながら、剣道も掛け持ちでやっている。弓道は中るから、動作もすべてイメージトレーニングしてできるので、これ以上の鍛錬はする必要がなかったからだ。でも剣技は違った。剣道では、動く対象を確認して、的確に攻めていかなければならない。生きた人間同士で挑むスポーツであるから、毎回楽しみがあって楽しいのだ。
「先輩?・・・先輩!」
「・・・ああ、桜、どうかしたか?」
「先輩って、いつも心ここにあらずみたいに、思考に耽りますよね。ちょっと危険じゃないですか?」
「ごめん。考え込むとはまりやすいんだよ。没頭しやすいと言えばいいのかな」
「でも、そんな先輩のことは、大好きですよ。矢を射抜くときも、周囲が見えなくなるほど集中していますし」
「ありがとう、桜。そういってもらうと助かるよ」
「もう、片づけが終わりますね。早く学校にいきましょう。朝練に顔を出していかないとですから」
「そうだな。藤ねぇ!朝練に行こうぜ?」
居間でテレビを見ていた、藤ねぇがゆっくりと応答した。
「もう、そんな時間?って、そういや、テストの採点がまだ半分残ってたんだー。ごめん、桜ちゃん、朝練はお願いね。急いで行ってくるわ」
そういうかいなや、帰りの支度をすませて、すばやく衛宮邸を出て行った。
「また、藤ねぇ、ボケかましてるな」
「藤村先生らしいじゃないですか」
「確かに。じゃあ、俺たちもそろそろ出かけようぜ?」
「はい!先輩」
昼の弁当を作り終えた二人は、弓道部の朝練をしに高校に急いだ。士郎の左手甲に、不思議な聖痕ができているのを知らずに。
朝練を済ました、衛宮は、教室に来ていた。すると、朝練には出てこなかった、間桐慎二が話しかけてきた。
「やあ、士郎。ご機嫌麗しい天気だな」
「慎二、朝練出てこなかったのはどうしてたんだ?」
「いや、内密にしてくれよ。実は好きな子と一緒に下校していたわけだ」
「なに!?で、誰なんだよ」
「いやなに、フフフ。聞いて驚くなよ衛宮。それは、我が校の花形である遠坂凛だ」
「ちょっま、どうやって口説いたんだよ!」
「口説きはしていないさ。一緒に下校しったていっただろ?まずは軽い挨拶として、話したのさ。世間話程度だったがな」
「それでも、すごいじゃないか。容姿端麗の遠坂にアタックして撃沈した男の数は天文学的に膨大だっていうのに」
「そりゃな。僕みたいに数々の女性と交流を重ねてきたのは伊達じゃないんだ。女性に対する話術は心得ているよ」
「そうか。おれはからっきしだめだからな。そういうところ」
「何いってんだよ、衛宮。俺の妹、桜をメイドのように使っているじゃないか」
「メイドって!そんな風には使っていないさ!家族だよ」
「まあ、いいか。衛宮のおかげで、僕は家で安心して暮らしていけるんだからいいか」
「え?今、なんていったんだ?」
「独り言だよ。別に気にしなくていいだろう?」
「そうか。で、どうなったんだ?」
「最後まで、優等生ぶっていたよ。やっぱり僕では彼女の相手はできないらしい・・・あ!いいこと思いついた。衛宮、今度は君が遠坂に声をかけて見ろよ。何かが起きるかもしれない」
「って、そんなことできるか!」
「大丈夫だよ、衛宮。おまえならできるさ。遠坂攻略組の第一人者になるんだ!」
「なんだよ、その遠坂攻略組って?」
「え?言っていなかっけ?全校男子の注目の的である遠坂を攻略する、略して特攻組の団長がその僕さ。今まで振ってきた男子の怨念が僕をこの団長の席まで導いてくれたのさ。会員数150名に及ぶ大組織さ」
「それって、都市伝説じゃなかったのか」
「ああ、この僕が入学してから作り始めた組織だからね。よって、ここに宣言する。誓いをここに。この世すべての男子と共に。遠坂を振り向かせるために、この意、この身に誓うのならば、答えよ、衛宮、君は遠坂と知り合いになってくれ」
「なんだよ。それ。なんのアニメを見たらそんな台詞が言えるんだ?」
「厨二病のこの僕にこそ、できる芸当さ」
「おい、その言葉は自虐的に言うものじゃないぞ?(痛いなこいつ)」
「できるだろ?衛宮。君ならば」
「仕方ないな。帰りの下校の際に一声かけてみるよ」
「絶対だからな!?良い戦果を期待しているよ」
そして、夕方になり、気がつけば、一成の願いでエアコンの修理をするのを忘れていた衛宮は、素早く生徒会室に向かった。そこには、衛宮を待っていたのかの用に、柳洞一成が席に座っていた。
「遅いぞ?衛宮。仮にも君は生徒会・道具係なのだのに」
「一成、それは職務のための名前だ」
「さっさと仕事をしてくれたまえ」
「ああ、わかっているさ。ちょっと集中したいんで、席をはずしてくれないかな」
「そうか。ナイーブな作業だからな。あいと、わかった。しばらく外の空気でもすってくるさ」
一成は、外の空気をかぎに校庭に出て行った。
「まあ、ナイーブなことというか、人に見られちゃいけないってことなんだけどな」
士郎は、心の中のスイッチをオンにする。ここからは魔術師・衛宮士郎の姿が顕在する。士郎は、解析魔術を駆使し、問題の一ヶ所を見つけた。それを解決するには、魔力で部品を生成するほかないようであった。そこで、以前見たアニメで、錬金術で物質を生成することを思い出した。それを試してみることにした。
「空想を具現化することには、日本一だって、親父が言っていたな」
そして、手を合わせて構築式を心に思い浮かべ、近くにあったちりとりを手に取り、錬成した。光を放ったそれは、エアコンの送風弁の形状に形を変えた。
これを、交換すれば、大丈夫だ。士郎は、エアコンの送風弁を交換した。色もちゃんと復元しており、白である。すると、ちょうど一成が帰ってきた。
ガラガラ・・・
「修理できたか?衛宮?」
「ああ、修理できたぜ。送風弁が破損していたから、うまく動かなかったみたいだ」
「そうか。あい、ありがとう。修理代は、事務の方に言ってあるから、来週、職員室に寄ってくれ。これから夏を迎えるからな、エアコンの修理の仕事はたくさんくるだろうからな」
「そうか。なら、願ったりかなったりだよ」
「そらならいい。そうだ。衛宮。もうじき学校も終わる。一緒に帰らないか?」
「すまんが、一成、まだ先生から頼まれた仕事があるんだよ」
「そうか。ではまた来週お願いするよ」
「了解。一成。また来週な」
「ではな」
一成とわかれた士郎は、音楽室に向かった。天井埋め込み式のエアコンの不調があったからだ。普通は業者に任せるところだが、実績のある士郎に白羽の矢がたったのだ。というか、毎回フラグがたちまくりだ。
どこから修理部品を調達しているかは、学園七不思議の一つとして伝説化している。修理屋・衛宮にはなんでも修理できるということだ。彼は将来、有望なエンジニアになるだろうと教師から言われているほどだ。噂によると、教師が乗り入れている車さえも修理したという噂までもある。彼には、苦手な修理対象などがない。
「さてと、部品の錬成ができたら、それをはめて今日は終了だな」
脚立に乗りながら、手を合わせて、空気中の塵から、ネジを錬成した。それを、ネジが欠如している場所にはめ込み、無事に修理し終えた。テスト運転するために、校庭側のエアコンのコントローラーを見に行こうとしたら、校庭から何か剣があたるような音がした。
そして、ふと、校庭を見ると、すっかり暗くなり、何も真っ暗で見えないが、時折、月夜に光り輝く、青と赤の人影が見える。一体は、長い赤い槍を持ち、もう一体は、双剣を両手にもち、赤い軌道を見せつつ、カウンター戦法をしている。
「なんだよ、あれ・・・」
衛宮は、危険を意識し、念のため、近くにあった椅子を媒介に、アルター能力で自身の身体を大幅に強化した。そして、心に埋め込んだ核鉄より、一番気に入っている、名剣である干将・莫耶を出現させ、腰に携帯した。そして、四階の教室から、校庭近くに降り、接近した。
音楽室から見ていた剣戟の通りに、赤と青の戦いは、終わることなく続けられていた。彼らからあふれ出る膨大な魔力は、あれが人外の存在だということが見て取れた。
「あれは、もしかして、サーヴァント?」
そういうかいなや、士郎は、足元にあった小枝を踏んでしまう。
バキッ!
「誰だ!?」
青い存在が士郎の方を見た。
<やばい!見られた!全速力で逃げなきゃ!>
衛宮は、俊足で校舎の中に一目散に逃げていった。
「なんちゅう早さだ。まさか、魔術師か。赤いの、今日の戦いはまたこんどにしようぜ?聖杯戦争のセオリーとして、関係者以外の者がいた場合、息を止めるというのが方法だろうからな」
士郎の後を追いにランサーは士郎の俊足以上の早さで校舎の中に消えていった。
「くっしまったぁ!校舎にまだ人がいたなんて!」
「にしても、あの早さならば、追いつけまい」
「なに、すっとんだ意見を言っているのよ!私たちも向かうわよ!」
「了解した」
そして、校舎の裏門から竹林に逃げた士郎は、体を強化しているとはいえ、さすがに休んでいた。
「はぁ・・・はぁ・・・あれは、何だったんだ。人じゃなかった。あれがサーヴァントというやつなのか。確か青いやつが俺を追いかけてきたな。でもここは竹林だ。音は消えるし殺気も届かない。うまく巻いたか・・・・・・?」
すると、竹林の出口付近に影が差した。それは、ゆっくり近づいてくる。
「てめぇ、俺より走るのが早いんじゃねぇのか?やっぱり、魔術師か。そうじゃなきゃあ、あそこからここまで呼吸もせず走り抜けるはずがないからな」
「おまえは、どこの英霊だ!」
「ほほう。俺がサーヴァントであるということは、理解しているようだな。ということは、マスターになるかもしれない魔術師か。でもあいにくまだサーヴァントをつれていないようだな。残念だったな、坊主、おまえはここで死ぬんだからな!」
ランサーの宣言と同時に、槍が士郎の心臓に刺さる。
「えっ・・・」
声なき声で、士郎は、自分の身に起きたことを考える暇がなかった。サーヴァント並に強化しているはずの自身の体が、いとも簡単に心臓一突きになっていまうとは。やはり、実戦経験がない魔術師には、これが限度であったようだ。
「死人に口無しってことでな、悪いが、この心臓はいただいたぜ?」
そして、ランサーはまたその俊足で学校内から出て行った。士郎は、息絶え絶えで、ぼんやりしている。そこに誰かが寄ってきた。
「ど、どうして、あんたが、あんたが・・・・・・これで!」
赤い外套の魔術師は、一番大事にしている赤い宝石を士郎の心臓に振りかざし、治癒魔術を公使した。その宝石は先代の魔術師が魔力をため込んできた、大事な宝石である。それを、目の前の瀕死の士郎に使っている。これはもうやけに等しい。その治癒魔術が終了し、使い終わったばかりに、そのペンダントを彼の胸元におき、静かに立った。
すると、先ほど青いやつと戦闘していた赤いサーヴァントが魔術師の元にやってきた。
「すまないが、ランサーは俊敏故に追いつけなかった」
「そう。了解したわ」
「にしても、マスター、君は、本当にうっかりだな。このために大事な宝石を使ってしまうとは」
「・・・いいのよ!これは決めに決めた決断だもの。後悔なんてしていないわ!」
「そうか。なら、その生徒が起きる間まで、待っているのか?」
「なんで?立ち去ればいいじゃないの」
「君な、一度殺された存在が、生きていましたなんて、わかったら、また殺しに来るだろうが」
「あ、そうか!」
「まったく、凛、そのうっかりはどうにかしたまえ」
「いいじゃないのよ」
「にしても、この少年・・・!この武器は!?」
「どうかしたの?」
「いや、ふむ。おもしろい時代に呼び出されたようだな」
「なに、ぶつぶつ言っているのよ。彼が起きる前に、彼を安全な場所に運びましょう。彼のマイホームがいいわね」
「ふむ。仕方ないか。やれやれ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
<俺は、どうなったんだ?俺は、確か、校庭で戦っている二人組に見つかって、竹林まで逃げて、そこで人外に心臓を一突きされたような・・・それから、どうなったんだ。おれはまだ生きているのか?>
士郎は目を覚まし、いつもの俺の家の天井に目を向けた。
「ん・・・?知っている天井だ」
「ようやく起きたようね」
「ん?誰だ・・・・・・?」
まだ完全に目の焦点があっていない目で、隣に座っている女性の声に反応した。どこかで聞いたことのある声立った。たしか、慎二が昼間、どうとかで話した存在だっだような。
「って!・・・・・・遠坂じゃないか!」
<まずい、何がどうなっているのかわからない。なんで、俺んちに俺が意識が無い間にここにいて、あまつさえ俺とと、遠坂がいるんだ???>
「なんでって、顔しているわね?」
「あ、ああ、だって、ここは俺の家なのに、なんで、遠坂がいるんだよというか、なんで俺は生きているんだぁ?」
「あら、ちゃんと死んだ時のことは覚えいるんだぁ。安心したわ」
「死んだ?って、何で生きているんだよ」
「あなた、魔術師でしょ、衛宮君」
「ああ、そうだよ。専門特化になりすぎて、一般魔術はからっきしだめだけどな」
「そう。なら、話が早いわね。今、この冬木市で起きている戦争のことは理解しているわよね」
「ああ、聖杯戦争だろう?親父から詳しく聞かされたよ。一つの願い事を実現するために、七人のマスターが、七つのクラス内、それぞれが一体のサーヴァントを使役し、最後の一人になるまで殺し合うって」
「パーフェクト!ところで、今のあなたの状況は理解できる?」
「?」
「ちゃんと理解できたら、あなたにこれから起こることに対して、協力して対処させてもらうわ」
「確か、聖杯戦争のセオリーは、目撃者は殺せだったな・・・・・・あ・・・・・・もしかして、俺を殺そうとするのか、遠坂が・・・・・・?」
「勘違いしないで!私はあなたを"まだ"、消さないわよ。まだ聖杯戦争に参加していない奴だし、大切な人だし、マスターになんかなっていないなら、倒す必要性がないじゃない」
「その動機はなんなんだよ。遠坂。俺だったらとうに息を絶えさせているんだが」
「だ・か・らそういうことには興味ないの!有効に使える駒があるのなら、私はそれをすり切れるまで使うわ!」
すると、いきなり士郎の目の前にサーヴァントが出現した。
「凛、そんな得体の知れないマスターもどきを味方に引き込むのならやめておけ」
「なによ、アーチャー」
「そいつは、ランクこそ低いが、宝具を投影している」
「えっ・・・宝具を投影って、そんな生やさしい魔術じゃないわよ?ただの見間違いじゃないの?」
「やつが竹林で発見されたときに、腰にあったものが宝具だった」
「と、言うことは、もしかして、衛宮君、あなたもうマスターなの?」
遠坂は、一気に姿勢を戦闘態勢に構えた。
「なに言ってんだよ、アーチャー。手負いの俺をここまで背負ってきたなら、わかるだろう?その間、誰も来なかったじゃないか。もし仮に霊体化したサーヴァントがいたのなら、攻撃をしていただろう。マスターの命が危ないんだからな。さっきの宝具、干将・莫耶は投影したようなものだ」
「宝具ではないだと!?では、何なのだ」
「何、熱くなっているのよ、アーチャー。でも魔術師が仮にも伝説上の刀剣類を投影できるっていうことは、並外れた魔力量を有しているのかはわかるわね」
「そんなことより、俺はもう一度死んだ人間だ。そのランサーだっけ?そいつがまた来るんだよな。そいつを迎撃するのがこれからすることだろう?その話はその後、いくらでもしてやるよ。ということで、一時休戦っていうことで、いいだろう?遠坂」
「仕方ないわね。いろいろ問いつめてみようと思ったけど、一時休戦ね。普通、マスターになりそうな奴がいたら殺していてもおかしくないんだからね!」
「じゃあ、早速戦闘モードに切り替えますか!・・・トレース・オン!」
三人は、表の庭に出た。迎撃するためである。
衛宮士郎は、自身の肉体をサーヴァント並に強化した。外見からはわからないように、魔術的細工をしている。そして、手に心臓の核鉄を発動させて、干将・莫耶を出現させた。
それを見た、アーチャーは、
「ふむ。やはりそれは投影ではないな。衛宮士郎」
「気づいたようだな。だが、それは後でじっくりレクチャーしてやるさ!」
「誰かが、近づいてくる!」
遠坂が言い切った丁度に、青い存在が、闇夜に敷地内に降り立った。
「おい、おい、なーんでてめぇらが、目撃者の味方をしているんだよ。まさか、身内だったなんて冗談は無しにしよーぜ?」
「そうよ。彼は私の弟子。だから蘇生魔術を公使して、生きているのよ」
「なんだよ。まーいっか、同じ日に同じ人間を二回またヤればいいんだろうからな」
「アーチャー、あなたの力、ここで示して!」
「了解した!トレース・オン!」
アーチャーは、両手に初めて干将・莫耶を投影した。
「え?」
「は?」
遠坂と士郎が驚くのも当然であった。
「何をぼさっとしている!二人とも!背後からの迎撃準備をしろ!」
「りょ、了解したわ!・・・・・・フィンをくらえぇぇ!」
呪いの一撃を遠坂はうちはなった。しかし、ランサーには何かしらの魔術が使われているのか、矢除けの魔術なのかはわからないが、すべてを槍で相殺した。
「なんて、耐魔力体質なの!」
「次、衛宮士郎!その武器を投剣しろ!」
「はぁぁぁぁ!!」
士郎が投げた双剣は、弧を描くように互いに引き合い、交差する地点にランサーをとらえて迫り来る。
「ふん!そんな攻撃、蠅を見るがごとくだ!」
ガキン!
ランサーの一振りでその二つをたたき落とした。ランサーの槍術はとても精度の高いものだった。魔術師にはこれが現界なのだろう。そしてアーチャーが動いた。
「はぁぁ!」
アーチャーとランサーの剣戟が始まった。互いの己の得物ですべての攻撃を相殺した。一歩も引かない戦闘である。
「にしてもなぁぁ!どこの世界に双剣で戦える弓兵がいるんだぁぁ!?聞いたことねぇぇぇぞ!」
「ふむ。だが、ランサー、君はわかりやすいな。赤い魔槍を持ち、最速で動き回り、ルーン魔術を駆使する槍使いはそう多くはいない。アイルランドの英雄であることは、推測がつく」
「くっ!感づかれたか。なら、俺の正体も想像しやすいだろうな。なら、俺の渾身の一撃、手向けと受け取れ!」
周囲の魔力がランサーの宝具に吸収されていく。
「やばい、凛、やつは宝具を繰り出す気だ!」
「それは、わかっているわよ!相殺するような手段はないの!?」
「あるには、あるが、仕方ない。防御の構えをしろ!」
「ゲイ・・・ボルグ!」
「ロー・・・アイアス!」
同時に攻撃した。どんなものでも貫く槍の一撃に対し、どんなものでも防御する最強の盾をアーチャーは発動させた。花びらのような防御片を一枚、一枚、消されながらも、すべてを防ぎしのいだ。
戦闘が終了した。
「くっ・・・俺の必殺のゲイボルクを防いだな。貴様!」
「ふー。ということは、君はクーフーリンか。なるほど。全力のアイアスの花びら最後の一つまで消費する寸前の攻撃だったわけだ」
「貴様、本当にどこの英霊だよ。弓兵が最強の盾を有するものか!」
「それでどうするのだ?正体がわかれば、こちらとしても楽に倒せる算段はあるのだぞ?」
「仕方ねぇ。本当なら戦闘を継続するものだが、あいにく俺のマスターは及び腰でな、必殺の一撃が破られたのなら帰ってこいだとよ。ではまたな」
素早くランサーは衛宮邸から退散していった。
「ふむ。ところで、凛、これからどうするのだ?」
「・・・・・・」
「凛?」
「あ、そうか。衛宮君のことをどうにかするんだっけ」
「俺のこと?」
「だって、さっきは戦闘が避けられないから、一時休戦ってことにしたけど、あの台詞じゃあ、まだ戦いは無いもの」
「じゃあ、俺がまた遠坂の弟子ってことで、永久的に戦わないことでいいじゃないか?」
「それも考えたけど、あなたが本当にマスターにならないんなら考えてもいいわよ。でも、あなたはまだマスターになる可能性がある。仮にマスターとなって、アーチャーより弱いサーヴァントを召還したのなら、殺させてもらうわよ?」
「あ、あぁ、了解した。アーチャーより強いサーヴァントを召還すればいいんだな?」
「そうよっと、そんなに簡単なことではないのよ?媒介はどうするのよ」
「それは、この己自身だ」
「なによそれ!冗談じゃないわよ!」
「べつにいいだろう?俺が召還するんだから、それでアーチャーより強いサーヴァントをようは、召還すればいいんだから」
「そうだけど・・・」
士郎は、土蔵に入っていった。そしてこっちに来いよという仕草をしてきた。言われるがままに、入ってきた凛とアーチャーは入るやいなや絶句した。それもそうだ。所狭しと掲げられた刀剣類の数々。なかには、爆撃兵器など、現代武器も多くある。
「何・・・よこれ・・・宝具ばかりじゃないの!」
「いや、これらはすべて投影品だ。ランクも低いしな」
アーチャーは、飾ってある刀剣類を直視している。まるで鑑定するような目つきで。
「どうしたんだ?アーチャー。なにかおかしいものでもあるのか?」
「ふむ。衛宮士郎。おまえは何者だ?」
「俺は、俺だよ。衛宮士郎だ。それ以上でもそれ以下でもない」
「そうか」
「ここが、衛宮君の工房で間違いないのね?」
「ああ、正確には、工房の一つだよ」
「一つ?といことは、携帯用の工房があるのね?」
「ああ、そうだよ。レイジングハート」
"イエス・マスター"
「えっ?マスター?って、サーヴァントの気配がないけど・・・」
「ああ、これはな、インテリジェントデバイスっていう代物だよ。これも投影品だけどな」
「何よそれ、そんなおもちゃみたいなものでも投影できるの?」
「おもちゃじゃないぞ。列記とした、最新コンピュータデバイスだぞ?」
「私、機械のことはからっきしだから。アーチャー、あなたはわかる?こういうの」
「ああ、少しは教養がある。どれどれ、見せて見ろ衛宮士郎」
「ああ、手荒に扱うなよ」
ポケットにしまい込んであったレイジングハートを、士郎は、アーチャーに手渡す。
「トレース・オン・・・・・・」
アーチャーは魔術解析をしてみたが、解析不能となった。
「ふむ。魔術系統のものではないな。解析ができん」
「そうだろうよ、それは科学的に成長した魔法世界の代物だからな」
「なによそれ。平行世界の兵器でも投影したの?」
「いやアニメの設定だ」
「あ、アニメ??なんなのよ!」
「俺の魔術特性は、妄想を具現化する程度の能力なのさ。じゃあ、さっそく召還するぜ?」
「見せてもらうわよ、衛宮君のお手並みを拝見させてもらうわ!」
「来い!俺のサーヴァント!」
その発言に呼応したのか、床に記載されてあった魔法陣が光り輝く。すると、人型が出現したかと思うと、アーチャーめがけてそれが突進する。その一瞬を判断したアーチャーは、庭に待避した。そして、接近戦をしているかのようだった。
ガキィィィン!キィィィン!
「ちょっと、大丈夫?!アーチャー!・・・ちゃんと制御しなさいよ、衛宮君!」
「敵と判断したんだろう。当然か。ではどんなサーヴァントかな」
庭に移動した、二人は、それを見た。
それは、二振りの日本刀を操るが、西洋鎧の出で立ちをした銀髪のサーヴァントであった。対するアーチャーは、干将・莫耶でその剣技を受けている。しかし、剣技は緑色をしたサーヴァントが優勢だった。すると、緑色のサーヴァントが距離を保つと、宣言した。
「幽鬼剣"妖童餓鬼の断食"!」
宣言したかとおもと、魔力弾のようなものをアーチャーめがけて放った。その弾幕は密でとても避けられるものではない。
「あの技は!」
「どうしたの、あのサーヴァントがどうかしたの?」
「あぁ、あれは、確かにセイバーなのか、もしかしてシューターかもしれない!」
「そんなことより、早くサーヴァントを押さえて!」
「ああ、このサーヴァントは・・・・・・セイバー!戦いを中断してくれ!」
すると、セイバーの弾幕が消失した。
「なぜ。戦いを中断するのですか?マスター?」
「相手のマスターとサーヴァントとは、一時休戦をしている。戦う必要性はないんだ」
「そうですか。ならば、戦いはまた、今度にしましょう」
セイバーは戦闘態勢を解除した。
「で、どうするのよ、衛宮君?一時休戦じゃなくて、同盟関係にならない?」
「いいのか、遠坂?それは願ったりかなったりだな」
「凛!そいつと組むのか?得体のしれないそいつと!」
「いいじゃないの、彼とはいい共闘関係になりそうだし、こっぴどくいろいろ根ほり葉ほり質問してみたいことがたくさんあるし」
「そうか。考えがあるのならば仕方ない。現界までぶち切るまで、容赦する必要はないぞ。凛」
「わかっているわよ。手加減は必要ないわね」
「おいおい、アーチャー、遠坂、俺はこれでも人間だぞ?そこまで聞かれたら精神的にどうにかなりそうじゃないか・・・」
「大丈夫だろう。さきほど言っただろう?妄想を具現化するとかうんたらかんたらと。ならば、妄想してみるがいい。自分が勝てる最強の状況を」
「覚悟はいいわね?衛宮君?」
そんなマスターの危機的状況に際しても、サーヴァントであるセイバーは、どこから出したのかわからないが、剪定ばさみを垣に対して剪定していた。
「セイバーで、いいのだな?」
「何ですか?アーチャー?」
「不躾だが君はどこの英霊なのだ?日本刀を持ち、接近戦でくると思えば、中距離戦である弾幕を放つことができる。そのような英霊を私は知らない。もしかして、衛宮士郎が言うゲームの世界の登場人物なのか?」
「いえ、あなたほどの英霊なら、一度は聞いたことがあると思いますが、私は幻想郷の住人です」
「な、何?幻想郷だと・・・私も一度しか聞いたことがないが、失われた魔術やあらゆる存在が最後に行き着く場所としか聞いたことがないぞ?」
「その存在です。私は。しかしなぜかこの聖杯戦争にサーヴァントとして呼び出されました。なぜ、どうなって呼び出したのかはわかりません。そしてセイバーとしての素養は私にはありますが、むしろシューターとしての素養が一般的である幻想郷ですので、セイバーと呼ばれたのが一安心しているところですよ」
「そうか。了解した。俺は、遠い未来の日本出身の英霊だ。真名は語れないが、そっちのマスターの衛宮士郎と同じく投影魔術に秀でている」
「そうですか。刀剣類を扱うことができるのですね?」
「ああ。剣というものならばあらゆる技法を駆使することができる。剣に特化した英霊だな。魔術と言っているから、元は魔術師だった過去を持っている」
「ほう。先ほどの焼き直しではないですが、一戦またまみえたいものです」
「それはいいが、さきほどから、剪定しているのは、なんだ?」
「これはですね。私の趣味です。幻想郷にいた頃は、庭師兼剣士として振る舞っていたものですから」
「そうか。なら、次は後ろで質問責めにあっているマスターの補助をするんだな」
「あ・・・・・・そうですね」
背後では、特異な魔術を使う衛宮士郎に、凛が質問を浴びせている。答えられることは、答えているようだが、すべてを打ち明けるほど、素がまじめではない、衛宮士郎なので、彼の秘密の奥の秘密の質問はゆらりと回避しているようだ。だが、説明にならない抽象的な表現が多く、凛の怒りの火に油を注いでいる。
「凛、それほどにしておけ。手のひらをまだ差し向けていないとはいえ、それほどの質問をしたんだ。もう成果物はたっぷり得ただろう?」
「そうです。アーチャーのマスターよ。それ以上は可哀想です」
「はぁー。はぁー。そ、そうね。ちょっと力がはいっちゃったけど、今日はこれくらいにしておくわ」
「ふー。やっとおさまったか」
「な・に・?もっとやっていいのかしら」
「いや、もういいんだ!遠坂。もうこりごりだよ」
「そう。また明日があるものね」
つくっちゃいましたね。東方とFateの合作をうまい具合にやりたくてうずうずしていたのですが、なんとなくできました。結果、多重クロスオーバーになってしまいましたがね。良いですよね。最近は、多重クロスオーバーなんて珍しいこともないですし。
この作品は、実験的なものが主眼となっているので、たくさんの作品をクロスさせていく方針です。でも10以上の作品にはならないので、ご安心ください。今のところ、8つですね。コレ以上は増えない程度に、それぞれの作品から出していきます。ネタを。
じっくりとゆっくりと。
以下にクロスさせた作品を列挙します。
・武装練金
・スクライド
・鋼の錬金術師
・ソードアートオンライン
・東方projectシリーズ
・艦隊これくしょん
・Fateシリーズ
・魔法少女リリカルなのはstrikers
これだけでも圧倒的なボリュームですね。また、実験的な作品なので続くは未定です。一万文字以上を突破させないと説明で終始してしまうので、こうなりましたね。これからもよろしくお願いします。
追記:次回以降から8つを軽くオーバーしてしまいました。残念!